臨床材料から分離された酵母様真菌に対する, amphotericin B (AMPH-B), flucyto8ine (5-FC), fluconazole (FLCZ), miconazole (MCZ), itmconazole (ITCZ), micafungin (MCFG) の
in vitroにおける単剤最小発育阻止濃度 (MIC) 測定とMCZを中心とした他の5薬剤との併用効果測定を実施した。
Candida属に対する単剤の抗真菌活性は, AMPH_Bのみ低感受性株が認められず, 比較薬剤中もっとも優れていた。一方, 他の5薬剤では, それぞれ異なる菌種に低感受性あるいは耐性を示した。併用効果測定において相乗あるいは相加効果をもっとも示した組み合わせはFLCZ+MCZ (97.5%) であり, 以下5-FC+MCZ (942%), ITCZ+MCZ (92.5%), MCFG+MCZ (90%) の順であった。一方, AMPH-B+MCZでは相乗効果が認められず, 相加効果が50%, 拮抗作用が17.5%の株に認められた。
Cryptococcus neoformansに対する単剤のMICはITCZがもっとも小さく, 比較薬剤中もっとも優れた抗真菌活性を示したが, MCFGでは活性が認められなかった。併用効果測定ではすべての組み合わせにおいて相乗・相加効果が認められた。特に, 5-FC+MCZ, FLCZ+MCZおよびMCFG+MCZの組み合わせでは全株に対して相乗効果を示した。MCZは他の抗真菌薬との問に良好な併用効果を示し, 臨床現場においてMCZを用いた併用療法の有効性が示唆された。
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