日本畜産学会報
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42 巻, 7 号
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  • 大山 嘉信
    1971 年 42 巻 7 号 p. 301-317
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大山 嘉信, 柾木 茂彦
    1971 年 42 巻 7 号 p. 318-325
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    サイレージ調製における,詰込み時の蛋白質添加および埋蔵初期の空気導入という処理が,埋蔵過程における蛋白質の分解に及ぼす影響を調べるために,イタリアンライグラスおよびオーチャードグラスを材料として,6回にわたる実験室規模のサイレージ調製実験を行なった.すなわち,(A) 細切材料をできるだけ密に誌込む対照区,(B) 詰込みに際してグルテンを2%添加する区,(C) 対照区の半量の草を詰込み,当初4日間にわたって空気を導入する区,の3区を設け,埋蔵過程における蛋白態窒素(PN)と揮発性塩基態窒素(VBN)の変化を調べ,次の結果を得た.
    1. 対照区においては,初期(詰込み後4-7日まで)に急速にPNが減少し,その後の変化は僅かであった.VBNの生成は,きわめて少ない場合と,詰込み後14-21日あるいは21-70日の間に顕著に増大する場合とがあった.
    2. グルテン添加区においては,添加したグルテンを含めて初期に著しい蛋白分解が行なわれたが,詰込み後7日以降においてもひきつづきかなりのPNの減少があり,70日後のPNの量の対照区との差は小さくなった.VBNの生成は,対照区で顕著な場合は添加区も同様であったが,一方,対照区では少なく添加区で顕著な場合もあった.
    3. 空気導入区では,PNの減少が他の2区よりも著しく緩慢で,かつ,最終的にもPNの量が比較的多く,好気的条件による蛋白分解の阻害が考えられた.しかし,VBNの生成は,例外なく顕著であった.
    4. 以上の結果と有機酸組成とから,サイレージの品質低下は蛋白質の第1段階の分解には直接関係せず,第2段階のVBNの生成に対応するものと考えられる.
  • 1971 年 42 巻 7 号 p. 324
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
  • IV. 植物タンニン鞣製革の比較的高温熱処理の影響
    久保 知義, 中川 成男, 宝山 大喜
    1971 年 42 巻 7 号 p. 326-335
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    異なった鞣皮度をもつ植物タンニン革に及ぼす比較的高温熱処理の影響を物理的性質および水抽出物の組成の変化から考察した.なお,この場合に用いた植物タンニンは,縮合型タンニンとしてミモサ•タンニンと加水分解型タンニンとしてチェストナット•タンニンである.
    1. 植物タンニン革の熱処理による物理的性質の劣化が認められ,熱処理が引張強さに及ぼす影響は比較的少ないが,伸びは大きく減少し,柔軟度の荷重も増加し,伸びおよび柔軟度について有意差が認められ,明らかに変化したことを示した.そしてこの場合に,鞣皮度による差は全体として認められなかったけれども,チェストナット•タンニン革の場合,伸びについて,鞣皮度が高くなるほど熱処理による影響は大きいことを認めた.また,物理的性質の熱処理による変化の程度は,低水分区(2.19-5.46%)よりも高水分区(19.29-21.97%)において大きく,水分の影響が明らかに認められた.
    2. 水抽出物の組成について,溶出蛋白質量および溶出タンニン量を測定した.植物タンニン革の熱処理による蛋白質の溶出量は,未鞣製皮より非常に少なく,熱処理による皮構成蛋白質の分解はきわめて少ないことを認めた.溶出タンニン量について,ミモサ•タンニン革およびチェストナット•タンニン革ともに,鞣皮度が高くなるほどタンニンの溶出量は増加するが,熱処理によってはほとんど変らず,190°Cの熱処理では減少する傾向が認められ,また,水分含量による差は認められなかった.タンニン溶出量の高温熱処理による減少は,タンニン自体の酸化によるものと考えられる.また,タンニンの溶出量が,ミモサ.タンニン革よりチェストナット•タンニン革において大きいが,このことは,タンニンの性質による違いであって,チェストナット•タンニンが加水分解型のタンニンであることに帰因するものであろう.
  • V. 植物タンニン再鞣クロム革の比較的高温熱処理の影響
    久保 知義, 中川 成男, 宝山 大喜
    1971 年 42 巻 7 号 p. 335-343
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    異なったタンニン含量をもつ植物タンニン再鞣クロム革,すなわち,ミモサ•タンニン再鞣クロム革およびチェストナット•タンニン再鞣クロム革の比較的高温熱処
    理の影響を物理的性質および水抽出物の組成の変化から考察した.
    1. クロム革を植物タンニンで再鞣製することによって,強度は低下した.そして,植物タンニン再鞣クロム革の熱処理による物理的性質の変化が認められるが,その程度は非常にわずかであり,未鞣製皮はもちろんのこと,クロム革,植物タンニン革と比較しても,熱処理による変化の程度は小さいことを認めた.
    2. 水抽出物の組成について,酸度,硫酸根およびタンニンの溶出量を定量し,pH価を測定した.クロム革を植物タンニンで再鞣製することによって,再鞣製の程度が高くなるほど酸度および硫酸根は増加し,pH価は低下する傾向が認められた.そして,このことは,熱処理することによっても明らかに助長されたことを認めた.すなわち,クロム革を植物タンニンで再鞣製を行なった場合に,クロム錯塩中の硫酸根あるいはコラーゲンの酸根がタンニンの非タンニン分あるいはタンニン分と置換されて,酸根が遊離することによって,酸度が上昇し,硫酸根が増加し,その結果pH価の低下が生じ,この現象が熱処理によっても助長された.溶出タンニン量について,高度に再鞣製を行なった革は,低度の再鞣製革より多いことを認めた.た.溶出タンニン量について,高度に再鞣製を行なった革は,低度の再鞣製
    革より多いことを認めた.
  • IV. 胎盤(小丘間領域ならびにplacentome)の鉄およびカルシウムについて
    山内 昭二, 小寺 敬一, 垣下 奉史
    1971 年 42 巻 7 号 p. 344-357
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. 頂尾長2.5cmから82cmに及ぶ胎児を含む30例の牛妊娠子宮の小丘間領域組織について,鉄とカルシゥムの分布を検索した.各例の材料において,組織片を子宮角の4ヵ所から採取した.ただし,妊娠初期のものでは2ヵ所の組織片のみを検索した.この他,頂尾長4.7cmから71cmに及ぶ胎児を持つ23例の妊娠子宮から得られたplacentomeを,さらにこの目的のために用いた.鉄の検出にはBerlin blueの方法を,またカルシウムの検出にはvon Kossaの方法をそれぞれ用いた.
    2. 頂尾長が25cmから50cmまでの範囲にある胎児を含む子宮の表面上皮には微量ないし適量の鉄が,微細顆粒の形で識別された.一方,子宮腺においては,妊娠のごく初期のものから,上皮ならびに分泌物中に不変的に,粒子あるいは不定形堆積の形で鉄が検出された.ここに述べた上皮性の鉄は,いわゆる子宮乳を構成する成分と考えられる.また,これらの鉄はその領域の栄養膜に吸収されるものと思われる.
    3. 上皮による分泌産物としての鉄とは別に,placentome内部には次に述べるように,別な形式とみなされる陽性反応が認められた.Placentomeの(母体性)中隔組織と絨毛膜栄養細胞層との間の腔所には,母体性血液の溢血が非常にしばしば出現する.この領域のarcadezoneの栄養細胞は大量の黄褐色の色素を保有する.一方,この溢血区域には,鉄に対する陽性反応が時として確認された.
    4. 母体から胎児への鉄の伝達に関して,本研究の成果からふたつの経路が存在する可能性がある.すなわち,第1は膜性絨毛膜の栄養細胞層を介する経路である.この場合は腺上皮からの分泌性産物の鉄が上記栄養細胞にとりこまれる.第2は,placentomeのarcade領域の栄養細胞層を介する経路である.この場合は,ごく普遍的に出現する母体血液の溢血に由来する鉄が上記栄養細胞にとりこまれる.これに関連して,鉄反応は胎盤の胎児性部分,すなわち絨毛性絨毛膜ならびに膜性絨毛膜にはほとんど確認されなかった点が注意されるべきである.
    5. 本研究の結果は,牛胎児における造血が妊娠のごく初期,すでに始まっていることを示している.また,今回の所見を,著者らの既報の所見とともに考察する時,胎児にこのようにして伝達される鉄の総量は妊娠の進行とともに増加しているものと考えられる.ここに述べてきた鉄とは別に,子宮内膜には粗大顆粒状の鉄を含む支質細胞がしばしば出現する.これらの細胞の分布と出現経過に関する所見に従えば,ここに述べた鉄は発達する胎児には利用されないものと推察される.
    6. カルシウムは專らplacentomeにのみ検出され,小丘間領域には全く見い出されない.ごく例外的な場合,たとえば退行過程の上皮においてカルシウムの沈着がおこる.Placentomeにおいて,カルシウムは第3表に示すように,究極的には母体性および胎児性両者のすべての組織要素に検出された.
    7. 鉄の場合と同様に,胎児へのカルシウムの伝達についてふたつの経路があるように思われる.すなわち,その第1は陰窩傾域を介する経路である.この場合,カルシウムが母体性要素から胎児側へと胎盤障壁の細胞層を段階的に移動するのが,追跡される.第2の経路はarcade領域の栄養細胞層を介するもので,ここでは溢血した母体血液成分が上記栄養細胞にとりこまれる.
    8. 胎児が頂尾長32cmに達する時期には,カルシウムはplacentomeの組織要素のほとんどすべてにわたって検出される.このことは,牛の胎児において,骨の石灰化が上述の時期に始まっていることを示すものと受け取れるであろう.第3表に要約された結果から,母体から胎児に伝達されるカルシウムの総量は,妊娠の進行とともに増加しているようにみえる.
  • Motoaki KOSUGIYAMA
    1971 年 42 巻 7 号 p. 358-360
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Several workers have reported the electron microscopic studies on mammary alveolar cells of mice in various reproductive cycles1, 3-6, 8, 10, 12-14). The present paper deals with the electron microscopic studies on the mammary alveolar cells of mice during pregnancy and lactation performed as the first step to study the effects of the hormones responsible for the initiation and the maintenance of lactation on the function of the mammary alveolar cells and the synthesis of milk components.
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