日本化学療法学会雑誌
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51 巻 , Supplement1 号
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  • 河野 茂
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 1-6
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 嫌気性菌を含む標準菌株, 臨床分離株に対するin vitro抗菌カ
    新井 進, 岡本 博樹, 野口 恵子, 牛場 薫, 矢口 理史
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 7-18
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) のin vitro抗菌力を, 標準菌株および臨床分離株を用いて検討し, マクロライド系抗菌薬のerythromycin A (EM), clarithromycin (CAM), azithromycin (AZM), roxithromycin (RXM) およびjosamycin (JM), ペニシリン薬のampicillin (ABPC), セフェム薬のcefaclor (CCL) およびニューキノロン薬のofloxacin (OFLX) と比較した。標準菌株: TELは好気性グラム陽1生菌に対して幅広い抗菌スペクトルを有し, その抗菌活性 (MIC範囲: 0.006~0.1μg/mL) はEM, CAM, AZM, RXMおよびABPCと同等もしくはそれ以上であり, JM, CCLおよびOFLXよりも強かった。TELの好気性グラム陰性菌に対する抗菌活性は, OFLX, ABPCおよびCCLよりは弱かったが, AZMとほぼ同等であった, 、TELは嫌気性グラム陽性菌に対して広い抗菌スペクトルを示し, その抗菌活性 (MIC範囲: 0.006~1.56μg/mL) はすべての対照薬に比べ同等以上であった。臨床分離株: TELのStreptococcus pmumoniae, Streptococcus pyogenesおよびStreptococcus agalactiaeに対するMIC90は, いずれも0.05μg/mLであり, 既存のマクロライド薬に比べ同等~2,000倍以上の強い抗菌活性を示した。TELのMSSAに対する抗菌力 (MIC50: 0.1μg/mL) は, 既存のマクロライド薬に比べ4~16倍強かったが, MRSAに対する効果 (MIC50: 100μg/mL以上) は弱かった。Enterococcus faecalisおよびEnterococcus faeciumに対するTELのMIC90は1.56~625μg/mLであり, 既存のマクロライド薬に比べ強い抗菌力を示した。Haemophilus influenzaeに対するTELのMIC90は3.13μg/mLであり, EM, CAM, RXM, JMに比べ2~16倍小さく, AZMに比べ2倍大きかった。Moraxella catarrhalisに対するTELのMIC90は0.2μg/mLであり, EM, CAM, AZM, RXMおよびOFLXとほぼ同様であった。TELのPeptostreptococcus anaerobiusに対する抗菌力 (MIC90: 0.05μg/mL) は, すべての対照薬に比べ強かった。
  • 各種菌株に対する抗菌力・諸因子の影響・形態変化
    西野 武志, 大槻 雅子, 原田 秀明
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 19-31
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の標準菌株に対する抗菌スペクトル, 臨床分離株に対する抗菌力を既存のマクロライド薬であるclarithromycin (CAM), azithromycin (AZM), セフェム薬のcefdinir (CFDN), ニューキノロン薬のlevonoxacin (LVFX) と比較した。さらに, その抗菌力におよぼす諸因子の影響, TELの細菌増殖曲線におよぼす影響, およびTELによる細菌の形態変化を検討した。TELは既存のマクロライド薬と同様に, グラム陽性菌と一部の陰性菌 (Haemophilus influenzae, Hericobacter pylori) に対して幅広い抗菌スペクトルを有し, その抗菌力はグラム陽性菌群において, すべての対照薬剤と同等以上であり, グラム陰性菌群ではCAMおよびAZMと同等以上であった。臨床分離株 (1997年分離, 488株) に対しては, グラム陽性菌において優れた抗菌活性が認められ, 特にStreptococcus属およびEnterococcus属に対しては, 試験薬剤中, もっとも強い抗菌力を示し, さらにマクロライド耐性を示したこれらの菌に対しても, TELは有効であった。しかし, methicillin耐性Staphylococcas aureus (MRSA), ニューキノロン耐性S. aureus, methicillin耐性Stapylococcus epidermidis (MRSE) に対しては他の対照薬と同様に抗菌力は弱かった。グラム陰性菌においては, 既存のマクロライドが抗菌力を示すH. influemae, Moraxella catarryalis, H. Pyloriに対してAZM, CAMと同等以上であったが, その他の菌株に対しては, CFDNおよびLVFXに劣る抗菌力であった。TELの抗菌力におよぼす諸因子の影響は, S. areus, S. epidermidis, Enterococcus faecalisおよびEscyericyia coliの標準菌株を用いてerythromycin (EM) およびCAMと比較, 検討した。培地pHによる影響では, アルカリ性側で抗菌力の増強が, 酸性側で低下が認められ, 馬脱繊維血液 (DHB) の添加による影響では, 添加量の増加に伴い抗菌力が良好となり, また, 接種菌量については軽微な影響であり, いずれも対照薬と同等の変化であった。標準菌株の増殖曲線に及ぼすTELの影響を検討した結果, S.aureusに対しては比較的静菌的な作川であったが, S. pneumoniaeでは2MIC以上, H.influensaeでは1MIC以上の濃度から殺菌的に作川し, さらに, その作用は迅速で強力なものであった。TEL作用後の形態変化を微分干渉顕微鏡で観察したところ, S. aureusおよびS. pneumoniaeにおいては4MIC以上の濃度で菌体の膨化, 8MIC以上で溶菌像が観察された。さらに, 透過型電子顕微鏡像においては, S. aureusで細胞壁の著明な肥厚, 空洞化様構造および溶菌が認められた。H. influenzaeでは1MIC以上の濃度で伸長化が観察され, 4MIC以上の濃度で, 原形質分離および溶菌が観察された。
  • 嫌気性菌の参考菌株・臨床分離株に対する抗菌カ
    渡邉 邦友, 加藤 直樹, 田中 香お里
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 32-37
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の嫌気性菌の参考菌株62株および1994年以降に分離された臨床分離株360株に対する抗菌力を, cefditoren (CDTR), amoxicillin/clavulanate (AMPC/CVA), clarithromycin (CAM) およびclindamycin (CLDM) と比較検討した。参考菌株に対する抗菌力試験において, TELはグラム陽性桿菌に対して強い抗菌活性を示した。特にLactobacillusspp.7株に対しては他薬に比べ, もっとも強い抗菌活性を示した。またグラム陽性球菌に対しても一部の菌を除き, 優れた抗菌活性を示した。しかしながら, グラム陰性菌に対する抗菌力は, 全体的に弱かった。臨床分離株に対する抗菌力試験において, TELのPeptostreptococcus spp., Veillonella spp., Actinomycetes spp., Prolpionibactrium acnesおよびClostridium perfringens に対するMIC90は0.03~8μg/mLであり, CAMのそれより低かった。またPrevotella intermdiaおよびPorphyromonasspp. に対してはMIC90はいずれも0.125μg/mLであり, CAMのそれよりは高かったものの, 優れた抗菌力を示した。しかしながら, Bacteroides fragilisに対してはMIC50が>256μg/mLと効果は弱かった。
  • 主に呼吸器感染症起炎菌の臨床分離株に対する抗菌カ
    伊藤 輝代, 堀 典子, 黒田 博子, 片山 由紀, 稲葉 陽子, 平松 啓一
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 38-45
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の各種臨床分離株に対する試験管内抗菌力を1994年から1998年分離の臨床分離株を用いて検討し, erythromycin A (EM), clarithromycin (CAM), azithromycin (AZM), ievofloxacin (LVFX), cefditoren (CDTR) およびsulbactam/ampicillin (SBT/ABPC) と比較した。Methicillin 耐性Staphylococcus aureus (MRSA), methicillin 感性S. aureus (MSSA), EM耐性S. aureus (ERSA), EM感性S. aureus (ESSA), EM耐性Sltaphylococcus epidermidis (ERSE), EM感性S. epidermidis (ESSE), vancomycin (VCM) 耐性Enterococcus faecium, EM耐性E. faecium, EM感性. E. faecium, EM耐性Enterococcus faecalis, EM感性E. faecalis, EM耐性Enterococcus avium, EM感性E. avium, EM耐性 Streptococcus pneumoniae, EM感性S. pneumoniae, penicillin耐性S. pmumoniae (PRSP), penicillin感性S. pmumoniae (PSSP), EM耐性Streptococcus agalactiae, EM感性S. agalactiae, EM耐性Heamophilis influenzae, EM感性H. influenzae およびEM感性Moraxella catarrhalisを用いた。TELのMIC90はそれぞれ>128, 0.125, >128, 0.125, >128, 0.063, 8, 4, 0.032, 2, 0.032, 1, 0.032, 0.5, 0.063, 0.5, 0.5, 2, 0.063, 4, 2および0.125μg/mLであった。
  • 臨床分離株に対する抗菌力と耐性誘導能
    井上 松久, 佐藤 優子, 岡本 了一
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 46-54
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ケトライド系抗生物質telithromycin (TEL) の臨床分離株に対するin vitro抗菌力をerythromycin A (EM), clarithromycin (CAM), rokitamycin (RKM), ampicillin (ABPC), cefpodoxime (CPDX), levofloxacin (LVFX) およびteicoplanin (TEIC) と, またマクロライド耐性誘導能をEM, CAMおよびRKMと比較検討した。TELは, 臨床分離グラム陽性球菌に対して幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌活性を示した。また, グラム陰性菌のHaemophilus influenzaeおよびMomxella catarrhalisに対して既存のマクロライドと同等の良好な抗菌活性を示した。誘導型マクロライド耐性を示す臨床分離のStaphylococcus aureusおよびSltreptococcus pneumoniaeのほぼ100%の株はTELに高感受性を示した。誘導型EM耐性S.aureusに, 種々の濃度のTELを処理したが, 耐性は誘導されなかった。これは誘導型マクロライド耐性株に対して, TELは誘導活性がほとんどないことを示すものと考えられた。
  • 臨床分離株に対するin vitro抗菌力とin vitro感染防御効果
    山口 惠三, 宮崎 修一, 岡本 博樹
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 55-65
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の日本の臨床分離株に対するin vitro抗菌力を検討し, マクロライド系抗生物質のerythromycin A (EM), clarithromycin (CAM), azithromycin (AZM), ペニシリン系抗生物質のamoxicillin (AMPC), セフェム系抗生物質のcefdinir (CFDN) ならびにニューキノロン薬のlevofloxacin (LVFX) と比較した。その結果, TELは, EM感受性Streptococcus pneumoniae (MIC90=0.008μg/mL) だけでなくmefE保有 (葉物排出型) EM耐性菌およびermB保有 (作用部位変異型) EM耐性菌のいずれに対しても試験葉物中もっとも強い抗菌作用 (MIC90=0.125μg/mL) を示した。さらに, TELはEM感受性およびmefE保有EM耐性株に対し, 殺菌的 (MBC90/MIC90=1) に作用したが, ermB保有EM耐性株に対するそれは若干弱かった (MBC90/MIC90=4)。TELは, Streptococcus pyogenesおよびStreptococcus agalactiaeに対してもS.pmumoniae同様もっとも強い抗菌作用を示した。TELは, EM感受性および誘導型EM耐性Stapkylococcus aureusに対しもっとも強い抗菌作用 (MIC90=0.125および0.25μg/mL) を示したが, 殺菌的な作用は弱かった (MBC90/MIC90=16および8)。また, TELは構成型EM耐性株に対しては効果を示さなかった。同様の結果が, Stapkylococcus epidermidisについても得られた。TELはEM感受性Enterococcus faecalisに対しもっとも強い抗菌作用 (MIC90≦0.063μg/mL) を, EM耐性株に対してもEM, CAMおよびAZMより32倍以上強い作川 (MIC90=4μg/mL) を示した。さらに, TELはEM感受性株に対し殺菌的な作用 (MBC90/MIC90=4) を示したが, EM耐性株に対するそれは弱かった (MBC90/MIC90=32)。TELは, Entmcoccus faeciumに対してももっとも強い抗菌作用 (MIC90=2μg/mL) を示した。Haemophilus influenzaeに対するTELの抗菌作用 (MIC50=2μg/mL, MIC90=4μg/mL) はEM, CAMより2~4倍強く, AZMと同等もしくは2倍弱かった。TELはMoraxella catarrhalis, Rordetella pertussis, Legionella spp.および.Neisseria gonorrhoeaeに対し強い抗菌作用 (MIC90=0.25, 0.032, 0.063および0.125μg/mL) を示した。これらのTELの効果は, M. catarrhalisに対する効果がAZMより劣っていた以外は, EM, CAMおよびAZMと同等またはそれ以上であった。しかし, EM, CAMおよびAZMと同様, TELのKlebsiella pneumoniaeに対する抗菌作用は弱かった。TELはH. influenzaeおよびM. catarrhalisに対して殺菌的な作用 (MBC90/MIC90=1) を示した。次に, S. aureus Smith株による全身感染モデルを用いて, TELのin vivo感染防御効果を検討し, CAM, AZM, CFDNおよびLVFXと比較した。その結果, TEL, CAM, AZM, CFDNおよびLVFXは感染防御効果を示し, そのED50はそれぞれ, 7.3, 12.1, 13.2, 2.1および5.7mg/kgであった。以上の実験結果から, TELはグラム陽性菌に対し非常に強い抗菌力を有し, 特にS. pneumoniaeにおいてはEM耐性菌に対しても作用を有すること, グラム陰性の市中呼吸器感染の原因菌にも優れた作用を有すること, およびS. aureus性感染モデルにおいてCAMおよびAZMよりも強い感染防御効果を有することが明らかになった。
  • Legionella菌種の標準株, 臨床分離株に対する抗菌カ
    斎藤 厚, 小出 道夫, 新垣 紀子
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 66-70
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Legiomlla菌種の標準株およびLegionella pneumophila臨床分離株に対するtelithromycin (TEL) のin vitro抗菌力をerythromycin (EM), clarithromycin (CAM), azithromycin (AZM), levofloxacinおよびsparfloxacinと比較した。Legionella菌種の標準株およびL.pneumophilaの日本での臨床分離株に対するTELのMIC90は, それぞれ0.5および0.25μg/mLであった。このTELの活性は, EMおよびAZMよりも強く, CAMよりやや弱かった。以上の結果より, TELはLegiomlla菌種による肺炎に対して優れた治療薬となりうることが示唆された。
  • 岡本 博樹, 新井 進, 佐藤 弓枝, 小林 寅哲
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 71-76
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1999~2001年に日本で実施されたtelithromycin (TEL) の第II相および第III相臨床試験において分離されたStreptococcus pneumoniae 103株およびHaemophilus influenzae 174株のTEL, erythromycin A (EM), clarithromycin (CAM), azithromycin (AZM), clindamycin (CLDM), cefdinir (CFDN), levofloxacin (LVFX) およびpenicillin G (PCG) またはampicillin (ABPC) に対する感受性を測定した。S. pneumoniaeについては, ermAM, mefA/E耐性遺伝子の有無により分類して評価した。S. pneumoniaeのCAM, AZM, CLDM耐性は増加しており, これらの抗菌薬のMIC50はそれぞれ, 1999年分離株では0.5, 0.5, 0.03μg/mL, 2000年分離株では32, >16, 32μg/mL, 2001年分離菌では>64, >16, 32μg/mLであった。一方, 3年間の分離株に対してTELは, ermAM, mefA/E耐性遺伝子の有無に関係なく強い抗菌活性を示し, そのMIC範囲は3年間でほとんど変化しなかった (0.015~0.25μg/mL)。H. influenzaeのABPC耐性は増加しており, ABPCのMIC90は, 1999年分離株では1μg/mL, 2000および2001年分離株では8μg/mLであった。TELのH. influenzaeに対する抗菌活性はAZMとほぼ同等であり, CAMよりも強かった。1999~2001年の日本での臨床試験の間にTEL耐性S. pneumoniaeまたはH. influenzae菌は出現しなかった。
  • MBC/MIC比と殺菌曲線
    新井 進, 岡本 博樹, 野口 恵子, 牛場 薫, 矢口 理史
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 77-82
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    日本で臨床分離されたStaphylococcus aureus (19株), Enterococcus faecalis (20株), Streptococcus pneumoniae (16株) およびHaemophilus influenzae (18株) に対するtelithromycin (TEL) のMICおよびMBCを測定し, 既存のマクロライド系抗菌薬であるerythromycin A (EM), clarithromycin (CAM), azithromycin (AZM) およびjosamycin (JM) と比較した。その結果, すべての抗菌薬のS. aureusおよびE. faecalisに対するMBC50/MIC50およびMBC90/MIC90は32以上であったが, S. pneumoniaeおよびH. influenzaeに対するMBC50/MIC50およびMBC90/MIC90は2以内であった。したがって, TELはS. aureusおよびE. faecalisに対しては静菌的に, S. pneumoniaeおよびH. influenzaeに対しては殺菌的に作用することが示唆された。さらに, S. aureus, S. pneumoniaeおよびH. influenzaeの標準菌株に対するTELの殺菌曲線を求め, EM, CAMおよびAZMと比較検討した。その結果, TELはS. aureus Smithに対して, CAMに若干劣るものの, EMおよびAZMと同様に, 1/2MICの濃度での増殖を抑制し, MICの濃度から緩やかな殺菌作用が認められた。また, S. pneumoniae DP-1に対して, 他の対照薬と同様にMICより低い濃度で増殖を抑制し, MIC以上の濃度で殺菌的に作川した。H. influenzae ATCC 49247に対しては, 1/2MICの濃度で増殖を抑制し, MIC以上の濃度で殺菌的に作川した。TELは, 特にS. pneumoniae DP-1およびH. influenzac ATCC 49247に対して, EM, CAMおよびAZMに比べて短期間で強力な殺菌作用を示し, さらに, これら抗菌薬でS. aureus SmithおよびH. influemae ATCC 49247においてみられた再増殖も認められなかった。
  • 耐性誘導能からリボソーム親和性まで作用機序の検討
    中島 良徳, 遠藤 菊太郎
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 83-93
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ケトライド系抗菌薬telithromycin (TEL) についてStaphylococcus aureusに対する耐性誘導能, S. aureusにおける50%発育阻害濃度 (ID50), 蛋白質合成阻害効果および耐性菌由来リボソームとの親和性について検討した。ディスク拡散法によるTELの耐性誘導能についてerythromycin A (EM) と比較検討した, TELは, EMとは異なり, マクロライド系抗菌薬 (Mac) 誘導型耐性のS. aureusに対して, 耐性誘導活性をまったく示さなかった。また感受性および耐性菌株を問わずEMより強い抗菌活性を示した。S. aureusにおける50%発育阻害濃度 (ID50) をEMおよびrokitamycin (RKM) と比較検討した。Mac感性株に対してTELはEM, RKMより5.3~5.5倍強い阻害活性を示し, さらに, 一部Macに構成型PM (Partialmacrolide) 耐性株に対してTELはRKMの1.5倍, EMの124倍強い抗菌活性を示した, Poly (A) 依存polylysin合成系を用いてTELの蛋白合成阻害効果を検討した。TELは感受性菌株および耐性誘導前のMac誘導型耐性菌株 (erm (A) 保有S. aureusおよびStreptococcus pneumoniae HL-3120) 山来リボソームにおける蛋白質合成を強く阻害したものの, 耐性誘導後のMac耐性菌由来リボソームに対しては阻害効果を示さなかった。TELのS. aurcusおよびS. pneumoniae由来リボソームとの親和性を検討したところ, 従来のMacと同様に50Sリボソームサブユニットと結合し, 30Sサブユニットとは結合しなかった。TELはMac感受性S. aureus由来50Sサブユニットに対する結合量に比べ, 低いながらも, PM耐性菌由来リボソームにも結合した。TELは, 感受性およびリンコサマイドやストレプトグラミンB型抗菌薬 (MLS) にも誘導型耐性を示す耐性誘導前S. pneumoniae山来のリボソームとも結合し, さらに, 従来の14員環Macとは異なり, 耐性誘導後のS. pneumoniae山来50Sサブユニットと感受性菌由来のサブユニットに比べ, 結合量は低下するものの特異的に結合した。
  • 投与後短時間での治療効果
    岡本 博樹, 新井 進, 野口 恵子, 前田 巧, 土田 晃彦
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 94-99
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の投与後短時間での治療効果 (in vivo殺菌作川) をerythromycin (EM) 感受性 (HL438株) もしくはEM耐性 (HL3523株) Streptococcus pmumoniae性マウス肺炎モデルを用いて検討した。その結果, TELは投与後4または8時間でS. pneumoniae性肺炎に対して, clarithromycin (CAM), azithromycin (AZM) およびlevofloxacin (LVFX) よりも強い治療効果を示した。TELはin vitroにおいて, EM感受性のHL438株に対してCAM, AZMおよびLVFXよりも強い短時間殺菌作用を示した。S. pneumoniaeHL438による肺炎モデルにおけるTEL, AZM, CMおよびLVFXのAUC0-6/MICはそれぞれ, 5, 355, 2, 178, 15, 504および20であった。以上の結果から, TELはin vivoにおいてS. pneumoniaeに対して対照薬よりも速く治療効果を示し, これはTELのin vitroでみられた強い短時間殺菌作用および投与後短時間における肺内AUC/MICが高いことによるものと考えられた。
  • 重栖 幹夫, D Catez, 上田 隆弘
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 100-102
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) はフランスルセルユクラフ社 (現: フランス, アベンティスファーマ社) で開発されたケトライド系の新規抗生物質である。マウス, ラットおよびイヌを用い, 経目投与 (p.o.) または静脈内投与 (i. v.) による単回投与毒性試験を実施した, マウスのLD50値はp. o.で雄約1,500mg/kg, 雌1,000~1,500mg/kg, i.v.で雄53mg/kg, 雌49mg/kgであった。一般状態の変化としてp. o.で緊張性低下, 振戦がみられ, i.v.で頻呼吸, 痙攣, 傾眠, 振戦がみられ, 死亡例の肺にうっ血が観察された。ラットのLD50値はP.o.で雄雌とも2,000mg/kg以上, i.v.で雄約70mg/kg, 雌81mg/kgであり, 上一般状態の変化はp. o.で観察されず, i. v.で呼吸困難, 跳躍および痙攣がみられ, 死亡例の肺にうっ血が観察された。ビーグル犬のp. o.におけるLD50値は, 2,000mg/kg以上であり, 一般状態の変化として嘔吐, 下痢, 便の変色がみられた。投与後1日目の血液生化学的検査において, 2,000mg/kg群の雄の1例でalanine aminotransferase (ALAT) の高値が認められたが, 7日目には正常に復していた。その他, 体重, 体温, 心電図, 血液学的検査および剖検においてなんら異常所見は認められなかった。
  • 重栖 幹夫, B Eluard, H Thien-Aubert, JP Stepniewski, JM Vidal, G Bode, V R ...
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 103-114
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の経口投与毒性を評価するために, 雌雄のSD系ラットを用いて30日間投与-4週間の回復試験および13週間投与試験を実施し, あわせて, これらの試験におけるトキシコキネティックス (TK) を検討した。30日間投与試験 (0, 50, 150および300mg/kg/日) において, 300mg/kg/日投与群の雄で軽度の体1重増加抑制, 雌雄で肝酵素活性の上昇および雌で肝重量の増加がみられ, 全投与群で抗菌作用の2次的変化と考えられる盲腸の肥大が認められた。病理学的には, マクロライド系抗菌薬などで報告されているフォスフォリピドーシス様変化が150mg/kg/日以上で用量依存的に肝, 胆管, 肺, 空腸/回腸および腸間膜リンパ節に, 300mg/kg/日で脾臓に認められた。その他, 300mg/kg/日群で肝臓に多巣性肝細胞壊死, 肝細胞肥大あるいは核大小不同がみられた。これらの変化は, 4週間の休薬で完全にまたは部分的に回復した。以上の結果から, 本試験の無毒性量は50mg/kg/日と推察される, TKでは, 各投与群間で血漿中濃度に中程度の変動がみられ, 投与30日目のCmaxおよびAUCは, 雌150mg/kg/日以上, 雄300mg/kg/日で増大 (300mg/kg/日で2~3倍) した。13週間試験 0, 20, 50および150mg/kg/lDにおいて, 150mg/kg/日の雄で軽度の体重増加抑制, 雌雄で肝酵素活性の上昇および雌で肝重量の増加がみられ, 病理学的にフォスフォリピドーシス様変化が50および150mg/kg/日の腸間膜リンパ節および脾臓に, 150mg/kg/日の肝臓, 肺および小腸にみられた。その他, 巣状肝細胞壊死, 多核肝細胞, 単細胞壊死および単核細胞浸潤の出現頻度および/または重篤度の増大が認められた。以上の結果から, 本試験の無毒性量は50mg/kg/日と推察される。TKでは, 血漿中濃度に中程度の変動がみられた。C24hは, 非線形な増加を示し, 50mg/kg/日以上の雌および150mg/kg/日の雄で, 30日目に比べ91日目で増加し, 150mg/kg/日の雌のC24hは, 雄に比べ約3倍高い値を示した。
  • 重栖 幹夫, B Eluard, H Thien-Aubert, D H Douvin, JP Stepniewski, J M Vidal ...
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 115-130
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の経11投与毒性を評価するために雌雄ビーグル犬の30日間投与試験および13週間投与-12週間の回復試験, および雌雄カニクイザルの28日間投与試験を実施し, あわせて, これらの試験におけるトキシコキネティックス (TK) を検討した。イヌの30日間試験 0, 50, 150および300mg/kg/IDにおいて, 300mg/kg/日の途中で安楽死させた雌1例に, 本薬によるフォスフォリピドーシスに関連した尿細管腎炎が認められた。各群で嘔吐, 150mg/kg/日以上で流涎, 軽度の体重増加抑制および脱水症状, 300mg/kg/日で輝板の反射性消失がみられた。腎毒性所見として, 150および300mg/kg/日でフォスフォリピドーシスの関与が考えられる血中尿素および/またはクレアチニンの増加および尿細管腎症の所見が認められ, これらの臨床症状の悪化が安楽死の1例にもつながったものと考えられた。本薬投与に起因したフォスフォリピドーシス様変化として, 肥大化マクロファージの組織浸潤が150mg/kg/日以上の肺, 肝, 胆嚢, リンパ節, 腸管系, 脾臓, 胸腺, 精巣上体, さらに, 300mg/kg/日の胃, 骨髄, 気管および尿道にみられた。以上の結果より, イヌ30日間試験の無毒性量は50mg/kg/日であると推定される。TKでは, 血漿中濃度の個体問変動が大きく, 投与量増加と一致せず, 150および300mg/kg/日のCmaxおよびAUCは, 1日目に比べ30日目で著しい増大を示した。13週間投与-12週間回復試験 (0, 20, 50および150mg/kg/日) において, 150mg/kg/日の雄1例の死亡例がみられ, 一部は本薬によるフォスフォリピドーシスが関与している広汎性尿細管腎症の病理所見が認められた。全群で嘔吐, 50mg/kg/日以上で流涎, 150mg/kg/日で体重増加量および摂餌最の軽度減少, 輝板の変化および肝酵素活性の軽度増加が認められた。本薬投与によるフォスフォリピドーシス様病理所見が, 50mg/kg/日以上の肺, 150mg/kg/日で腎, 肝, 胆嚢, 腸管系, リンパ節, 脾臓, 胸腺および骨髄で認められた。これらの変化は, 回復期間終了後には, 輝板, 肺, 腸間膜リンパ節, 腎, 尿管および膀胱の一部の病理変化を除き, いずれも完全に消失した。以上の結果から, イヌの13週間投与試験の無毒性量は, 50mg/kg/日であると推定される。TKでは, 中程度の個体問変動がみられ, 投与量の増加に比しCmaxは低く, AUCは高かった。性別および投与量にかかわらず各測定日のCmaxおよびAUCは同様であった。カニクイザルを用いた28日問試験 (0, 30, 60および120mg/kg/日) において, 120mg/kg/日で嘔吐, 軟便, 一般状態の悪化, 体重および摂餌量の減少がみられ, 肝酵素活性の増加および軽度の肝重量増加が認められた。以上の結果より, 本試験における無毒性量は60mg/kg/日であると推定された。TKでは, 中程度の個体問変動がみられ, CmaxおよびAUCは常に投与量比より高かった。1日目に比べ28日目のCmaxおよびAUCはそれぞれ1.8倍および2.0倍に増加し, C24hは, 雄で8日目, 雌で28日目に定常状態に達した。
  • 重栖 幹夫, D Weill, G Bode, Ch Baeder, C Fabreguettes, J Richard, P Vicat, ...
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 131-146
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/09/13
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の経口投与による生殖・発生毒性試験をSD系ラットおよびヒマラヤ系ウサギを川いて行った。ラットの生殖能および初期胚発生に関する試験では, TEL50, 150および300mg/kg/日を雌雄に交配前の期間から交配期間中および交尾後7日目まで (雌) 投与した。交尾への影響はみられなかったが, 150および300mg/kg/日で雄の授胎率, 精巣精 子数および1日の精子産生率の軽度減少, 雌では受胎率の低下がみられ, 黄体数の減少が300mg/kg/日で認められた。以上の結果より, 無毒性量は, 雌雄動物の耐容性について150mg/kg/日, 配偶子の発生および成熟について50mg/kg/日, 交尾行動および受精について300mg/kg/日および50mg/kg/日, 着床前および着床後胚損失率でそれぞれ300mg/kg/日であると考えられる。ラットの胚・胎児発生に関する試験では, 胎児器官形成期に50, 150および300mg/kg/日を投与した。150mg/kg/日で母体に軽度の毒1生症状が現れ, 300mg/kg/日で増大した。50および150mg/kg/日では, 出生児への影響はみられず, 300mg/kg/日では骨格検査で異常 (頭蓋骨, 頸椎および四肢の化骨不全) および奇形 (轡曲肋骨) がみられたが, いずれも母体毒性に関連したものと考えられた。以上の結果より, 無毒性量は, 雌雄動物の耐容性で50mg/kg/日, 胚・胎児の発生で150mg/kg/日と考えられる。ウサギの胚・胎児発生に関する試験では, 20, 60および180mg/kg/日を雌に妊娠6日目から18日目まで投与した。母動物で用量依存的な摂餌量の減少がみられ, 60mg/kg/日以上で体重増加の抑制がみられた。母体の血液および血液生化学的検査では, 180mg/kg/日でのALPの上昇以外に異常はみられず, 剖検でも異常は認められなかった。胎児では, 180mg/kg/日で軽微な成長遅延以外に胚・胎児の発育障害は認められず, 子宮内死亡率の増加もみられなかった。形態学的検査では, 変異, 異常, 化骨遅延または催奇形性などの所見はまったく認められなかった。母体の血漿中濃度は明らかに投与量に相関し, 血中からの消失は速やかで, 反復投与による蓄積傾向はみられなかった。また, 胎児にも低濃度の本薬暴露が確認された。本試験の条件下では, 無毒性量は, 母動物で20mg/kg/日, 胚・胎児で60mg/kg/日であると推定される。ラットの周産期および授乳期の発育および母体機能に関する試験では, 本薬50, 125および200mg/kg/日を妊娠6日目から出生児の離乳まで投与した。
  • 重栖 幹夫, S De Jouffrey, C Delbac, 和泉 博之, 大森 正士, P Stepniewskij, D Catez, ...
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 147-167
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の遺伝毒性および抗原性試験, さらに特殊臓器毒性試験として腎毒性および聴覚器毒性試験を実施した,.TELの遺伝毒性試験として, S9mix非存在下および存在下におけるネズミチフス菌 (TA1535, TA1537, TA98およびTA100) および大腸菌 (WP2uvrA) を用いた復帰突然変異試験, マウスリンフォーマ (L5178YTK+/-) を用いた遺伝子突然変異試験およびヒトリンパ球を川いた染色体異常試験を行ったが, いずれの条件でも突然変異活性を示さず, 染色体異常誘発性も示さなかった, また, in vivo試験としてマウスにおける小核試験を行ったが, 骨髄細胞の染色体または有糸分裂細胞への傷害は認められなかった。TELの抗原性についてモルモットにおける能動全身性および受身皮膚アナフィラキシー反応試験, およびマウスIgE産生試験を実施したが, いずれの試験においてもまったく陽性反応はみられず, TELに対するIgE抗体産生も認められなかった。腎機能に対する影響を調べるために, 正常ラットあるいはglycerolおよびfurosemide投与により誘発される腎障害モデルラットに対する単回経日投与の影響をcephaioridine (CER) の静注群と比較検討した。CER群では明らかな腎障害 (近位尿細管の壊死, 土皮細胞空胞化, 尿細管の拡張) の惹起および増強作用が認められた, TEL群では, 正常ラットおよび腎障害ラットにおいて尿検査または血液生化学的検査のいくつかの項目に軽度の変化が認められたが, 腎臓の病理組織学的検査では, 対照群にもみられるごく軽度の変化であった。また, 正常ウサギおよび制限給水ウサギに単回経口投与した場合, いずれも腎機能への影響は認められなかった。聴覚器毒性を調べるためにラットに4週間経 [投与し, 脳幹誘発反応オーディオメータによる聴覚閾値検査および内耳の病理組織学的検査を行い, kanamycin (KM;i.m.) と比較した。KM群では内耳機能障害を示唆する聴覚閾値の上昇および腎尿細管上皮細胞の変性または壊死が誘発されたが, TEL群では聴覚閾値の変動あるいは内耳の病理学的変化は認められず, 聴覚器への影響は認められなかった。
  • 山崎 浩子, 土田 晃敬, 小幡 淳雄, 鈴木 恵美, A Dupront, D Coussediere, MH Pascual, 三浦 公 ...
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 168-181
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TELI) のヒト体内動態を検討するにあたり, 微生物学的定量法 (bioassay法), 高速液体クロマトグラフィー法 (HPLC法) および高速液体クロマトグラフ/質量分析法 (LC/MS/MS法) を開発し, それぞれの分析法についてバリデーションを行った。Bioassay法は, 検定菌にTELに対して高い感受性を示し, かつ特異性の高いMicrococcus luteus ATCC 9341を選択し, 検定培地にHeart infusion agar (pH9.0) を用いたアガーウェル拡散法を開発した・バリデーション試験の結果, 本法は, ヒト血漿および尿試料において, 測定範囲0.002~0.032μg eq/mLで良好な精度および真度を示した。定量下限はそれぞれ0.002および0.004μg eq/mLであった。HPLC法は, 血漿をアセトニトリルで除蛋白後, 逆相条件下で分離した化合物を蛍光測定 (励起波長: 263nm測定波長: 460nm) した。この方法の定量下限は, 血漿300μLを使用して0.005μg/mL, 尿50μLを使用して0.5μg/mLであり, 定量範囲はそれぞれ0.005~1.0μg/mLおよび0.5~100μg/mLであった。LC/MS/MS法は, 逆相条件下でHPLC分離後, APCIイオン化法で質量分析した。本法によるTELの定量範囲は, 血漿50μLを使用して5~3,000ng/mLであり, 定量下限は5ng/mLであった。TELの安定性を検討した結果, 血液中では採血後室温または4℃で4時間, 血漿中では, 約-20℃で12か月間, 尿中では, 約-25℃で6か月間安定であった。
  • 山崎 浩子, V Roeder, P Vicat, C Bonnat, M Rainbeaud, C Mauriac, H Laplace, ...
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 182-199
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    14C-telithromycin (TEL) をマウス, ラットおよびイヌに投与し, その吸収, 分布, 代謝および排泄について検討した。経口投与後の吸収率は, マウスおよびラットで47%, イヌで83%であり, バイオアベイラビリティはそれぞれ53, 36および54%であった。ラットおよびイヌで初回通過効果がみられたが, マウスではほとんどみられなかった。Tmaxは0.25~2時間であった, 静注後の分布容積は, マウス, ラットおよびイヌにおいてそれぞれ1.41, 10.62および4.9L/kgであり, 全身クリアランスはそれぞれ0.80, 4.36および1.5L/h/kgであった。また, 半減期は1.2~2.3時間であった。ラットにおいて, 5~20mg/kg (p.o.) の範囲で, 投与量に依存してCmaxおよびAUCは増加したが, その増加は用量比より大きく, 非線形を示した。ラットに経口投与した時, 中枢神経系を除き広範囲な分布が確認され, 投与後1~6時間では多くの組織において血漿中濃度より高かった。投与6時間後より放射能は速やかに減少し, 24時間までに全身の組織からほとんどの放射能が消失した。また, 試験期間を通じて高い放射能が消化管壁にみられ, TELの消化管腔への分泌が示唆された。In vitro血清蛋白結合率は, マウス約90%, ラット, イヌでは70%以下であった。ラットおよびイヌの血漿中には, 放射能の70.7~72.5%がTELとして存在しており, 血漿中代謝物は, ラットでは定量限界以下 (0.005mgeq./L) であり, イヌでは, N-oxide体 (RU76584) およびN-desmethyl体 (RU 72365) が15.3および2.7%存在していた。未変化体としての排泄は, ラットでは尿中に投与量の4%(尿中排泄の72%), 糞中に投与量の53%(糞中排泄の60%), イヌでは, 尿中に投与量の10.1%(尿中排泄の76%), 糞中に投与量の35.8%(糞中排泄の42%) であった。代謝物の排泄は, ラットの尿中ではいずれも投与量の0.5%以下, 糞中では, RU72365が主で投与量の7%, RU78849 (脱芳香環カルボン酸体) およびRU76363 (脱アリル環されたアルコール体) がそれぞれ3%排泄された。イヌでは, 尿中主代謝物は, 血漿中と同様でRU76584で投与量の1.2%でその他は0.7%以下, 糞中主代謝物は, RU72365で投与量の17.7%, 次いでRU78849 (7.5%), RU76584 (4.6%), RU76363 (2.4%) であった.無処置およびデキサメタゾン前処置ラットにTELを5国間または単回投与した群の肝ミクロソームでは, cytochromep上450とのニトロソアルカン複合体は生成されなかった, TELの反復投与により, erythromycin-N-demethylase活性 (CYP3Aに対応) およびCYP3A蛋白量は, わずかに上昇したが, その程度はTAO群やデキサメサゾン群に比べ明らかに低かった, ラットに静注または経国投与した時の主排泄経路である糞中には投与量の81%以上が排泄され, 尿中排泄率は6~14%であった。投与4日後の体内残存量は0.5%以下であり, 総回収率は95%以上であった () この糞中排泄は主に胆汁中排泄を介して行われ, 腸肝循環率は低く, 投与量の11.2%であった,) イヌに静注または経国投与した時の4日間の糞中および尿中排泄率はそれぞれ78.0~85.1%, 10.6~16.9%であり, 4国間の総回収率は約95%であった。
  • 前田 巧, 羽鳥 晶子, 黒岩 浩幸
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 200-205
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Telithromycin (TEL) の感染部位への移行を検討するために, 感染菌 (Staphylococcus aureus) を浸み込ませたペーパーディスクをマウス背部皮下に埋め込んだ感染モデルに10mg/kgの14C-TELを経口投与し, 全身マクロオートラジオグラフィーおよび感染部位のミクロオートラジオグラフィーを行った。投与2時間後にペーパーディスク周辺組織のほぼ全域に放射能が認められ, 炎症性細胞分布層, 皮筋および骨格筋にまで広く分布した。投与8時間後では, 多くの組織の放射能が低下したのに対し, 感染部位の放射能濃度は維持されており, 24時間後においても肝臓と同程度の放射能が認められた。また, 投与24時間後における感染組織の総放射能の72.4%が未変化体として残存していた。感染組織に分布した放射性成分は他の組織に比して滞留時間が長いことが示され, 投与後24時間において感染部位に分布した放射性成分の多くが未変化体であることから, 感染組織に移行したTELは代謝を受けにくく, 投与後早期の分布において感染部位全体に広く分布したのち, 白血球を多く含む炎症性細胞の分布層に比較的長く留まるものと推測された。
  • 山崎 浩子, S Lamy, C Ducelier, C Bonnat, B Lenfant
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 206-209
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    In vitroにおけるtelithromycin (TEL) とヒト血清との蛋白結合率は, 11.73mg/L以下のTEL濃度において60~70%であった。血清蛋白において結合定数は2つと推定された。主結合蛋白はアルブミンとa1-酸性糖蛋白であることが示唆され, リポ蛋白 (HDL, LDL, VL, DL,), yーグロブリンおよび赤血球との結合は弱かった。一方, 海外で実施された第1相反復投与試験で得られたmL漿検体を用いて, in vivo蛋白結合率を遠心限外ろ過法にて検討した結果, 血漿中TEL、濃度0.116~3.175mg/Lに対し, 非結合形分率は37.1~46.5%であり, in vitroでの結果とほぼ同程度であった。また, 海外で行われた特殊集団における検討のうち, 健康高齢者および肝障害患者における蛋白結合率は健康成人と同程度であった。
  • 単回および反復経口投与
    保田 国伸, 石原 浪砂, 鈴木 比紅江, 三橋 晴美
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 210-223
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ケトライド系経口抗菌薬telithromycin (TEL) の安全性, 腸内細菌叢におよぼす影響ならびに体内動態を検討する目的で, 日本人の健康成人男子76名 (単回投与52名, 反復投与24名) を対象に第1相臨床試験を実施した。TEL50, 100, 200, 400, 600, 800および1, 200mgの空腹時単回経口投与試験では, 重篤な有害事象の発現や臨床的に問題となる所見は認められず, TELの忍容性は良好であった。TELは経口投与後速やかに吸収され, 血漿中TEL濃度は, 投与後1.8~2.5時間に最高濃度 (Cmax) に達した。本邦での推定至適臨床用量である600mgを単回投与したときの血漿中TEL濃度は, 投与後2.5時間にCmaxに達し, 消失相血中半減期 (T1/2β) は9.6時間であった。そのときのCmax, 血漿中濃度一時間曲線下面積 (AUC0-24h) および投与後24時間濃度 (C24h) は, それぞれ0.91μg/mL, 4.00μg・h/mLおよび0.012μg/mL, であった。投与後24時商までの見かけの全身クリアランス (CL/F) および腎クリアランス (CLR) は, それぞれ163.4L/hおよび11.3L/hであった。TEL400, 600および800mgの1日1回10日間反復経口投与試験では, 重篤な有害事象の発現や臨床的に問題となる所見は認められず, 忍容性は良好であった。TEL反復投与による腸内細菌叢への影響として, 好気性菌総数に一過性の減少がみられたが, 嫌気性菌総数に大きな変動は認められなかった。また, Clostridium difficileは認められず, 同毒素も検出されなかった。600mgの反復投与後10日目のCmax, AUC0-24h, C24hおよびCL/Fは, それぞれ1.18μg/mL, 7.47μg・h/mL, 0.039μg/mLおよび86.1L/hであった。投与1日目に比べ, 10日目ではCmaxは約1.4倍, AUCは約1.5倍に増加した。また, 10日目の白血球中TEL濃度は, 投与後2および6時間に53.05および53.94μg/mLを示し, 血漿中濃度のそれぞれ約73および99倍であった。600mg反復投与10日目の投与後24時商までのTELの累積尿中排泄率 (Ae(0-24h)) は12.8%, CL, は9.6L/hであった。以上, 健康成人男子を対象に実施したTELの50~1, 200mg単回投与, 400, 600および800mgの1日1回10日間反復投与による第I相臨床試験の結果から, TELの体内動態の特性が明らかとなり, TELの安全性に問題は認められなかった。
  • 渡辺 彰, 二木 芳人, 青木 信樹, 小田切 繁樹, 河野 茂
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 224-239
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症患者を対象として, 新規ケトライド系経口抗生物質telithromycin (TEL) の有効性, 安全性および薬物動態を3つの臨床試験を通じて検討した、, 第II相一般臨床試験 (7日間投与試験) ではTELの有効性および安全性をTEL 600mg1日1回7日間投与で検討した。次いで第II相臨床薬理試験 (臨床薬理試験) では, TEL 600mg1日1回7日間投与におけるTELの喀痰中濃度を7日間経時的に測定し, 主としてTEL 600mg投与の妥当性について検討した。さらに, 第III相一般臨床試験 (5日間投与試験) では投与方法を7日間投与試験と同様としたが, 投与期間を5日間に短縮しTELの有効性, 安全性および新たに最終評価 (治療成功率) を評価項目に加え検討した。
    1.臨床効果・最終評価
    7日間投与試験, 臨床薬理試験および5日間投与試験の臨床効果は, それぞれ23/25 (92.0%), 6/7および89/96 (92.7%) であった。また, 5日間投与試験の最終評価 (治療成功率) は83/97 (85・6%) であった。7日間および5日間投与試験でペニシリンまたはマクロライド耐性の肺炎球菌が原因菌と判定された10例における臨床効果はすべて「有効」であった。
    2.細菌学的効果
    7日間投与試験, 臨床薬理試験および5日間投与試験の細菌学的効果は, それぞれ6/8, 1/3および37/43 (86.0%) であった。
    3.薬物動態
    TELの喀痰中および血漿中の最高濃度 (平均値) は, それぞれ8.45μg/mLおよび1.78μg/mLであり, 喀痰中への平均移行率 (最高喀痰中濃度/最高血漿中濃度) は4.75であった。
    4.安全性
    7日間および5日間投与試験の副作用発現率は, それぞれ13/29 (44.8%), 41/119 (34.5%) であった。臨床薬理試験では副作用は発現しなかった。比較的発生頻度が高かった副作川は, 消化管障害および肝臓・胆管系障害であり, いずれも軽度~ 中等度で, 後遺症なく回復あるいは軽快した。
    3試験の結果より, TELは呼吸器感染症に対して優れた有川性および喀痰への良好な移行を示し, 呼吸器感染症に対して600mg 1日1回5日間投与で臨床的にきわめて有用性の高い薬剤と考えられた。
  • 二木 芳人, 渡辺 彰, 青木 信樹, 河野 茂
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 240-254
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ケトライド系抗菌薬telithromycin (TEL) の国内での至適臨床川量を確認する目的で, 市中肺炎を対象としてTEL600mg 1日1回投与 (600mg群) および800mg 1日1回投与 (800mg群) の有効性および安全性を二重盲検, 無作為化, 並行群問, 非劣性比較試験にて検討した。成績の概略は以下のとおりであった。
    1. 臨床効果
    臨床効果の解析対象集団は91例で, 判定不能例1例を除く有効率は, 600mg群で92・9%(39/42), 800mg群で95.8%(46/48) であり, 両群間に有意差は認められなかった。また, 再燃または再感染の有無が確認された87例のうち, 治験薬投与終了後の抗菌薬追加投与がなく再燃・再感染のなかった割合は, 600mg群で85.0% (34/40), 800mg群で85.1% (40/47) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
    2. 細菌学的効果
    細菌学的効果の解析対象集団は90例で, 判定不能例53例を除く消失率は, 600mg群で92.9% (13/14), 800mg群で95.7% (22/23) であった。Penicillinまたはerythromycin耐性株を含むStreptococcus pneumoniaeはいずれの投与群においてもすべて消失した。
    3. 安全性
    安全性の解析対象集団は103例で, 有害事象 (臨床検査値異常変動を含む) 発現率は, 600mg群で41.3% (19/46), 800mg群で57.4% (27/47) であった。また, 治験薬との因果関係が否定できない有害事象発現率 (臨床検査値異常変動を含む副作用発現率) は, 600mg群で34.8% (16/46), 800mg群で50.0% (23/46) であった。
    肺炎に対するTELの臨床効果および細菌学的効果において, 両群でほぼ同等の結果が得られ, 有意な差は認められなかった。また, 最終的な治療の成否を確認した非再燃・非再感染率においても両群間に有意な差は認められなかった。一方, 有害事象 (臨床検査値異常変動を含む) 発現率においても600mg群で41.3% (19/46), 800mg群で57.4% (27/47) であり・両群問に有意な差は認められなかったものの, 800mg群の副作用発現率が600mg群と比較して15%上回ったため・安全性の面からは600mgが推奨される結果となった。
    以上, 有効性および安全性の結果より, 国内におけるTELの推奨至適臨床用量: は600mg 1日l回が妥当であると考えられた。
  • Levofloxacinを対照薬とした第III相二重盲検比較試験
    河野 茂, 渡辺 彰, 青木 信樹, 二木 芳人
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 255-278
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規の経口ケトライド系抗菌薬であるtelithromycin (TEL) の市中肺炎に対する有効性, 安全性を検討する目的でlevofloxacin (LVFX) を対照薬として二重盲検, 無作為化, 他薬対照, 並行群間, 非劣性比較試験を実施した。TELを1回600mg, 1日1回 (TEL群), またはLVFXを1回100mg, 1日3回 (LVFX群) いずれも7日間投与した。得られた成績は以下のとおりである。
    1.臨床効果
    臨床効果解析対象207例に対する有効率は, TEL群936% (102/109), LVFX群87.8%(86/98) であり, TEL群のLVFX群に対する臨床効果の非劣性が検証された。
    2.細菌学的効果
    細菌学的効果解析対象205例のうち判定不能例119例を除く86例における消失率は, TEL群73.9%(34/46) およびLVFX群100.0% (40/40) であった。TEL群で消失が認められなかった菌種は, 主としてHaemophilus influenzaeであった。耐性肺炎球菌に対して, TEL群ではerythromycin耐性肺炎球菌1株を除き, すべて消失した。
    3.安全性
    安全性解析対象244例のうち, 不明例4例を除く副作用発現率は, TEL群336% (42/125), LVFX群33.9% (39/115) であり, 副作川発現率において両群間に有意差は認められなかった。
    以上の成績より, TEL1回600mg1日1回7日間投与は市中肺炎の治療に対し, 高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。
  • 馬場 駿吉, 市川 銀一郎, 夜陣 紘治
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 279-292
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ケトライド系抗菌薬telithromycin (TEL) について, 耳鼻咽喉科領域における組織移行性を検討した。また, 副鼻腔炎患者を対象に本薬600mgを1日1回7日間経口投与による有効性および安全性を検討し, 引き続き1日1回5日間経口投与によりTELの有効性および安全性を検討した。
    1.薬物動態試験
    本薬600mg単回経口投与後の中耳粘膜, 副鼻腔粘膜および口蓋扁桃中の薬物濃度の平均値は, それぞれ1.35μg/g, 1.68μg/gおよび2.62μg/gであった。同時期の血漿中濃度に対する比率は, それぞれ2.36, 3.97および7.81であった。
    2.7日間手貨与試験
    本薬600mg1日1回7日間経口投与時の副鼻腔炎に対する臨床効果は, 76.5%(13/17) であり, 副作用は17例中3例 (17.6%) に発現したが, いずれも軽度であった。
    3.5日間おと与試験
    本薬600mg 1日1回5日間経日投与時の副鼻腔炎に対する臨床効果は, 85.4%(35/41) であった。投与前原因菌がペニシリン中等度耐性肺炎球菌 (benzylpenicillinのMIC: 0.12-1μg/mL) あるいはマクロライド耐性肺炎球菌 (erythromycinのMICが1μg/mL以上) であった8症例における投与終了時の臨床効果はいずれも「著効」または「有効」であった。細菌学的効果は84.0%(21/25) であった。安全性においては, 副作川が41例中8例 (19.5%) に認められたが, 重篤なものはなかった。
    以上の結果, TELは耳鼻咽喉科領域紐織への移行性が良好であり, 600mg1日1回5日問経口投与は, 副鼻腔炎に対してペニシリン耐性あるいはマクロライド耐性肺炎球菌を原因菌とする症例を含めて良好な臨床的有川性を示すことが示唆された。
  • 佐々木 次郎, 金子 明寛
    2003 年 51 巻 Supplement1 号 p. 293-302
    発行日: 2003/09/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ケトライド系新規経口抗菌薬telithromycin (TEL) の口腔組織への移行性を検討する臨床薬理試験, 歯科・口腔外科領域感染症患者を対象としたTEL600mg1日1回7日間投与による第II相臨床試験 (7日間投与試験) および3日間投与による第III相臨床試験 (3日間投与試験) を実施し以下の成績を得た。
    1.口腔組織移行性 (臨床薬理試験)
    解析対象症例11例における, TEL600mgの単回投与3~6時間後の口腔組織中濃度の平均は歯肉1.72μg/g, 抜歯創貯留液1.13μg/mLであり, 移行率は歯肉3.33, 抜歯創貯留液2.20であった。
    2.臨床効果
    7日間投与試験における7日後の評点比による臨床効果の解析対象症例は31例で, 有効率は100%(31/31) であった。3日間投与試験における3日後の評点比による臨床効果の解析対象症例は24例で, 有効率は91.7% (22/24) であった。
    3.細菌学的効果
    7日間投与試験における7日後の細菌学的効果の解析対象症例は29例で, 消失率は100% (29/29) であった。311問投与試験における3日後の細菌学的効果の解析対象症例は22例で, 消失率は95.5% (21/22) であった。
    4.安全性
    TELとの因果関係を否定できない有害事象 (副作用) は, 臨床薬理試験においては認められず, 7日間投与試験においては解析対象症例32例中7例 (21.9%) に10件, 3日間投与試験においては解析対象症例27例中3例 (11.1%) に3件発現した。
    以上の結果から, TEL600mg経口投与後の口腔組織への移行は良好であり, 歯科・口腔外科領域感染症患者に対してTEL600mg1日1回3日間投与で十分な効果が得られ, 安全性にも問題はなく, さらに1日1回投与による良好な服薬コンプライアンスも期待し得ると考えられた。
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