日本畜産学会報
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34 巻, 3 号
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  • 上坂 章次
    1963 年 34 巻 3 号 p. 165-173
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 長澤 弘, 内藤 元男
    1963 年 34 巻 3 号 p. 174-180
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    前報にひき続き,泌乳減退期の乳腺の機能に対する両ホルモンの影響を,注射時期を早め,投与量を増して検討した。その結果,プロラクチンは,組織学的に乳腺の退行を遅らせ,成長ホルモンはさらにその上,全乳腺あたりのデオキシリボ核酸量,酸素消費量,およびリボ核酸量を対照群より増加させたが,いずれの群においても,乳量には影響を与えなかった.両ホルモンは,乳腺の乳汁合成機能の一部には,ある程度関与するが,各乳腺胞の働きの総合された結果である泌乳の維持•増強そのものには,効果がないことを知った.
  • 長澤 弘
    1963 年 34 巻 3 号 p. 181-185
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    分娩後20時間までのモルモットの乳腺機能の変化を,乳腺の酸素消費量(Qo2),呼吸商(R. Q.),核酸量(DNA-P, RNA-P),組織像などから検討した.
    1. 生鮮および乾燥乳腺重量と総DNA-P量は,分娩後,同様の傾向で増加したが,その程度は次第に弱まり,とくに総DNA-P量は,10時間目以後,ほとんど増加を示さなかった.
    2. Qo2/DNA-PおよびRNA-P/DNA-Pは,分娩後増加した.その程度は,5時間目ごろまでが,それ以後にくらべて著しかった.また総Qo2量および総RNA-P量も,同様に,20時間目まで増加を続けた.
    3. RQは,分娩後20時間目に至るまで,ほぼ1であった.
    4. 組織学的観察の結果からも,乳線の機能は,分娩後,急激に増加することがわかった.
  • I. ヒナに対する魚因子の成長促進効果
    吉田 実, 星井 博, 森本 宏
    1963 年 34 巻 3 号 p. 186-191
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    白色レグホン種の雄初生ヒナを用いて,3~4週間の試験を行なった.大豆粕を蛋白質源とする全植物性精製飼料を基礎飼料とし,これに2%および5%の魚粉を添加して用いた,全植物性飼料および魚粉添加飼料のそれぞれのビタミン含量は,NRC (National Research Council, U. S. A.)標準量と過剰量の2水準にした.
    その結果,白色レグホン種のヒナでは,ある種のビタミンの要求量が,NRC標準量より高いことを再確認した.また,魚粉の添加によって,成長促進効果が認められた.
    さらに,ビタミンを十分に含む条件のもとで,魚粉とフィッシュ•ソリュブルの添加効果について反復検討した.しかし,これらの添加効果があるとはいえない成績を得た.フィッシュ•ソリュブルの灰分には,成長促進効果が認められなかった.
  • II. 魚因子の繰り越し効果
    吉田 実, 星井 博, 森本 宏
    1963 年 34 巻 3 号 p. 192-196
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    魚粉中のヒナに対する成長促進因子,いわゆる魚因子が,種卵を介して種鶏からヒナに繰り越される現象の有無を検討する目的で,白色レグホン種の種鶏に,全植物性飼料または魚粉添加飼料を給与して,種卵を採取し,ふ化してえたヒナを用いて3週間試験した.ヒナ用飼料の組成や実験計画は,前報の場合と全く同じである.
    その結果,種鶏からヒナに魚因子が繰り越されるという仮説は否定された.
    ヒナ用飼料中の魚因子の成長促進効果は,4回の試験のうち,1回のみに認められた.この結果から,魚因子効果は,存在するとしても,不安定なものではないかと考えられる.
  • 和田 宏, 湯原 正高
    1963 年 34 巻 3 号 p. 197-200
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    種々の妊娠時期の家兎において,血清中のリラキシンを検定したところ,妊娠ほぼ11日目で1mlは当たり約0.4単位であった.
    血清リラキシンの濃度は,妊娠後期の初めから,妊娠が進むにつれて,やや急激に増加し,23日目ごろには,1ml当たり10単位のプラトウに達した.その後の妊娠期間中も,そのプラトウを維持した.分娩後,リラキシンの量は急激に低下し,3日目には検出されなかった.
    偽妊娠家兎の血清中のリラキシン力価は,妊娠初期の家兎のそれと,ほぼ同程度であるように思われた.また妊娠末期における0.5~1.0gの胎盤組織は,同じ時期の血清1mlと大体同等のリラキシン力価をもっていた.
  • 和田 宏, 谷本 昭直, 川崎 晃, 関場 成興
    1963 年 34 巻 3 号 p. 201-206
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    合成発情物質を投与したブロイラー鶏において公衆衛生上の観点から,肉中のエストロゼン残留を研究した.エストロゼンとしては,DiethylstilbestrolおよびHexe-strolを用いた.
    32~42日令の雄ブロイラー鶏に,実験開始時に,筋肉内注射または皮下埋没によって,15mgのエストロゼンを投与するか,または実験開始時から屠殺日前まで,1kg中に10mgの合成エストロゼンを含む飼料を与えた.これらの鶏は,ほぼ11週令で屠殺された.それから全可食肉を取り,挽いてマウス飼料と混ぜ,肉と飼料混合物をペレットに作った.
    エストロゼン検定は,体重10~12gの未熟正常マウスの子宮反応によって行なった.検定群のマウスに対し,7日間毎日,1頭につき2gの割合で,このペレットを与えた.8日目にマウスを殺し,子宮の間膜を取り除いて切り出し,秤量した.あらかじめ作成した,エストロゼンに対する子宮の反応の標準曲線から,エストロゼンの力価を計算した.
    結果は,投与方法に関係なく,肉中にエストロゼンが検出されなかった.従って,適当なエストロゼン処理を受けた鶏の肉においては,エストロゲン残留はほとんど無視してよいものと思われる.
  • I. 子牛の日令と糞中揮発性脂肪酸排泄の関係
    粂野 文雄, 西松 一郎
    1963 年 34 巻 3 号 p. 207-212
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種の子牛4頭を,市販の哺乳期育成用飼料による育成法で,生後3ヵ月まで育成し,その間における子牛の糞中の揮発性脂肪酸(VFAと略す)の濃度および組成の変化を調べた.その結果を,成牛,山羊,豚の糞中VFAの濃度および組成と比較した.
    生後1ヵ月までの子牛の糞中VFAの組成は,反芻胃や豚の糞中のVFAの組成に似ていて,酢酸50~70%,プロピオン酸80~30%,酪酸10~15%,その他の酸1~5%の範囲にある.その後,次第に酢酸の割合が多くなり,生後3ヵ月では,成牛や山羊の糞中VFAに似た組成を示し,酢酸80~90%,プロピオン酸5~10%,酪酸5~10%,その他の酸0~1%となる.
  • II. 育成用飼料の消化率と糞中揮発性脂肪酸の関係
    粂野 文雄, 西松 一郎
    1963 年 34 巻 3 号 p. 213-217
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    子牛に,市販のカーフ•スターターを,乳汁状,ペレット状,粉状の三つの異なる形状で与え,反芻胃内および糞中の揮発性脂肪酸(VFAと略す)を測定し,これと消化率との関係を調べ,次の結果を得た.
    温湯で乳汁状にとかして飲ませた場合は,組蛋白質•可溶性無窒素物•殿粉の消化率が,ペレット給与に比して,著しく低かった.糞中VFAの排泄量は,逆に著しく高く,特にプロピオン酸•酪酸•バレリアン酸の量は,ペレット給与の場合の10倍以上であった.反芻胃内VFAの組成は,ペレットおよび粉状の場合とほとんど差がなかったが,濃度は低かった.
    ペレット給与の場合には,消化率が最も高かった.ことに7週令では,粗蛋白質•粗脂肪•粗繊維の消化率が,5週令よりすぐれていた.糞中VFAの組成では,後者のほうが,酢酸の割合が多く,プロピオン酸•酪酸の割合が少なかった.
    粉状で与えた場合には,ペレット給与に比し,粗蛋白質•粗脂肪•可溶性無窒素物の消化率が,わずかに劣っていた.糞中VFAの組成には,両者の間に差がなかった,反芻胃内VFAの組成は,飼料の形状や消化率に関係なく,ほぼ一定していたが,個体による差は明らかに認められた.
  • I. Lactobacillus bulgaricus Streptococcus lactisの凍結保存
    川島 拓司, 児玉 輝子, 前野 正久
    1963 年 34 巻 3 号 p. 218-222
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳酸菌の凍結保存法を研究するため代表的な乳酸桿菌Lactobacillus bulgaricusおよび乳酸球菌Streptococcus lactisを10%滅菌還元脱脂乳に懸濁して,-15~-20°Cの冷蔵庫に,180日間まで,種々の期間凍結保存し,そのときの菌の活性度を,融解後の酸生成能および菌の生存面から検討した.
    その結果,両菌とも,凍結保存期間の長短にかかわらず,融解後接種一代目の培養5時間後では,菌の活性度が低く,対照の生酸度と比較すると,L. bulgarocusでは35.6±2.4%,S. lactisでは68.4±5.0%であった.しかし接種一代目の培養24,48時間目と,接種二代目の培養5,24時間目では,対照との差は少ないか,またはそれと同等であった.
    菌の生存率は,S. lactisのほうが明らかに高く,凍結保存中にも余り低下しなかった.全般的にみてS. lactisのほうが,凍結融解に対する抵抗性が強く,従って,活性度の回復も早かった.
  • 浜本 典男, 金内 稔郎, 三野 和雄
    1963 年 34 巻 3 号 p. 223-228
    発行日: 1963/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳製品,とくにチーズおよびチーズ•スターターを対象とし,菌叢中に含まれるLeuconostoc属細菌を分離計数する目的で,JARVIKの平板法を改変した.
    基礎培地の組成と他の細菌に対する抑制剤として,α-ブロムプロピオン酸および酢酸緩衝液の添加量を検討した.その結果,最終的に,培地の組成および作成条件を決定した.(第4表)
    多数の試料について,この培地を用い,Leuconostoc属細菌の選択的計数分離試験を行なった.その結果,鏡検によって乳酸桿菌を除く操作を組み込むことによって,ほぼ満足すべき結果をうることができた.
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