血液型および血清蛋白質型の13の遺伝子座につき,日本のYorkshire, Landrace, Berkshire 3品種の遺伝子頻度を算出し,その頻度を基にして各品種内での個体識別の確率を求め,各遺伝子座の標識遺伝子としての有効性と各品種の遺伝的多様性の程度を比較検討した.
その結果,3品種の遺伝子頻度に大きな差異が存しており,品種全体としての変異の程度は個体識別の各遺伝子座を組合せた時の総合確率からも,L種,Y種,B種の順に小さくなることが明らかとなった.
次に,各遺伝子座における個体識別の確率を算出すると,Y種でE, H, K, Aシステム,L種ではE, K, A,HシステムとHp, Pa型, B種ではE, FシステムとTf, Pa型がそれぞれ50%以上を示し,標識遺伝子として他のものより有効であった.また全遺伝子座を組合せた時,各品種ともほぼ100%に近い識別率を示した.
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