日本畜産学会報
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41 巻, 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 田中 庸雄
    1970 年 41 巻 10 号 p. 479-487
    発行日: 1970/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • V. Sh1, A, D抗原の遺伝
    赤木 昭治, 渡辺 誠喜, 鈴木 正三
    1970 年 41 巻 10 号 p. 488-494
    発行日: 1970/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    外国での報告によると緬羊の血液型は血球の型的抗原によりA5), B3,9), C5), D5), M5), R-O6,10), X-Z4)の七つのsystemに分類されている.著者らはこれまで異種血球免疫によりSh1抗原を,また同種血球免疫によりSh2抗原を分類し1),これと鈴木の分類したS抗原8)との組合せによる血液型の出現頻度について報告し,さらにこれら三つの血球抗原を国際同定試験2)により外国のそれらと比較した結果S抗原は既知のD systemのD factorと,またSh2抗原はA systemのA factorと同類であるが,Sh1抗原はこれまで分類されていない新しい抗原であることを報告した.
    そこで新抗原であるSh1抗原の遺伝を明らかにするとともにA抗原およびD抗源の遺伝様式との関係についても追求したのでその成績を報告する.
  • V. 血液型および血清蛋白質型の遺伝子頻度と個体識別因子としての有効性
    大石 孝雄, 阿部 恒夫, 茂木 一重
    1970 年 41 巻 10 号 p. 495-500
    発行日: 1970/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    血液型および血清蛋白質型の13の遺伝子座につき,日本のYorkshire, Landrace, Berkshire 3品種の遺伝子頻度を算出し,その頻度を基にして各品種内での個体識別の確率を求め,各遺伝子座の標識遺伝子としての有効性と各品種の遺伝的多様性の程度を比較検討した.
    その結果,3品種の遺伝子頻度に大きな差異が存しており,品種全体としての変異の程度は個体識別の各遺伝子座を組合せた時の総合確率からも,L種,Y種,B種の順に小さくなることが明らかとなった.
    次に,各遺伝子座における個体識別の確率を算出すると,Y種でE, H, K, Aシステム,L種ではE, K, A,HシステムとHp, Pa型, B種ではE, FシステムとTf, Pa型がそれぞれ50%以上を示し,標識遺伝子として他のものより有効であった.また全遺伝子座を組合せた時,各品種ともほぼ100%に近い識別率を示した.
  • VI. 親子鑑別における血液型の有効性
    大石 孝雄, 阿部 恒夫
    1970 年 41 巻 10 号 p. 501-506
    発行日: 1970/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    血液型および血清蛋白質型を用いて,日本のYork-shire, Landrace, Berkshire各品種における親子鑑別を行なった場合の各システムの理論的な有効性について検討を加えた.
    1) 父権否定の確率式を対立遺伝子5つまでの場合について求め,その一般式を導いた.さらに,豚の各血液型システムに適合した確率修正式を求めた.
    2) Y, L, B種の血液型と血清蛋白質型の遺伝子頻度血液型による豚の親子鑑別を,対応する父権否定の確率式に代入することにより,各品種内での親子鑑別におけるそれらの遺伝子の有効性を検討した.その結果,遺伝子座の比較ではHp, Pa型,E, H, Kシステムが各々の品種においてかなり高い父権否定の確率を示した.また,12遺伝子座を組合せて用いた場合にはY種で83.2%,L種で88.6%,B種で72.7%の父権否定の確率すなわち親子判定の解決率が得られた.
  • II. 抑制反応の検討およびその応用性
    高橋 富士雄, 鴇田 文三郎
    1970 年 41 巻 10 号 p. 507-512
    発行日: 1970/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    前3報にわたって乳成分の抗原性について沈降重層反応法,寒天ゲル内二重拡散法および免疫電気泳動法により検討してきたが,酵素分解により低分子となたった物質の抗原性の検出には適用できず,非沈降性抗原抗体反応および微弱な抗原活性などの検出法についての検討の必要性を感じた.本報はこれらの課題をin vitroおよカゼインの酵素分解とその抗原性びin vivoにおける抗原抗体反応の適用により,比較検討したものである.得られた結果は次ぎのとおりである.
    1. α-カゼインは強い抗原性物質であるが,そのトリプシン分解物のpH4.6可溶性画分(F-S画分)の抗原性は著しく低く,沈降重層反応により微弱な陽性を示すが,寒天ゲル内二重拡散法および免疫電気泳動法では沈降線を検出できない.
    2. しかし,このF-S画分はin vitroにおけるα-カゼイン-抗α-カゼイン血清反応系を強く抑制することが確認された.すなわち,この沈降抑制反応が酵素分解により低分子となった物質の抗原性の検出に有用である.
    3. 間接血球凝集抑制反応は操作そのものに複雑さはあるが,これまで用いた抗原抗体反応に比べ,より鋭敏にF-S画分の抗原性を検出することができる.
    4. in vivoにおけるPCA抑制反応では,感作に用いる抗血清は微量であり,F-S画分が比較的強い抑制を示すことが認められた.なお,この反応はin vitroにおける間接血球凝集抑制反応と比較して,研究目的によっては一層有用な反応であり,今後の乳成分の抗原性の検討に充分利用できる方法といえる.
  • II. 畜産技術の経済的検討方法
    吉村 喜彦
    1970 年 41 巻 10 号 p. 513-518
    発行日: 1970/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    第I報においては,畜産経営における技術と経済の交渉する場を具体的に把え,それを検討することによって主題への接近を試みたが,本報は,これに続く畜産技術の経済的検討方法の究明である.すなわち,家畜飼養学と畜産経営学との関連を,雑種F1子豚の哺育に関する試験結果を経営経済的に検討することによって,解明しようと試みた.すなわち,畜産技術と経営経済は,家畜増体と給与飼料との関連,家畜飼養技術と労働生産性との関連等を追求することによって,その接合点を見出すことができるのである.
  • 細野 明義, 鴇田 文三郎
    1970 年 41 巻 10 号 p. 519-527
    発行日: 1970/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    リンブルガーチーズに棲息する酵母のリパーゼの生産性と産出したリパーゼの諸性質を知る目的でリンブルガーチーズから分離した2種の酵母,Candida mycodermaならびにDebaryomyces kloeckeriについて実験を行なった.得られた結果は次のとおり要約される.
    (1) 両酵母とも明らかにリパーゼの生産性を有していることが認められ,C. mycodermaはpH7.0, D.kloeckeriはpH5.5においてそれぞれリパーゼの産出至適pHを有していた.このことから,リンブルガーチーズにおいてこれら酵母によりリパーゼの産出される時期は主に熟成20日以降と推定された.(2) それら酵母により産出されたリパーゼは乳脂肪を分解し,各種脂肪酸を遊離させるが,遊離した脂肪酸のうち,ミリスチン酸,パルミトレイン酸,ステアリン酸およびオレイン酸の遊離状態に両リパーゼ間の著しい相違を認めることが出来た.
    (3) 両リパーゼともpH4.5においてリパーゼ活性が最も高く,かつC. mycodermaの生産するリパーゼは35°C付近で,またD. kloeckeriの生産するリパーゼは30°C付近でそれぞれ高いリパーゼ活性を有して
    いた.
    (4) Sephadex G-100によりそれらリパーゼを篩別し,おおまかな分子量を推定するとC. mycodermaの生産するリパーぜの分子量は約30,000-38,000,D.kloeckeriのそれは約12,000-21,000と推定された.
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