中学生用に作成した堆積相モデル(地層モデル)を使って中学生が地層の堆積環境を推定する野外観察を行った.このモデルは,六つの堆積環境(扇状地,河川,湖や沼,河口,浅い海,沖合の海)における地層の特徴を,中学生が理解しやすいよう図と短文でまとめたものである.今回の実践では,40%の生徒が観察地の堆積環境を正しく推定することができた.しかし,地層の特徴を何も発見できなかった生徒が60%いたことから,地層の特徴を実際の露頭で発見できる観察力を高めることが課題であることが明らかとなった.
塩原産「木の葉石」は,栃木県那須塩原市にある「木の葉化石園」内に分布する塩原層群から産出する,約30万年前,第四紀中期更新世の保存良好な葉化石である.本稿では,「木の葉石」を用いた20年間の小学校での授業実践を踏まえ,「木の葉石」を含む試料が年縞堆積物であることを活用して,構成物質の違いやその意味を考察するための新たな教材化と化石同定法の改良点,および今後の教材化の可能性について言及する.
教科書等で混同されることがある「磁極」と「地磁気極」について解説する.磁極は地磁気の伏角が+90°(磁力線が鉛直下向き)または-90°(磁力線が鉛直上向き)の地点のことである.一方,地磁気極は磁軸(地磁気の姿を最もよく近似する双極子を地球中心に仮定した場合の双極子軸の延長)が地表と交わる地点を言う.似た用語は紛らわしく混乱の元にも思えるが,その違いは地磁気の本質と深く関わっている.
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