【目的】地域包括ケアシステムにおける医療提供体制を評価するための医療指標を構築し,各地域の特性を定量的に比較可能な枠組みを提案すること. 【方法】全国1,889市区町村を対象に,かかりつけ医へのアクセス性,5疾病に対応する医療機関へのアクセス性,救急医療へのアクセス性,一般病床数,療養病床数,在宅医療対応機関数,訪問看護機関数の7指標を用いて医療提供体制を評価した.公的統計データとArcGIS解析により人口カバー率や人口あたり施設数を算出し,各指標を偏差値化して市区町村間の比較を可能とした.さらに,埼玉県内の3市区を対象にケーススタディを行った. 【結果】医療指標に基づく分析により,全国,47都道府県,および市区町村レベルで医療アクセス性や資源分布の違いが明らかとなった.都市部では救急医療や専門医療のアクセス性が高く,医療資源が集中している地域がある一方,地方部では医療資源の不足やアクセス性の低さが確認された.ケーススタディでは,市区ごとに特徴的な医療提供状況と課題が明確となった. 【結論】本研究で構築した指標により,各地域の医療提供体制を相対的に把握する枠組みを提示した.これにより,地域特性に応じた医療資源の再配分やサービス提供体制の見直しに向けた議論の基盤を提供 するものである.
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