日本化学療法学会雑誌
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53 巻 , 7 号
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  • 二木 芳人, 川西 正泰
    2005 年 53 巻 7 号 p. 403-411
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    日本感染症学会・日本化学療法学会編集の「抗菌薬使用の手引き (以下, 本手引き)」において, 成人市中肺炎に対する治療指針が示されている。今回, 本手引き中で, 外来治療可能なI, II群に分類される細菌性肺炎に対する第一選択薬の一つとされるcefpodoxime proxetil (CPDX-PR) を用いて, 一般市中病院を主体としたCPDX-PRの成人市中肺炎に対する有効性を本手引きの有効性判定指標に基づき調査するとともに, 本手引きの治療指針としての適格性を検討した。
    CPDX-PR投与3~6日目の有効性判定の結果, 有効性解析対象症例247例中, 判定不能を除いた有効率は83.1%(133/160) であった。「有効」と判定された133例について, 原則CPDX.PR投与開始7~10日目に, 肺炎に対する投与終了後の効果判定を行った結果, 判定不能の30例を除いた103例中102例は,「治癒・改善」であり, 治癒改善率は99.0%(102/103) であった。また,「無効」と判定された27例中11例は他の抗菌薬への切替えがされずCPDX-PRの投与継続もしくは投与が終了されていた。その11例のうち判定不能の2例を除く, 全例が最終的な肺炎に対する投与終了後の効果判定で「治癒・改善」であった。副作用発現症例は, 安全性解析対象症例263例中, 軽度のGOT, GPT上昇の1例のみであり, CPDX-PR投与中止にて速やかな回復が認められた。
    以上より, 細菌性成人市中肺炎に対するCPDX-PRの高い臨床効果と安全性が確認された。また, 本手引きの有効性判定は, 早期に治癒・改善例を見極めるには適格であることが確認された。一方, 有効性判定「無効」の症例のうち, 他の抗菌薬への切替えがされずに, CPDX-PRの投与で, 肺炎が治癒・改善した症例も一部認められたことより, 治療薬剤の切替え基準の見直しにより, 本手引きがより適格になると考えられた。
  • 名取 一彦, 和泉 春香, 奥田 慎也, 石原 晋, 長瀬 大輔, 藤本 吉紀, 菅沢 康幸, 荒井 ちあき, 加藤 元浩, 梅田 正法, ...
    2005 年 53 巻 7 号 p. 412-416
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    造血器腫瘍では抗癌薬による多剤併用療法が有効であるが, その主な毒性である骨髄抑制に対する支持療法は治療全体の中で重要な位置を占めている。今回われわれは急性骨髄性白血病の寛解導入療法後, 使用していたfluconazole (FLCZ) の副作用と思われるQT延長を認めtorasades de pointesを呈した1例を経験したので報告する。症例は急性骨髄性白血病 (FAB分類: M2) と診断された48歳の男性である。寛解導入療法を3クール施行後の骨髄抑制期に内因性敗血症を併発し, 血液培養でCandidaが検出されたためFLCZ (400mg/day) の投与が開始された。FLCZ投与開始7日後に突然の意識消失が出現し, モニター上で心室性頻拍 (ventricular tachycardia; VT) を確認し胸骨叩打によって洞調律に回復したが, 回復後の心電図上QTcは0.71と延長を認めた。原因として血清Caの低下およびFLCZ投与が考えられたため血清Ca値補正に努め, FLCZ投与を中止しAMPH-Bの投与に変更した。しかし翌日に再び意識消失が出現し, 心電図上ではtorasades de pointesを呈していた。血清Ca値が補正されQT時間は正常化しVTは認めなくなったが, 感染症の制御ができず死亡した。FLCZによるQT時間延長から生ずるtrosade de pointesに関しては文献的には1例報告があるのみであり認知度は低いが, QT時間延長を伴う不整脈を認めた場合はtrosade de pointesからVTへの警戒を怠らず血清Ca, Mgの検索とともに本薬剤の投与中止, 代替薬への変更を速やかに行うことが必要であると考えられた。
  • 宮本 直哉, 村上 信五, 渡邊 暢浩, 小関 晶嗣
    2005 年 53 巻 7 号 p. 417-420
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    15員環マクロライド系抗菌薬azithromycin (AZM; ジスロマック®) は, 血中よりも扁桃や副鼻腔などの組織へ特異的に移行し, 1日1回3日間という短期間の服薬で約7日間臨床効果が持続する経口抗菌薬である。そこで, 耳鼻咽喉科領域感染症として多くみられる通常7日間の服薬が必要な急性扁桃炎および急性副鼻腔炎において, AZM500mg, 1日1回3日間投与と, 汎用されている薬剤の一つであるcefcapene pivoxil (CFPN-PI; フロモックス®) 100mg, 1日3回7日間投与の臨床効果を比較検討した。その結果, 両疾患とも同等の高い臨床効果が得られたが, 特に著効率に関してはAZMのほうが高かった。以上より, AZMは3日間という短期間の服薬により患者の服薬負担軽減による高いコンプライアンスと臨床効果のバランスのとれた抗菌薬であり, 耳鼻咽喉科領域感染症の初期治療において第一選択薬の一つであると考えられた。
  • 青木 宏二, 大竹 登志郎, 吉田 由希, 南山 茎子, 今村 恭子
    2005 年 53 巻 7 号 p. 421-430
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    「ジスロマックR特別調査 (指定菌種を起炎菌とする感染症での臨床効果に関する調査)」(以下, 本調査) は, Haemophilzts injluazae, Streptococcus pneumoniae, Mycoplasma属, Chlamydia pneumontae, Moravetla (Branhamella) catarrhalts, Peptostreptococcus属 (以下, 指定菌種) を起炎菌とする感染症に対するazithromycin (AZM; ジスロマック®) の有効性の確認を主目的として実施した。有効性解析対象例307例について有効性の検討を行い, また, 安全性解析対象例327例について安全性の検討を行った。
    有効性解析対象例307例における疾患領域別の有効率は, 呼吸器感染症が85.7%(114/133), 耳鼻科領域感染症 (副鼻腔炎) が90.7%(107/118), 歯科・口腔外科領域感染症が85.7%(48/56) であった。
    菌種別の有効率は, H. influenzae 92.1%(93/101), S. pneumoniae 81.5%(75/92), Mycoplasma属94.1%(32/34). C. pneumniae 90.9%(10/11), M. catarrhalts 94.6%(35/37), Peptostreptococcus属84.6%(44/52) であった (複数起炎菌を含む)。
    安全性解析対象例327例中11例に11件の副作用が認められ, 副作用発現症例率は3.36%(11/327) であった。重篤な副作用は認められなかった。
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