日本化学療法学会雑誌
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53 巻 , 12 号
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  • 金山 明子, 高橋 裕子, 松崎 薫, 小林 寅哲
    2005 年 53 巻 12 号 p. 727-731
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    OxacillinのMIC値が1, 2, 4, 8μg/mLを示すborderline oxacillin-resistant Staphylococcus aureus (BORSA) 79株について, NCCLS (現CLSI) M100-S14 (2004年) に新たに追加されたcefoxitin diskを用いたoxacillinスクリーニング法 (cefoxitinテスト) を含む各種方法にてmethicillin-resistantStaphylococcus aureus (MRSA) の判定を実施した。その結果, mecA保有とoxacillinのMICが一致しない例が認められ, oxacillin感受性と判定された1μg/mLの30株では1株, 2μg/mLの30株では5株がmecA (+) であった。一方oxacillin耐性である4, 8μg/mLではmecA (-) 株は認めなかった。同様にoxacillin感受性株にpenicillin-binding protein2'(PBP2') 産生株が認められたが, 耐性株に非産生株は認められなかった。54株のmecA (-) 株に12株のPBP2'産生株が存在し, このうち7株は反応が弱く, 弱陽性と判定した。しかしこれら12株はoxacillin感受性, cefoxitinテストともに感受性を示すことからPBP2'の結果は非特異的反応によるものと推察された。Cefoxitinテストによる成績ではoxacillin感受性株60株中53株がcefoxitinにおいても感受性を示したが, 7株が耐性を示し阻止円径は判定境界付近の値であった。Oxacillin耐性株19株のうち1株がcefoxitinテストで感受性であったが.その他はすべて耐性となった。Cefoxitinテストのエラー頻度はvery major error: 1.3%, major error: 8.9%であり良好な結果であったが, BORSAの場合は判定境界付近の阻止円径を示すことがあり。他の方法での追加確認が必要であると考えられた。
  • 島内 千恵子, 兼子 謙一, 佐藤 義則, 佐藤 優子, 岡本 了一, 井上 松久
    2005 年 53 巻 12 号 p. 732-740
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    臨床分離のPseudomonas aeruginosa 50株に対するカルバペネム系抗菌薬 [imipenem/cilastatin (IPM/CS), meropenem (MEPM), biapenem (BIPM) およびdoripenem (DRPM)] のMIC50とMIC90値は順に (2, 16),(1, 16),(1, 16),(1, 8) μg/mLであった。P. aeruginosa pf-18株に対するヒト新鮮血清存在下での抗菌薬の殺菌力は, IPM/CSとBIPMの場合抗菌薬単独時に比べてさらに増強されたが, MEPMおよびDRPMは薬剤単独時のそれとほぼ同程度であった。この薬剤処理による経時的殺菌力の違いは, IPM/CSとBIPMの場合は菌体の球形化 (spherical forms) と溶菌像, MEPMとDRPMの場合は菌体の伸長化 (filamentous forms) と一部のコブ状形成等の違いとして確認された。P. aeruginosa由来のpenicillin binding proteins (PBPs) に対する結合親和性を調べると, IPM/CSおよびBIPMではPBP4, 2, 1A≒3, 1B, MEPMはPBP4, 3, 2, 1A≒1B, DRPMはPBP4, 3, 2, 1A, 1Bの順に強い結合親和性を示した。クラスC型β-ラクタマーゼを誘導するための各薬剤の至適濃度は, IPMとBIPMはsubMIC濃度, MEPMとDRPMにおいては3MICまたはそれ以上の濃度であった。以上の結果をまとめるとP. aeruginosaに対する4薬剤のカルバペネム系薬は, 薬剤単独または新鮮血清存在下での短時間殺菌力の動向, PBPs結合親和性と形態変化の違い, あるいはクラスC型β-ラクタマーゼを誘導するための至適濃度の違い等からIPM/CSとBIPMの群とMEPMとDRPMの群の2群に分けられた。
  • 小野 博美, 石崎 武志, 永井 敦子, 大滝 哲朗, 橋本 守啓, 金森 一紀, 門脇 麻衣子, 上坂 太祐, 水野 史朗, 出村 芳樹, ...
    2005 年 53 巻 12 号 p. 741-747
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    背景: わが国では高齢の老健施設入所者が増加している。これら高齢者は誤嚥性肺炎を含む呼吸器感染症で死亡する割合が高い。
    目的: 誤嚥性肺炎を発症した後期高齢老健施設入所者の臨床的特徴を検討する。
    対象および方法: ケアミックス型病院に入院した平均年齢85.8歳の104例 (114エピソード) の誤嚥性肺炎を検討した。誤嚥性肺炎の診断は嚥下性肺疾患研究会の提唱する臨床診断基準に準拠した。
    結果: 老健施設から59.6%, 自宅からは35.1%が入院してきた。37.5℃以上は32.5%, 末梢血白血球数9,000/μL以上は33.3%を占めた。誤嚥性肺炎群の54エピソード (47.4%) に病原細菌が検出され, そのなかの25エピソード (46.3%) はグラム陰性桿菌, 21エピソード (38.9%) はMRSAであった。初期抗菌薬としてpiperacillin (PIPC) が42.1%, meropenem (MEPM) が32.5%, 次いで, cefazolin (CEZ) 20.2%の順に多く使用され, それぞれの反応性はMEPM群で80.0%, 次いで, CEZ群の619%, PIPC群の50.0%であった。27例で抗菌薬が変更されたが, 結局22例は不幸な転帰をたどった。予後不良群は, 直前まで経口摂取例, 合併症の出現例, 経皮酸素飽和度低下 (動脈血酸素分圧低下) 例, 発熱程度が軽い例, CRP値上昇例, 血清アルブミン値低値例であった。
    結論: 前向き研究が必要であるが, 後期高齢者の誤嚥性肺炎の臨床的特徴と予後推定因子を明らかにしえた。
  • 中村 麻子, 釜田 美保, 池上 泰司
    2005 年 53 巻 12 号 p. 748-751
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系経口抗菌薬であるgatifloxacinの特別調査として, 使用実態下における安全性, 有効性の確認および新たな問題点の検出等を目的に6,000例の収集を計画した。第1回目の調査は3,000例の収集を目標に実施した。607施設より3,384症例が回収され, 中間報告として現時点での集計を行った。
    安全性評価対象症例3,369例中, 副作用の発現症例は56例 (166%) 70件であった。主な副作用は,「下痢」8件,「悪心」6件,「発疹」5件であった。また, 安全性評価において新たな問題点は検出されなかった。
    有効性評価対象症例3,212例における有効率は95.3%(3,060/3,212例) であった。
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