経口ケトライド系抗菌薬であるtelithromycin (TEL) の女性生殖器組織への移行性ならびに
Chlamydia trachomatisまたは
Neisseria gonorrhoeaeによる子宮頸管炎患者に対する有効性および安全性について検討し, 以下の成績を得た。
1.女性生殖器組織移行性 (臨床薬理試験)
解析対象11例におけるTEL600mg単回経術投与3時間~7時問15分後の女性生殖器組織中濃度の平均値は, 子宮膣部1.22μg/g, 子宮頸部1.97μg/g, 子宮内膜2.37μg/g, 子宮筋層2.61μg/gであり, 移行率 (組織中TEL濃度/血漿中TEL濃度) は2.29~4.90であった。
2.臨床効果
TEL 600mg, 1日1回5日間投与による投与開始14日後および28日後の臨床効果解析対象 (各53例および50例) における有効率は, 14日後が81.1%(43 53), 28日後が96.0%(48 50) であった。
3.細菌学的効果
投与開始14目後および28日後の細菌学的効果解析対象 (各53例および50例) における消失率は, 14日後が81.1%(43/53), 28日後が96.0%(48 50) であった。
C. trachomatisの菌消失率は, 14日後が80.4%(3746), 28日後が95.3%(41/43),
N. gonorrhoeaeの菌消失率は, 14日後が90.0%(910), 28日後が100, 0%(9 9) であった。
4.安全性
安全性解析対象58例のうち発現不明例2例を除く56例における副作用発現率は26.8%(1556) であった。発現した副作用の重症度はすべて軽度または中等度であった。
以上のとおり, TELは女性生殖器組織に良好な移行性を示すとともに, 600mg1日1回5日間投与により子宮頸管炎に対して高い臨床的有用性を認めた。
抄録全体を表示