日本畜産学会報
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33 巻, 4 号
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  • 辰已 博
    1962 年 33 巻 4 号 p. 285-291
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • I. ブロイラーの発育および飼料効果に及ぼすフラゾリドン添加の効果
    田先 威和夫, 茗荷 澄
    1962 年 33 巻 4 号 p. 292-295
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    交雑種(白色レグホン雄×横斑プリマスロック雌)の雄ひなを用いたブロイラー生産試験において,プロイラー用飼料にフラゾリドンを10~100ppm添加した場合,悪影響は全くみられず,むしろ発育は促進されたように観察された.しかし統計的には,添加区と無添加区との間に,明らかな差が認められなかつたので,本実験だけからは,フラゾリドン添加が有効であるとはいいきれない.ペニシリン,クロールテトラサイクリンの添加も,フラゾリドンの添加と全く同じ傾向を示したが,両者を併用しても効力が特に増大することは,観察されなかつた.アルソン酸の添加には,全く効果が認めなれなかつた.
  • 野沢 謙
    1962 年 33 巻 4 号 p. 296-303
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1950年から1960までの間に,愛知県の乳牛集団の繁殖構造は,人工授精技術の向上普及にともなつて,かなりモザイク型に近い型から,ほとんど完全な拡散型にまで変化した.この変化は,供用種雄牛数の減少,および種雄牛の子の数の変異の増大という2つの要因を介して,集団の有効な大きさを,この10年間に1/3近くにまで縮小する原因となつた.この間の有効な大きさの平均値は,1年当たり約100,1世代当たり160~180となる.また移入率は平均40%内外で,これの大部分は,種雄牛を介しての移入である.
    このような繁殖構造の変化が,集団の近交度に及ぼす影響を調べるため,1950年と1960年の血統登録雌牛群から標本抽出をおこなつて,全近交係数を計算し,またその内容を分析した.その結果,次のことがわかつた.繁殖集団全体としての血縁度が,この10年間に著しく増大し,これによる全近交度への寄与は,その80%以上を占めるに至つている.その反面,県内の分化は失われ,集団全体として,均質化に向かいつつある.親子交配や兄妹交配の頻度には,大きな変化はない.これらの寄与の合計としての全近交係数には,増加傾向が認められるが,著しいものではない.
    集団の平均血縁に起因する近交係数の増加は,毎代40%もの移入を受け入れている集団としては,考えられぬほど著しい.そこで,この移入が,集団の遺伝的変異を増大させる効果を,ほとんどもつていないのではないかと考えられた.わが国においては,種雄牛の供給地が,北海道その他の数地方に限られているため,移入個体同志,および移入個体と前から県内にいた個体とがかなり強度の血縁関係で結ばれていると考えられる.このような血縁関係が,移入の遺伝的効果を減殺していのであろう.
  • 田原 滋, 飯田 五夫, 庄司 圭吾, 麻生 和衛
    1962 年 33 巻 4 号 p. 304-311
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. 3種の亜鉛化合物(酸化亜鉛,硫酸亜鉛,炭酸亜鉛)を用い,亜鉛多給が鶏雛に及ぼす影響を試験した.その結果,多給亜鉛の影響と考えられる発育阻害は,硫酸亜鉛添加区で最も著しく,炭酸亜鉛添加区がこれに次ぎ,酸化亜鉛添加区では少なかつた.
    2. 添加率別にみると,亜鉛3,000μg/gを添加した硫酸亜鉛および炭酸亜鉛の両区に,明らかな多給亜鉛の影響が認められた.亜鉛2,000μg/gを添加したこれら両区と,酸化亜鉛3,000μg/g添加区では,その影響は顕著でなかつた.
    3. 亜鉛多給の場合には,発育の低下,脛骨の変化,羽毛の発育低下および血液所見で貧血がみられた.
    4. 肝臓と脛骨には,1g中にほぼ同量の亜鉛が蓄積されていて,相関係数(γ)=+0.940という高い値が得られた.また肝臓と脛骨で,多給亜鉛の影響と考えられる発育阻害が著しかつた試験区ほど,体内亜鉛蓄積量が多量に認められた.
  • VI 鶏ヒナに対する牧草濃厚部蛋白質の栄養価値および不足アミノ酸添加の影響
    大島 光昭, 田先 威和夫
    1962 年 33 巻 4 号 p. 313-319
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    赤クローバー•オーチヤードグラスの混播牧草と,燕麦,レンゲ,コモンベツチの各濃厚部蛋白質,ならびにレンゲとコモンベツチの乾草の蛋白質のGross proteinvalue (GPV)を,ニワトリのヒナを用いて測定した.その結果,混播牧草,燕麦,レンゲおよびコモンベツチの濃厚部では,GPVはそれぞれ24,66,37および86であつた.
    カゼインと,燕麦,レンゲ,コモンベツチの各濃厚部蛋白質について,アミノ酸分析をおこなつた.ついで,カゼインに含まれるアミノ酸の含量と等しくなるように,リジンおよびメチオニンを単独または同時に添加して,GPVを測定した.その結果,燕麦濃厚部およびコモンベツチ濃厚部に,リジンおよびメチオニンを同時添加すると,アミノ酸を添加しなかつた場合より,いちじるしいGPVの向上が示された.
    レンゲ濃厚部は,リジン添加によつて,GPVがいちじるしく向上したが,メチオニン添加では,その効果がなかつた.
    レンゲおよびコモンベツチの乾草について,GPVを測定したが,これも濃厚部と同様に,コモンベツチ蛋白質は,レンゲ蛋白質より価値が高かつた.また両牧草について濃厚部と乾草蛋白質の価値を比較すると,前者のほうがまさるようであつた.
  • I. 乳児の胃内におけるレンニン存否の検討
    中井 秀了, 河合 勝一
    1962 年 33 巻 4 号 p. 320-328
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳児の胃液および胃の抽出液を用い,胃内にレンニンが分泌されているかどうかを検討し,さらにカテプシンの作用の性質について研究した.
    1. 牛乳凝固時のpHと酵素の凝固力の関係をしらべたところ,レンニンのほうが,ペプシンよりアルカリ性の側で凝固力を保持することがわかつた.しかし,同一酵素の各試料間のバラツキが大きいため,酵素の鑑別法としてこの関係を用いることは,不適当である.
    2. 凝固阻害剤を用いて,ペプシンとレンニンを鑑別する方法について考えた.アセトンでは,両者の阻害度に差が少なく,血清では,一般にペプシンのほうがレンニンより強く阻害された.しかし実験結果の再現性が低いので,有効な方法は得られなかつた.
    3. 牛乳凝固力と蛋白分解力について比較するとペプシンのほうが明らかに蛋白分解力が強かつた.胃液は,レンニンとちがつて,ペプシンと同等,またはそれより強い分解力を示した.従つて乳児の胃内では,ペプシン(カテプシンが存在するとすれば,カテプシンも含めて)が,消化作用の主体をなすものと考えられる.
    4. pHを変えた場合の基質の分解度の変化を曲線に描いてみると,胃液には,レンニンの作用を示す峰の存在が認められなかつた.カテプシン作用峰は認められたが,その存在はまだ確認できない.乳児のペプシンの作用pH域は,豚のペプシンより広かつた.馬および羊のペプシンは,豚のペプシンと似た分解曲線を示した
  • II. 電気泳動法による蛋白分解酵素の検索
    中井 秀了, 河合 勝一
    1962 年 33 巻 4 号 p. 329-332
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳児の胃内で蛋白質の消化に関与する酵素の検索を,〓紙電気泳動法によつて行なつた.すなわち,ペプシンの等電点に近いpH2.5付近で電気泳動を行なうと,乳児の胃液は,〓紙上の原点近くに,分解力が強い1つの区分を示すのみである.これとレンネットとを混合泳動すると,レンニンの存在を示す2つの区分と,乳児の胃内の酵素区分との合計3つの区分が出現する.そこでこの3つの区分は,同一の性質のものではないことがわかつた.一方,pH4.6で,馬およびメン羊の胃のペプシンを豚のペプシンと同時に電気泳動すると,その結果は完全に一致する.しかし乳児の胃液の場合は,豚のペプシンと一致することもあり,またこれとは別の場所に,別の区分を形成することもあつた.
    ペプシンの等電点のpHでは泳動しにくいこと,および牛乳凝固力が弱くて蛋白分解力が強いことから,乳児の胃内の蛋白分解酵素は,ペプシンを主体とするものと考えられた.これにレンニンが混在することは,ほとんど考えられない.しかも乳児のペプシンは,豚のペプシンと性質がやや異なることが,電気泳動的にも認められた.また乳児の胃抽出液では,電気泳動的には,カテプシン区分の分離が認められなかつた.カテプシン区分の出現は,ペプシン酵素の不均一性に由来するものではないかと考えられる.
  • 田中 庸雄, 西川 哲三郎, 前川 昭男, 鈴木 隆雄, 佐橋 佳一
    1962 年 33 巻 4 号 p. 333-337
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    植物性低ビタミンB12飼料と,この飼料に1kg当たり4μgのB12を添加した飼料で,孵化後約6ヵ月の白色レグホーン種の雌を,40週間にわたつて飼育し,産卵鶏が受ける影響,卵黄中のB12含量の消長,鶏卵中のB2含量と遊離パントテン酸含量および孵化率を調べた.
    低B12飼料区では,体重が増加せず,産卵率が低く,卵重も軽かつた.卵黄中のB12含量は,添加飼料区で1.8μg%,低B12飼料区で0.3μg%となつた.卵黄中のB2含量には,変化が認められなかつた.卵白中のB2含量は,低B12飼料区では減少した.卵黄中の遊離パントテン酸の含量は,B12飼料区のほうが高かつた.
    孵化率は,低B12飼料区のほうが低かつた.この区の卵黄中のB12含量は0.3μg%であつたから,約80%の孵化率を得るためには,この量では不足なことが明らかとなつた.
  • V. 灰分中のマンガンおよびホウ素量
    今村 経明, 吉岡 正博, 原野 宏美
    1962 年 33 巻 4 号 p. 338-343
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    既報7)の諸元素と同じ要領で,1960年6月から1962年2月にかけて,牛乳および乳製品中のマンカン(里•村田法)とホウ素(クルクミン法)の定量を行つた.
    各種試料中のMn量(μg/灰分1g)をみると,個体乳5.31±1.79(n=81),合乳5.20±1.33(n=60),市乳6.08±1.76(n=104),調製粉乳5.49(n=8),全粉乳4.68(n=18),脱脂粉乳4.37μg(n=13)であつた.この値は,欧米諸国の文献値より高い.しかも,諸外国の粉乳について,上と同じ方法で測定したところ,調製粉乳で5.03,全粉乳4.45,で脱脂粉乳で3.98,μgなる値を得た.すなわち,日本の牛乳は,欧米諸国のものよりも,Mnが6~10%多い結果となつた.また,季節的変化をみると,冬の牛乳は,夏の牛乳よりもMnが多く,前者が6.36μgであるのに対して,後者は5.33μgであるから,両者の間には約1μgの差があつた.この2点は,わが国で乳牛に多給されるいねわらに,多量のMnが含まれているためではないかと考えられた.さらに,市乳と合乳を採取した地区のうちに,Mnがきわめて多い地区があつたことと,同一条件で飼育した場合でも,個体によつて6.42~4.12μgの範囲内の差があつたこと,さらに泌乳初期の乳では,Mn量がやや少ないことなどを認めた.
    B量は,個体乳で23.75±4.43μg(n=53),合乳で23.32±7.72(n=52),市乳で24.38±9.44μg(n=72)なる値を得た.これをみると,市乳のB量がわずかに多いが,市乳瓶からの汚染は認められなかつた.季節的にみると,牛乳中のB量は夏に高く,冬に低い.しかし,泌乳の時期による変化はなかつた.
  • VI 灰分含量および常成分元素の牛乳内における分布
    今村 経明, 片岡 啓, 奥島 央朗
    1962 年 33 巻 4 号 p. 344-349
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    既報1)2)の諸元素の測定値を,灰分中の量から,牛乳(100g)中の量に換算するため,牛乳の灰分量の測定を行なつた.そして,個体乳は0.70±0.03% (n=62),合乳は0.70±0.02% (n=84),市乳は0.68±0.02%(n=89)の灰分を含むことを認め,これを基準として,各元素量を換算した.同時に,地域,季節および個体による牛乳灰分量の変化を,推計学的に考察した.
    別に,牛乳を脱脂乳,乳酸発酵によるカードとホエーおよびバターミルクに分別し,これらの区分における各元素の分布を調べた.そして,牛乳中に存在する無機質を,(a) おもに水分に溶解しているもの,(b) 脂肪球に吸着していると思われるもの,および(c) カゼインに結合していると思われるものの3群にわかち,各元素ごとに考察を加えた.
  • 長澤 弘
    1962 年 33 巻 4 号 p. 350-355
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    The milk yield, oxygen consumption (-Qo2), nucleic acids (DNA-P and RNA-P), and dry matter contents of the mammary gland were examined in guinea pigs at the late period of pregnancy and the lactation period.
    The mammary gland weight, -Qo2/DNA-P, RNA-P/DNA-P, total -Qo2, total RNA-P, and total dry weight were all low at the late period of pregnancy, increased abruptly on lactation day 0, reached nearly maximum on days 6 and 12, and then decreased gradually. The rates of RNA-P/WW and RNA-P/DW showed similar but not so remarkable changes. On the other hand, -Qo2 on both bases was the highest on day 0 and then decreased. The changes of dry weight percentage, DNA-P/WW, and DNA-P/DW were rather contrary to those mentioned above. In total DNA-P, which was very low at the late period of pregnancy, no significant changes were found during the lactation period. High correlations were obtained between milk yield and mammary gland weight, total -Qo2, total RNA-P, total DNA-P, etc.
    The significance of these findings was also discussed.
  • 1962 年 33 巻 4 号 p. 361a
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 33 巻 4 号 p. 361b
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 33 巻 4 号 p. 362a
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 33 巻 4 号 p. 362b
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
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