日本畜産学会報
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32 巻, 4 号
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  • 広瀬 可恒
    1961 年 32 巻 4 号 p. 213-215
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • VII. 乳腺発育反応に関係するGeneral size factor
    永井 次郎
    1961 年 32 巻 4 号 p. 216-220
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    マウスにおいて,卵腺の感受性の指標である卵腺発育反応について選抜した際に,35日令体重の変化の傾向が,乳腺発育反応のそれと似ていた.この事実に基ずいて,表現型においてgeneral size factorが両形質に寄与する程度を,兄妹交配を3代かさねた雌マウスの資料から,試行錯誤法によってしらべた.
    General size factorの寄与部分は,乳腺発育反応および35日令体重において,それぞれ全分散のうちの74%および90%であった.
  • V. バター脂肪酸化生成物の尿素付加法による分別
    大武 由之
    1961 年 32 巻 4 号 p. 221-225
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. The fractionation by urea complex formation was employed for separation and concentration of oxidation products, such as carbonyl compounds, oxidized acid, and estolides, in the butter fatty acids.
    2. The oxidation products had little tendency to form crystalline complexes with urea. Therefore, they were concentrated in non-complex or filrate fractions. The concentration of the oxidation products in non-complex fractions increased and yields of filtrate fractions decreased with an increase in amount of urea added and with a decrease of solvent used in fractionating procedure.
    3) The separation of oxidation products in methanol solution was performed by successive additions of urea. It was found that successively crystallized solid fractions showed an increase in the iodine, saponification, and esterification values, and contents of oxidized acid and carbonyl compounds, a decrease in the neutralization value. Then the greater part of the oxidation products was found in the final filtrats fraction.
    Conclusively, it is considered that this reaction of urea complex formation is a useful method of concentration of oxidation components in oxidized butter fatty acids.
  • I 尿素とグルコースの溶液における褐色化
    笹子 謙治, 津郷 友吉
    1961 年 32 巻 4 号 p. 226-229
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    尿素とグルコースの溶液を,種々の条件および処理をほどこして加熱し,尿素態窒素,NH3-NおよびpHと褐色化との関係を検討した.その結果,尿素とグルコースの結合は酸性において著しく,アルカリ性においては,ほとんど認められなかつた.その反対に,褐色化は酸性においては認められず,アルカリ性において認められた.また110°Cおいて褐色化は著しいが,密封しないで加熱し,尿素の水解によるアンモニアの影響をなくすと,褐色化は認められなくなる.さらに尿素とグルコースの結合物は,弱アルカリ性において,グルコースに比べ褐色化しやすくはない.
    結局,この溶液における褐色化は,尿素とグルコースの結合を通して生ずるのではなく,尿素の水解によるアンモニアがpHを上昇させ,かつグルコースに作用するために生ずるものである.
  • II 反応生成物のペーパークロマトグラフィーおよび反応条件について
    笹子 謙治
    1961 年 32 巻 4 号 p. 230-234
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. 尿素とグルコースを,pHおよび温度を変えて反応させ,これをブタノールーエタノールー水(8:3:3)混液を用いて展開し,ペーパークロマトグラフィーによつて検討した.その結果,尿素とグルコースの反応のおもな生成物として,3つのスポット(RG=0.77,0,64および0.33)を認めた,これらのスポットにつき二,三の性質を調べ,それぞれC1以外のCに尿素が結合したグルコース,尿素グルコシド,尿素1分子にグルコース2分子が結合したものであることを認めた.
    2) 尿素とグルコースを温度,pHなどの条件を変えて反応させ,ウレアーゼの作用を受けないものを指標として,これらの反応しやすい条件を検討した.その結果pH 3以下,80°C以上の温度,弱酸酸性,濃縮などの条件が,この反応を著しく促進することを認めた.そしてこれらの条件を用いて,尿素グルコシドを簡単に調製する方法を示した.
  • I. B2と蛋白質との関係
    長沢 太郎, 葛谷 泰雄, 茂田 信子
    1961 年 32 巻 4 号 p. 235-239
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    各種の濃度のfree criboflavin (FR)およびflavinadenine dinucleotide (FAD)の溶液中に,カゼインを浸漬し,あるいは脱脂乳に酵素処理,加熱処理を行ない,ピタミンB2と蛋白質との結合状態の一端,およびカゼイン中のFADおよびflavin mononucleotide(FMN)の含有割合について実験した.得られた主要な結果は,次のとおりである.
    1. FR (pH 4.6および6.8)およびFAD (pH 6.8)の溶液にカゼインを浸漬したが,カゼインへの吸着は認められなかつた.
    2. 脱脂乳にpepsin処理またはtrypsin処理を行なつて,総B2量を測定したところ,蛋白結合型B2含量は5~6%であつた、そのうちカゼインと結合するものは30~50%であつた.
    3. カゼインと結合する結合型B2のうち,FADは40.5%, FMNは59.5%であつた.
    4. 脱脂乳に三塩化酢酸を加えてpH 4.6とし,93°C5分,85°C15分,63°C30分,加熱した後,カゼインを〓別し,さらにtrypsin処理したところ,いずれの加熱処理においても,カゼイン中には,B2が検出されなかつた.
  • II. 初乳,泌乳中期乳および末期乳のB2分画3型比の消長
    長沢 太郎, 葛谷 泰雄, 茂田 信子
    1961 年 32 巻 4 号 p. 240-244
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    泌乳期が,牛乳のB2分画3型の含量と割合におよぼす影響を明らかにするため,初乳期,泌乳中期および泌乳末期のホルスタイン各5頭を用い,乳汁中の総B2含量とflavin adenine dinucleotide (FAD), flavin mononucleotide (FMN), free riboflavin (FR)の含量割合について測定した.またホスフアターゼとエステル型B2との関連性についても検討を加えた.主要な結果は次のとおりである.
    1. 初乳の総B2含量は著しく高く,常乳の2~3倍であつて,分娩後3~5日で常乳値に低下した.この際減少するものは,エステル型B2,なかでもFADであつた.初乳のB2分画3型比は,常乳のそれに比して,エステル型B2の割合が高く,分娩後1週間でも,常乳の含量割合に移行しなかつた.
    2. 泌乳中期乳のB2分画3型比の平均結果は,FAD:18.1%,FMN: 28.5%,FR: 53.4%であつて,泌乳末期に近ずくにつれて,エステルB2の割合が増加した.
    3. ボスフアターゼ作用が高い初乳,および末期乳中のFADとFMNの含量割合は,ホスフアターゼ作用が低い泌乳中期乳のそれらよりも大であり,ホスフアターゼとエステル型B2との間に直接の関連性が認められなかつた.
  • IV. 灰分中のアルミニウムおよび亜鉛量
    今村 経明, 片岡 啓, 東 正敏
    1961 年 32 巻 4 号 p. 245-249
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    アルミノン法およびジチゾン法によつて,牛乳および乳製品のAlとZn量を測定した.試料には個体乳71,合乳55,市乳81,脱脂粉乳15,.全粉乳11個を用いた.各試料中のAlとZn量(灰1g中のμg数)は,それぞれ72.82±36.69と409.04±143.08,81.29±28.74と381.37±119.05,80.14±33.64と398.34±43.13,52.12±12.96と472.51±93.59,64.38±14.05と478.33±34.38であつた.この結果から,牛乳は,搾乳から集乳までの間にAlに汚染されるが,市乳および粉乳製造中には,Alの汚染がほとんど起こらないことがわかつた.しかし,地域および季節的に著しい差があり,特に夏季の牛乳中のAlが多かつた.これは汚染によるものではなく,牛乳本来のAl量の増加であつて,飼料と関係があるらしかつた.また,牛乳中のAlは個体差が大きく,これが地域差と関連するのではないかと想像された.以上のような点があるので,従来報告されたAlの定最値が一定しなかつたのであろう.
    これに反して,Znには地域差が少ない.また搾乳から処理までに,牛乳がZnに汚染されることはないが,粉乳の場合には相当量(原料乳の約20%)が汚染をうける.これまで,Znは泌乳末期に増加するといわれていたが,著者らの実験では逆に減少した.すなわち,泌乳停止の月には286.50μg(n=9)に過ぎないが,その前月には411.29μg(n=9),その前々月には437.08μg(n=7)のZnを含んでいた.このような泌乳末期の変化は,牛乳の灰の組成が,血液のそれに近づくためであることを,その牛の血液中のZn量と比較することによつて推察した.
    このAlとZn量の間には,なんら有意の相関が認められなかつた.
  • V. オーチャードグラスの乾燥時における蛋白質の消化性の変化
    大山 嘉信
    1961 年 32 巻 4 号 p. 250-255
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牧草を諸種の方法で乾燥した場合に生ずる窒素分布の変化と,蛋白質の消化性の関係を調べた,オーチャードグラスを用い.乾燥方法は,急熱通風乾燥,徐熱通風乾燥(以上約70°C),送風乾燥,無通気乾燥(以上45~50°C)とし,生草および乾燥試料につき,ペプシン消化の前後に窒素溶出試験を実施して,各種溶性蛋白質の量の変化を調べ,人工消化率を算出した.得られた結果を要約すれば,次のとおりである.
    1. 乾燥時の蛋白態窒素分布の変化は,前年同時期に実施した実験の結果と類似し,水溶性蛋白態窒素が,いずれの乾燥条件においても減少し,熱アルカリ性エタノール溶性蛋白態窒素は,ほとんどの場合に増加した.
    2. 全蛋白質(各種溶性蛋白質の総和-不溶性をも含める)の消化率の乾燥処理による変化は,明らかには認められなかつた.
    3. 水溶性蛋白質の消化率は,乾燥の結果低下し.熱アルカリ性エタノール溶性蛋白質の消化率は,ほとんど変化がないか,わずかに高くなつた.NaOH溶性および不溶性の蛋白質の消化率の乾燥による変化の方向は,一定していなかつた.
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