日本畜産学会報
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36 巻, 2 号
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  • 渡辺 守之
    1965 年 36 巻 2 号 p. 29-39
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • VII. 沈降管管径と赤沈値の関係
    大井 澄雄
    1965 年 36 巻 2 号 p. 40-43
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    In order to ascertain the species variation in the influence of diameter of tube upon erythrocyte sedimentation rate in domestic animals, the blood sedimentation rate was measured at the range of 1.0mm to 9.8mm tube diameter. The results were summarized as follows (Fig. 1-4.):
    1. The very significant effects of tube diameter on sedimentation rate were confirmed at all instances, thinner tube being of greater promoting effect than bigger tube.
    2. The correlation between tube diameter and erythrocyte sedimentation rate are shown in Fig. 5 and its relation consists of five phases. The appearance of these phases seems to be in close connection with the blood sedimentation types. (Table 1.)
  • 宮辺 豊紀, 保住 昇
    1965 年 36 巻 2 号 p. 44-51
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は第1報に引続いて,モレアが搾乳直後の新鮮乳であるにも拘わらず70%アルコールテストによつて凝固する異常乳(泌乳中期)の改良に役立つかどうかを確めるために行なわれたものである。
    カゼイン数(全窒素中のカゼイン態窒素)はモレア給与中に増加し,徐々に正常値に近づいた。この結果はモレアが乳腺においてカゼイン•カルシウム燐酸塩を合成する能力を助長することを示しているように思われた。しかしカゼイン数は必ずしもアルコールテストによる乳凝固の程度と一致しなかつたので,カゼイン数を異常乳に対する指標として用いるのは適当でないように思われる。カルシウム含量は比較的正常であつたが,燐含量は正常値よりも顕著に高く,異常であつた。すなわち異常乳中のカゼインに結合するカルシウムは正常乳中のそれの約1倍半であつたが,結合燐は約2倍から3倍を示し異常であつた。異常乳中の塩類均衡はモレアを給与してから20日後にはかなり正常の状態に近づいた。モレアは総Ca: Pあるいはカゼインに対する結合Ca: Pの比率を調節する作用があり,これがアルコール反応を強から弱陽性に変化させた一つの要因ではないかと思われる。
    したがつてモレアを1日に500gずつ20日間以上給与を続けると,泌乳初期あるいは中期の異常乳の凝固性の防止に対してある程度の効果が現われるように思われた。
  • II. 近親交配および血縁関係
    阿部 猛夫, 大福 静雄, 神部 昌行
    1965 年 36 巻 2 号 p. 52-59
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    昭和8,13,18,23,28および33年のホルスタイン血統登録牝牛から抽出された標本牛の血統により,主として平均近交係数および平均血縁係数の変化とその原因について考察した.
    昭和13年以降,平均近交係数のうちcurrent inbreedingによる部分は急速な低下を示すが,long-term inbreedingによる部分は,通常予想されるように,平均血縁係数とともに,年次の進行に伴つて上昇を示す.ただ,平均近交係数(long-term inbreedingによる部分だけをとる.),平均血縁係数とも,世代(平均世代間隔は約5年と推定される.)当り上昇量は,これまで外国で報告された値に比して最も低い部類に属する.とくに前者についてそうである.これは,23年頃までの上昇が鈍いためで,以後,観察期間の終り(33年)に近ずくほど,両係数の上昇は大きくなる.もし,戦後輸入牛がなかつたならば,最後5年間の上昇は,注目すべき大きさを示していたであろう.
    観察期間を通じて,平均血縁係数の方が,平均近交係数より相対的に急速な上昇をみせる.このことは,集団内の分化が失なわれ,全体としての均質化が進んだことを意味する.戦後間もなくの頃まで,地方による遺伝的差異を減少する主因となつたのは,種牛,とくに種牡牛の移動であつたが,その後は,むしろ種牡牛の選抜が主な原因になつたと思われる.すなわち,人工授精の普及に伴なう種牡牛数の減少は,当然に種牡牛の選抜を強めたが,それが,特定の種牡牛たち(その多くが輸入)を血統にもつものの比率を全国的に増加させる傾向を生み,種牡牛同士間の,従つてまた子どもたちの平均血縁係数を上昇させたことによる.
    人工授精の普及は,各都道府県において,繁殖単位の拡大をもたらしたが,その拡大は,殆んどの場合,県境の内側に止まり,従つて,交配に関する限り,全国乳牛集団は,なお閉鎖性の強い数多くの副次集団を抱える状態にありながら,一方で,上記の,全国的に共通な方向への種牡牛の選抜が,地方的分化の解消を進める働きをした点に,戦後10余年のわが国ホルスタイン牛集団の特徴がみられる.
  • IV. Aspergillus oryzae chosen Bによるチーズカード熟成中における
    中西 武雄, 中沢 勇二
    1965 年 36 巻 2 号 p. 60-67
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Asp. oryzae chosen Bによるチーズカード熟成中の揮発性硫黄化合物の消長を検討した.その結果,揮発性硫黄化合物の生成はこのチーズカードの風味に対して重要な役割をはたしており,他の市販かびチーズと比較して興味ある知見を得た.
    (1) Asp. oryzae chosen Bによるチーズカード熟成中には,硫化水素,メチルメルカプタンおよびジメチルジサルフアイドが検出された.カード中の脂肪含量の増加によって,揮発性硫黄化合物総量は減少した.また,このカードの熟成中における揮発性硫黄化合物の消長は,原料乳の脂肪含量によつて影響される.
    (2) 乳酸菌のみで熟成した対照チーズカードにおける揮発性硫黄化合物総量はいちじるしく少ないが,乳酸菌およびAsp. oryzae chosen Bを併用して熟成したチーズカードの揮発性硫黄化合物総量は多い.
    (3) 市販かびチーズ数種の揮発性硫黄化合物の分布を比較すると,カマンベールチーズではメチルメルカプタンが多く,プルーチーズでは硫化水素が多いことが特徴であるのに対し,Asp. oryzae chosen Bによる熟成チーズカードでは両者と異なつた分布を示した.
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