地学教育
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69 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
教育実践論文
  • 川真田 早苗, 藤岡 達也, 香西 武, 村田 守
    2017 年 69 巻 4 号 p. 171-183
    発行日: 2017/04/28
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル フリー

    水害頻発地域である徳島県名西郡石井町石井小学校の4年生31名に対して,2011年9月台風15号の水害被災後に,防災教育プログラムを実施した.これは,地域の水害に関して,理科学習,グループ別の社会科調べ学習および発表学習からなり,総合的な学習の時間10時間を用いた.学習後の振り返りシートの記述内容から,本プログラムの評価を行った.その結果,発表学習により,児童は理科と社会科で学習した内容を関連づけ理解することができた.水害が頻発する原因を知り,水害予測の方法と避難経路上にも危険な場所があることに気づき,家族で避難場所を決めるなど安全な行動が取れるようになった.また,お年寄りや小さな子の避難経路を調べたいなどの要望が出て,ほかの人々の安全にも気配りできるようになった.

資料
  • 日向 宏伸, 佐藤 鋭一
    2017 年 69 巻 4 号 p. 185-198
    発行日: 2017/04/28
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル フリー

    異なる粘性のスライムを用いてマグマの粘性と火山体の形状を関連づける授業実践を行った.スライムは作製が容易であり,低コストで実験ができる.ポリビニルアルコール(PVA)を主原料とする洗濯のりと水の割合を変えることで異なる粘性のスライムを作製することが可能であり,それらをトレイに載せて観察することで,マグマの粘性と火山体の形状の関係を理解することができる.スライムは重ねることもでき,成層火山の形成過程の理解を深めることも可能である.この教材を用いて授業を行い,授業の前後で実施したテストの結果から,生徒の学習内容の理解が大幅に増加したことがわかった.スライムはマグマの粘性と火山体の形状との関係を知るうえで優れた教材だと考えられる.

  • 伊藤 孝
    2017 年 69 巻 4 号 p. 199-210
    発行日: 2017/04/28
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル フリー

    インターネットを介した対面インタビューにより,フィリピン・ヴィサヤ地域在住の20代女性の自然災害に対する意識調査を実施した.聴き取り人数は55名である.結果,最も恐れる自然災害として地震を挙げ(57.3%),次に台風(26.4%)が続き,この二つで80%を超えた.恐れる理由としては,自身の直接経験が51.9%,テレビ報道等を介した間接経験が13.5%となり,主に過去の経験により,恐れの感情が醸成されていることがわかった.地震を対象とした避難訓練は,約70%の人が小学生時代に経験済みであり,うち75%が教室にとどまり,机の下に隠れる,かがむと指導され,11%が外へ避難と指導されていた.しかし,2013年に発生したボホール地震では,34.8%の人が真っ先に外に避難した.その理由として,その時点で自分がいる建物の強度を瞬時に勘案し,外へ避難するほうが安全という結論が下されたことがわかった.

  • 下井倉 ともみ, 土橋 一仁
    2017 年 69 巻 4 号 p. 211-227
    発行日: 2017/04/28
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル フリー

    本研究では,全国15大学の教員志望の学生(1,815人)を対象に,小学校理科の重要な単元である月の満ち欠けについての理解度調査を行った.その結果,月の満ち欠けについて理解している学生は僅か19%にとどまり,月の満ち欠けを月食と混同している学生は12%もいることがわかった.われわれの以前の研究から,教員志望の学生は,児童に月の満ち欠けを教えることに不安を抱えていることが明らかになっている.彼らに月の満ち欠けを理解させ,教える自信を持たせるためには,大学でどのような授業を行うべきかを考察した.東京学芸大学の教員志望の学生(102人)を対象に,(i)基礎知識を習得させ,(ii)月の運動と太陽・地球・月の3天体の位置関係を理解させ,(iii)児童への指導方法を考えさせる,という流れで授業を実践した.その結果,このような授業実践は,受講生の理解度の向上と教える自信の改善に有効であることがわかった.

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