当院検査部に提出された各種臨床材料より分離された肺炎球菌のうち, ディスク法にてオキサシリンの阻止円が≦19mmを示した38株と≧20mmを示した3株, 合計41株について, ペニシリン耐性にかかわる
pbp 1a,
pbp 2x,
pbp 2b遺伝子の変異検出とともに, Etestによりpenicillin (PCG), cefotaxime (CTX), cefriaxone (CTRX), cefditoren (CDTR), cefdinir (CFDN), ciprofloxacin (CPDX), imipenem (IPM), meropenem (MEPM), ofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), levofloxacin (LVFX), sparfloxacin (SPFX), linezolid (LZD) のMICを測定した。PBP遺伝子の変異は,
pbp 1a+
2x+
2b変異が21株 (51.2%),
pbp 1a+
2x変異が3株 (7.3%),
pbp 1a単独変異株が1株 (2.4%),
pbp 2x単独変異株が13株 (31.7%) であった。また, 変異を認めない株が3株 (7.3%) であった, PCGのMIC分布は0.032~4μg/mLであり, PRSP9株 (22.0%), PISP20株 (48.8%), PSSP12株 (29.3%) であった, 各薬剤のMIC分布はCTX0.032~4μg/mL, CTRX0.016~1μg/mL, CDTR0.032~2μg/mL, CPDX0.032~8μg/mL, CFDN0.125~8μg/mL, IPM0.008~0.25μg/mL, MEPM0.008~0.5μg/mL, CPFX0.25~16μg/mL, SPFX0.125~1μg/mL, LVFX0.5~8μg/mL, OFLX1~≧32μg/mL, LZD0.5~1μg/mLであった。
抄録全体を表示