市販後調査の一環として, 2005年1月から2006年12月の期間に全国の医療機関において真菌感染症が疑われた患者より分離した
Candida属6種410株および
Aspergillus属4種280株, 合計690株のmicafungin (MCFG) およびその他抗真菌薬7薬剤 (amphotericin B, fluconazole, itraconazole, miconazole, nucytosine, caspofungin, voriconazole) に対する感受性を測定し, 過去の成績と比較した。
Candida属に対するMIC測定はClinical and Laboratory Standards lnstitute (CLSI) M27-A. Aspergillus属に対してはCLSIM38-Pに準拠した微量液体希釈法で実施し,
Candida属についてはスコア0に加えて, キャンディン系抗真菌薬の
Candida属に対する判定基準としてCLSIで標準化が進められているスコア2でのMICも参考値として測定した。その結果, fluconazole耐性を含む
Candida albicans 130株.
Candida tropicalis, Candida glabmta, Candida parapsilosis, Candida kruseiおよび
Candida guilliermondii各50株に対するMCFGのMIC
90値はおのおの0.015μg/mL, 0.03μg/mL, 0.015μg/mL, 2μg/mL, 0.25μg/mLおよび4μg/mLであった。Aspergillus fumigatus 100株に対するMcFGのMIC
90値は0.0l5μg/mL, その他のAspergillus属180株に対するMCFGのMIC
90値は0.008μg/mL~0.03μg/mLであった。今回得られた
Candida属およびAspergillus属に対するMIC値は2001年~2002年, 2003年~2004年に収集した菌株の感受性結果と比較して変動は認められなかった。なお, スコア2でのMIC値はスコア0でのMIC値に比較して低い傾向が認められ, 特に
C. guilliermondiiに対するMICで著しい乖離が認められた。以上, MCFGは検討した抗真菌薬のなかで最も優れた抗真菌活性を示し, また, 2001年から2年ごとに実施してきた以前の結果と比較してMCFGに対する高い感受性は保持されていた。
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