日本畜産学会報
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33 巻, 3 号
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  • 波多野 正
    1962 年 33 巻 3 号 p. 203-207
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • I. 同日令における外役蜂数の消長
    関口 喜一, 上田 政喜, 坂上 昭一
    1962 年 33 巻 3 号 p. 208-213
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    時期と群勢をことにする6群のミツバチ群において,個体マークをつけた同一日令のハタラキバチの外役活動を観察することによつて,外役蜂数の消長を追究し,次のような結果をえた.
    1. 外役蜂は,羽化後10日ごろから出巣し,20~30日目で最高の絶対数をしめす.その後は,死亡曲線とほぼ同一の経過をたどつて減少し,45日目ごろに大半が死滅する.
    2. 実際に活動する外役蜂の数は,悪天候時の減少を除外すれば,潜在外役蜂のほぼ80%にあたる.一方,花粉採集蜂は,前者の50%をこえることはすくない.
    3. 生存蜂数に対する外役蜂の比率は,観察した範囲の群の大きさでは,群の強弱とそれほどいちじるしい関連をしめさなかつた.一方,流蜜最盛期には,他の時期よりも,外役蜂はあきらかに増加する傾向がみられた.
  • IV. 熟成過程中のブルーチーズより分離したスライム細菌について
    金内 稔郎, 吉岡 八洲男, 浜本 典男
    1962 年 33 巻 3 号 p. 214-217
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    北海道産ブルーチーズの熟成過程において,チーズの表面から分離した,いわゆるSlime bacteriaについて菌学的検索を行ない,これらを分類•同定した.結果を要約すれば,次のとおりである.
    1. Micrococcaceaeは,ほぼ同数のMicrococcus candidus, M. variansおよびM. conglomeratusと同定された.
    2. Brevibacteriaceaeは,すべてBrevibacterium linensと同定された.
  • 江崎 孝三郎, 早川 純一郎, 富田 武, 尾藤 惇一, 野沢 謙, 近藤 恭司
    1962 年 33 巻 3 号 p. 218-225
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. 長野県西筑摩郡の農家に飼育されている,いわゆる木曾馬の毛色に関して,1860年前後の古文書より,当時の状態を調査した.1943年以降は,「産駒登記原簿」および「伝染貧血症検査台帳」により,また直接に観察して,各種毛色の頻度の推移を調査した.
    2. 木曾馬産駒集団においては,年々鹿毛は増加,青毛は減少の傾向にあり,栗毛はほぼ一定の割合を維持している.河原毛および月毛は,合計してわずかに5%以下であつた.すなわち,遺伝子aの頻度qaは,1943年に約0.55であつたが,次第に減少して,1960年には約0.35となつた.遺伝子bの頻度qbは約0.45で,1943年以来この値を維持している.遺伝子Dの頻度qDは約0.02であつた.
    3. 以上の事実は,遺伝子A~aに関しては移行多型(transient polymorphism),遺伝子B~bに関しては平衡多型(balanced polymorphism)となつていることを示している.
    4. 木曾馬産駒集団における毛色の多型の維持と推移の機構に関して,種畜の選択に際して働く淘汰選抜の作用と,種畜から次の世代に移る間に働く淘汰に注目して,分析を行なつた.その結果,遺伝子aには,その頻度を減少させる方向に,上記二つの淘汰が相加的に作用すること,また遺伝子bに関してはは,前者がその頻度を,減少させる方向に,後者が増加させる方向に働いていることが判明した.そして,これら二つの要因によつて,鹿毛,青毛および栗毛の年次的変遷を遺伝的に説明することができた.
  • II. 豚肉の電気抵抗値とその経時的変化について
    大高 文男
    1962 年 33 巻 3 号 p. 226-232
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    16頭の豚で,枝肉の各部位(1~7と呼ぶ)の電気抵抗値(単位Ωははぶく)を測定し,次のような平均値を得た.部位1(腿の切断されて露出している肉面)1931;2(背肉の腿に近い部分)2334;3(背肉の肩に近い部分)1683;4(肩肉の上部)1918;5(肩肉の下部で前肢に接する付近)1363;6(下腹部の中央の肉面)17667(横隔膜筋)1628.部位2と部位3,5,または7との間には,5%水準で電気抵抗値に有意差が認められた.
    肉の電気抵抗値は,部位および個体によつて差があるが,死後における経時的変化の様相は同じである.死後は,最初急激に低下するが,まもなくゆるやかに減少していく.この間一時,平衡または増加の傾向を示すが,これは,酸溶性燐酸化合物およびpHの変化とも考えあわせると,死後強直の時期と思われた.
    赤血塩還元法で遊離SH基の量を測定した.最初の間は肉蛋白質の変性による遊離SH基の量の増加よりも,他の還元性物質の減少が大なるため,測定値は急激に減少して行き,この期間における電気抵抗の変化と同じ様相を示した.その後,蛋白質の変性にともない,遊離SH基が増加するに従つて,この値は増加するようになるが,この時期はいわゆる初期腐敗の時期と思われた.一般に応が腐敗して来るに従い,電気抵抗は,各部位でたがいに似た値を示すようになる,しかし,いわゆる初期腐敗と思われる時期の値は,部位によつて幾分異なるようであつた.
  • III. 豚肉の電気抵抗と鮮度との関係
    大高 文男, 玉手 六朗
    1962 年 33 巻 3 号 p. 233-239
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉の鮮度-死後強直,解除,熟成を経て,腐敗にいたる-と電気抵抗との関係を知るために,肉中に起こる諸変化のうち,pH,アミノ態窒素およびアンモニア態窒素量の変化を,電気抵抗の変化とともに測定した.
    電気抵抗の変化は,最初に急激であつて,pHが最低となる付近まで,pHの低下にしたがつて低下した.pHが最低となる付近では,電気抵抗はほとんど変化しないが,死後強直の極期と思われる時期には,幾分増加する傾向が認められた.その後,pHはふたたび上昇するが,電気抵抗は,なおゆるやかに低下する.
    電気抵抗は,前述のような段階を経て変化する.この逆数である電気伝導度は,アミノ態またはアンモニア態窒素と正の相関を示した.そこで,アミノ態またはアンモニア態窒素の変化で示される肉の状態は,電気抵抗の測定によつても,追跡できるのではないかと考えられた.
    肉の電気抵抗値は,個体,筋肉部位,その他各種の要因によつて異なるので,いわゆる初期腐敗と思われるときの値は,かならずしも一致しない.これは,初期腐敗の時期そのものが,なかなかとらえにくいことも,一つの原因である.しかし,特に同一の筋肉部位であれば,新鮮時には,その値が異なつているものも,いわゆる初期腐敗と思われるような状態になると,かなり近似した値を示す傾向が認められた.
  • I. 鶏の肝臓核酸含有量と血清蛋白質量の関係
    飯田 九州男, 青木 幸子, 庄司 圭吾, 麻生 和衛
    1962 年 33 巻 3 号 p. 240-248
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    卵黄蓄積の機構を生化学的の方法によつて究明する目的で,本実験を開始した.今回は,その初期の段階として,一部追試の意味も兼ねて,卵黄前駆物質の合成の場といわれる肝組織の核酸含有量,合成の内分泌的刺戟者,および肝核酸含有量と血清中の蛋白質量との関係を明らかにするために,実験を行なつた.
    核酸および燐蛋白質は,SCHNEIDERの方法によつて抽出し,DNAはdiphenylamine反応により,RNAはorcinol反応により定量した.燐蛋白質性燐の定量は,ALLENの方法で行なつた.なお血清中の粗蛋白質は,ミクロ•ケルダール法で行なつた.
    1. 産卵鶏では,他のものよりも,生鮮肝臓100g中のデソキシリボ核酸(DNA)が少なく,リボ核酸(RNA)が多かつた.肝組織のRNA/DNAの価は,産卵鶏で最も大きく,休産鶏および成鶏雄の価との間に,5%で有意の差が認められた.また全肝臓中のDNAについては,これら3者の間に差がなかつたが,RNAについては,産卵鶏が5%水準の有意の差をもつて,高い価を示した.
    血清中の燐蛋白質性燐は,産卵鶏では多最に見いだされたが,その他の鶏では,ほとんど認められなかつた.肝臓中の燐蛋白質性燐は,産卵鶏に多く,他の鶏群との間に有意の差が認められた.
    2. 若雄に卵胞ホルモンを投与したところ,肝臓の重量は,対照に比べて著しい増加を示し,その度は,投与量の増加に伴つて著しくなる傾向が見られた.
    生鮮肝臓100g中のDNAは,投与量の増加に伴つて減少し,同じくRNAは増加した.またRNA/DNAの価は,対照区よりも投与区で大きく統計学的に有意の差が認められた.対照区と比べて,投与区では,全肝臓中のDNAはわずかに,RNAは著しく増加した.
    3. 血清中の粗蛋白質含有量は,投与区では対照区よりも大で,かつ投与量の増加に伴つて増加する傾向が見られた.
    卵胞ホルモンを投与した場合に,肝組織中のRNA/DNAの価と,血清中の粗蛋白質含有量との間には,+0.918という高い相関係数が得られた.
    血清中の燐蛋白質性燐は,対照区ではほとんど認められなかつたが,卵胞ホルモン投与区では,著しく多量であつた.また肝臓中のそれは,対照区よりも投与区で大きい価を示し,1.0mg投与区を除いては,卵胞ホルモンの投与量の増加に伴つて増加するのを認めた.
    なお,同じ方法で,それぞれ交雑種と白色レグホーン種を用いて行なつた二つの実験からは,本質的に同様な結果が得られた.
  • II. 血清燐蛋白の分離
    徳江 茂, 小野 和延, 麻生 和衛
    1962 年 33 巻 3 号 p. 249-255
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    産卵鶏,雄鶏およびエストロジェン処理雄鶏の血清を,pH6.8の0.015M燐酸ソーダ緩衝液に対して,2°Cで24時間透析を行なつた.その結果,沈殿したグロブリン部分と,上澄血清部分について,DEAE-セルローズによるカラム•クロマトグラフィーを行ない,溶出液はフラクション•コレクターで4ccずつ分取し,紫外部280mμにおける吸光度を測つて,蛋白含量を調べた.
    その結果,血清部分には,別に著しい差が見られなかつたが,沈殿したグロブリン部分から,雄にはない特異的な4画分を得た.
    この4画分は,0.3M,0.4M,0.5Mおよび2.0M食塩含有燐酸ソーダ緩衝液で溶出され,蛋白性燐を含有し,その量は,それぞれ産卵鶏で6.7%,2.4%,2.7%,16.0%,エストロジン処理雄鶏で6.1%,3.6%,7.0%,17.1%であつた.その他,脂質も相当量含有され,エストロジエン処理雄鶏では18~36%であり,産卵鶏の4.9~19%より著しく多かつた.また雄鶏に特有と思われる蛋白質が,0.8M食塩含有緩衝液で溶出された.上記の4画分合計量が使用グロブリン量に対する割合は産卵鶏で6.3%,処理雄鶏で2.7%であつた.
  • I. 自発性乳腺瀘胞形成の系統•家系内における頻度と形成マウスにおける性周期
    永井 次郎
    1962 年 33 巻 3 号 p. 256-264
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    種々の系統の10~14週齢処女マウスの,乳腺をホールマウント法でしらべた.成績の大要は次のとおりである.
    1. カスカベおよびddD系マウスでは,自発性乳腺〓胞形成の頻度は30~38%であつた.
    2. カスカベ群(KP)で,家系別にこの頻度をしらべたところ,50%をこえる家系があつた.
    3. 著しい自発性乳腺〓胞形成を示したマウスの検索時の日齢は,およそ87日である.〓胞形成には,性成熟後かなりの日数を要するものと考えられる.
    4. 乳腺検索時における膣垢像は,乳腺〓胞形成の有無とは関係がなかつた.
    5. 性周期の長さは,ある程度,自発性乳腺〓胞形成と関連するように思われた.
  • 富田 武, 茂木 一重, 江崎 孝三郎, 早川 純一郎, 尾藤 惇一, 野沢 謙, 近藤 恭司, 細田 達雄
    1962 年 33 巻 3 号 p. 265-271
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    木曾馬を材料として,従来日本で分離され,しかも現在利用することができる5種の馬の血液型判定用抗血清(抗U1,抗U2溶血血清および抗Pf1,抗Pf2,抗Pf3凝集血清)の相互関係と,これらの抗血清によつて分類された血液型の遺伝を検討した.その結果,次の事実が確認された.
    1. 従来,溶血清反応によつて証明されていたU1抗原およびU2抗原は,それぞれの抗血清に補体を加えずに,凝集反応を行なうことによつても,証明される.また従来,凝集反応によつて証明されていた抗原は,抗Pf3血清に補体を加え,溶血反応を行なうことによつても,証明される.Pf2抗原は,凝集反応によつてのみ証明される.従来,それぞれの血清反応によつて,別個に分類されていたU1型とPf1型は,同一の型である.
    2. 各抗血清によつて分類された血液型を支配する遺伝子は,すべて常染色体上に存在する.抗原を持つ型(U1型,U2型,Pf2型,Pf3型)を支配する遺伝子は,抗原を持たない型(おのおののO型)に対して優性である.抗U1血清と抗U2血清によつて分類される4種の血液型は,3つの複対立遺伝子によつて支配される.また抗Pf2血清によつて分類される2つの血液型,および抗Pf3血清によつて分類される2つの血液型は,それぞれ1対の対立遺伝子によつて支配される.これら3つの対立遺伝子が占める座位は,たがいに独立である.
  • I. 各交雑鶏種の発育および飼料要求率
    佐伯 祐弌, 田名部 雄一, 葛城 俊松, 姫野 健太郎
    1962 年 33 巻 3 号 p. 272-278
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    この報告は,動物蛋白資源を急速に増産させるために実施しているブロィラーの育種に関する研究の一部である.
    本実験は,1960年および1961年の2年間に,総計14回孵化した材料について実施した.供試鶏種はバントレス系(CV)およびマウントホウプ系白色コーニッシユ(CM),白色ロック(WR),ニユーハンプシャー(NH),横斑ロック(BP),白色レグホン(WL)および名古屋(NG)の6種である.これらを用いて,16種の組合せ交雑を行ない,その発育と飼料要求率とを,1週ごとに10週令まで測定して,次の結果を得た.
    1. 純粋種における孵化時の体重(単位g)は,NHが43, WRが42, BPが39, CMおよびWLが38,NGが27の順である.1週令後からCMおよびWRが優位となつた.4週令以後,10週令まで,各鶏種は明白な発育差を示した.
    2. 10週令における雌雄平均体重(単位g)は純粋種では,CMが1,635, WRが1,474, NHが1,129, BPが975, WLが948, NGが739の順である.交雑種では,上位の代表的組合せは,CV×WRが1,577, CV×NHが1,571, WR×NHが1,368, BP×NHが1,304,CV×BPが1,298, CV×WLが1,272であつた.
    3. 10週令における体重の斉一性は,純粋種および交雑種ともに,変異係数にして10%内外であり,全鶏種を通じて,両鶏種群間に大差はみられなかつた.
    4. 雌雄別の発育成績において,体重は,孵化時,雄がわずかに大きい程度であつたが,4週令後,急激にその差が増大し,10週令では,雄は雌よりも平均201g(18.6%)大きかつた.
    5. 全鶏種を通じて,週別発育率は,第2週令において最高値を示し,全群の平均値で93.2%に達した.以後急激に下降し,10週令では,わずかに15.7%であつた.また2週令の増体率を組合せ別にみると,CV×NHが最も高く,119%に達した.各週の増体量は,週令の経過とともに増大し,1週令後21gであつたものが,10週令では平均160gとなつた.
    6. BP×NH, WL×BPおよびNG×NHの組合せでは,両親の平均体重を上回る強いヘテロシスがみとめられた.CV×NH, WR×NHおよびNH×NGの3群においては,両親の中間(mid-parent)を上回るヘテロシスがみられた.従つてブロイラー生産に,前者のような強いヘテロシスを利用することは困難としても,後者のようなヘテロシスを利用することは有利であろう.
    7. 伴性遺伝は,どの交雑群においても認められなかつた.しかし,WR×BP, WR×WL, BP×WLおよびNH×NGの相反交雑において,軽度の母体効果が認められた.
    8. 飼料要求率は,各鶏種を通じて,週ごと,および各週積算値ともに,週令経過にしたがつて上昇した.10週令の要求率は,純粋種では,WRが2.93, NHが3.09,CMが3.25, BPおよびWLが3.58, NGが4.53の順であつた.交雑種では,WR×WLが2.76, NH×WRが2.79, CV×WRが2.80, CV×NHが2.85で,これらが上位の代表的組合せであつた.全群を通じて,交雑種は,純粋種よりも要求率が低く,きわめて有利であることがわかつた.
  • 1962 年 33 巻 3 号 p. 283a
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 33 巻 3 号 p. 283b
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 33 巻 3 号 p. 283c
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
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