子牛に,市販のカーフ•スターターを,乳汁状,ペレット状,粉状の三つの異なる形状で与え,反芻胃内および糞中の揮発性脂肪酸(VFAと略す)を測定し,これと消化率との関係を調べ,次の結果を得た.
温湯で乳汁状にとかして飲ませた場合は,組蛋白質•可溶性無窒素物•殿粉の消化率が,ペレット給与に比して,著しく低かった.糞中VFAの排泄量は,逆に著しく高く,特にプロピオン酸•酪酸•バレリアン酸の量は,ペレット給与の場合の10倍以上であった.反芻胃内VFAの組成は,ペレットおよび粉状の場合とほとんど差がなかったが,濃度は低かった.
ペレット給与の場合には,消化率が最も高かった.ことに7週令では,粗蛋白質•粗脂肪•粗繊維の消化率が,5週令よりすぐれていた.糞中VFAの組成では,後者のほうが,酢酸の割合が多く,プロピオン酸•酪酸の割合が少なかった.
粉状で与えた場合には,ペレット給与に比し,粗蛋白質•粗脂肪•可溶性無窒素物の消化率が,わずかに劣っていた.糞中VFAの組成には,両者の間に差がなかった,反芻胃内VFAの組成は,飼料の形状や消化率に関係なく,ほぼ一定していたが,個体による差は明らかに認められた.
抄録全体を表示