日本化学療法学会雑誌
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53 巻 , 8 号
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  • 木下 智, 岩井 理恵, 松本 康宏, 前田 健生, 吉川 一志, 松本 和浩, 田伏 信, 村田 雄一, 篠田 豊, 井関 富雄, 尾上 ...
    2005 年 53 巻 8 号 p. 471-475
    発行日: 2005/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ヒト唾液中β-lactam薬耐性菌について検討した。成人男性12名より安静時唾液を採取し, ampicillin (ABPC), cefaclor (CCL)およびcefteram (CFTM) 加寒天培地に塗抹した。嫌気培養にて発育したコロニーを薬剤選択菌とし, それらの菌種同定, β-lactamase産生性およびABPC, cefazohn (CEZ), CCL, CFrMのMICを測定した。ABPC選択菌39株, CCL選択菌45株およびCFTM選択菌46株のうち, β-lactamase産生菌はそれぞれ21, 2および3株であった。ABPC選択菌としては通性嫌気性グラム陽性桿菌が最も多く, 次いで偏性嫌気性グラム陰性桿菌であった。CCL選択菌では通性嫌気性グラム陽性球菌, 通性嫌気性グラム陽性桿菌の順, CFTM選択菌では通性嫌気性グラム陽性桿菌, 通性嫌気性グラム陽性球菌の順に多かった。ABPC選択菌とCFTM選択菌に対するMIC80は各薬剤で64~>256μg/mL, CCL選択菌に対してはABPCで16μg/mL, その他の薬剤で256μg/mLであった。ABPCではβ-lactamase産生・penicillinおよびcephem系耐性菌が, CCLではβ-lactamase非産生・cephem系耐性菌が, CFTMではβ-lactamase非産生・penicillinとcephem系耐性菌がそれぞれ得られた。薬剤での選択で供試菌を採取する際には, 使用薬剤により得られる菌種や耐性傾向および耐性機構が異なることを考慮すべきであることが示唆された。
  • 岡 陽子
    2005 年 53 巻 8 号 p. 476-482
    発行日: 2005/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    埼玉医科大学病院において, 1999年1月から2002年6月までに臨床検体から分離されimipenem (IMP), amikacin (AMK), cipronoxacin (CPFX) に対して耐性を示す薬剤耐性緑膿菌 (multiple-drugresistant Pseudomonas aeruginosa: MDRP) 57株を対象に各種抗菌薬の薬剤感受性, メタロβ-ラクタマーゼ産生, IMP-1型メタロβ-ラクタマーゼ遺伝子の有無を検討した・さらにPulsed field gelelectrophoresis (PFGE) による遺伝子多型を検討し, それぞれタイブの異なるMDRP25株を用いてcheckerboard法による抗菌薬併用効果を検討した。また, 薬剤耐性緑膿菌分離患者の患者背景や感染菌と判断された10例についてその臨床的な検討を行った。薬剤感受性測定の結果, IPMのMIC90は128μg/mL, MICrangeは8~512μg/mL以上, AMKのMIC90は128μg/mL, MICrangeは32~512μg/mL以上, CPFXのMIC90は64μg/mL, MICrangeは16~128μg/mLであった。57株すべてにメタロβ-ラクタマーゼ産生とIMP-1型メタロβ-ラクタマーゼ遺伝子が確認された。PFGEによる遺伝子多型性は20種類に分かれ, 内科系病棟と外科系病棟ではそれぞれ固有の遺伝子多型を示す株が多かった。遺伝多型の異なる25株の抗菌薬併用効果ではBIPM+GM, CPFX+AZT, CPFX+GMなどの組み合わせで相乗および相加効果を認める株が多く, 中でもCPFX+AZTでは拮抗を認める株もなかった。感染症の原因菌と判断された10例の中で8例は尿路感染症であり, 2例は敗血症であった。尿路感染症8例の予後は良好であったが, 敗血症2例は死亡例であった。以上より薬剤耐性緑膿菌には有効な抗菌薬は少なく, 抗菌薬の併用療法や発症を未然に防ぐための院内感染対策が重要と考えられた。
  • 1999~2004年分離株の比較
    各務 裕, 遠藤 勝久, 鈴木 博雄, 清田 浩, 小野寺 昭一
    2005 年 53 巻 8 号 p. 483-487
    発行日: 2005/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1999年から2004年までに東京慈恵会医科大学附属病院ならびに首都圏の関連病院を受診した男子淋菌性尿道炎患者の尿道から分離されたNeisseria gonorrhoeae 277株と咽頭から分離された4株, 計281株のcefixime (CFIX), cefterampivoxil (CFTM-PI), ceftriaxone (CTRX), cefodizime (CDZM), spectinomycin (SPCM), levofloxacin (LVFX) に対する抗菌薬感受性を測定し, 年次的推移を検討した。さらに, これらのうちCFIXに対するMICが0.5μg/mL以上の10株を対象として, その遺伝子パターンをpulsed峨eldgelelectrophoresis (PFGE) により解析した。2004年における各抗菌薬に対する耐性菌の割合はCHXでは5.9%, CFTM-PIでは20.8%そしてLVFXでは80.2%であったが, CTRX, CDZMそしてSPCMに対する耐性株はなかった。2004年に分離された淋菌に対する各抗菌薬のMIC90は2003年と比較してほぼ変化がなく, 経口セフェム系薬の耐性も特に進んでいなかった。咽頭由来淋菌4株のMICは尿道由来株と比較して1管程度高い値であった. β-lactamase産生菌は1999年には2.4%, 2003年には5.2%, 2004年には5.0%に認められた。CFIX耐性株のPFGEの解析では, 4種類のパターンが認められ, このうち同じパターンが10株中7株を占めたが, 分離年度あるいは分離地域に特定の傾向を認めなかったため, CHX耐性株は同じクローンのアウトブレイクではないと考えられた。
  • 小俣 裕昭, 池田 眞紀子, 秋元 芳明, 藤井 彰
    2005 年 53 巻 8 号 p. 488-490
    発行日: 2005/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    顎骨内嚢胞を摘出した患者を対象とし, 術前にcefdinir (CFDN) 200mgを経口投与し, 血清, 顎骨内嚢胞嚢胞壁, および嚢胞内容液中のCFDN濃度をペーパーディスク法で測定し, 以下の結果を得た。
    1) 血清中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, L94μg/mLであった。
    2) 嚢胞壁中CFDN濃度のピーク蒔問はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 0.69μg/gであった。またピーク時間における嚢胞壁/血清は, 0.37であった。
    3) 嚢胞内容液中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ, 平均ピーク濃度は, 0.22μg/mLであった。またピーク時間における嚢胞内容液/血清および嚢胞内容液/嚢胞壁は, 0.12および0.33であった。
    以上の結果より嚢胞壁および嚢胞内容液中の平均ピークCFDN濃度は, 歯性感染症より分離されたoral streptococciのMIC80値を超えており, CFDNは口腔外科臨床上有用な抗菌薬であると推察された。
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