日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
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50 巻 , Supplement1 号
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  • 河野 茂, 山口 英世
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 1-3
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • Shigeru Kohno, Hideyo Yamaguchi
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 4-7
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 池田 文昭, 大友 寿美, 中井 徹, 森下 佳彦, 牧 克之, 俵 修一, 武藤 誠太郎, 松本 文夫, 桑原 章吾
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 8-19
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    キャンディン系抗真菌薬micafungin (MCFG) は, 深在性真菌症の主要起因菌であるCandida属およびAspergillus属などに対して幅広い抗真菌スペクトルを示した。Candida atbicans (fluconazole耐性株を含む), Candida tropicatis, Candida glabrata, Candida kruseiおよびAspergillus属菌種の臨床分離株に対して, 90%以上の株の発育を阻止するMCFGの最小薬剤濃度 (MIC90) は0.125μg/mL以下であり, 同効類薬 (amphotericin B, fluconazoleおよびitraconazole) より低値を示した。MCFGのCandida parapsilosisおよびCandida guilliermondiiに対するMIC90はそれぞれ4および2μg/mLで, 同効類薬と同等ないしはやや高値を示した。Candida属の大部分の菌株に対してMCFGは殺菌的に作用したが, Aspergillus fumigatusに対しては殺菌作用は認められなかった。MCFGは黒色真菌類にも活性を示したが, Cryptococcus neoformans, Trichosporon属, Fusarium sotani, Pseudallescheria boydiiおよび接合菌類に対しては活性を示さなかった。また, 二形性真菌類の菌糸形での発育に対してMCFGは活性を示したが, 酵母形での発育に対しては活性を示さなかった。MCFGのCandida属およびA.fumigatusに対するMICにおよぼす培地pHおよび接種菌量の影響は小さかったが, ヒト血清およびヒト血清アルブミンの添加によりMICの上昇がみられた。耐性獲得実験においてMCFGに対するmC. albicansの感受性の低下はみられずMCFG耐性株の出現の可能性は低いことが示唆された。
  • 山口 英世, 西山 彌生, 内田 勝久, 波多野 和男, 森下 佳彦, 中井 徹, 池田 文昭, 武藤 誠太郎
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 20-29
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Micafungin (MCFG) のCandida albicansおよびAspergillus fumigatusに対する作用機序を生化学的および形態学的手法を用いて検討した。MCFGはC.albicansATCC90028およびA.fumigatusTIMM0063由来の1, 3-β-D-glucan生合成系に対して濃度依存的に阻害し, その阻害様式は非競合的であった。一方, C.albicans ATCC 90028のchitin, mannan, 核酸および蛋白生合成を50%抑制するMCFGの濃度 (IC50) はいずれも100μg/mL以上であった。C.albicans ATCC 90028の酵母形, C.albicans FP 633の菌糸形およびA.fumigatus TIMM 3968の増殖に対するMCFGの作用を微分干渉顕微鏡および透過型電子顕微鏡を用いて観察し, Calbicansの酵母形においては細胞壁の薄層化, 隔壁の形成異常, 娘細胞の分離阻害および溶菌が, C.albicansの菌糸形においては菌糸の伸長抑制, 菌糸先端部の膨化や不整化および溶菌が認められた。さらにA.fumigatu8においては発芽抑制や菌糸の伸長抑制および菌糸先端部の膨化, 変形などの細胞壁構造の異常が認められた。以上の結果から, MCFGはC.albicansおよびA.fumisatusに対して, その細胞壁を構成する1, 3-β-D-glucanの生合成を特異的に阻害することによって抗真菌活性を発揮することが示唆された。
  • 松本 哲, 若井 芳美, 渡部 悦子, 牧 克之, 池田 文昭, 俵 修一, 武藤 誠太郎, 松本 文夫, 桑原 章吾
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 30-36
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Micafungin (MCFG) のCandida属およびAspergillus fumigatusによるマウス全身感染に対する防御効果をamphotericin B (AMPH-B), fluconazole (FhCZ) およびitraconazole (ITCZ) と比較した。MCFGはcyclophosphamideにより顆粒球減少状態にしたマウスのCandida albicansによる全身感染に対して0.125mg/kg以上の投与量において有意な延命効果を示した (P<0.01)。また, C.atbicans, Candida glabrata, Candida tropicalis, Candida krusei, Candida guilliermondiiおよびAspergillus fumigatusによるマウス全身感染に対するMCFGのED50値は0.14~1.61mg/kgであり, FLCZおよびITCZより小さかったが, AMPH-B とほぼ同等もしくは大きい値を示した。Cyclophosphamide, hydrocortisoneまたは5-fluorouracilにより易感染状態にしたマウスのC.atbicans全身感染に対するMCFGのED50値は0.14~0.33mg/kgであり, FLCZおよびITCZよりも小さい値を示したが, AMPH-Bよりはやや大きい値であった。また, MCFGの0.5および1.0mg/kgを投与したときのC.atbicans全身感染マウスの感染24時間後の腎臓内生菌数はAMPH-Bの0.5および1.0mg/kg投与したときと同様に, 感染直後の生菌数と比較して有意に少なかった (P<0.01)。これらの結果から, 種々の条件で易感染状態にしたマウスの全身性 (播種性) カンジダ症およびアスペルギルス症に対してMCFGはFLCZおよびITCZよりも優れ, AMPH-B と比較して同等ないしはやや劣る防御効果を示すことが示唆された。
  • 松本 哲, 若井 芳美, 渡部 悦子, 牧 克之, 池田 文昭, 俵 修一, 武藤 誠太郎, 松本 文夫, 桑原 章吾
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 37-42
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Aspergillus fumigatusによるマウス呼吸器感染に対するmicafungin (MCFG) の防御効果をamphotericin B (AMPH-B), fluconazole (FLCZ) およびitraconazole (ITCZ) と比較検討した。MCFGはcyclophosphamide (CY) により易感染状態を惹起したマウスのAfumigatus呼吸器感染に対して0.5mg/kg以上の投与量でcontrol群と比較して有意な延命効果を示した (P<0.0125)。また, CY投与マウスのA.fumigatusによる呼吸器感染に対するMCFGのED50値は0.26~0.45mg/kgであり, AMPH-BのED50値とほぼ同等の値を示し, FLCZおよびITCZよりも明らかに小さい値であった。また, CY投与マウスのAfumigatus呼吸器感染において感染24時間後から投与を開始したときのMCFGおよびAMPH-BのED50値はそれぞれ1.21および0.50mg/kgであり, 感染1.5時間後より投与を開始したときよりそれぞれ3.8および1.9倍大きい値を示した。5-fluorouracilまたはhydrocortisone投与マウスのA.fumigatus呼吸器感染に対するMCFGのED50値は0.66または1.12mg/kgであり, AMPH-Bより1.3または4.1倍大きい値を示した。以上の結果より, 種々の条件で易感染状態を惹起したマウスのA. fumigatusによる呼吸器感染に対して, MCFGの防御効果はAMPHBと同等ないしはやや劣り, FLCZおよびITCZよりも優れることが示唆された。
  • 若井 芳美, 牛谷 友栄, 松本 哲, 波多野 和男, 池田 文昭, 武藤 誠太郎
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 43-47
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Candida albicansによるマウス全身感染およびAspergillus fumigatusによるマウス呼吸器感染に対するmicafungin (MCFG) の最小有効血漿中濃度を算出した。すなわち, C.albicans FP633を静脈内接種またはA.fumigatus TIMM0063を経鼻接種したマウスに小型の浸透圧ポンプを埋め込み, MCFGの種々の異なった血漿中濃度を一定の範囲に持続させ, それぞれの感染5日後の腎臓および肺内生菌数の減少効果を指標に最小有効血漿中濃度を算出した。有効血漿中濃度はマウスの血漿中に検出されたMCFGおよびその活性代謝物であるM1 (カテコール体) およびM2 (メトキシ体) の総和とした。また, MCFG, M1とM2の血漿中濃度の総和はポンプを埋め込んだ翌日に比べ5日後にはやや減少していたため, 有効血漿中濃度は5日後の実測値と1日後の濃度の推定値の範囲とした。その結果, C.albicans全身感染およびA.fumigatus呼吸器感染に対する最小有効血漿中濃度の範囲はそれぞれ0.16~0.26μ9/mLおよび0.55~0.80μ9/mLとなった。
  • 中井 徹, 波多野 和男, 池田 文昭, 武藤 誠太郎
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 48-53
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    T細胞, B細胞, NK細胞を先天的に欠損する複合免疫不全のN: NIH-bg-nu-xid BR系マウスに, fluconazole感受性のCandida albicansを4日間経口接種することにより惹起した口腔カンジダ症モデルに対して, 初回接種から13日後より11日間 (1日2回), micafungin (MCFG) およびfluconazole (FL, CZ) を投与したときの治療効果を検討した。治療開始時点より治療終了後8日目にかけて, 生理食塩液投与群 (control群) の舌には104~105レベルの生菌数が継続的に検出された。また病理組織学的には, 治療開始時点以降持続的に舌粘膜上皮角質層において菌糸状に発育したC.albicansの感染を認め, 治療終了時点以降にはさらにそれらに応答する炎症性細胞の浸潤を認めた。この病態モデルにおいて, MCFGの2mg/kg以上を投与することにより治療終了翌日の舌内生菌数はcontrol群と比較して有意に減少するとともに, 舌の病理像はほぼ正常に回復した。8日間の休薬後には, 2mg/kg投与群では生菌数の増加とともに舌粘膜に菌集落の定着を認めたが, 5mg/kg以上の投与群では菌数の増加がほとんど認められず, 舌組織においても正常像が維持された。MCFGの5mg/kg以上と同等の治療効果は, FLCZの20mg/kg投与群において認められた。以上のことから, MCFGはFLCZよりも低用量でマウス口腔カンジダ症モデルに対して除菌的な治療効果を示し, MCFGが本疾患の治療薬として再発の懸念が少なく有用性が高い抗真菌薬であることが示唆された。
  • 池田 文昭, 大友 寿美, 若井 芳美, 武藤 誠太郎
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 54-57
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ラットまたはイヌにmicafungin (MCFG) を静脈内投与した時に臓器または体液中に検出される代謝物のうち, 構造が同定されているM1, M2およびM5の各種真菌類に対するin vitro抗真菌活性および肺, 肝臓および腎臓で比較的高濃度に検出されるM1およびM2のMICにおよぼす血清添加の影響およびマウスのCandida albicans全身感染に対する防御効果をMCFGのそれらと比較検討した。M1は, Candida属7菌種, Saccharomyces cerevisiaeおよびAspergillus属6菌種に対して0.0625~4μg/mLのMICを示し, MCFGより4~16倍劣る活性を示した。Cryptococcus neofbrmansおよびTrichosporon cutaneumに対するMCFGのMICは>64μg/mLであったが, M1はそれぞれ16μg/mLのMICを示した。M2はいずれの菌種においてもMCFGとほぼ同等の活性を示した。また, M5のCandida属およびAspergillus属に対するMICはMCFGに比べて128倍以上高値であった。C.albicans FP 633に対するMCFG, M1およびM2のMICはマウスまたはヒト血清の添加により上昇が認められ, いずれの化合物も同等のMICを示した。さらに, マウスのC.albicans FP 633全身感染に対するMCFG, M1およびM2のED50値もほぼ同等の値を示したことから, MCFGの感染防御効果にM1およびM2が寄与していることが示唆された。
  • 二木 芳人, 吉田 耕一郎, 松島 敏春, 中島 正光, 中井 徹, 大友 寿美, 若井 芳美, 松本 哲, 波多野 和男, 池田 文昭, ...
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 58-67
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Candida albicans, Aspergillus fumigatusおよびcryptococcus neoformansに対するキャンディン系抗真菌薬micafungin (MCFG) とamphotericin B (AMPH-B), itraconazole (ITCZ) およびfluconazole (FLCZ) とのin vitro併用効果を, チェッカーボード法を用いて検討した。C.albicansに対してMCFGとAMPH-B, ITCZおよびFLCZとを併用することにより, それぞれ41%, 85%および85%の株に相加作用が認められた。A.fumigatusに対しても同様に, それぞれ67%, 87%および13%の株に相加以上の作用を示した。C.neofbrmansに対しては, AMPH-Bと併用したとき67%の株に相乗作用, 33%に相加作用が認められた。C.neoformansに対してITCzと併用すると, 83%の株に拮抗作用が認められた。In vitroで相加作用が認められたA.fumigatus IFM 40836を用いて, マウス肺アスペルギルス症モデルに対するMCFGとAMPH-Bのin vivo併用効果を検討した。感染6日後におけるMCFGの2mg/kgとAMPH-Bの0.5mg/kgとを併用投与した群の肺内生菌数は, control群だけでなくそれぞれの単独投与と比較しても有意に低値であった。病理組織学的に検討した肺組織傷害, 菌糸の伸長および好中球浸潤に対しても, 併用投与群では強い抑制効果を示した。さらに, MCFGの1mg/kgとAMPH) 1Bの0.25mg/kgとを併用投与したとき, それらの2倍用量であるMCFGの2mg/kgおよびAMPH-Bの0.5mg/kgをそれぞれ単独投与したときと比較して高い有効性を示し, 治療効果が相乗的であることが示された。以上のように, in vitro, in vivoのいずれにおいてもMCFGはAMPH-Bとの問に優れた併用効果を示し, これら2薬剤の併用療法が臨床的にも有効である可能性が示唆された。さらに, MCFGと他の既存薬との併用療法についても臨床での有用性が期待される。
  • 山戸 康弘, 金子 勇人, 谷本 薫, 片島 正貴, 石橋 光治, 河村 章生, 寺川 雅人, 加賀山 彰
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 68-73
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Micafungin (MCFG) とその代謝物であるM1 (カテコール体) およびM2 (メトキシ体) のHPLCによるヒト血漿中濃度同時定量法を確立した. 本法は, あらかじめMCFGの安定化のためにリン酸を添加したヒト血漿を, アセトニトリルで除蛋白した後, 分析カラムに逆相系のTSKge1 ODS-80TM, 検出器に蛍光検出器を用いて高速液体クロマトグラフ (HPLC) で分析する方法である. ヒト血漿50μLを用いた時, 本法における定量範囲はMCFGが0.05~25μg/mL, M1およびM2が0.05~10μg/mLであり, 検量線はこの濃度範囲でいずれも良好な直線性を示した. 同時再現性, 日差再現性における精度・真度ともに良好であった. MCFG, M1およびM2は, HPLC分析試料中で室温下24時間まで安定であった. 本法を用いてヒト血液中のMCFG, M1およびM2の安定性を評価したところ, いずれの化合物もヒト全血中で4℃保存下72時間, リン酸添加ヒト血漿中では室温下2時間, 氷冷下6時間, 120℃凍結保存下21日および-80℃凍結保存下413日まで, また凍結融解を4回繰り返しても安定であった.
  • 山戸 康弘, 金子 勇人, 橋本 知子, 片島 正貴, 石橋 光治, 河村 章生, 寺川 雅人, 加賀山 彰
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 74-79
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Micafungin (MCFG) を雄性マウス, 雌雄ラット, および雄性イヌに静脈内急速投与または1時間かけて静脈内持続投与したときの血漿中未変化体濃度を測定し, MCFGの体内動態を検討した。MCFGを急速投与すると, いずれの動物種においても血漿中濃度は2相性で減少した。本薬を0.32, 1および3.2mg/kgで急速投与したときの総クリアランスはマウス, ラットおよびイヌでそれぞれ0.92~1.01, 1.04~1.50および0.59~0.78m五/min/kg, 定常状態の分布容積はそれぞれ0.38~0.49, 0.42~0.56および0.23~0.25L/kg, 消失相の半減期はそれぞれ5.34~5.71, 3.96~5.05および4.24-5.43時間であり, 0.32~3.2mg/kgの投与量範囲で体内動態はほぼ線形であった。ラットおよびイヌにMCFG1mg/kgを急速あるいは持続投与したが, いずれの動物においても体内動態に対する投与方法の違いによる影響はみられなかった。また, 雌雄ラットに本薬1mg/kgを急速投与したときの体内動態に性差はみられなかった。マウス, ラット, イヌおよびヒトのin vitro血清蛋白結合率は99%以上と高かった。
  • 山戸 康弘, 金子 勇人, 山崎 佐知子, 藤原 友一, 片島 正貴, 河村 章生, 寺川 雅人, 加賀山 彰
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 80-87
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    雄性ラットに14C標識MCFGを1mg/kg単回静脈内投与し, 投与後504時間 (21日) までの血中および組織中放射能濃度推移ならびに投与後240時間 (10日) までの放射能排泄について検討した。
    1. 血漿中旗射能濃度は投与後5牙に3396ng eq./mLを示し, その後の消失推移は3相性を示した。投与後24時間の血漿中放射能濃度は5分値の12.4%まで減少し, それ以降, 半減期39.3時間で消失した。全血中放射能濃度は, 投与後5分から168時間まで血漿中放射能濃度の0.80~1.00倍の濃度で推移したが, 投与後192時間から全血/血漿放射能濃度比は1.00以上となった。
    2. 投与後の放射能は, 速やかにほぼ全身に分布した。投与後5分では, 肺がもっとも高く, その組織/血漿中放射能濃度比は1.86であった。次が腎臓の1.09であった。脳, 眼球, 白色脂肪および精巣は血漿中濃度の8%以下であり, その他の組織の組織/血漿中放射能濃度比は0.17~0.86であった。いずれの組織も投与後5分あるいは6時間に比べて投与後24時間では放射能濃度は減少し, 投与後72時間以降は白色脂肪を除いていずれの組織も血漿中放射能濃度とほぼ並行した推移で消失した。
    3. 投与後240時間までの糞および尿中には, それぞれ投与放射能の83.5%および14.4%の合計97.9%が排泄された。屍体および消化管には, それぞれ2.8%および0.3%が検出された。呼気中には, 放射能が検出されなかった。
    4. 投与後48時間までの胆汁および尿中には, それぞれ投与放射能の43.9%および13.2%が排泄され, 糞中には8.3%が排泄された。消化管および屍体には, それぞれ4.4%および32.2%が残存していた。
  • 金子 勇人, 山戸 康弘, 寺村 有理子, 藤原 友一, 鈴木 昭, 河村 章生, 寺川 雅人, 加賀山 彰
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 88-93
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    キャンディン系抗真菌薬であるmicafungin (MCFG) のラットおよびイヌにおける代謝について検討し, 以下の結果を得た.
    1. 14Cで標識したMCFG ([14C] MCFG) をラットおよびイヌに静脈内投与後の血漿中ではMCFGおよびM5が主に検出され, 抗真菌活性を有するM1およびM2はほとんど検出されなかった. 尿中では主にM5が, 糞及び胆汁中には主にMCFGが認められた.
    2. 肺, 肝臓, 脾臓および腎臓では, M1およびM2の比率は血漿に比べて高く, 投与後24時間の肝臓中では試料中放射能に対しM1が26.9%, M2が22.8%となり, MCFGの8.9%より高値を示した.
    3. ラットおよびイヌに [14C] MCFGを静脈内投与後の血漿, 尿, 胆汁および糞をもとに, M1はカテコール体, M2はメトキシ体, M3は開環体およびM5は側鎖の水酸化体と推定された.
  • 金子 勇人, 山戸 康弘, 橋本 知子, 石井 育子, 白神 歳文, 河村 章生, 寺川 雅人, 加賀山 彰
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 94-103
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Micafungin (MCFG) のヒト血清およびヒト肝ミクロゾームを用いたin vitroでの薬物相互作用について検討し, 以下の結果を得た.
    1. 限外濾過法により求めたMCFGのヒト血清蛋白結合率は99.74%であり, ワルファリン, ジアゼパム, サリチル酸およびメトトレキサートの存在下でほとんど変化しなかった. また, ワルファリン, ジアゼパム, サリチル酸およびメトトレキサートのヒト血清蛋白結合率もMCFGの存在下で大きな変化を示さなかった.
    2. MCFGを0.1-1mmol/L (130-1, 300μg/mL) の濃度範囲で評価した場合, 0.5mmol/L以上の濃度で明らかにビリルビンとの置換現象が認められ, ビリルビン結合部位における臨値は2.0×103L/molであった. 対照薬としたサリチル酸およびスルフィソキサゾールのKD値はそれぞれ5.0×103L/molと1.4×104L/molであり, MCFGに比べ高値であった.
    3. ヒト肝ミクロゾームにおけるM5およびM13生成活性はいずれもクマリン7-水酸化活性およびテストステロン6β-水酸化活性と有意な相関があった. さらにM13生成活性はトルブタミドメチル水酸化活性およびS-メフェニトイン4'-水酸化活性と有意に相関した.
    4.トラニルシプロミン (CYP 2 C 19阻害剤) およびketoconazole (KCZ, CYP 3 A 4阻害剤) は, ヒト肝ミクロゾーム中MCFG代謝活性に対して阻害作用を示した. シクロスポリンA, タクロリムスおよびKCZのMCFG代謝活性に対する50%阻害濃度 (IC50) は, それぞれ>100, >100および6.2μmol/Lであり, シクロスポリンAおよびタクロリムスの作用はKCZよりも明らかに弱かった.
    5. テルフェナジンの代謝活性に対するMCFGおよびKCZのIC50 は67.7および0.46μmol/LでありfluconazoleのIC50は100μmol/L以上であった. 同様にアステミゾールの代謝活性に対するIC50はそれぞれ24.9, 0.12および44.2μmol/L, ニフェジピン代謝活性に対する阻害定数 (Ki) は17.3, 0.012および10.7μmol/Lであった.
    6. シクロスポリンA代謝活性に対するMCFG, caspofungin acetateおよびKCZのIC50は, それぞれ31, 39および0.14μmol/Lであり, MCFGとcaspofungin acetateの阻害作用はほぼ同等であったが, その程度はKCZよりも明らかに弱かった.
  • 東 純一, 中原 邦夫, 加賀山 彰, 梶保 徳昭, 河村 章生, 末松 裕之, 向井 知人
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 104-147
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健康成人男子36名を対象に, micafungin (MCFG) の第1相試験を実施し, 安全性および薬物動態を検討した. 単回投与試験では, MCFGの2.5, 5, 12.5, 25, 50mgを2時間かけて静脈内に定速持続注入した. 反復投与試験では, MCFGの25mgまたはプラセボとして生理食塩液を1時間かけて1日1回7日間静脈内に定速持続注入した. その結果, 以下の成績を得た.
    1) 本薬に起因すると考えられる異常所見は認められず, 忍容性は良好であった.
    2) 血漿中未変化体濃度は投与終了時に最高となり, その後, 2相性で消失した.
    3) 単回投与における未変化体の消失速度定数 (β), 消失半減期 (t1/2), 定常状態の分布容積 (Vdss)
    および全身クリアランス (CLt) には投与量間で差が認められなかった. また, 投与後無限大時間までの血漿中濃度一時間曲線下面積 (AUC0-∞) および最高血漿中濃度 (Cmax) は投与量に比例して増加した.これらのことから, 本薬の体内動態は線形であると考えられた.
    4) 反復投与における未変化体の血漿中濃度は第4日に定常状態に達し, 反復投与による蓄積傾向も認められなかった.
    5) 血漿中には, ラットおよびイヌで認められた活性代謝物のM1 (カテコール体) およびM2 (メトキシ体) はほとんど検出されなかった. また, 未変化体, M1およびM2の尿中排泄は, いずれもきわめて微量であった.
  • 東 純一, 中原 邦夫, 加賀山 彰, 藤原 誠一, 河村 章生, 向井 知人
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 148-154
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    高齢者男子 (66~78歳) および非高齢者男子 (20~24歳) 各10名に, micafungin (MCFG) 50mgを単回静脈内投与し, 高齢者における薬物動態の変化の有無を検討した. MCFGを静脈内に1時間かけて定速持続注入したときの血漿中未変化体濃度は, 高齢者, 非高齢者ともに, 投与終了後2相性に消失した. 高齢者および非高齢者における未変化体の最高血漿中濃度 (Cmax) はそれぞれ4.97±0.60および4.95±0.56μg/mL, 消失半減期 (t1/2) は14.9±1.0および15.2±0.9h, 定常状態の分布容積 (Vdss) は0.239±0.027および0.228±0.016L/kg, 全身クリアランス (CLt) は12.0±1.7および11.1±1.2mL/h/kgであった (本文における同様な数値表現はすべて平均値± 標準偏差を示す). また, 高齢者および非高齢者の血漿中蛋白結合率はそれぞれ99.85±0.01および99.85±0.02%であった. 薬物動態パラメータおよび血漿中蛋白結合率において, 高齢者と非高齢者との間で統計的有意差が認められなかったことから, 高齢者における薬物動態学的変化はないと考えられた.
  • 東 純一, 中原 邦夫, 加賀山 彰, 大熊 利明, 河村 章生, 向井 知人
    2002 年 50 巻 Supplement1 号 p. 155-184
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健康成人男子30名を対象に, micafungin (MCFG) の25, 50, 75および150mgの単回静脈内投与ならびに1日1回75mgの7日間反復静脈内投与を行い, 薬物動態を検討した。MCFGを単回投与すると, 血漿中未変化体濃度は投与終了後2相性に消失した。消失半減期 (t1/2), 定常状態の分布容積 (Vdss), 全身クリアランス (CLt) などの薬物動態パラメータは投与量間で差が認められなかった。これらを全例の平均値±標準偏差で示すと, それぞれ13.9±1.0h, 0.228±0.016L/kgおよび0.197±0.018mL/min/kgであった。また, 血漿中未変化体濃度の投与後無限大時間までの血漿中濃度一時間曲線下面積 (AUC0-∞) は投与量に比例して増加した。これらのことから, 本薬の体内動態は線形であると考えられた。尿中には未変化体はほとんど排泄されず, 排泄率は投与量の1%以下であった。MCFGの75mgを反復投与したときのCmaxは, 第4日に定常状態に達した。また, 反復投与後のt1/2およびAUC0-24hは, 単回投与での値とよく一致した。尿中には未変化体はほとんど排泄されず, 排泄率は投与量の1%以下であった。第1および7日の未変化体の血漿中蛋白結合率は, それぞれ99.83±0.01および99.82±0.01%であり, 反復投与による蛋白結合率の変化は認められなかった。これらのことから, 未変化体の体内動態は, 反復投与においても単回投与と変わらず線形であると考えられた。ラットおよびイヌで認められた2種の活性代謝物M1 (カテコール体) およびM2 (メトキシ体) についても検討した。その結果, M1は, 単回投与では50mg以上の投与量で血漿中に用量比例的に検出された。75mg反復投与では, 第2日より検出され, 第7日には0.297±0.039-0.307±0.042μg/mLの一定した濃度に達したが, 未変化体のトラフ濃度と比べると1/5以下であった。M1の尿中排泄率は, 投与量の0.15±0.02%であり, 尿中へはほとんど排泄されなかった。M2は血漿および尿のいずれにおいてもほとんど定量限界以下であった。
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