日本化学療法学会雑誌
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56 巻 , 3 号
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  • 臨床薬理試験
    相川 直樹, 河野 茂, 賀来 満夫, 渡辺 彰, 山口 惠三, 谷川原 祐介
    2008 年 56 巻 3 号 p. 299-312
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    methicillin-resistant Sfaphylococcus amus (MRSA) 感染症患者に対するarbekacin (ABK) の200mg1日1回投与法の有効性, 安全性, 血中ABK濃度との関係 (PK/PD) を検討するため, 多施設共同一般臨床試験を実施した。ABK投与19例のうち14例を有効性解析対象とした。14例はすべて肺炎症例であった。また, 全19例を安全性解析対象とした。MRSA肺炎に対する臨床効果 (有効率) は71.4%, 細菌学的効果 (消失・減少率) は46.2%と良好な成績であり, 200mg1日1回投与法はMRSA肺炎に対して有効であることを確認した。薬物動態パラメータに関しては, Cmaxおよびトラフ値の平均値はそれぞれ16.2μg/mL, 1.1μg/mLであり, 中等度以上の腎機能低下により半減期は延長した。PK/PD解析の結果, Cmax/MICが7~8を上回る場合には期待する臨床効果が得られるものと推察されたが症例数が少なくターゲット値を明確にすることは困難であった。安全性に関しては, 副作用発現率は自他覚所見で158%, 臨床検査値異常変動では36.8%であり, 未知の副作用は認められなかった。重篤な有害事象としてショックが1例に認められたが, ABKとの因果関係は否定された。安全性上の目安とされている血中濃度と副作用発現との関連は, Cmaxが12μg/mL以上の患者では12μg/mL未満の患者と比べて副作用発現頻度が高まることはなく, トラフ濃度2μg/mLと副作用発現頻度との関係も同様であった。以上, ABKの200mg 1日1回投与法によって高いCmaxが得られ.優れた有効性が認められた。また, 多くの患者でトラフ濃度は2μg/mL未満に低くコントロールされ, 副作用発現頻度が高まることはなかった。これらの結果より, ABK 200mg 1日1回投与法の有用性を確認できた。
  • 田村 昌行
    2008 年 56 巻 3 号 p. 313-316
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    公立藤岡総合病院において分離, 同定された緑膿菌の3,002株を用いて, 各抗菌薬の感性の動向や使用頻度の多いカルバペネム系抗菌薬のimipenem (IPM), meropenem (MEPM) の交差耐性の有無について比較検討した。緑膿菌に対するpiperacillin (PIPC), amikacin (AMK), levofloxacin (LVFX) の感性率の経年的変動は少なく, 高い感性率を示した。また, カルバペネム系抗菌薬の使用量は4抗菌薬全体では減る傾向にあった。IPMでは2003年は6,009バイアル, 2006年は2,997バイアルであった。しかし, その感性率の経年変動はみられるものの抗菌薬使用量と感性率には一定の傾向はみられなかった。
    緑膿菌に対するIPMのMICのピークは1.0μg/mLと16.0μg/mLをピークとする二峰性の分布を示し, MEPMはIPMのような谷がみられず, 2抗菌薬のMIC分布パターンは明らかに異なっていた。また, IPM耐性菌株とMEPM耐性菌株では各抗菌薬の感性率が異なり, MEPM耐性菌株の方が各抗菌薬に耐性を示した。IPMに耐性を示し, MEPMに感性を示す20株の各抗菌薬に対する感性率は, PIPC, ceftazidime (CAZ), aztreonam (AZT), AMKでは100%を示した。
    このような結果からIPMとMEPMは緑膿菌外膜の透過経路の違いや抗菌薬排泄システムの違いが示唆されることから, 交差耐性を考慮した抗菌薬適正使用が望まれる。
  • 河野 仁, 川又 さおり, 佐藤 吉和
    2008 年 56 巻 3 号 p. 317-329
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口キノロン系抗菌薬であるprulifloxacin (PUFX, スオード錠®100) は, 2002年10月に製造承認を取得後, 2004年1月から2006年12月までの3年間に, GPMSP (Good Post Marketing SurveillancePractice) に鋼り, 使用実態下での使用成績調査を実施した。以下, 使用成績調査の結果について報告する。
    本調査では, 医療機関539施設から4,034例の調査票を収集した。安全性解析対象症例3,076例, 有効性解析対象症例2,881例について検討した結果の概要は, 以下のとおりである。
    (1) 副作用発現率 (臨床検査値異常を含む) は1.01% (31例/3,076例) であり, 承認時までの9.20%(270例/2,936例) に比較して低かった。副作用のうち最も多かったのは下痢であり, その発現率は0.33% (10例/3,076例) であった。また, 重篤な副作用は認められなかった。
    (2) 疾患群別の有効率は, 93.2~100%であり, 疾患別の有効率は, 肺炎が84.6%であったことを除き, 90%以上の高い有効率を示し, 承認時までの成績とほぼ同等の成績であった。
  • AKOTTアルゴリズムを用いた検討
    相川 直樹, 草地 信也, 織田 成人, 竹末 芳生, 田中 秀治
    2008 年 56 巻 3 号 p. 330-343
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ミカファンギンは本邦で初めて承認されたキャンディン系抗真菌薬であるが, 外科・救急. 集中治療領域での本薬剤の臨床効果は少数例での報告はあるものの, 多数例での成績は報告されていない。今回63の医療機関の参加の下, 市販後特別調査として本領域におけるミカファンギンの有効性と安全性を検討した。37.5℃ 以上の発熱を有し, かつ, 真菌学的検査あるいは病理学的検査により真菌症と確定診断された症例, あるいは, ハイリスク要因を有し監視培養もしくはβ-D-グルカン血清診断により真菌症疑いと診断された症例にミカファンギンを投与し, 抗真菌薬の薬効評価基準として新たに作成したAKOTTアルゴリズムを用いて有効性を評価した。登録症例180例のうち, 除外基準に該当するなどの理由で68例を除外し112例を有効性評価対象とした。112例の内訳は, カンジダ症の確定診断例58例, アスペルギルス症の確定診断例1例, 真菌症疑い例53例であった。ミカファンギンの最大1日投与量と投与日数の平均値は, それぞれ104mg, 14.2日であった。総合臨床効果は有効72例, 無効28例, 判定不能12例で, 有効率は720%であり, 診断名別有効率はカンジダ症78.6% (56例中44例), 真菌症疑い65.1% (43例中28例) で, アスペルギルス症の1例は無効であった。また, ミカファンギン投与により67株中52株 (77.6%) で真菌の消失が認められた。安全性評価対象178例中37例 (20.8%) に69件の副作用が発現し, 主なものは肝機能障害であったが, その発現に用量依存性は認められなかった。本薬剤との因果関係が明らかな副作用は薬疹1例であった。以上の結果から, ミカファンギンは外科・救急・集中治療領域における深在性真菌症に対して優れた臨床効果と高い安全性を示し, 本領域での標的治療および経験的治療の第一選択薬になりえるものと考えられた。
  • 小林 寅哲, 鈴木 真言, 雑賀 威, 池田 文昭, 堀 康宏, 松本 哲, 川村 郁夫, 吉安 貴史, 堀田 久範
    2008 年 56 巻 3 号 p. 344-352
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    市販後調査の一環として, 2005年1月から2006年12月の期間に全国の医療機関において真菌感染症が疑われた患者より分離したCandida属6種410株およびAspergillus属4種280株, 合計690株のmicafungin (MCFG) およびその他抗真菌薬7薬剤 (amphotericin B, fluconazole, itraconazole, miconazole, nucytosine, caspofungin, voriconazole) に対する感受性を測定し, 過去の成績と比較した。Candida属に対するMIC測定はClinical and Laboratory Standards lnstitute (CLSI) M27-A. Aspergillus属に対してはCLSIM38-Pに準拠した微量液体希釈法で実施し, Candida属についてはスコア0に加えて, キャンディン系抗真菌薬のCandida属に対する判定基準としてCLSIで標準化が進められているスコア2でのMICも参考値として測定した。その結果, fluconazole耐性を含むCandida albicans 130株. Candida tropicalis, Candida glabmta, Candida parapsilosis, Candida kruseiおよびCandida guilliermondii各50株に対するMCFGのMIC90値はおのおの0.015μg/mL, 0.03μg/mL, 0.015μg/mL, 2μg/mL, 0.25μg/mLおよび4μg/mLであった。Aspergillus fumigatus 100株に対するMcFGのMIC90値は0.0l5μg/mL, その他のAspergillus属180株に対するMCFGのMIC90値は0.008μg/mL~0.03μg/mLであった。今回得られたCandida属およびAspergillus属に対するMIC値は2001年~2002年, 2003年~2004年に収集した菌株の感受性結果と比較して変動は認められなかった。なお, スコア2でのMIC値はスコア0でのMIC値に比較して低い傾向が認められ, 特にC. guilliermondiiに対するMICで著しい乖離が認められた。以上, MCFGは検討した抗真菌薬のなかで最も優れた抗真菌活性を示し, また, 2001年から2年ごとに実施してきた以前の結果と比較してMCFGに対する高い感受性は保持されていた。
  • 2008 年 56 巻 3 号 p. 353-372
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2008 年 56 巻 3 号 p. 372-409
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 戸塚 恭一
    2008 年 56 巻 3 号 p. i-ii
    発行日: 2008/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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