日本化学療法学会雑誌
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53 巻 , Supplement3 号
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  • Moxifloxacinの抗菌力
    西野 武志, 大槻 雅子
    2005 年 53 巻 Supplement3 号 p. 1-15
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいキノロン系抗菌薬moxifioxacin (MFLX) のin vitroおよびin vivo抗菌力を, ciprofloxacin (CPFX), sparfloxacin (SPFX), tosufloxacin (TFLX) およびlevofloxacin (LVFX) と比較して検討した。
    1. MFLXのMICはグラム陽性標準株に対して≦0.006~0.78μg/mL, グラム陰性標準株に対して≦0.006~3.13μg/mhであり, 幅広い抗菌スペクトルを示した。
    2. MFIXの臨床分離株に対する抗菌力 (MIC90) は, MethicillinあるいはLVFXに耐性を示すStaphylococcus epidermidisを除くグラム陽性菌において0.2~12.5μg/mlと他薬剤と同等あるいはそれ以上であり, Enterobacter aerogenes, Proteus vulgaris, Morganella morganiiおよびPseudomonas aeruginosaを除くグラム陰性菌においても, MIC90は0.012~25μg/mhで, 他薬剤とほぼ同等あるいはそれ以上の抗菌力を示した。LVFXに耐性を示すStaphylococcus aureusおよびS. epidemmidisに対する感受性は, MIC90で12.5~50μg/mhを示し, 他薬剤と同様に低下したが, 他薬剤より1~8倍優れた抗菌力を示した。
    3. MFLXの抗菌力は, 培地の種類, 血清添加および接種菌量による影響を受けなかったが, 培地pHが酸性側で抗菌力の低下がみられた。
    4. S. aureus, Escherichia coliおよびP. aeruginosaに対する増殖曲線に及ぼす影響では, MFIXのMIC以上の濃度で殺菌的に作用し, 4 MIC濃度1時間作用で, 生菌数は1/10~1/1,000以下となった。また他薬剤でも薬剤濃度に対応した殺菌作用が認められた。
    5.薬剤作用時のS.aureusおよびE.coliの形態変化を微分干渉顕微鏡で観察したところ, S.aureusにおいては1/4MIC濃度から菌体の膨化が, E.coliにおいては1/16MIC濃度から菌体の著しい伸張が認められた。またMIC濃度以上では溶菌像も観察された。
    6. 共焦点レーザー顕微鏡を用いて, S.aureusおよびE.coliの形態学的変化を検討した結果, 1/4MIC濃度のMFIXで処理したS. aureusにおいて, 無核の娘細胞が観察され, またE. coliにおいて, 細胞壁合成阻害薬であるpiperacillin (PIPC) では多核であったのに対して, 1/2MIC濃度のMFLXでは単核であった。
    7. マウス実験的全身感染症に対するMFLXの治療効果を検討したところ, グラム陰性菌では他薬剤より劣っていたが, グラム陽性菌ではSPFXと同等あるいはそれ以上であり, CPFXおよびLVFXより優れた効果を示した。
    8. マウス実験的呼吸器感染症に対するMFLXの治療効果を検討したところ, SPFXとほぼ同等であり, CPFXおよびLVFXより3~5倍以上の優れた治療効果を示した。
  • 井上 松久, 佐藤 優子, 岡本 了一
    2005 年 53 巻 Supplement3 号 p. 16-20
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    8-メトキシニューキノロン系薬moxifloxacin (MFLX) のin vitro抗菌力について, tosanoxacin (TFLX), levofloxacin (LVEX), ampicillin (ABPC), cefpodoxime (CPDX), clarithromycin (CAM) およびvancomycin (VCM) を比較薬として検討し, 以下の成績を得た。
    1. MFLXの臨床分離菌株に対する抗菌力は, methicnlin耐性Staphylococcus aureus (MRSA) およびEnterococcues fueciumにおいてMIC90値が64μg/mLと高値であったが, その他の菌種に対するMIC90値は≦0.03~2μg/mLと優れた値を示した。特にmethicilln感受性S. aureus (MSSA), Streptococcus 属, Haemophilus influenzaeおよびMoraxella catarrhalisなどの呼吸器感染症の起炎菌に対してMFLXは強い抗菌活性を示した。
    2. gyrAの変異に加えてgrlAの変異を有するS, aureus 2株およびgyrAの変異を有するEscherichia coliの1株に対するMFLXのMIC値は, 比較薬と同様に高い値を示したが, その他のDNAジャイレースまたはTopo IV変異株に対してMFLXは, 強い抗菌力を示した。またVCM耐性Enterococcus faecalisおよびE.faecium (VRE) に対するCPDXおよびVCMのMIC値は32~<128μg/mlと, 高度耐性を示したが, MFLXのMIC値は1~8μg/mLと, TFLXおよびLVFXとほぼ同等の値を示した。
  • 田中 香お里, 渡邉 邦友
    2005 年 53 巻 Supplement3 号 p. 21-26
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    合成抗菌薬moxitloxacin (MFLX) の嫌気性菌および通性菌に対するin vitro抗菌力について, cefdinir (CFDN), clavulanic acid/amoxicillin (CVA/AMPC), clarithromycin (CAM), clindamycin (CLDM) およびlevofioxacin (LVFX) を比較薬として検討し, 以下の成績を得た。
    1. MFLXの嫌気性菌および通性菌の参考菌株に対する抗菌スペクトルは, グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広く, Clostridium clostridiiforme, Clostndiumramosum, Lactobacillus acidophilus, およびLactobacillus plantarumを除く菌種に対するMIC90は2μg/mL以下であった。
    2. MFLXの臨床分離株に対する抗菌活性は, グラム陽性球菌 (Finnegoldia magnaを除く), Propionibacteriumacnes, Prevotella intermedia, Porphyromonas gingivalis, Fusobacterium nucleatumにおいて0.5μg/mL以下のMIC90と良好な抗菌活性を示した。MFLXの抗菌活性はCVA/AMPCとほぼ同等のものであった。また, LVFXとほぼ同等または4~32倍強い抗菌力を示した。
  • 小林 宏行, 青木 信樹, 二木 芳人, 渡辺 彰, 河合 伸, 小田切 繁樹, 河野 茂, 山口 惠三, 斎藤 厚
    2005 年 53 巻 Supplement3 号 p. 27-46
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規のニューキノロン系合成抗菌薬であるBAY 12-8039 (moxifloxacin: MFLX) の市中肺炎に対する有効性および安全性を検討する目的で, levofloxacin (LVFX) を対照薬として無作為化二重盲検群間比較試験を実施した。
    MFLXは1回400mgの1日1回 (MFLX群), LVFXは1回100mgの1日3回 (LVFX群) とし, いずれも10日間経口投与した。有効性解析対象例246例に対する総合臨床効果の有効率は, MFLX群94.0%(110/117例), LVFX群94.6%(122/129例) であり, MFLX群のLVFX群に対する総合臨床効果の非劣性が検証された。細菌学的評価可能例86例における菌消失率は, MFLX群92.3%(36/39例), LVFX群82.6%(38/46例) であった。原因菌別にみた総合細菌学的効果における菌消失率は, MFLX群92.7%(38/41株), LVFX群84.3%(43/51株) であった。また, 安全性解析対象例302例の副作用発現率は, MFLX群16.8%(25/149例), LVFX群11.1%(17/153例) であった。
    以上の成績より, MFLX1回400mg1日1回10日間投与は, 市中肺炎の治療に対して, 高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。
  • 小林 宏行, 青木 信樹, 二木 芳人, 渡辺 彰, 河合 伸, 小田切 繁樹, 河野 茂, 山口 惠三, 斎藤 厚
    2005 年 53 巻 Supplement3 号 p. 47-59
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規のニューキノロン系合成抗菌薬であるBAY 12-8039 (moxifloxacin: MFLX) の, 各種呼吸器感染症に対する有効性および安全性を検討した。投与量は本薬1回400mg1日1回投与とし, 投与期間は7日間とした。
    疾患群別の有効率は, 急性上気道感染症 (1群) で98.3%(57/58例), 非細菌性肺炎 (H-1群) で100%(26/26例), 慢性呼吸器疾患の二次感染 (あるいは急性増悪)(II-2群) で87.7%(57/65例) であった。また, 菌消失率は, 1群で100%(24/24例), II-2群で86, 1%(31/36例), 全体では91.7%(55/60例) で, いずれの疾患群においても優れた菌消失率が得られた。副作用発現率は32.5%(65/200例) であり, 消化管系障害が最も多く20.0%(40/200例) に認められた。発現率の高かった副作用は, 肝機能検査値異常8.5%(17/200例), 下痢5.5%(11/200例) であった。
    以上の成績から, 各種呼吸器感染症に対して, MFLX1回400mg1日1回投与により, 高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。
  • 荒田 次郎, 渡辺 晋一, 宮地 良樹, 古江 増隆
    2005 年 53 巻 Supplement3 号 p. 60-73
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ニューキノロン系合成抗菌薬BAY 12-8039 (moxifloxacin: MFLX) 錠の皮膚科領域感染症に対する有効性および安全性を, MFLXl回400mg1日1回7日間投与により検討した。
    臨床効果は, I-a (急性表在性毛包炎) 群78.6%(22/28), I-b (伝染性膿痂疹, 尋常性膿瘡, 浅在性二次感染) 群93.8%(15/16), II-a (せつ, せつ腫症, 擁, 尋常性毛瘡, 急性化膿性爪囲炎, ひょう疽) 群73.2%(41/56), II-b (リンパ管炎, リンパ節炎, 丹毒, 蜂巣炎, 深在性二次感染) 群100%(12/12), III (感染性粉瘤, 化膿性汗腺炎, その他の皮下膿瘍) 群45.5%(15/33) であった。細菌学的効果は, I-a群78.3%(18/23), I-b群75.0%(12/16), II-a群75.5%(37/49), II-b群100%(4/4), III群69.0%(20/29) の菌消失率が得られた。
    III群には菌は消失したにもかかわらず症状改善が十分でなかった症例が認められたが, III群は局所的な要因が先行するため抗菌薬のみの効果には限界があると思われ, 本治験では外科的処置を禁止したために有効率が低い結果となったと考えられた。HI群については, 今後のさらなる検討が望まれる。
    副作用発現率は25.6%(40/156) で, 多く認められた症状は, 嘔気, 下痢, 胃部不快感などの消化器系の事象であったが, 症状の程度は軽度あるいは中等度であった。
    以上より, MFLX錠は皮膚科領域感染症に対して有用性が期待できると考えられた。
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