日本畜産学会報
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37 巻, 10 号
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  • 今村 経明
    1966 年 37 巻 10 号 p. 369-374
    発行日: 1966/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • II. 肥育をとくに行なわない牛および肥育牛の筋肉の各種脂質の脂肪酸組成
    中西 武雄, 須山 享三
    1966 年 37 巻 10 号 p. 375-381
    発行日: 1966/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牛の筋肉の部位別および肥育をとくに行なわない牛と肥育牛によつて,総燐脂質の脂肪酸組成がどのようにかわるかを明らかにするためと,同一筋肉中に存在する燐脂質以外の脂質の脂肪酸組成との比較を目的として,肥育をとくに行なわない牛と肥育牛の咬筋,背最長筋および大腿二頭筋の燐脂質,コレステリンエステルおよびトリグリセリドの脂肪酸組成および遊離の脂肪酸の分布をガスクロマトグラフィーにより分析したところ,次のような知見が得られた.
    1. コレステリンエステル,トリグリセリドの脂肪酸組成および遊離の脂肪酸の分布には筋肉別に差がみられないが,肥育をとくに行なわない牛と肥育牛を比較した場合,肥育牛にはステアリン酸が少なく,オレイン酸が多かつた.
    2. 燐脂質の脂肪酸組成は筋肉別に非常に異なつており,咬筋には背最長筋および大腿二頭筋よリパルミチン酸とオレイン酸が少なく,ステアリン酸,リノール酸およびアラギドン酸が多い.しかし,背最長筋と大腿二頭筋ではこのような差はまつたく見られない.
    3. 肥育をとくに行なわない牛と肥育牛を比較した場合にも燐脂質の脂肪酸組成は異なつており,肥育をとくに行なわない牛は肥育中に対して,咬筋を他筋肉と比較した場合と同じ組成間の差がみとめられた.
    4. 燐脂質の脂肪酸の組成に差の起る原因として,運動量の多少が関係しており,運動量が多くなれば,パルミチン酸とオレイン酸が少なくなり,ステアリン酸,リノール酸およびアラキドン酸の含量が増加し,総PUFA量も多くなると考えられ,これらは肉質にも重要な意味があることを示唆した.
  • 大山 嘉信
    1966 年 37 巻 10 号 p. 382-388
    発行日: 1966/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牧草の蛋白質の反芻家畜による利用効率を調べるために,第一胃フイステルを装着した表勢羊に,各種飼料を与えた後の,第一胃内のアンモニア濃度の経時的変化を調べた.供試した飼料は,オーチャードグラス2番草,同3番草および混播牧草のそれぞれ生草および乾草,ならびに大豆粕を用いた.
    飼料の種類と第一胃内のアンモニア濃度の変化については,次のことが認められた.
    1. 同一飼料について,摂取量を異にした場合,第一胃内のアンモニア濃度は摂取粗蛋白質量がある程度以上多いときに差が生ずるものと認められた.
    2. 生草を与えた場合と,同一材料より調製した乾草を与えた場合とでは,明瞭な差は認められなかつた.
    3. 本実験の範囲内では,草種および刈り取時期(いずれも再生草)の違いによる差を認めることはできなかつた.
    4. 大豆粕と牧草を比較すると,前者の方が粗蛋白質の摂取量が少ない場合でも,第一胃内のアンモニア濃度は高くなつた.かつ,大豆粕を給与した場合には,牧草給与時と著しく異なつた様相を示し,給与直後に上昇した第一胃内のアンモニア濃度は長時間にわたつて低くならなかつた.
  • 津郷 友吉, 慶田 雅洋, ファラハット S.E.
    1966 年 37 巻 10 号 p. 389-395
    発行日: 1966/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Pediococcus soyaeは好塩性の乳酸菌であつて醤油の特有な香気物質の生産にも関係するといわれており,BERGEY'S Manualによるとジアセチル生産性のものも少なくないという.本研究においてまず醤油の諸味から分離されたPedioc. soyae 8菌株についてくえん酸発酵性を調べた結果6菌株が陽性であることを認めた.一方,乳業用Lactobacillus属およびStreptococcus属乳酸菌についてその食塩耐姓について試験した結果,最も耐性の強いものとしてStr. lactis 2菌株を選んだ.次にStr. lactisとPedioc. soyae各1菌株を含むスターター12種類を調製し,全乳に食塩を4,6または8%添加したものを材料として熟成させないピックルチーズを製造した.その結果,スターターを2%添加すると製造中にカードが溶解してしまい,製品を得ることができないが,1%の場合には良好な製品を得ることができた.食塩濃慶の影響については4%の全乳への添加が製品の収量,組織ともに優れており,また塩味も温和であり日本人の好みに合つた製品を得ることができる.製造直後および密封して4°Cに1週間貯蔵後のジアセチルおよびアセトイン含量をジアミノベンジジン法によつて分析した結果はPediococcusとしてPedioc. soyae IAM1673を含むものが貯蔵中に著しい増加を示した.
  • 上家 哲, 細田 達雄, 五島 孝
    1966 年 37 巻 10 号 p. 396-400
    発行日: 1966/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ウシプロラクチン(BP)をFREUNDのcomplete adjuvantと共にウサギの足蹠皮内および背部皮下に注射して抗BP血清をつくり免疫化学的性質を検討した.
    1) BPはヒツジプロラクチン(SP)と同様にウサギに対してかなり強い抗原性を示した.
    2) 抗BP血清はプロラクチン(P)に対して特異的に免疫反応を示しP以外の下垂体ホルモンに対する免疫交叉反応は陰性か極めて弱い.
    3) ウシ,ヒツジ,ヤギ等の反芻類の下垂体性Pは抗BP血清に対して同一の免疫交叉反応を示すがウマ,ブタ,ウサギ,ラット,ニワトリ等のPでは明瞭な沈降線を観察することは出来なかつた.
    4) BPによるハトの〓嚢局所反応は抗BP血清によつて完全に阻止された.
  • 上家 哲, 阿部 垣夫, 布施 洋, 細田 達雄, 五島 孝
    1966 年 37 巻 10 号 p. 401-406
    発行日: 1966/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ウシ成長ホルモン(BGH, NIH-GH-B8)をFREUNDのcomplete adjuvantと共に家兎の足蹠および皮下に注射して得た抗BGH血清について免疫化学的性質を検討し次の結果を得た.
    1) 抗BGH血清はGHに対する抗体以外にプロラクチン(P)および血清グロブリンまたは血清グロプリンと共通抗原性のものに対する抗体を含んでいる.
    2) Pおよび血清で吸収した抗BGH血清はGHに対してのみ特異的に沈降線を形成し他の下垂体ホルモンに対しては反応を示さない.
    3) 抗BGH血清はBGH以外に精製したヒッジ成長ホルモン,ウシ,ヒッジ,およびヤギの下垂体粗抽出物に対して完全な免疫交叉反応を示したが,ニワトリ,モルモット,およびウサギの下垂体粗抽出物に対する明瞭な沈降線は観察できなかつた.ブタおよびウマの下垂体粗抽出物は抗BGH血清に対して部分的免疫交叉反応を示した.
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