日本化学療法学会雑誌
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51 巻 , 10 号
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  • 北里 一郎
    2003 年 51 巻 10 号 p. 615-620
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    化学療法の原点は原因療法の推進者であったR.Kochとその門下生, そしてL.Pasteurらによって築かれた。R.Kochの門下生の北里柴三郎は, 破傷風の抗毒素を用いて免疫血清療法を確立した。同じく門下生のP.Ehrlichは, 秦佐八郎とともにサルバルサンを発見し化学療法に道を開いた。また, A. Flemingによるペニシリンの発見, H.Florey, E.Chainらによるいわゆる「ペニシリンの再発見」が化学療法, 特に感染症治療の飛躍的進歩につながるきっかけをつくったことはいうまでもない。日本でも梅澤濱夫らによるカナマイシンの発見を契機として多くの国産抗菌薬が相次いで開発された。特にニューキノロン系薬の開発は日本が中心であったし, 慢性肺疾患DPBへのマクロライド系薬の適応拡大も大きな業績で医療杜会に大きく貢献した。一方, MRSA, PRSP, VRE, 多剤耐性緑膿菌など次々と現れる薬剤耐性菌の拡大が深刻な問題となっており, 抗菌薬適正使用が叫ばれ院内感染対策が重要な課題となっている。また薬剤耐性菌のみでなく, 時としてSARSなど新興感染症やバイオテロの脅威にも対処しなければならない。このように複雑化してきた感染症に対し, いまこそ化学療法の原点に立ち返り, 当時にはなかった新しい遺伝子探索手段や新規病原因子の解析などを駆使して新しい化学療法を開発すべき時期にきている。
  • 渋谷 泰寛, 大野 高司, 伊東 紘一
    2003 年 51 巻 10 号 p. 621-625
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1999年から2000年の2年間に自治医科大学付属病院において, 血液材料から分離されたmethicillin耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 102株に対するvancomycin (VCM) と第4世代cephem系薬すなわちcef Pirome (CPR), cefbselis (CFSL), cefbpime (CFPM) あるいはcefbzopran (CZOP) との併用効果をチェカーボード法で検討した, VCMとCPRの併用では102株中77株 (75.5%) に, CFSLとの併川では82株 (80.4%), CFPMとの併用では81株 (79.4%) あるいはCZOPとの併用では76株 (74.5%) に相乗作用あるいは相加作用が認められた。また, これらの併用における平均Fractional Inhibitory Concentration (FIC) indexは0.67-0.75であった。なお, いずれの併用においても拮抗を示す併用群はなかった, 以上の成績より, VCMと第4世代cephem系薬との間には, MRSAに対して協力作川のあることが明らかとなり, 臨床応用が期待できると考えた。
  • 金子 真紀, 高田 利彦, 清水 敦之, 新井田 昌志, 武藤 祐子, 渡部 宏臣
    2003 年 51 巻 10 号 p. 626-630
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Streptococcus pneumoniaeHaemophilus influenzaeによるマウス肺混合感染モデルを構築し, cefditoren pivoxil (CDTR-PI) の治療効果とcefbapene pivoxil (CFPN-PI), cefpodoxime proxetil (CPDX-PR), amoxicillin (AMPC), amoxicillin/clavulanic acid (AMPC/CVA) およびlevofloxacin (LVFX) の治療下効果を比較した。CDTR-PIは, penicillin感受性S.pmumoniae (PSSP) とβ-lactamase非産生ABPC耐性H.influenzae (BLNAR) による混合感染モデルに対し, 投与量依存的に治療効果を示した。同モデルにおけるPSSPに対するCDTR-PIの治療効果は他経口β-lactam系薬と同等であり, LVFXに比べて高かった。BLNARに対するCDTR-PIの治療効果はLVFXと比較して低かったが, 他の経口β-lactam系薬に比べて同等以上であり, CPDX-PRおよびAMPCに比べて高かった。PSSPとABPC感受性H.influenzaeによる混合感染モデルでは, PSSPに対するCDTR-PIの治療効果は他経口セフェム系薬のそれと同等でありLVFXに比ベ有意に高かった。ABPC感受性H. influenzaeに対するCDTR-PIの治療効果は, 他経日セフェム系薬に比べ同等以上であったが, LVFXより低かった。CDTR-PIはS.PneumoniaeH.influenzaeによる混合感染モデルに対して, 両菌種に対するCDTRの強いin vitro抗菌力を反映し, 被験抗菌薬のなかでもっともバランスのよい治療効果を示すことから, 両菌種による複数菌感染の頻度が高い呼吸器感染症の治療に有用な抗菌薬であることが示唆された。
  • 永沢 普三, 草場 耕二, 高柳 恵, 青木 洋介, 永山 在明
    2003 年 51 巻 10 号 p. 631-637
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    九州耐性菌検査ネットワークに参加している15施設において2002年9月から同年12月の3か月間に各種臨床材料から検出されたMRSAを対象に, vancomycin (VCM) とβ-ラクタム系薬が拮抗するMRSA (BIVR: β-lactam antibiotic induced VCM-resistant MRSA) の検出率を調査した。また, BIVRを含むMRSA 70株に対するグリコペプチド系薬とカルバペネム系薬の併用効果をチェッカーボード法にて検討した。その結果,(1) 15施設において分離されたMRSA 404株のうち, 36株 (9%) はBIVRと判定された。(2) 臨床材料別によるBIVRの検出率では, 穿刺液関連;29%(2/7株), チューブ関連;15%(3/20株), 褥瘡関連;14%(3/21株), 血液関連;13%(2/16株) が高かった。(3) MRSA70株に対する併用効果は, VCM+imipenem (IPM) (mean FIC index;0.53), VCM+panipenem (PAPM) (同;0.50), VCM+meropenem (MEPM) (同;0.51), teicoplanin (TEIC) +IPM (同;0.23), TEIC+PAPM (同;0.25), TEIC+MEPM (同;0.26) であり, いずれの組み合わせにおいても併用効果は良好であった., 特に, カルバペネム系薬と著しい相乗作用 (FIC index;≦0.25) を示す割合は, VCM群ではIPM;0%, PAPM;5.7%, MEPM;1.4%であり, TEIC群ではそれぞれ64.3%, 42.9%, 44.3%であった。(4) BIVR (26株) と非BIVR (44株) に区別し併用効果 (相乗・相加作用) について検討した結果, 両者には著しい差異は認められなかった。以上の結果より, カルバペネム系薬のIPM, PAPM, MEPMはいずれも優れた併用効果を示したが, グリコペプチド系薬ではVCMよりもTEICと併用する方が抗菌力の増強は著しく優れていた。
  • 石川 清仁, 早川 敏, 宮川 真三郎, 名出 頼男, 星長 清隆
    2003 年 51 巻 10 号 p. 638-646
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    2002年に藤田保健衛生大学泌尿器科の外来および人院患者の尿中より分離された尿路病原性三を有する12菌種1, 582株 (全2, 278株中) を対象に, 日本化学療法学会推奨微量液体希釈法で各種抗菌葉に対する感受性を調べた。Stapkylococcus aureusStaphylococcus epidermidisは半数がmethicillin耐性であった。Enterococcus faecalisが16.3%(372株) と高頻度に分離された。腸球菌属では菌種によって感受性が著しく異なり, Enterococcus faeciumがもっとも高い耐性を獲得していた。グラム陰性三桿菌は1, 151株 (505%) を古め, 過半数以上がEscherichia coliであった。そのうち15%がキノロン系葉耐性株であり, 25株 (4.4%) でESBL産生株が疑われた, 。ESBL産生株の80%にキノロン系葉との交叉耐性三を認めた。Klebsiella pneumoniaeはすべての抗菌葉に90%以上の感性を示した。抗緑膿菌葉に対するPseudomonas aemginosaの感受性三解析の結果, 多剤耐性化は進んでおらず, すべての抗菌葉で感性株の分離頻度が上昇していた, 。Proteus属は菌種により耐性三を示す抗菌葉が異なった。Sermtia marcescensでも多剤耐性三株やESBL産生株は存在しなかった。グラム陽性三球菌では腸球菌属の分離頻度の増加と耐性三化傾向が, グラム陰性桿菌ではESBL産生株の増加とキノロン系葉との交叉耐性が最近の問題点といえる。
  • 田仲 曜, 幕内 博康
    2003 年 51 巻 10 号 p. 647-650
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    症例は, 56歳男性。進行胃癌の診断で, 1997年11月11日幽門側切除Biilroth II法再建を行った。術中所見では膵頭部浸潤, 横行結腸間膜浸潤に対し可及的合併切除を行った。病理所見は, 低分化型腺癌, pT4pN2M0 pStageIIIBであった。術後5FUとcisplatin (CDDP) を中心とした化学療法を行っていたが, 腫瘍マーカーの上昇, 横行結腸狭窄を認め, 胃癌術後癌性腹膜炎と診断した。TS-1100mg/day投与を予定したが, GOT, GPTの上昇を認め, 以前の化学療法による副作用を考え1週間投与を延期した。1週間後適正使用基準値になったため, TS-1投与を開始した。その後投与すると肝機能が改簿し, 休薬すると増悪するという興味深い経過をたどった。また食欲不振, 全身倦怠感が著明となり, 511間投薬2日間休薬としたところ, これらの副作用はやや改善された。TS-1投与を28日間6クール終了したところで, 横行結腸狭窄による閉塞症状が出現しバイパス術を施行した。術後TS.1を再開し, 9クール終了したところ全身状態不良となり入院, 緩和療法を行った。癌性腹膜炎と診断されてから17か月後に永眠された。
  • 2003 年 51 巻 10 号 p. 661
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 51 巻 10 号 p. 662
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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