日本化学療法学会雑誌
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51 巻 , 5 号
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  • 上田 晃弘, 岡 慎一
    2003 年 51 巻 5 号 p. 273-277
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1995年にプロテアーゼ阻害剤が登場し, 多剤併用療法 (HAART) が抗HIV治療の主流となってから, 患者の予後は大きく改善した。しかし, 現在の治療では体内からHIVを完全に除去することは不可能であり, 持続的な内服が必要となる。そのため, 抗HIV療法による長期毒性, 患者のアドビアランスの低下による耐性ウイルスの出現といった問題が出てきている。これらの事実はいつ, どのタイミングでどのようなレジメンで抗HIV療法を導入するかという大きな問題を提示している。治療開始にあたっては, CD4+リンパ球数, HIVRNA量, 臨床症状を総合的に判断してHAARTの導入を行い, その治療効果を判定することが必要となっている。またアドビアランス向上の点からもより毒性が少なく, 服薬しやすい抗HIV薬が望まれ, 新規薬剤の開発が進み, 臨床応用が待たれている。
  • Telithromycinを中心に
    井上 松久, 賀来 満夫, 西野 武志, 平潟 洋一, 河野 茂
    2003 年 51 巻 5 号 p. 278-288
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ケトライド系抗菌薬は, 新しい範疇に属する抗菌薬として世界各地で開発が進められている。ケトライド系抗菌薬は天然のケトライド系化合物の特徴に着目して創薬が開始され, もっとも開発が進んだものとしてtelithromycinが世界の多くの国で臨床使用されるようになった。その化学構造上の特徴はマクロラクトン環の8位にケトン基を有することであり, 細菌学的には呼吸器および耳鼻咽喉科感染症病原菌 (肺炎球菌, インフルエンザ菌, モラクセラ カタラリス菌, 非定型微生物, 細胞内寄生性細菌) に対して強い抗菌力を示す。特にペニシリン, マクロライドのみならずキノロン耐性肺炎球菌に対しても強い活性を有し, 他の抗菌薬との間に交差耐性を示さないという特徴を有する。
  • 小児呼吸器感染症検体を用いて
    諸角 美由紀, 岩田 敏, 遠藤 廣子, 大石 智洋, 大成 滋, 川村 尚久, 黒木 春郎, 小林 正明, 斎藤 洪太, 酒井 律子, 砂 ...
    2003 年 51 巻 5 号 p. 289-299
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Mycoplasma pneumoniaeの16 S rRNA遺伝子上に新たなprimerを設計し, それを用いたPCRによって, 検査材料からの直接的なM. pmumoniaeの検索法について検討した。このprimerの基礎的検討における感度は1 cycleあたり94℃: 15秒, 53℃: 15秒, 72℃: 15秒, 35 cycleの条件下で2CFU/tubeであった。この結果から, 検体あたり1.1×103CFUの. M. pmumoniaeが存在すれば, PCR陽性 (PCR (+)) となるものと判断した。検査材料の前処理から結果を得るまでの所要時間は2.5時間であった。次に, 本PCRは2002年5月から2003年1月の期間に「acute respiratory diseases研究会」参加の小児科医によって採取された783検体について実施された。検査材料は, 上咽頭ぬぐい液 (n=612), 咽頭ぬぐい液 (n=141), 耳漏 (n=12) などであった。これらの検体においてPCR (+) と判定された症例は79例 (10.1%) であった。その内訳は, 肺炎58/291例 (19.9%), 急性気管支炎13/207例 (6.3%), 急性咽頭炎2/130例 (1.5%), 急性上気道炎2/45例 (4.4%) などで, 下部気道感染症となるにしたがい, PCR (+) 例が有意に多くなる (x2=53.3008, p=0.0000) という結果であった。肺炎例においてM. pneumoniaeに対する抗体価の有意な上昇あるいは高抗体価を示したことにより, M. pneumoniae肺炎と診断された症例は65例あったが, そのうちPCR (+) であった症例は46例 (70.8%) であった。この65例について前投与抗菌薬との関係を調べると, 抗菌薬投与がないと記載されていた21例, ならびにM.pmumoniaeに無効な経口β-ラクタム系薬が投与されていた22例, 計43例中38例 (88.4%) でPCR (+) であった。M. pneumoniaeに抗菌力を有しているマクロライド系薬あるいはニューキノロン系薬などが投与されていた13例では, 3例 (23.1%) のみがPCR (+) であった。以上の成績は, 発症してからの病日とPCRの実行日との関係も考慮する必要があるが, 抗菌薬が投与されていない症例に対し, 本PCRを実施することは, 治療薬選択の上できわめて有用であると考えられた。
  • 祖川 由美, 四辻 彰, 満山 順一, 山口 惠三
    2003 年 51 巻 5 号 p. 300-305
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ヒト常用量点滴静注時の血清中濃度シミュレーションモデルを用いて, Staphylococcus aureusトポイソメラーゼIV変異株のpazufloxacin (PZFX) およびciprofloxacin (CPFX) に対する耐性化の検討を行い, 以下の結果を得た。
    1) PZFX注射薬 [PZFXmesilate] 500mg, CPFX注射薬 [CPFX hydrochloride] 300mg点滴静注時の血清中濃度を再現したシミュレーションモデルにおいて, PZFX注射薬はAUC/MICおよびCmax/MICを反映し, CPFX注射薬より強い殺菌効果を示した。
    2) CPFXを用いたシミュレーションモデルにおいて, 開始24時間後の菌液のポピュレーション解析を行ったところ, 1~4μg/mLと10~40μg/mLの濃度に, 耐性ポピュレーションが認められた。しかし, PZFXを用いたシミュレーションモデルにおいては, 開始24時間後の菌液では, 明らかな耐性ポピュレーションは認められなかった。
    3) CPFXを用いたシミュレーションモデルにおいて, 開始24時間後の菌液より分離された株に対するCPFXのMICは2~32倍に上昇し, MICが4倍以上昇した株すべてにおいてDNAジャイレースに新たな変異が認められた。しかし, PZFXを用いた場合, シミュレーションモデル開始24時間後の菌液より分離された株に対するPZFXのMICはシミュレーション開始前と同値であり, DNAジャイレース, トポイソメラーゼIVのいずれにも新たな変異は認められなかった。
  • 2003 年 51 巻 5 号 p. 316
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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