日本における高齢単身世帯の増加は,医療・福祉制度に新たな課題を突き付けている.身寄りのないことにより,入院や介護,死後の事務手続きが困難になる事例が増えている.本稿では,問題の共通理解をすることや,その解消に向けた支援のあり方を検討する.
日本社会は世界に類を見ない速さで超高齢化が進行し,高齢者の多面的な健康課題が顕在化している.本稿では,病因論の変遷をふまえて健康の社会的決定要因(SDH)を再考し,プライマリ・ケアにおける社会的処方の意義と効果的に実施されうる要件を検討する.加えて,医療者の価値規範の転換と,ウェルビーイングやポジティブヘルスといった概念に基づいた新たな健康観の必要性を提示し,特に地域における高齢者支援においてプライマリ・ケアに求められる機能や役割を提言する.
社会福祉士は,「社会福祉士及び介護福祉士法」に位置付けられた国家資格であり,専門的知識および技術を用いて,福祉に関する相談に応じ,関係者との連絡および調整を行う福祉の専門職である. 社会福祉士は,福祉関係法令や医療・障害サービスの基本料および加算等で規定されており,2024年度の改定時には,介護老人保健施設において,介護報酬で初めて規定された. 本稿では,社会福祉士誕生の歴史に触れ,超高齢社会における社会福祉士の専門性と期待されている役割について紹介する.
急性期病院では日々多くの救急患者が搬送され,時には身寄りのない患者も入院する.認知機能やADLが低下すると,入院生活や医療の方針,退院先について意思決定する人が不在であるが故の支援の困難さが発生する.今回は事例を通し院内でのルールや関係機関との連携,成年後見制度の活用とMSWとしての倫理を考慮した退院調整について,また急性期病院だけでなく地域全体の医療機関・施設で役割を担っていくことの必要性について述べていく.
1.複雑かつ複合的な課題を有するケースの場合,優先順位を決めて支援を開始する必要がある. 2.多機関連携を必要とする場合,必要十分な協議の上,相互に役割を分担する必要がある. 3.複雑な課題を整理する場合,聴覚的な情報に偏らず,視覚的な情報も活用することで,共通認識化を促進する効果が期待できる. 4.自機関で治療困難な症例について,専門機関へのリファーを適切に判断することが求められる.
超高齢社会において,高齢者の生活や介護,福祉という場ではさまざまな支援が必要である.医療においても同様であり,その場所や場面に応じて多様な支援がなされることがある.ことさら在宅医療という場においては,その医療資源や社会資源の限界を認識し,折り合いをつけながら患者や家族を含めた多職種と協働していく場でもある.我々医療者はどう支援していけばよいのか.在宅医療という視点から見た超高齢化社会を振 り返ってみる.
【背景】心臓血管手術後の運動療法はADLを改善させ,生命予後を改善させると報告されているが,退院後 に病院や施設で監視下運動療法を継続していくことは困難である. 【方法】今回我々は当院で施行した開心術92例のうち術後CPXをもとに運動処方を行い,非監視下運動療法を継続した44症例を検討した.そのうち退院後,運動時間が90分/週以上の症例をActive group(31例)とし,90分/週未満の症例をNon-Active group(13例)として術後成績および運動耐用能の変化を比較検討した. 【結果】術前因子に関して両群間で有意差を認めなかった.術式,手術時間,術後合併症,術後在院日数も同様に有意差を認めなかった.運動耐用能に関しては術後2週間以内のEarly termのCPXでは両群で有意差を認めなかったが,術後3~6ヵ月後のLate termではActive groupで有意にPeak VO2,AT VO2などが改善していた(P=0.006,P=0.004). 【考察,結論】心臓手術後の非監視下運動療法は90分/週以上の運動を継続することにより術後運動耐用能がより改善する可能性が示唆された.
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