日本化学療法学会雑誌
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53 巻 , 1 号
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  • 松田 耕二, 井上 松久
    2005 年 53 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    初期殺菌能 (Initial bactericidal activity) の定義を菌と抗菌薬が接触して1時問における殺菌速度とし, 初発菌数から1時間後の生存菌数を引いた値の対数値として表した。各薬剤の初期殺菌能を測定するための薬剤濃度はPseudomonas aeruginosa PAO1を用いて検討した。カルバペネム系抗菌薬の初期殺菌能は薬剤濃度 (μM) 依存的であったが, ceftazidime (CAZ) では調べた濃度範囲内 (0.5μMから80μMの間) では初期殺菌能は薬剤濃度に比例しなかった。その結果, カルバペネム系抗菌薬の初期殺菌能の評価可能な試験濃度として20μMという濃度を設定してimipenem (IPM), panipenem (PAPM), biapenem (BIPM), meropenem (MEPM) のカルバペネム系抗菌薬4薬剤とceftazidime (CAZ), cefpirome (CPR), cefepime (CFPM) の初期殺菌能を比較したIPMが最も強い初期殺菌能をもち, 次いでMEPMを除くカルバペネム系抗菌薬が強い初期殺菌能を示した.セフェム系抗菌薬は明らかにカルバペネム系抗菌薬に比べて初期殺菌能が劣ることがわかった。
    緑膿菌の臨床分離菌47株を用いた初期殺菌能の検討では, 強い初期殺菌能 (1時間に2log以上の殺菌) を示す菌株の割合は, IPMで68.0%, MEPMで31.9%, PAPMで53.2%, BIPMで362%, セフェム系抗菌薬のCAZで0%, CPRで19.1%, CFPMで23.4%であった。一方, 幾何平均MIC値はIPMで1.67μg/mL, MEPMで0.612μg/mL, PAPMで5.87μg/mL, BIPMで1.02μg/mL, CAZで4.12μg/mL, CRPで6.60μg/mL, CEPMで3.61μg/mLであった。この結果から, 初期殺菌能とMIC値との間には相関関係は認められず, 初期殺菌能はMIC値とは異なり抗菌薬を評価するうえで重要なひとつのパラメーターとなりうることを示している。この研究は初期殺菌能と臨床効果の関係をさらに研究することに論拠を与えるものである。
  • 前橋 一紀, 田端 麻紀子, 谷 眞理子, 清水 正樹, 加藤 佳久, 疋田 宗生
    2005 年 53 巻 1 号 p. 5-10
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    抗methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) 薬であるarbekacm (ABK), vancomycin (VCM) およびteicoplallm (TEIC) に対して, VCMとβ-ラクタム系薬で拮抗現象を示すMRSA株 (β-lactam antibiotic-induced VCM-resistant MRSA: BIVR) ならびにその性質を示さないMRSA (non.BIVR) 株の感受性を比較検討した。VCMを4μg/mL含有する市販のMu3培地を用いてVCMとceftizoxime (CZX) との拮抗の有無により, 臨床分離MRSA 121株をBIVR16株とnon.BIVR105株に区分した。BIVRとnon. BIVRに対するABKのMIC50は共に0.5μgmLで, MIC90はそれぞれ2および4μgmLであった, また, 低濃度 (0.06あるいは1μg/mL) のCZXとの併用により, ABKの抗菌活性は低ドしなかった。一方, VCMのBIVRに対するMIC50およびMIC90は共にnon-BIVRに比べて2倍高い値を示し, またCZXとの併用によりBIVRに対するVCMのMIC50およびMIC90。がそれぞれnon-BIVRより4倍高い値を示した。TEICではVCMとは異なり低濃度のCZXとの併用による抗菌活性の低下はみられなかったが, BIVRに対する単剤のMIC50およびMIC90はnon-BIVRよりそれぞれ8および4倍高い値を示した。次に, TEICのMICとBIVRの検出率との関連を調べたところ, TEICのMICが高い株ほどBIVR検出率が上昇しnon.BIVRのTEIC低感受性サブポピュレーションからBIVRが検出された。
    以上のことから, ABKの抗菌活性はBIVRあるいはnon-BIVRの違いによる影響をほとんど受けなかった。一方, VCMでは低濃度のCZXとの併用により, またTEIC単剤でそれぞれBIVRの感受性がnon-BIVRより低下した。
  • 河野 茂他
    2005 年 53 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    日本呼吸器学会の「呼吸器感染症に関するガイドライン-成人市中肺炎診療の基本的考え方-」(以下,「市中肺炎ガイドライン」) において, 肺炎球菌検出時の推奨薬剤のひとつとして, tosufloxacin tosilate (TFLX) やsparfloxacin (SPFX) 等のフルオロキノロン薬がある。しかし, その臨床的検討はほとんどなされていない。そこで, 今回, 市中肺炎ガイドライン等を参考に, 肺炎球菌性肺炎に対するフルオロキノロン薬TFLXの有効性について検討した。
    肺炎患者のうち塗抹染色で肺炎球菌が疑われた症例 (以丁, 塗抹染色陽性例) とその中でStrcptococcus pneumoniaeが検出された症例 (以下, 肺炎球菌検出例) を対象とした。塗抹染色陽性例68例と肺炎球菌検出例36例の患者背景に差は認められなかった。臨床効果は塗抹染色陽性例で1日量450mg投薬 (以下, 450mg群) が92.6%(25/27) の有効率を示し, 600mg投薬 (以下, 600群) が35例全例有効であった。無効の2例は市中肺炎ガイドラインにおける中等症であった肺炎球菌検出例では450mg群が93.6%(15/16), 600mg群が16例全例有効であった。S.pneumoniaeの消失率は450mg群が94.1%(16/17), 600mg群が93.8%(15/16) であった。今回分離されたS.pneumoniaeに対するTFLXのMIC90は0.25μg/mLであり, 健康成人の血中濃度から求めた1日AUCをもとに算出したAUC/MIC ratio (AUIC) は450mg投与が46.4,600mg投与が62.0であった。
    TFLXは肺炎球菌性肺炎に対し, 臨床的検討, 抗菌力および体内動態の基礎的な面から有効性が認められ, 抗肺炎球菌活性の強いレスピラトリーキノロンであることが確認された。
    TFLXを肺炎球菌性肺炎に使用する際は, 軽症から中等症を対象とし1日450mgまたは600mgを投薬する。また, 中等症でも臨床症状や各種検査所見から炎症反応が強い場合には, 高用量の600mg投薬が望ましいと考えられた。ただし, 最近, キノロン耐性肺炎球菌の増加が報告されており, 安易な使用は避けるべきである。
  • 伊藤 啓史, 疋田 宗生, 大塚 昭, 八代 純子, 喜田 宏, 大槻 公一, 伊藤 壽啓
    2005 年 53 巻 1 号 p. 20-22
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    鳥インフルエンザウイルスに対するポビドンヨード (PVP-I) 製剤のウイルス不活化効果をin vitroで検討した。各種PVP-I製剤 (PVP-I消毒液, PVP-I手指消毒液, 速乾性PVP-I手指消毒液, PVP-I含嗽液, PVP-I喉用液および動物用PVP-I消毒液) はH5, H7およびH9亜型の鳥インフルエンザウイルスとわずか10秒間反応させることにより, ウイルス感染価を検出限界以下に低下させた。したがって, 各種PVP-I製剤は鳥インフルエンザウイルスを効果的に不活化する作用を有すると考えられた。
  • 2005 年 53 巻 1 号 p. 23-58
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 53 巻 1 号 p. 58-71
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 53 巻 1 号 p. 71-84
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 53 巻 1 号 p. 85-90
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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