日本化学療法学会雑誌
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50 巻 , 5 号
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  • 河上 牧夫
    2002 年 50 巻 5 号 p. 247-258
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    感染とは, 次序の異なる生物体相互の相克の姿で, その過程は共存許容性によって大きく決定されていく. これを被感染者側の個体レベルで眺めると, 一種の避腸的消化の一型で, その永年の相克過程のなかで腸管系を軸に炎症性器官が進化してきた. 一方, マクロファージの貪食能を支援強化する形でその後の細胞分化の展開があり, 前者との問に下部と上部の対感染機構の構造化を成し遂げている. 感染像は異常なまでに個別性が大きいが, こうした上部構造の複雑系にその理由が内蔵する. それらを終局的に規定しているのは長い進化のなかで組み上げられた対感染機構の弱体化にほかならない. 化学療法は以前の輝かしい成果の陰りが, 1980年以降目立ちつつある.
  • 石井 良和, 馬 霊, 山口 惠三
    2002 年 50 巻 5 号 p. 259-265
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1998年に臨床材料から分離された菌株を用いて, cefebpimeをはじめとするβ-ラクタム薬間での感受性および耐性菌の出現状況を把握する目的で, 全国レベルで疫学調査を実施した。1997年に実施したサーベイランスに参加した22施設が前回と同様にEtestを用いて, それぞれの施設から分離された10菌種, 各10菌株に対する薬剤感受性試験を実施した。グラム陽性菌としてoxacillin感性Staphylococcus auteusではceftazidimeおよびcefpiromeを除き耐性菌の出現は認められなかった. またコアグラーゼ陰性staphylococciでは, ceftadizimeを除き耐性菌の出現は認められなかった. Eschetichia coliにはpiperacillinに対する耐性菌が12.6%存在したが, そのほかの抗菌薬に対する耐性菌は認められなかった.Klebsiella spp. に対しては, cefbpimeおよびimipenemに対する耐性株は認められなかった. Citrobactet spp. にはcefbpimeおよびimipenemには耐性株が認められなかった。Entetobacter spp. にはimipenemおよびcefbpimeが0.5%の割合で, Serratia spp. に対してはimipenemが4.4%, cefbpimeが5.8%, cefpiromeおよびceftazidimeが6.3%および6.8%の割合でそれぞれ耐性株が認められ, piperacillinおよびcefbperazone/sulbactamに対する耐性率と比較して小さい値を示した. インドール陽性Proteusの場合, cefbperazone/sulbactamには耐性株が認められず, cefbpimeおよびcefpiromeには耐性率が0.5%以下であった。Pseudomonas aetuginosaに対しては, cefbpimeの耐性率は9.1%であり, ceftazidimeの耐性率, 8.7%につぐ小さな値であった. Imipenemは, P. aetuginosaに対して24.9%の耐性率を示した. 以上の結果を総合すると, cefbpimeに対する耐性菌の出現は, 今回対象としたほかのβ-ラクタム薬と比較して, 同等あるいはそれらより低いものと考えられた。
  • 荒木 春美, 大懸 直子, 高畑 正裕, 南 新三郎
    2002 年 50 巻 5 号 p. 266-272
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Enterobacter cloacae (誘導型β-lactamase産生菌) とEscherichia coli (ニューキノロン系薬およびβ-ラクタム系薬感受性菌) のラットpouch内混合感染モデルを用いてE. coliに対するpazufloxacin (PZFX) 注射薬, ceftazidime (CAZ) およびimipenem/cilastatin (IPM/CS) の殺菌効果を調べ, 以下の結果を得た.
    1) E. coliE. cloacae混合感染群におけるIPM/CS (5mg/kg静脈内投与) の殺菌効果およびpouch内薬剤濃度は, E. coli単独感染群に比べて低下し, 誘導型β-lactamase産生菌共存の影響がみられた. 混合感染群におけるCAZのpouch内濃度の低下はわずかであったが殺菌効果は低下し, IPMより弱いながら誘導型β-lactamase産生菌共存の影響がみられた. 一方, PZFX注射薬では, 混合感染群でも殺菌効果およびpouch内濃度は低下せず, β-lactamase産生菌共存の影響を受けなかった.
    2)β-Lactamase誘導能の高いcefmetazole (CMZ) を前投与 (100mg/kg筋肉内投与) してpouch内β-lactamase活性を上昇させた混合感染モデルでは, E. coliに対するCAZ (5mg/kg静脈内投与) の殺菌効果およびpouch内薬剤濃度は, E. coli単独感染群およびCMZ非前投与群に比べて低下し, pouch内β-lactamase活性上昇の影響が認められた. CMZ前投与群におけるIPM/CSの殺菌効果およびpouch内薬剤濃度は, E. eoli単独感染群より低下したが, CMZ非前投与群と同様で, β-lactamase活性上昇の影響は認められなかった. 一方, PZFX注射薬では, 混合感染群でも殺菌効果およびpouch内濃度は低下せず, β-lactamase活性上昇の影響は認められなかった. なお, CMZのかわりにPIPCを前投与した場合は, pouch内β-lactamase活性は上昇せず, CAZの殺菌効果も変化しなかった.
  • 山城 芳子, 高畑 正裕, 南 新三郎
    2002 年 50 巻 5 号 p. 273-279
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin注射薬 [puzufloxacin (PZFX) mesilate] 0.5gを0.5時間点滴静注した時のヒト血中濃度を再現したシミュレーションモデルを用い, imipenem/cilastatin (IPM/CS) 耐性 (IPM/CSMIC: 25μg/mL, IPM換算) のPseudomoms aeruginosaおよびmethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) に対する殺菌効果と菌の耐性化, ならびにpostantibiotic effect (PAE) を, ceftazidime (CAZ, 1g/1h d. i.), IPM/CS (0.59/0.5hd. i.), またはvancomycin (VCM, 0.59/1hd. i.) およびarbekacin (ABK, 0.1g/1hd. i.) を点滴静注した場合と比較した. PZFXおよびCAZ感受性 (PZFXMIC: 0.39μg/mL, CAZMIC: 3.13μg/mL, IPM/CSMIC: 25μg/mL) のP. aeruginosa S-1410の場合, PZFX注射薬投与モデルの短時間殺菌効果はCAZやIPM/CSに比べて強く, PZFXの感受性が低下したP. aeruginosa S-1502 (PZFXMIC: 3.13μg/mL, CAZMIC: 3.13μg/mL, IPM/CSMIC: 25μg/mL) の場合も短時間殺菌効果はPZFX注射薬投与モデルがもっとも優れていた. MRSAF-2341 (PZFXMIC: 0.2μg/mL, VCMMIC: 1.56μg/mL, ABKMIC: 1.56μg/mL) の場合, PZFX注射薬投与モデルの短時間殺菌効果はVCMやABKよりも強かった.なお, いずれの場合も, 薬剤作用後, 用いた菌の感受性に変化は認められなかった. また, PZFX注射薬投与モデルおける0.5時間作用時のPostantibiotic effect (PAE) はP. aeruginosa S-1410で5.2以上, P. aeruginosa S-1502で0.7h, MRSAF-2341の場合, 0.8hであった.
  • 沖本 二郎, 栗原 武幸, 本多 宣裕, 浅岡 直子, 藤田 和恵, 大場 秀夫, 中村 淳一
    2002 年 50 巻 5 号 p. 280-282
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    カルバペネム系および第3世代セフェム系注射薬無効肺炎に対するciprofloxacin (CPFX) 注射薬の臨床効果を検討した。カルバペネム系無効14例中6例, 第3世代セフェム系無効2例中2例, 計16例中8例が有効であり, 有効率は50%であった。以上の結果より, CPFX注射薬はカルバペネム系や第3世代セフェム系注射薬無効肺炎に対して, 有効性を期待できる薬剤であると考えられた。
  • 村上 享, 河合 伸, 後藤 元, 小林 宏行
    2002 年 50 巻 5 号 p. 283-287
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    症例は63歳, 男性。持続する咳嗽と喀痰を主訴に来院。精査にてT4N3M1, stage IVの進行肺腺癌と診断した。Cisplatin (CDDP) とpaclitaxel (TXL) の併用にて化学療法1クール目を施行した。grade 3の悪心を認めたため, carboplatin (CBDCA) とTXLの併用に変更し, 2クール追加施行した。自覚症状は消失し, 画像所見においても両側全肺野に広がるスリガラス状陰影を主体とした所見は完全に消失し著効を認めた。今回用いたregimenは2000年のAmerican Society of Clinical Oncology (ASCO) 総会において, 進行非小細胞肺癌に対する有用性が報告されており, 本症例においても一時的には著効を示した。しかし, 外来にて経過観察中, 退院後約1か月半の時点で再発を認め, 以後regimenを変更するも, まったく効果が認められなくなった。このような耐性あるいは交差耐性を示唆する現象については, 現在, 研究が進められており, 非小細胞肺癌に対する化学療法の今後の重要な課題と考えられた。
  • 佐藤 勝昌, 冨岡 治明, 清水 利朗, 佐野 千晶, 佐野 啓介, 松島 敏春
    2002 年 50 巻 5 号 p. 288-291
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    結核菌とMycobacterium avium complex (MAC) をMono Mac 6マクロファージ (MM6-Mφ) 内で増殖させた後に細胞内より回収した菌 (Mφ内順化菌: I型菌) を供試菌として, MM6-MφあるいはA-549H型肺胞上皮細胞 (A-549細胞) に感染させた場合のrifalazil (RLZ), clarithromycin (CAM), levofloxacin (LVFX) に対する感受性プロフィールについて検討した。その結果, (1) MM6-Mφ内に感染した供試菌の抗菌薬感受性はいずれの抗菌薬についても7H9培地中培養菌 (細胞外環境順化菌: E型菌)>1型菌であること,(2) A-549細胞内に感染した供試菌に関しても, CAMとLVFXに対する感受性については (1) と同様な傾向を認めたが, RLZに対する感受性は逆にI型菌>E型菌であることがわかった。
  • 日本化学療法学会小児科領域抗菌薬感受性 , 小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基
    2002 年 50 巻 5 号 p. 292-299
    発行日: 2002/05/25
    公開日: 2011/09/13
    ジャーナル フリー
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