日本化学療法学会雑誌
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52 巻 , 1 号
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  • 金澤 勝則, 上田 豊
    2004 年 52 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    近年, 全国の臨床施設において小児由来の検体から分離された21菌種, 2属1,017株および成人由来の検体から分離された13菌種714株の各種臨床分離株を対象として, meropenem (MEPM) および対照薬の抗菌力を測定し, 以下の結果を得た。
    1. MEPMは, methicillin耐性Staphylococcus aureusおよびEntncoccus faeciumを除く小児由来の各種臨床分離株の大部分に対して対照薬と同等以上の優れた抗菌力を示した。
    2. 小児由来の各種臨床分離株 (13菌種, 758株) に対するMEPMの抗菌力は, 成人由来株 (13菌種, 714株) に対する抗菌力と同等であった。
    3. MEPMは, 化膿性髄膜炎の重要菌種であるHenophilus influenzae, Streptococcus pneumoniae, Escherichia coli, Streptooccus agalactiae, Listeria monocytogenesおよびNeisseria meningitidisに対して優れた抗菌力 (MIC: 0.008~1μg/mL) を示した。
    4. 近年臨床上の問題となっているβ-lactamase陰性ampicillin耐性H. influenzae (BLNAR) およびpenicillin耐性S. peunonie (PRSP) に対してもMEPMは, 優れた抗菌力 (MIC: 0.06~1μg/mL) を示した。
    以上の結果から, MEPMは, 小児における各種細菌感染症の治療薬として, 成人の場合と同様に有用性の高い薬剤であることが示唆された。また, BLNARおよびPRSPを含めた主要起炎菌に対する抗菌力の強さから, 化膿性髄膜炎の治療薬としての有用性も期待できることが示された。
  • 高橋 孝行, 辻原 佳人, 桜井 磐, 松本 文夫
    2004 年 52 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1999年4月から2002年3月までの2年間に, 臨床材料から分離された緑膿菌125株に対するimipenem (IPM), panipenem (PAPM), meropenem (MEPM), biapenem (BIPM) などカルバペネム系薬のMIC50とMIC90は, それぞれ, IPMでは1μg/mLと16μg/mL, PAPMでは4μg/mLと16μg/mL, MEPMでは0.5μg/mLと8μg/mL, BIPMが0.5μg/mLと8μg/mLであって, BIPMとMEPMの抗菌力がIPM, PAPMより優る傾向であった。カルバペネム系薬の短時間殺菌作用は, 新鮮ヒト血清50%添加群で著明に増強された。これに対してセフェム系薬ceftazidime (CAZ) では新鮮ヒト血清添加による殺菌能の増強はほとんど観察されなかった。カルバペネム系薬1/4MIC添加培地で培養した緑膿菌MSC-399株を刺激物質とした場合, 健常成人由来好中球のchemiluminescenceindex (CLindex) 値はBIPM処理群では1.91で, この値は無添加群およびIPM, PAPMまたはMEPM処理群に比べ有意に (P<0.05) 大きかった。この成績より, カルバペネム系薬のなかではBIPM処理菌の刺激により好中球の貧食・殺菌能がもっとも増強することが示唆された。
  • 砂田 淳子, 西 功, 豊川 真弘, 堀川 晶行, 上田 安希子, 浅利 誠志
    2004 年 52 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    臨床材料から分離された酵母様真菌に対する, amphotericin B (AMPH-B), flucyto8ine (5-FC), fluconazole (FLCZ), miconazole (MCZ), itmconazole (ITCZ), micafungin (MCFG) のin vitroにおける単剤最小発育阻止濃度 (MIC) 測定とMCZを中心とした他の5薬剤との併用効果測定を実施した。Candida属に対する単剤の抗真菌活性は, AMPH_Bのみ低感受性株が認められず, 比較薬剤中もっとも優れていた。一方, 他の5薬剤では, それぞれ異なる菌種に低感受性あるいは耐性を示した。併用効果測定において相乗あるいは相加効果をもっとも示した組み合わせはFLCZ+MCZ (97.5%) であり, 以下5-FC+MCZ (942%), ITCZ+MCZ (92.5%), MCFG+MCZ (90%) の順であった。一方, AMPH-B+MCZでは相乗効果が認められず, 相加効果が50%, 拮抗作用が17.5%の株に認められた。Cryptococcus neoformansに対する単剤のMICはITCZがもっとも小さく, 比較薬剤中もっとも優れた抗真菌活性を示したが, MCFGでは活性が認められなかった。併用効果測定ではすべての組み合わせにおいて相乗・相加効果が認められた。特に, 5-FC+MCZ, FLCZ+MCZおよびMCFG+MCZの組み合わせでは全株に対して相乗効果を示した。MCZは他の抗真菌薬との問に良好な併用効果を示し, 臨床現場においてMCZを用いた併用療法の有効性が示唆された。
  • 米田 尚生, 藤本 佳則, 宇野 雅博, 浅野 裕子, 磯貝 和俊
    2004 年 52 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1998年から2002年までの5年間の男子尿道炎患者から分離された淋菌176株のpenicillinG (PCG), cefpodoxime proxetil (CPDX-PR), cefbtaxime (CTX), minocycline (MINO), tosufloxacin (TFLX) の5薬剤に対する薬剤感受性を測定し, 年次的推移を検討した。PCG, MINOの耐性株は年次のばらつきはみられるが, 増加傾向はみられなかった。セフェム系ではCTXは良好な感受性を示したが, CPDX-PRは2000年以降では耐性株が10%以上を占めた。TFLXは2002年には半数以上が耐性株で, 高度耐性株は45%を占め, さらにキノロン耐性が著明になっていた。わが国で淋菌感染症に対してはキノロン系抗菌薬が第一選択薬として汎用されたことが耐性化を招いた。経口セフェム薬による治療も耐性化を助長する可能性があると考えられた。
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