日本化学療法学会雑誌
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50 巻 , 7 号
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  • 長江 敏男
    2002 年 50 巻 7 号 p. 409-414
    発行日: 2002/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    日本は多くの課題を抱え変革のまっただなかにあるが, 世界の中の日本, そして過去から将来へという視点で見ると, 社会経済, 医療を含む広範囲な分野で標準化が進んでいる。変革は痛みを伴うが, 変革の手法のひとつとして標準化は大きな挺子となるだろう。日本の常識は世界の非常識かどうかはともかく, 日本には日本の事情と許容されていた部分が大きかったが, 今後は国際標準の枠組み, 透明化, 質の向上を求め標準化が進展するだろう。医療も例外ではなく, いま大変革期を迎えているが, 社会経済環境の変化, 超高齢化の波, 疾病構造の変化, 増える患者数, 総医療費増加の波を反映し, 医療改革の柱のひとつである医療の標準化, 情報公開, 透明化を縦軸に, そして横軸には患者と医師の受診, 治療に対する姿勢と両者の関係などがどのように変化するであろうかを考察したい。
  • 波多野 和男, 若井 芳美, 池田 文昭, 横田 好子, 豊永 義清
    2002 年 50 巻 7 号 p. 415-421
    発行日: 2002/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ペニシリンに対して感受性の異なるStreptococcus pneumoniaeを用いたマウス呼吸器感染モデルに対して, 各種β-lactam薬をヒトに投与した後の血中濃度推移をマウスに再現した投与方法で治療した時の肺内菌数減少効果を検討した。Penicillin-susceptible S. pneumoniae (PSSP) による呼吸器感染モデルに対して, 経口セファロスポリン薬のcefdinir (CFDN) を100mg, cefbapene-pivoxil (CFPN-PI) を150mgおよびcefditoren-pivoxil (CDTR-PI) を200mgヒトに投与した時の血中濃度をマウスに再現して治療を行った場合, いずれの経口セファロスポリン薬においても優れた肺内菌数減少効果が認められた。しかし, penicillin-intermediate S. pneumoniae (PISP) およびpenicillin-resistant S. pneumoniae (PRSP) による呼吸器感染に対しては, 優れたMICを有するCFPN-PIおよびCDTR-PIでかつ臨床常用量より増量投与後のヒト血中濃度を再現した治療にもかかわらず肺内菌数減少効果は低かった。一方, これらのPISPおよびPRSPによる呼吸器感染モデルに対して注射用β-lactam薬であるpanipenem/betamipron (PAPM/BP) の500mgおよびcefbselis (CFSL) の19を1時間点滴した時の血中濃度を再現して治療を行った場合, いずれも顕著な肺内菌数減少効果を示した。血中濃度がMIC以上を維持する時間 (Time above MIC: TAM) は, いずれの経口セファロスポリン薬の場合でもPSSPに対して9時間以上であったが, PISPおよびPRSPに対してはCFDNは血中濃度がMICを超えることはなく, CFPN-PIおよびCDTR-PIは2-5時間であった。また, PAPM/BPおよびCFSLはPISPおよびPRSPに対してTAMが9時間以上であった。これらのβ-lactam薬の血漿中濃度と起因菌に対するMICの関係から, 投与経路に関係なくTAMが9時間以上を維持することができれば起因菌の肺内菌数を顕著に減少させることができ, 臨床的にも治療効果が期待できることが示唆された。
  • 二木 芳人, 村上 要一, 松島 敏春
    2002 年 50 巻 7 号 p. 422-428
    発行日: 2002/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Levofloxacin (LVFX) の呼吸器感染症に対する有用性の評価を目的として, マウス感染モデルを用いて市中肺炎の主要な起炎菌のひとつである肺炎球菌に対するLVFXの薬力学的検討を行うとともに, 呼吸器感染症に対するLVFX1回200mg, 1日2回投与の有用性について臨床評価した.
    1) 薬力学的検討: ペニシリン耐性肺炎球菌およびペニシリン感受性肺炎球菌性のマウス敗血症モデルを用いて, LVFXの肺炎球菌に対する薬力学の検討を行った. その結果, AUC/MICと治療効果との間に良好な相関が認められ, いずれの株においても50%生存率を達成するために必要なAUC/MIC値は約20であった. また, マウスモデルにおける解析結果をもとに, 臨床におけるLVFXの1回100mg, 1日3回と1回200mg, 1日2回投与について, そのAUCから算出されたマウス生存率を指標として有効性を推定・比較した結果, 前者では十分な治療効果が期待できない菌株 (MIC=2μg/mL) に対しても後者は有効性を示す可能性が示唆された.
    2) 臨床的検討: 種々の起炎菌に由来する呼吸器感染症患者24例に対して1回200mg, 1日2回, 5-12日間経口投与した. 1例において腹痛のため2日目以降1日1回投与に減量, 1例で嘔吐を認めたため5日目に投与を終了したものの, 臨床効果についてはこれらの症例も含め全例で有効と判断された.
  • 小橋 吉博, 大場 秀夫, 沖本 二郎, 多田 敦彦, 河原 伸, 石田 直, 二木 芳人, 松島 敏春
    2002 年 50 巻 7 号 p. 429-434
    発行日: 2002/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    In vitroにおいてfbsfomycin (FOM) とsulbactam/cefoperazone (SBT/CPZ) の優れた併用効果が報告されている. 今回その併用の有用性を検討するため, 中等症肺炎に対する臨床的有用性を検討した. SBT/CPZ単独療法群 (単独群) とFOM+SBT/CPZ併用療法群 (併用群) の2群間での群間比較検討を行った. 評価症例数は単独群17例に対し, 併用群18例で, 有効率は単独群88.2%に対し, 併用群94.4%と併用群で高かったが有意差はなかった. 安全性に関しては, 副作用が併用群で1例あり, 臨床検査値異常変動が単独群11.8%に対して, 併用群で27.8%と併用群で高かった. そのため, 臨床 的有用性は単独群88.2%に対し, 併用群83.3%と, むしろ併用群で低かった. 今回の検討結果から, SBT/CPZはFOMと併用することにより, 中等症肺炎に対する有効性では優れている傾向があるものの, 安全性ではむしろ問題がある傾向にあった. したがって, 慎重な経過観察を行えば有用な治療法のひとつと考えられた.
  • 島田 馨
    2002 年 50 巻 7 号 p. 435-459
    発行日: 2002/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規な注射用ニューキノロン系抗菌薬であるpazufloxacin注射薬 (以下PZFX注射薬と略す) の呼吸器感染症と複雑性尿路感染症に対する至適用量の検討を, 臨床第H相試験 (前期第H相および後期第H相一般臨床試験, 用量検討試験) における用量別の試験結果を鑑み行った。
    1) 呼吸器感染症
    一般臨床試験における臨床効果の有効率は75.4%(172/228) で, おもな1日投与量・投与回数である600mg (分2) 投与での有効率は75.4%(49/69), 1,000mg (分2) 投与での有効率は74.4%(116/156) であった。細菌性肺炎を対象とした用量検討試験における有効率はL群 (600mg分2) で100%(32/32), H群 (1,000mg分2) で92.6%(25/27) であり, 2用量間に有意差はみられなかった。副作用発現率は, 一般臨床試験にて600mg (分2) 投与で2.6%(2/77), 1,000mg (分2) で5.1%(9/175) であった。用量検討試験ではL群 (600mg分2) は0%(0/35), H群 (1,000mg分2) で3.0%(1/33) であった。臨床検査値異常発現率は, 一般臨床試験にて600mg (分2) 投与で17.4%(12/69), 1,000mg (分2) で12.4%(20/161) であり, 用量検討試験ではL群 (600mg分2) 14.7%(5/34), H群 (1,000mg分2) で24.1%(7/29) であった。いずれも主な臨床検査値異常は, 好酸球の増多とGOT, GPTなどのトランスアミナーゼの上昇であった。基礎疾患・合併症を有するなど, 重症, 難治性要素のある症例においては600mg (分2) 投与よりも1,000mg (分2) 投与の方が有効率が高く, かつ, 1,000mg (分2) 投与においても安全性に問題が見られなかったことより, 1,000mg (分2) 投与が推奨された。
    2) 複雑性尿路感染症
    一般臨床試験における総合臨床効果の有効率は787%(118/150) で, おもな1日投与量・投与回数である600mg (分2) 投与での有効率は81.6%(40/49), 1,000mg (分2) 投与での有効率は77.0%(77/100) であった。複雑性尿路感染症を対象とした用量検討試験における有効率はL群 (600mg分2) で86.7%(26/30), H群 (1,000mg分2) で78.8%(26/33) であり, 2用量問に有意差はみられなかった。副作用発現率は, 一般臨床試験にて300mg1回/日投与で1/1, 1,000mg (分2) では0.8%(1/123) と低値であった。用量検討試験ではL群 (600mg分2) は2.8%(1/36), H群 (1,000mg分2) で0%(0/38) であった。臨床検査値異常発現率は,(一般臨床試験にて600mg (分2) 投与で6.3%(3/48), 1,000mg (分2) 投与では88%(10/113) にみられた。用量検討試験ではL群 (600mg分2) で14.3%(5/35), H群 (1,000mg分2) で16.2%(6/37) であった。いずれも主な臨床検査値異常は, 好酸球の増多とGOT, GPTなどのトランスアミナーゼの上昇であった。用量検討試験においては, 1,000mg (分2) 投与で細菌学的効果, 特に耐性菌における消失率において良好であったこと, また, いずれの試験においても1,000mg (分2) 投与において安全性に問題が見られなかったことより, 1,000mg (分2) 投与が推奨された
  • Gatifloxacinとnorfloxacinの比較検討
    堀 誠治, 川村 将弘
    2002 年 50 巻 7 号 p. 460-463
    発行日: 2002/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    われわれは, 非ステロイド薬 (NSAIDs) とキノロン薬の薬物相互作用の強さを, mouse脳室内投与によるnorfloxacin (NFLX) およびgatinoxacin (GFLX) の痙攣誘発作用を指標として検討した。NFLXおよびGFLXの脳室内投与によりmouseに投与量依存的に痙攣が誘発され, その痙攣誘発作用はNFLX<GFLXであった。NFLXの痙攣誘発作用は, biphenylacetic acid (BPA), flurbiprofenの同時投与により増強された。Indomethacin, ketoprofenでは中等度の, loxoprofen,(-)-naproxenでは軽度の痙攣誘発作用増強が認められたが, ibuprofen, sodium diclofenac, mefenamic acid, tenoxicam,(+)-naproxen, aspirinおよびacetaminophenでは変化が見られなかった。一方, GFLXの痙攣誘発作用は, BPAで軽度増強されたものの, 他のNSAIDsでは変化を認めなかった。以上の成績より, NSAIDsによりキノロン薬との薬物相互作用の強さに違いがあり, さらに, キノロン薬との組み合わせによっても差のあることが明らかとなった。
  • 2002 年 50 巻 7 号 p. 481
    発行日: 2002年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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