慢性腎臓病患者で腎代替療法を見合わせた場合や終了した場合,その患者の予後は短い.腎不全の終末期をどこでどのように療養するかを患者本人や家族と医療ケアチームで話し合い,十分なアドバンス・ケア・プランニングを行うことは必須である.腎不全終末期患者には疼痛や嘔気・嘔吐,抑うつなどのさまざまな身体,精神症状が出現する.これらに対して薬物療法および非薬物療法によって適切にマネジメントを行う.自宅で 療養することを選択し,看取りまで行う場合には,保険診療および介護保険のルールを熟知し,訪問看護やケアマネジャーら多職種と連携し在宅緩和ケアを提供してゆくことが肝要である.
心不全パンデミックが到来し,一部の医師や病院だけで心不全患者を管理できなくなってきている.院内多職種連携と地域連携を進めて,皆で心不全を診る体制作りが必要と盛んに言われる.しかし,言うは易しであり,体制づくりは勝手には進んではいかない.今回のテーマの「心不全の終末期ケア」を実践するためには,その対象や方法を考えるだけでなく,その段階に至る過程と実践するための連携体制も必要になってくることから,簡単なものではないと考える.これらの点について,一般市中病院の循環器医の立場から意見を述べさせていただく.
呼吸器疾患,非呼吸器疾患あるいはがん,非がんにかかわらず人生の終末期には多くの苦痛を感じる.特に今回のテーマである呼吸困難感を訴える患者は多数にのぼる.呼吸困難感へのアプローチは比較的難しく,患者,医療従事者を悩ませる.われわれ医療従事者は患者に寄り添い,何とか苦痛緩和を試みようと試行錯誤を繰り返すものである.近年種々ガイドラインも作成され一定のエビデンスが示されている.本文中にて簡単に 紹介する.
主な消化器癌(食道,胃,大腸,肝臓,胆嚢・胆管,膵臓)による死亡数は総がん死亡数の半数近くを占め,緩和ケアの場で遭遇する頻度は多い.他方,癌に伴う消化器症状はどの癌でも問題となり,手術,内視鏡治療,放射線照射などが症状緩和に有効な手段となる.処置を行うかどうかは専門医の判断になるが,患者の意思・希望が尊重されるべきであり,患者と長く接する地域の医療者の役割は大きい.本稿では,主な消化器癌と癌に伴う消化器症状について,専門医と連携する上で知っておきたいことを中心に取り上げた.
独居・高齢者世帯は,終末期に至るまでに施設入所などで生活環境を維持できなくなることが多い.その背景にある,本人達が「家族に迷惑をかけたくない」という思いや,家族が抱く「離れて暮らして心配」という感情も理解できる.しかし大切なことは,感情面で判断するのではなく,医療・介護制度やそれ以外のサポート,また金銭的な情報も提示し,どのような「状態」になっても在宅で生活ができることを理解できれば,独居・高齢世帯であっても最期まで安心して暮らし続けることができると感じている.独居・高齢者世帯でも人生の最終章が迎えられるためには,本人を含めた家族との対話が大切である.それを実現するための具体的な行動と地域で対話を促す仕組みづくりが重要である.
終末期ケアについては以前から各国で方針や法律が決められていました.日本でも数年前から話題となっていますが進行は遅いですし,進行を見込むことも不可能だと思います. 利用者が希望する終末期ケアは,本人の加齢,健康状態,家族の考えなどで変化しやすいと思います.また終末期ケアを実施する際に,家族にプレッシャーがかかっていることが多いので,それに配慮することもよいと思います. 終末期ケアには教科書的なものは作成不可能で,家族の本質的希望を見抜くことが大切だと思います.
目的:骨粗鬆症治療の主要薬剤であるビスフォスフォネート製剤は長期使用に伴う副作用リスクの再評価が必要な薬剤であるにもかかわらず,現状での投薬の実態は不明である.本研究はビスフォスフォネート使用の現状を前向き観察研究で調査した. 方法:2022年10月から2023年9月に練馬光が丘病院総合診療科に入院しビスフォスフォネート製剤を内服している65歳以上の女性患者を対象に,当該製剤の投薬期間,骨密度フォローの有無,腎機能について調査した. 結果:39例が基準に該当した.10年以上の投薬患者は2例,5年以上の投薬患者は8例,投与継続期間不明は13例,腎機能障害併存は3例,骨密度がフォローされていないのは16例であった. 結論:39例のうち10年以上の投薬は2例で認められた.骨密度検査によるフォローが施行され,投薬期間が5年以内で,腎機能障害がない症例は12例のみであり,骨粗鬆症に対するビスフォスフォネート製剤の治療内容には課題が多い可能性が示唆された.
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