日本畜産学会報
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36 巻, 12 号
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  • 1. 血漿内サイアミン濃度増加及び持続性
    榑谷 和男, 星 昭夫, 平山 八彦
    1965 年 36 巻 12 号 p. 511-514
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Tetracycline-type antibiotics were potentiated by terephthalic acid (TPA) and the ac-celeration of body growth was observed in the fowl 1, 4, 9-11). Further, the TPA contained diet without antibiotics has the same effect on faccilitation of body weight gain and the feed conversion ratios were lowered in the fowl 5, 6). From these interesting function of TPA, we-planned to clarify how TPA effects on the plasma nutrient's concentration. In this study, plasma thiamine contents were determined.
    Control group (25 fowls) was fed with the basal diet and TPA group (25 fowls) was fed with the diet containing TPA (0.5%) for 20 days. Followed by the oral administration of thiamine (1mg/kg of body weight), blood was collected from the carotid with a heparinized. syringe at 0, 4th, 24th and 48th hour, from 10, 5, 5 and 5 fowls respectively. Blood was. centrifuged and plasma was used for thiamine determination.
    Thiamine level in each case is tabulated in Table 1. The increased rate of TPA group, was 1.7 times higher at 4th hour and 3.7 times higher at 24th hour than control group. The increased thiamine content by administration of the control group successively decreased and reached normal level at 48th hour, but that of TPA group was kept still higher. After all, it is studied that the plasma thiamine level in all cases of TPA group were higher than that:of control group.
    This effect of the TPA was observed not only in the fowl but also in the rat. The increased rate of TPA group was 1.4 times higher at 4th hour and 3.0 times higher at 24th hour than control group (Table 2).
    In conclusion, plasma thiamine level in the TPA group of the fowl was elevated and kept for 48 hours by single administration of thiamine and this elevation was also occured in the rat.
    Biological half-lives of thiamine (per os) in control and TPA groups were estimated, but significant difference was not observed (Fig. 1). This result suggests that the primary mechanism of TPA's effect on the elevation of plasma thiamine content seems to be concerned with the absorption of thiamine across the gastrointestinal wall rather than with the kidney threshold for the excretion of thiamine.
  • III. 飼料および給餌方法の差による鶏の維持に必要なエネルギーの比較
    田先 威和夫, 桜井 斉
    1965 年 36 巻 12 号 p. 515-521
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    鶏の飼料給与時における熱発生量と窒素の利用性について研究し,あわせてBMRの測定を行なつて次のごとき結果を得た.
    1) BMR測定前の環境温度を比較的長期にわたつて測定時と同一条件にすることが必要である.
    2) 交雑種(横斑プリマスロック♀×単冠白色レグホン♂)にあつては,そのBMRにより2群に分けることができ,一つは70kcal/kg0.75以下(平均66.8kcal),他はそれ以上(平均86.3kcal)であつた.
    3) BMRの異なる鶏群においても,同一飼料を給与すれば,飼料中窒素の利用性および摂取ME量または熱発生量に差は認められなかつた.したがつて飼料の維持に対する熱量増加は,BMRの低いものの方が高いものよりも多いことが観察された.
    4) 精製飼料を給与すると,維持に対するエネルギーの必要量が実用飼料給与に比してはるかに多くなつた.
    5) 強制給餌時のエネルギー必要量は,同一飼料を自由に採食させたときに比して約10%低下することがわ
  • IV. 飼料エネルギーの利用に及ぼす栄養水準の影響について
    田先 威和夫, 桜井 斉
    1965 年 36 巻 12 号 p. 522-526
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    8~9か月令の交雑種(横斑プリマスロック♀×単冠白色レグホン♂)雄について,基礎代謝率が70kcal/kg0.75より低い群と高い群に分け,それぞれ各種栄養水準において飼料中窒素の利用率および熱発生量を測定し,これをFORBES et al.により示された牛の成績と比較した.なお栄養水準としては,維持に必要な量(1.0M)およびその0.5倍量倍(0.5M),1.5(1.5M)をとつた.
    1) 牛では飼料の摂取水準が増加するにつれて飼料中窒素の消化率は減少の傾向を示すが,鶏ではほとんど差がみられなかつた.また摂取窒素の尿中に排泄する割合は,0.5Mではいずれも100%以上となるが,その程度は鶏の方が高かつた.
    2) 飼料エネルギーの消化率および代謝エネルギーは,鶏において基礎代謝率の差による相違はなかつた.熱発生量は絶食時から1.0Mの摂取水準に向つて直線的に増加するが,基礎代謝率の低い群の方が増加率は大きかつた.また1.5Mの水準では,1.0Mに比して両群とも熱発生の増加率は極めて低下した.これらの様相は牛におけるそれと非常に異なつていた.
    3) 以上の熱発生量より,飼料の熱量増加を絶食時の熱発生を基準にして計算すると,牛ではエネルギーの摂取水準の増加につれて熱量増加は増加するが,鶏では逆に減少することが認められた.維持時の熱発生を基準にしてエネルギー蓄積時(1.5M)の熱量増加をしらべると,牛では代謝エネルギー100kcal当りの発熱増加が43kcalであつたが,鶏では11kcalと非常に少なかつた.
  • 椎野 昌隆
    1965 年 36 巻 12 号 p. 527-533
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    子山羊下垂体前葉の甲状腺除去細胞を形態的に5型に分け,それぞれの型の細胞中のRNA含量を顕微分光測光法的に定量した.
    FLAX and HIMESのAzure B染色で染め時RNAの吸収曲線には2つのpeakが認められる.即ち545mμでのμ-peakと585mμでのβ-peakである.
    本実験では545mμの波長を用いてRNAの測定を行つた.その結果,初期段階の甲状腺除去細胞のRNA含量はこの細胞の起源と思われる塩基好性細胞より多く,後期段階のものでは少いことを知つた.
    したがつて,初期段階の甲状腺除去細胞はTSHの旺盛な分泌に関係するものと考えられる.
  • VIII. 菜種粕熱水処理の効果 (4) 熱水処理を反復した場合の効果について
    中谷 哲郎
    1965 年 36 巻 12 号 p. 534-543
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    発育や甲状腺に対する菜種粕の特異作用の防止について,熱水処理の効果をより明らかにするために,熱水処理を3回あるいは5回反復施した菜種粕(反復熱水処理粕)を供試し,白レグ雌ヒナについて,第6報19)に準じて試験を実施し,発育,甲状腺重量,肝臓の還元型グルタチオン(GSH)および甲状腺のヨード量におよぼす反復熱水処理の影響について調べた.なお,菜種粕とチオウラシル(TU)の作用についても比較した.
    無処理の菜種粕の給与による甲状腺の肥大,肝臓のGSHの増加および甲状腺のヨード濃度の低下は有意であつたのに対し,同ご量の反復熱水処理粕を与えた場合には,これらの変化はほとんど認められなかつた.また,0.03%のTU添加飼料の有する抗甲状腺作用は,菜種粕20~30%配合飼料のそれよりも強いことが分かつた.
    甲状腺の全ヨード量について,各群間にはほとんど差異が認められなかつたことは,菜種粕20-30%配合,あるいはTU0.03%添加飼料のあらわす抗甲状腺作用がそれほど強くないことを示すものと思われる.
    発育に関しては,見かけ上熱水処理の効果がさほど顕著にあらわれないようであつたが,既報の特異成分についての著者の解釈から,本実験で供試した菜種粕には,甲状腺に作用する特異成分はかなり含まれるが,発育に関与する特異成分は少ないためてあろうと考察された.
    以上の結果は,甲状腺に対する菜種粕の特異作用の防止に熱水処理が有効であることを,これまての熱水1回処理粕の場合よりもさらに明確にしたものであり,また菜種粕の特異成分についての著者の解釈を支持するものと考える.
  • I. 酸化クロームおよびポリエチレングリコールを 指標物質とする消化率測定法の検討
    西松 一郎, 粂野 文雄
    1965 年 36 巻 12 号 p. 544-549
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    消化率測定の指標物質として酸化クロームとポリエチレングリコールを混合した飼料を,ホルスタイン雄初生子牛4頭に1日800gずつ,その5倍量の温湯にとかして飲ませ,指標物質の回収率,糞中指標物質濃度の変動を調べ,消化率を測定して,全糞採取法から得た消化率と比較して,次の結果を得た.
    指標物質の回収率は,平均酸化クローム92.4%,ポリエチレングリコール68.3%であつた.指標物質の糞中濃度の変動は平均酸化クローム17.6%,ポリエチレングリコール37.8%であつた.酸化クローム法から算出した乾物,粗蛋白質,でんぷん,可溶性糖の消化率と,全糞採取法から求めたこれらの消化率との間には有意差はなかつた.酸化クロームは初生子牛による消化率測定の指標となり得るが,ポリエチレングリコールは不適当であることがわかつた.
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