日本化学療法学会雑誌
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50 巻 , 6 号
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  • 品川 長夫
    2002 年 50 巻 6 号 p. 313-318
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1980年代における第三世代セフェム薬の乱用は, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) という耐性菌ばかりでなく, 各種の問題を提起してきた。日本には一般外科領域における正式な感染症に関するガイドラインはない。また術後感染予防として周術期に使用される抗菌薬は保険適用となっていない。現在, 医療の経済性や院内感染・医療事故対策などは, 重要な事項と認識されている。このためにも外科領域における感染症関連のガイドラインは必要であり, 意義のあるものと考える。ここでは, 周術期抗菌薬投与の基本的な考え方 (私案) を示すとともに, ガイドライン作成に向けての提言を行った。
  • 田中 眞由美, 小野寺 清美, 西野 武志
    2002 年 50 巻 6 号 p. 319-322
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1998年に臨床より分離されたHaemophilus influenzaeのなかでアンピシリン感受性株である037077株およびβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性株 (β-lactamase-negative ampicillinresistant H. influenzae; BLNAR) である033432株に対するlevofloxacinおよびcefeapeneの殺菌作用を検討した。037077株に対しては, 両薬剤ともに殺菌作用を示したが, levofloxacinの方がcefcapeneよりも強い殺菌作用を示した。033432株に対しては, levofloxacin 1 MICにおいて殺菌作用が認められたが, cefeapene 1 MICおよび4MIC作用時にはまったく殺菌作用が見られなかった。両株において, 薬剤作用時の形態変化を観察したところ, 037077株にlevofloxacinを作用した時には, 大きな形態学的変化は見られなかったが, cefcapene作用時には菌体の伸長化が観察された。033432株では薬剤非作用時においても伸長化した菌体が観察された。033432株の菌体の伸長化には隔壁形成にかかわるPBP 3の変異が示唆されたため, PBP 3の塩基配列を解析したところ, セフェム系薬剤耐性変異が認められ, cefcapeneが殺菌作用を示さないことを裏付けた。
  • 4菌種定着マウスにおける検討
    岩田 敏, 佐藤 吉壮, 秋田 博伸, 砂川 慶介, 小林 寅哲, 徳岡 寛子, 矢野 一男, 山路 真也
    2002 年 50 巻 6 号 p. 323-328
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいプロドラッグ型経口セフェム系薬ceftizoxime alapivoxil (CZX-AP) について4菌種定着マウスの腸内細菌叢におよぼす影響を検討した。Escherichia coli北研M, Enterococcus faecalis北研M, Bacteroides fragilis GKP 0001, Bifidobacterium breue YIT4006の4菌種を腸管内に定着させた4菌種定着マウスにCZX-AP20mg/kgを1日1回, 連続5日間経口投与した結果, E. coliでは減少を認めたが, 他の3菌種では変動を認めなかった。また, 薬剤最終投与4時間後の消化管各部 (胃, 小腸上部, 小腸中部, 小腸下部, 大腸) の内容物中の生菌数も, 糞便内菌数の変動と同様, E. coliの減少を認めたが, 他の3菌種では変動を認めなかった。糞便中および消化管内容物中β-lactamase活性は薬剤投与前後の全検体で陽性であった。実験に使用した菌株に対するCZX-APの活性体ceftizoxime (CZX) の106CFU/mL接種における最小発育阻止濃度 (MIC) は, E. coli北研Mで0.005μg/mL, Efaecalis北研Mで12.5μg/mL, B. fragilis GKP 0001で3.13μg/mL, B. breueで12.5μg/mLであった。いずれの菌種においても薬剤の投与に伴うMIC値の上昇は認められなかった。
  • 平潟 洋一, 松田 淳一, 餅田 親子, 中野 路子, 平山 三国, 伊折 文秋, 上平 憲, 朝野 和典, 柳原 克典, 宮崎 義継, 門 ...
    2002 年 50 巻 6 号 p. 329-351
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Staphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosaを含む14菌種, 計1,032株の新規カルバペネム系薬であるbiapenem (BIPM) に対する年次別薬剤感受性の推移について寒天平板希釈法を用いて検討した。菌株は1994年1月から1996年12月の間に長崎大学医学部附属病院の患者より分離された株を用いた。MIC50, MIC90値により比較したところ, メチシリン耐性菌を含むS. aureus, ペニシリン耐性菌を含むS. pneumoniae, Streptococcus pyogmes, Enterococcus faecalis, E. coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Proteus mirabilis, Acinetobacter baumamiiおよびMoraxella catarrhalisには薬剤耐性化傾向は認められなかった。しかし, Staphylococcus epidermidisおよびSerratia marcescensではMIC50値でみたところ, カルバペネム系薬に対し, わずかに耐性菌の増加傾向がみられた。また, 緑膿菌にもMIC90値でみる限り, カルバペネム系薬に耐性を示す株の増加傾向がみられたものの, BIPMに対する耐性化傾向は他のカルバペネム系薬より軽度であった。1996年に分離されたHaemophilus influenzaeにカルバペネムを含むβ-ラクタム耐性株が認められたため, 今後の動向に注意が必要と思われる。
  • 宇野 芳史
    2002 年 50 巻 6 号 p. 352-362
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口抗菌薬投与中の小児急性中耳炎症例の上咽頭細菌叢のうちStreptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeの変化について検討を行った。経口抗菌薬は, amoxicillin (AMPC), cefditoren-pivoxil (CDTR) を用い, 投与方法としては, 上咽頭からのこれらの細菌の除菌を目標として, AMPC (50mg/kg/day) の投与, CDTR常用量 (9mg/kg/day) の投与, CDTR倍量 (18mg/kg/day) の投与を行って検討した。検討対象は, 当院を受診した小児急性中耳炎症例のうち上咽頭からS. pneumoniae, H. influenzaeが検出された, 男児8人, 女児17人の25人である。検討の結果, 以下の結果を得た。
    1) 25例中, S. pneumoniaeのみ検出された症例は18例, H. influenzaeのみ検出された症例は4例, S. pneumoniaeおよびH. influenzaeの両方が検出された症例は3例であった。S. pneumoniaeのみ検出された症例18例中同時に耐性遺伝子パターンの異なるS. pneumoniaeが検出された症例が2例あった。治療開始前に検出されたS. pneumoniaeの内訳はペニシリン感受性肺炎球菌 (PSSP) 2株, ペニシリン中等度耐性肺炎球菌 (PISP) 4株, ペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP) 17株であった。H. influemaeの内訳は, β-lactamase非産生アンピシリン感受性インフルエンザ菌 (BLNAS) 3株, β-lactamase非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌 (BLNAR) 4株であった。
    2) PSSPとPISPは, AMPCの投与により, 全株上咽頭から消失していた。しかし, PSSPが検出されていた症例では, AMPCの投与後いずれもPRSPが検出されていた。PRSPは, 治療開始前に検出された17株は, AMPCの投与で2株消失, 4株は耐性遺伝子パターンの異なるPRSPに菌交代, 11株は残存, 3株が新たに出現していた。CDTR常用量の投与で治療開始前に検出された1株とAMPCの投与で出現した1株が消失したが, 残りの16株は残存した。CDTR倍量の投与では, PRSPの1株が耐性遺伝子パターンの異なるPRSPに菌交代, 新たに1株のPRSPが出現したが, 新たに消失したPRSPは認められなかった。最終的にはS. pneumoniaeは17株が残存したが, 治療開始前に検出された23株中9株はそのまま残存していた。
    3) BLNASの3株は, それぞれAMPC, CDTR常用量, CDTR倍量の投与で消失していたが, これらの抗菌薬の投与中にも1株ずつのBLNASが出現し, 最終的には1株のBLNASが残存した。BLNARの4株は, それぞれAMPC, CDTR常用量の投与で2株ずつ消失していたが, これらの抗菌薬の投与中にもBLNARが新たに3株, 2株出現していた。最終的には1株のBLNARが残存したが, 治療開始前に検出されたH. influenzaeはすべて消失していた。
    4) 上咽頭のS.pneumoniae, H.influemaeの残存と急性中耳炎の治療成績との間には明らかな関係は認められなかったが, 治療成績が良好であった群では, 治療開始前に検出された細菌の消失率が高く, いずれもAMPCで除菌されていた。また, 治療成績が不良であった群では, 治療開始前に検出された細菌が消失せず耐性遺伝子パターンの異なる細菌に菌交代している場合が多く認められた。
  • 五十嵐 正博, 中谷 龍王, 林 昌洋, 中田 紘一郎, 粕谷 泰次
    2002 年 50 巻 6 号 p. 363-370
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1995年4月から2000年7月の期間にvancomycin (VCM) の投与設計を行った30症例を対象に, 血中濃度の予測精度を評価すると共に, Bayesian法による予測精度の悪化因子の有無を検討した。母集団薬物動態パラメータを用いた予測法 (PK法) の予測精度は, 投与約3日後のトラフ濃度 (n=30) がmean prediction error (ME)=-0.75μg/mL, mean absolute prediction error (MAE)=3.21μ;g/mL, root mean squared prediction error (RMSE)=3.97μ;g/mL, ピーク濃度 (n=26) がME=2.71μg/mL, MAE=4.59μg/mL, RMSE=5.24μg/mLと比較的良好で, PK法で初期投与設計を行うことが十分可能であることが示された。しかし, 投与約9日後の血中濃度におけるPK法の予測精度は, 約3日後の予測精度よりも悪化していた。この原因としてVCMクリアランス (CL) の低下が認められたが, 個々の症例の低下率はさまざまであった。一方, Bayesian法による予測精度は, トラフ濃度 (n=12) がME=-3.30μ;g/mL, MAE=3.90μg/mL, RMSE=4.93μg/mL, ピーク濃度 (n=11) がME=1.67μg/mL, MAE=5.73μg/mL, RMSE=7.48μg/mLであった。予測精度の悪化因子の有無を検討した結果, 投与約3日後の血中濃度から算出したhalf-lifeが母集団平均よりも45%以上大きい症例の予測精度が悪く, 25%以上大きくない症例の予測精度がよいことが示された。したがって, 投与開始約3日後のhalf-lifeが母集団平均よりも25~45%以上大きい症例においては, 目標トラフ濃度を治療域下限付近にするなど, 慎重な投与設計を行う必要があると考えられた。
  • 2002 年 50 巻 6 号 p. 371-375
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 50 巻 6 号 p. 375-394
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 50 巻 6 号 p. 403
    発行日: 2002年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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