日本畜産学会報
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37 巻, 9 号
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  • 石川 鹿生
    1966 年 37 巻 9 号 p. 317-327
    発行日: 1966/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • IX. Aspergillus oryzae chosen Bによって乳成分から生ずる揮発性カルボニル化合物の生成経路
    中西 武雄, 中沢 勇二
    1966 年 37 巻 9 号 p. 328-335
    発行日: 1966/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Asp. oryzae chosen Bによる揮発性カルボニル化合物の生成経路を,各基質液によつて検討した.その結果は次の如く要約される.
    1) 乳糖および乳酸からピルビン酸を経てアセトアルデヒドが生成される.
    2) 蛋白質から低分子ペプチドおよびアミノ酸が生成され,さらにこれらからアセトアルデヒド,アセトンおよびbutanone-2が生成される.
    3) 乳脂肪からは脂肪酸が遊離し,これからさらにpentanone-2,heptanone-2およびnonanone-2が生成される.
    4) 以上の結果について,各種チーズに使用されるかび類の揮発性カルボニル化合物の生成能をAsp. oryzaechosen Bと比較した.その結果,基質とかびの種類によつてこれらの化合物の生成量は異なつていた.
  • 大山 嘉信, 小川 キミエ
    1966 年 37 巻 9 号 p. 336-343
    発行日: 1966/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    イタリアンライグラス,オーチャードグラスおよび青刈エンバクについて,サイレージ調製の難易を知ることを主な目的として,生育にともなう各種炭水化物および粗蛋白質の含量の変化を調べ,次のことを認めた.
    1. 可溶性炭水化物含量(乾物中%,以下同じ)は,イタリアンライグラスの生育初期においてきわめて高く(36.5%),出穂期までに低下の傾向があり(最低16.3%),その後わずかに増大した(22.0%).これに反し,オーチャードグラスでは,最高13.0%,最低6.1%と終始低く,とくに6月下旬,7月下旬および10月上旬に採取した2,3および4番草では,著しく低い値が認められた.青刈エンバクに関しては,ごく初期を例外として,21.1%から11.9%まで,生育につれて低下する傾向が認められたが,生育の末期に,種子の成熟にともなつて,やや増大した.
    2. ペントサンは,いずれの草においても,生育が進むにつれて増大し(9→21%),概して,出穂期以後の変化は少なかつた.
    3. ヘキソサンが,草の生育につれて増大する傾向は,とくに顕著であつて,イタリアンライグラスでは16.1→34.4%,オーチャードグラスでは20.8→39.0%,青刈エンバクでは19.1→41.3%および36.3→40.4%と変化した.
    4. 粗蛋白質含量は,いずれも生育につれてすみやかに低下した.
    5. 可溶性炭水化物と粗蛋白質の比(可溶性炭水化物/粗蛋白質)は,一般に,イタリアンライグラス(1.0~3.5)にくらべて,オーチャードグラス(0.3~1.0)および青刈エンバク(0.4~1.8)では小さく,いずれの草においても,生育が進むにつれて,この比の数値が大きくなる傾向が認められた.
  • 遊佐 孝五, 安藤 功一, 岡田 勉
    1966 年 37 巻 9 号 p. 344-348
    発行日: 1966/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. V-P比色定量法は,反応温度15°Cで反応直後30分から60分までの30分間において,ジアセチル濃度5~80μgの範囲で安定した測定値が得られた.
    2. 油浴による直接蒸溜法の蒸溜時間と溜出量については,120~130°Cで15分間,5mlの溜出により93%以上のジアセチル回収率を得た.
    また,この油浴による直接蒸溜装置は充分使用可能と思考された.
    3. 蒸溜に用いる試料のpHは,酸性域において,良好なるジアセチルの回収を得た.
    4. 加塩無醗酵バター中のジアセチル含量は,4.6~7.4μg/100gであつた.
    5. バター製造工程において採取した試料中のジアセチル平均含量は,原料乳に6.2μg/100g,脱脂乳に6.8μg/100g,スイートクリームに5.4μg/100g,バターミルクに4.6μg/100g,加塩無醗酵バターに6.0μg/100g.
    6. チャーニング,ワーキング工程により,バター粒水洗水,バターミルク,加塩無醗酵バターのジアセチル総和量が,スイートクリームのジアセチル総量より34.8%弱の増加が認められた.
  • V. 窒素肥料の施肥と生育段階が数種飼料作物の硝酸塩含量に及ぼす影響について
    三秋 尚, 能勢 公
    1966 年 37 巻 9 号 p. 349-354
    発行日: 1966/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    岡山県が推奨する耕種基準の施肥条件,(窒素低水準)で栽培された青刈作物の硝酸塩含量を,高位生産を目的とした窒素肥料の多用栽培(窒素高水準)のそれと比較し,生育段階との関係で調査した.供試作物は青刈トウモロコシ,スーダングラス,テオシント,バヒアグラス,イタリアンライグラス及び青刈トウモロコシである.
    1. 窒素低水準で栽培された飼料作物中,硝酸塩(乾物中KNO3として)の蓄積の多い作物は,スーダングラス(2.60±1.26%),テオシント(1.84±0.66%)で次いで青刈トウモロコシ(0.96±0.98%),最も少ない作物はイダリアンライグラス(0.50±0.39%),青刈エンバク(0.48±0.29%)及びバヒアグラス(0.43±0.25%)であつた.
    2. 窒素高水準によつて,すべての作物の硝酸塩含量が統計的に有意に増加し,とくに穂孕期までの生育時期に目立つた.なおイタリアンライグラスの硝酸塩の蓄積の増加が目立つた.
    3. 硝酸塩中毒症の限界量(風乾物中KNO3として1.5%)はスーダングラス及びテオシントでは,おおむね窒素水準に関係なく,すべての生育段階のものに含まれた.青刈トウモロコシでは高水準の出穂期以前と低水準の伸長期前半期に,またイタリアンライグラスは高水準の出穂期以前に,青刈エンバクは高水準の穂孕期以前に,バヒアグラスでは高水準の伸長期前半期に含まれた.
    4. 各作物の硝酸塩含量は,窒素水準に関係なく伸長期に最も多く,出穂期前後に最低となり,その後はバヒアグラスおよびスーダングラスを除き余り変化しなかつた.
    5. 全窒素に占めるNO3-Nの割合は,スーダングラス及びテオジントか他作物に比して最も高く18~23%で他の作物は7%以下であつた.
    6. 全窒素含量の増加に伴なう硝酸塩の蓄積の高い作物は,テオシント及びスーダングラスで,比較的低い作物はイタリアンライグラス,青刈工ンバク及びバヒアグラスで中間的なものが青刈トウモロコシであつた.
  • 矢内 貞蔵, 酒井 義正, 野呂 春暢
    1966 年 37 巻 9 号 p. 355-363
    発行日: 1966/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    早期離乳しためん羊につき,人工乳および育成用飼料による子めん羊の育成試験と,母めん羊の非繁殖期に,ホルモン剤を利用した季節外繁殖について試験を実施した.
    1. 早期離乳試験:早期離乳した子めん羊に人工乳および育成用飼料の給与量と期間について,多少異なつた方法で育成したそれぞれの区間には発育,健康状態とも差はなく,また,自然哺乳した子めん羊と比較した場合も差は認められなかつた.この結果から,子牛用人工乳は子めん羊育成用飼料として効率の高いこと,および給与については簡易な方法で行なつても良好な成績をうることがわかつた.
    2. 生後81日令以降の育成試験:人工乳および育成用飼料により育成したものと生後80日令まで自然哺乳したものを,90日間育成用飼料により育成した結果,1日当りの平均増体は早期離乳区の平均が192g,自然哺乳区は157gで早期離乳区がまさり,5%水準において有意差が認められた.
    3. 季節外繁殖試験:分娩後20日と25日離乳区および自然哺乳中の母羊について,ホルモン注射による季節外繁殖を実施した(分娩後34~100日).ホルモン注射による発情の誘起率およびその持続時間と受胎率についてしらべた結果,20日離乳区が最も良好であり,次いで25日離乳区,自然哺乳区の順となり,特に自然哺乳区は発情が微弱で持続時間も短かく,いずれも不受胎であつた.なお本試験で分娩した母羊9頭につき産後の発情を調査したところ,いずれも35~40日以内にふたたび発情し年内に妊娠した.
    以上の結果から,季節外繁殖する場合には早期離乳によつて,産後の回復と同時に母羊の体力を短期間に正常に戻すことが必要と考える.
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