日本化学療法学会雑誌
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51 巻 , 3 号
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  • 疫学と医療経済の国際比較
    河野 茂, 朝野 和典, 小林 慎
    2003 年 51 巻 3 号 p. 107-114
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    医療費の高騰はわが国の保険医療制度に重大な影響を与え, 医療費の削減が緊急の課題となっている。しかし, 単純な医療費の削減は国民医療の質的低下を招くおそれがあり, 医療費の適正配分とリンクして行われるべきである。そのためのアプローチのひとつが, 疾病が社会に与える影響を定量化する分析としての疾病負担研究 (burden of illness study; BOI) あるいは疾病費用研究 (cost of illness study; COI) である。今回, もっとも遭遇する機会が多く, かつ死亡原因としてわが国で第4位を占める肺炎に関する医療経済学的な解析を行い, かつ欧米の同様の分析と比較を行った。その結果わが国の肺炎医療は,(1) 大きな入院比率 (70%),(2) 外来診療に比較して高価な入院診療費 (21, 240円vs284, 370円),(3) 欧米と比較して安価な人院診療費, という特徴を描き出すことができた。このような結果は, 国民医療の立場から医療費の適正な再配分を行うための重要な資料となるとともに, 肺炎診療のガイドライン作成の医療経済学的指標となるものと考えられた。
  • 会沢 治朗, 石和田 稔彦, 黒木 春郎, 満田 年宏, 相原 雄幸, 菅野 治重, 河野 陽一
    2003 年 51 巻 3 号 p. 115-119
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    細菌性髄膜炎は小児科領域において代表的な重症感染症でありその初期治療は重要である。起炎菌不明時の同疾患の初期治療に際し, 主要起炎菌であるHaemophilus influenzaeStreptococcus pneumoniaeの薬剤感受性の傾向を把握するために1993年1月から2000年1月の間に発症した細菌性髄膜炎症例由来の両菌の抗菌薬感受性を測定した。H. influenzaeに対するMIC90はceftriaxone (CTRX) が最良でありS. pneumoniaeに対するMIC90はpanipenem (PAPM) およびbiapenemが最良であった。これまではampicillinとcefotaximeの併用が初期治療として一般的に行われていたが, 薬剤感受性の結果からは, 現時点ではCTRXとPAPMなどのカルバペネム系薬剤の併用が起炎菌不明時の髄膜炎初期治療薬として選択し得ると思われる。また, 両剤の併用にあたって拮抗作用の有無を確認する必要があるが, fractional inhibitory concentration index (FIC index) を用いて評価を行ったところ拮抗作用は認めなかった。
  • 小花 光夫, 大曽根 康夫, 松岡 康夫
    2003 年 51 巻 3 号 p. 120-126
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    2001年10月~2002年2月にかけて川崎市立川崎病院細菌検査室にて各種臨床検体から分離・同定されたPseudomonas aeruginosa, Haemophilus influenzae, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescensにおいて4種類のカルバペネム系薬に対する感受性を105cfu/well接種の微量液体希釈法にもとづくMIC測定により調査した。
    1) P. aeruginosa 95株に対するimipenem (IPM) のMIC50, MIC90は2μg/mL, 32μg/mL, panipenem (PAPM) では8μg/mL, 32μg/mL, meropenem (MEPM) では1μg/mL, 8μg/mL, biapenem (BIPM) では1μ9/mL, 16μg/mLであり, 耐性株 (MIC≧16μ9/mL) はIPMで25株 (26.3%), PAPMで39株 (41.1%), MEPMで6株 (6.3%), BIPMでは16株 (16.8%) であった。
    2) H. influenzae 47株に対するIPMのMIC50, MIC90は1μg/mL, 4μg/mL, PAPMでは1μg/mL, 4μg/mL, MEPMでは0.12μg/mL, 0.5μg/mL, BIPMでは1μg/mL, 8μg/mLであり, 耐性株 (IPM, PAPM, BIPMではMIC≧8μg/mL, MEPMではMIC≧1μg/mL) はIPMで1株 (2.1%), PAPMで3株 (6.4%), BIPMで5株 (10.6%) みられたが, MEPMでは1株もみられなかった。
    3) K. pneumoniae, E. cloacae, S. marcescensにおいてはいずれの薬剤でも耐性株 (MIC≧16μg/mL) はみられなかった。
    4) 今回の分離株ではメタロβ-lactamaseを産生するP. aeruginosaは1株もなく, また, 従来の報告と比較してもすべてのカルバペネム系薬で明らかな感受性の低下は認めなかったが, 今後とも本系統薬剤の感受性動向について詳細な検討が必要と考えられる。
  • 日暮 芳己, 岩井 友美, 奥住 捷子, 米山 彰子, 中原 一彦, 木村 哲
    2003 年 51 巻 3 号 p. 127-131
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    血液培養検査より分離・同定されたPseudomonas aeruginosa165株に対する各種抗菌薬の抗菌力をI期 (1987年以前) II期 (1989-1993年), III期 (1995-1999年) と経年的に比較した。対象とした薬剤はpiperacillin (PIPC), ceftazidime (CAZ), cefepime (CFPM), cefozopran (CZOP), amikacin (AMK), tobramycin (TOB), meropenem (MEPM), imipenem/cilastatin (IPM/CS), panipenem/betamipron (PAPM/BP), levofloxacin (LVFX), ciprofloxacin (CPFX), sparfloxacin (SPFX), norfloxacin (NFLX) の計13薬剤で, MICの測定は日本化学療法学会標準法にしたがい, Intermediate-Resistantrate (IR率) はNCCLSドキュメントに記載されたS・I・Rのカテゴリーを用いた。MIC50およびMIC90の比較では, β-ラクタム系薬はI期, II期およびIII期を通して同等または1管差以内であった。また, 他の抗菌薬は, I期とII期では同等または2管差以内であったが, H期とIII期ではMIC50, MIC90ともに著しい耐性化を示した。IR率の比較では, I期とII期ではCAZ, CFPM, CZOP, LVFX, AMK, TOBが低下し, PIPC, IPM/CS, MEPM, CPFX, NFLXは上昇した。同様にII期とIII期の比較では, PIPCのみが低下し, 他の薬剤は上昇した。特に, IPM/CS, MEPM, CPFX, NFLXは経年的にIR率が上昇した。今後, 感受性サーベイランスを行う際は, MICのみの比較ではなく, IR率も含めてサーベイランスを行い, 耐性菌出現の有無を監視する必要がある。また, empiric therapyでの抗菌薬の選択は, 各施設での感受性サーベイランスの結果をもとに, 選択を行う必要がある。
  • 荒明 美奈子, 谷 真理子, 前橋 一紀, 原 哲郎, 渡部 宏臣, 高橋 洋, 徳江 豊, 藤村 茂, 五味 和紀, 渡辺 彰
    2003 年 51 巻 3 号 p. 132-137
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    臨床分離の緑膿菌77株を被検菌として, gyrAおよびparCのキノロン耐性決定領域 (quinolone resistance-determining regions: QRDR) の変異に伴うGyrAおよびParCのアミノ酸置換と新規経口キノロン系薬prulifloxacinの活性体NM394に対する感受性の関係を検討した。gyrAまたはparCの変異によるアミノ酸置換が認められた株は77株中24株 (31%) 存在した。それら24株はすべてGyrAにアミノ酸置換が認められ, さらにParCにもアミノ酸置換の認められる株は18株あったが, ParCのみにアミノ酸置換の認められる株はなかった。これらアミノ酸の置換した株のNM394に対する感受性は, ciprofloxacin (CPFX), levofloxacin (LVFX) およびgatifloxacin (GFLX) に対する感受性と同様に低下していた。GyrAのみにアミノ酸置換が認められた株は, 被験キノロン系薬に対して軽度または中等度耐性であり, さらにParCにアミノ酸畳換が加わった株は高度耐性であった。変異株に対するNM394, CPFXおよびLVFXの短時間殺菌力を比較した結果, NM394はMIC濃度においていずれの変異株に対しても変異のない株に対する殺菌力と同程度であった。一方, アミノ酸置換が認められた株に対するCPFXおよびLVFXの殺菌力は, アミノ酸置換がない株に対する殺菌力に比べ弱かった。以上の結果から, type II topoisomerase変異株に対するNM394の殺菌力は, CPFXおよびLVFXの殺菌力に比べ優れていることが明らかになった。
  • 人工透析療法下奏効例の経験
    関根 秀明, 高田 佐織, 中里 義則, 杉原 徳彦, 坂巻 浩孝, 五十嵐 尚志, 宇留間 友宣, 国東 博之, 武田 英紀, 渡辺 秀裕 ...
    2003 年 51 巻 3 号 p. 138-143
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    近年, 慢性腎不全患者の生存率の向上に伴い悪性腫瘍の合併が増加する傾向にある。今回われわれは慢性腎不全を伴った肺小細胞癌に対し人工透析併用にてcarboplatin (CBDCA), etoposide (VP-16) による化学療法を行った。症例1は膜性腎症, IgA腎症による非透析慢性腎不全の症例, CBDCA+VP-16を計2回施行した結果nochange (NC) であった。副作用として骨髄抑制を認めた。症例2は腎硬化症による維持透析慢性腎不全の症例, CBDCA+VP-16を計2回施行した結果partial response (PR) が得られた。1コース目で高度骨髄抑制を認めたため2コース目は減量した。血中濃度モニタリングを行い症例1, 2ともにarea under the curve (AUC) は保つことができ, 全身管理に注意することで有効症例が得られた。しかし慢性腎不全患者は癌化学療法においてriskの高い状態であり今後症例を積み重ねて個々の症例に対して適宜投与方法を検討する必要性があると考えられた。
  • 砂川 慶介, 岩井 直一, 豊永 義清, 阪田 保隆, 春田 恒和, 佐藤 吉壮, 桑原 雅明, 藤井 良知, 小林 裕, 西村 忠史, 岩 ...
    2003 年 51 巻 3 号 p. 144
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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