血液培養から分離されたCmma属57株に対する, micafungin (MCFG), amphotericinB (AMPHB), flucytosine, voriconazole (VRCZ), itraconazole, miconazole, fluconazole (FLCZ) の最小発育阻止濃度 (MIC) と最小殺菌濃度 (minimalfungicidalconcentration, MFC) を求めた0生菌数測定には菌の凝集および薬剤のキャリーオーバーを防止するために, 菌希釈用生理食塩水にはpolysorbate 80を, サブロー寒天培地にはpolysorbate 80, lecithinおよびhistidineを添加して使用した。MFCは接種菌数の99%が殺菌される最小薬剤濃度とした。
Candida albicans14株,
Candida tropicalis11株および
Candida glabrata14株に対してMCFGは最も優れた殺菌効果を示した0MCFGおよびAMPH-BのMFC
90は, それぞれ
C.albicansに対して0.03μg/mL, 1μg/mL,
C.tropicalisに対して0.125μg/mL, 0.5μg/mL,
C.glaprataに対して0.5μg/mL, 2μg/mLであった。また, FLCZ耐性の
C.albicans1株および
C.tropicalis1株は他のアゾール系薬にも交差耐性を示したが, MCFGおよびAMPH-Bはこれらの耐性株に対しても優れた殺菌作用を示した。
Candida parapsilosis16株に対する発育阻止効果はVRCZが最も優れ, MIC
90は0.008μg/mLであったが, MFCは0.03から≧32μg/mLの範囲に分布し菌株ごとの差がみられ, MFC
90は32μg/mL以上であった。一方, AMPH-BとMCFGは殺菌能に優れ, MFC
90はそれぞれ2μg/mL, 8μg/mLであった。
Candida guilliemondii2株に対しては, MCFGよりもAMHLBの活性が優れていた。一方, 今回検討したカンジダ属菌に対するアゾール系薬のMFC
90は測定濃度以上であった。以上, 臨床的に重要な血液由来Candida属に対しMCFGおよびAMPH-Bは優れた殺菌作用を示した。
抄録全体を表示