初年度鷄の産卵と體重並に産卵能力と産卵分布との關係を最近5ヶ年間の檢定依頼鷄S. C. White Leghorn種及びNagoya種に就き調査觀察をなし次の如き結果を得たり。
I. 産卵率の最高(月次)はS. C. White Leghrnに於ては79.64%(3月),Nagoya種に於ては69.14%(2月)にして,産卵最盛期はS. C. White Leghorn種に於ては3-4月(79.26%),Nagoya種に於ては,2-3月(60.06%)と約1ヶ月の開きあり。
S. C. White Leghorn種,Nagoya種は共に6月より産卵率は減少し,S. C. White Leghorn種に於ては7.11%,Nagoya種に於ては10.15%,Nagoya種はS. C. White Leghorn種に比し3.04%減少率大にして,之れ恐らくNagoga種た於ては,6月より就巣性現はれ,之が基因するものと考へらる。
産み疲れに依る産卵率の減少は,S. C. White Leghorn種に於ては8月よりNagoya種に於ては6月より現はれ,約2ヶ月間Nagoya種はS. C. White Leghorn種に比し速やかなり。
初産時と350日間後の産卵状態を見るにS. C. White Leghorn種に於ては著しき減少を見れどもNagoya種に於ては殆んど減少を認めず。
II. 初年度の最高體重は,S. C. White Leghorn種に於ては1.957kgr(2月)にして,以降6月末迄殆んど變化なく,10月に至りて初産月次體重と同重量となり,Nagoya種に於ては1月末迄(2.598 kgr)急速に増加して2月,4月と2個のModeを示し10月2.691 kgrの最高體重となる。
III. 産卵と體重とはS. C. White Leghorn種に於ては密接なる平行的關係あれどもNagoya種に於ては其の關係著明ならず。
IV. 産卵と最高最低温差とは關係あるものの如し。
V. 産卵能力と産卵變化との關係は,産卵能力低きもの程其の産卵は急速に増加して速やかに最高に達し,且其の減少も急速なり。
VI. 産卵能力高きものは低きものより其の産卵の變異は小なり。
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