日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
43 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 吉田 勉
    1972 年 43 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • VI. マウス血清Cholinesterase, C3 zone (Es-9)の遺伝的支配
    萬田 正治, 大木 与志雄, 西田 周作
    1972 年 43 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    マウスにおいて,血清CholinesteraseであるC3 zone (Es-9)活性の系統間変異が遺伝的に支配されているかどうかを検討するために,去勢ならびに幼若マウスにおける本酵素活性の変異を観察した後,CFW系,dd系,KK系およびDSD系の4系統マウスを用いて,種々の交配実験を行なった.
    1) CFW, NCおよびDSD系マウスにおいて去勢ならびに幼若マウスのC3 zone活性値は正常な成熟マウスの場合と全く同様に,雌雄共に明瞭な系統間差異を示した.
    2) dd系マウス同志の交配では,その仔マウスのC3 zone活性は両親と同様にすべて高活性を示し,DSD系マウス同志の交配では,その仔マウスは両親と同様にすべて低活性を示した.ddとDSD系マウスの交配では,そのF1マウスはすべて両者の中間値を示した.そのF2マウスでは,高活性,中間活性,低活性の3つの型に1:2:1の割合で分離した.
    3) CFWとKK系マウスの交配ではF1,F2マウスのC3 zone活性は前述の場合と全く同様の傾向を示した.正逆交配ではそのF1マウスのC3 zone活性は両親の中間値を示し,戻し交雑では,両親のいずれかの型に1:1の割合で分離した.
    以上の結果から,マウスの血清CholinesteraseであるC3 zone活性は,常染色体上の一対の共優性遺伝子ChEとCheによって支配されていると推測される.
  • VII. マウスにおける血清Aliesterase, A4 zone (Es-10)の遺伝的支配
    萬田 正治, 大木 与志雄, 西田 周作
    1972 年 43 巻 1 号 p. 16-19
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    マウスにおいて,血清AliesteraseのIタイプであるA4 zone活性の系統間差異が遺伝的に支配されているかどうかを検討するために,去勢マウスにおける本酵素活性の変異を観察した後,C3H/He,CFW,KKおよびDSD系の4近交系マウスを用いて,種々の交配実験を行なった.
    1) CFW,NCおよびDSD系マウスにおいて,去勢マウスのA4 zone活値は,正常な成熟マウスの場合と同様に,雌雄共に明瞭な系統間差異を示した.
    2) C3H/He系マウス同志の交配では,その仔マウスのA4 zone活性は両親と同様にすべて高活性を示し,DSD系マウス同志の交配では,その仔マウスは両親と同様にすべて陰性を示した.C3H/HeとDSD系マウスのF1マウスは両系統の中間値を示し,F2マウスでは,高活性,低活性,陰性の3つの型に1:2:1の割合で分離した.
    3) CFWとKK系マウスの正逆交配では,そのF1マウスのA4 zone活性は中間値を示し,戻し交配では両親のいずれかの型にほぼ1:1の割合に分離した.
    3) 以上の結果から,A4 zone活性は常染色体上の一対の共優性遺伝子AliEとAlieによって支配されていると推測された.
  • II. 人工ルーメン内における脂質の加水分解と水素添加
    田中 桂一, 林 英夫
    1972 年 43 巻 1 号 p. 20-25
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1) サフラワー油,リノール酸,亜麻仁油またはリノレン酸を添加した人工ルーメン内溶液を培養し,0,1,2,3,5および7時間後に人工ルーメン内溶液をサンプルとして採取した
    2) triglyceridesはすみやかに加水分解をうけ,それにともなってunesterified fatty acidsの濃度が著しく増加した.
    3) サフラワー油や亜麻仁油に由来している18:2や18:3は水素添加の結果,すみやかに18:0に変換され,中間物質の18:1はほとんど蓄積されなかった.
    4) リノール酸を添加した人工ルーメン内溶液を培養した際,18:0はほとんど生産されず,18:1が著しく蓄積した.
    5) リノレン酸を添加した人工ルーメン内溶液を培養した際,リノレン酸添加5時間後まで18:2が著しく生成した.18:1は3時間以後増加した.18:0は実験終了までほとんど生成されなかった.
  • 加藤 啓介
    1972 年 43 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    飼料中Cu含量がラットの1日当り尿中Cu排出量および血清中Cu含量に及ぼす影響について検討した.採尿装置はガラス板型を用いた.その結果,成熟雌ラットでは,飼料中Cu含量が1.1ppmから4.6ppmまででは尿中Cu量がほぼ一定であった.飼料中Cu含量が0.6ppmになると,尿中Cu量は減少した.血清和Cu含量にも同様の傾向がみられた.成熟雄ラットにおいても,尿中Cu量と血清中Cu含量とがそろって,低Cu飼料では少なく,高Cu飼料では多くなった.これらのことから,血中Cu含量を尿中Cu量の増減から検討できるものと推察され,ラットやマウスなど,血液の連続サンプリングの困難な小動物で便利である.なお,飲水量が極端に多くまたは少なくないばあいには,尿中Cu日量の検討に際して飲水量や排尿量を考慮しなくてもよいことがわかった.
  • 五十嵐 康雄, 斎藤 善一
    1972 年 43 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    前報において,Temperature sensitive fraction (TSF)よりセファデックスG-100を用いたゲルろ過にょりTS-カゼインを分離して,そのアミノ酸組成,分子量,濁度におよぼす塩類の影響などについて報告したが,本蛋白質の性質をさらに研究するため,分離方法を改善し,アルコール溶液中における本蛋白質の性質について,主に安定性の面から調べるため本実験を行なった.
    酸カゼインよりTSFの調製までは同様であるが,本報ではTSFを40°Cに保たれたTEAEセルロースカラムに加え,同温度で2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールークエン酸緩衝液(pH8.0)で溶出させた後(区分1),カラム温度を20°C(区分2),さらに2~4°C(区分3)に下げて同緩衝液で溶出した.濁度およびでんぷんゲル電気泳動によりしらべた結果,区分1にはTS-カゼィンは含まれず,区分2および3に存在することがわかった.これより,40°CでTEAEセルロースに吸着し,2~4°Cで溶出される成分をTS-カゼインとして実験に供した.本成分はセファデックスG-100を用いたゲルろ過では前報と溶出位置が一致し,7M尿素,0.022M2-メルカプトエタノールを含むでんぷんゲル電気泳動では主要成分の外に少量の2成分が認められた.エレクトロフォーカシングによれば,5M尿素中で等電点がpH6.7と7.3の2成分が認められた.TS-カゼイン溶液にメタノール,エタノール,n-プロパノール,n-ブタノールを最終濃度で5%になるように加えると,いずれも対照より低い温度で濁度が上昇したが,最高濁度は低かった.TS-カぜインおよび全力ゼインを種々のエタノール濃度と種々のpHの溶液中において一夜放置(2~4°C)した後,遠沈(1,000G,10分)して上澄の蛋白質含量をミクロケルダール法により測定した結果,pH7.0の緩衝液に透析し時は,全カゼインはエタノール濃度50%まで沈殿を生じなかったが,TS-カゼインは15~45%で沈殿を生じ,25%で最も沈殿が多かったが,50%では再び可溶性となった.エタノール濃度25%の場合,pH4.1~8.8でTS-カゼインの45-65%が沈殿し,pH3.6以下と9.5以上で可溶性であった.また,エタノール濃度50%の時では,pH6付近で最も沈殿が多かったが(60%)れ以外のpH域では,25%の時より沈殿率が少なかった.以上の性質は前報で報告した疎水性アミノ酸が多いことと何らかの関連性があるものと思われた.
  • I. プロテアーゼの生産性および諸性質
    鴇田 文三郎, 細野 明義
    1972 年 43 巻 1 号 p. 39-48
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本報ではBrev. linensによる菌体外プロテアーゼの生産とその粗プロテアーゼの諸性質について検討した.
    菌体外プロテアーゼの生産性については培地組成,培養時間および温度の諸点からそれを検討した.その結果,ペプトン,肉エキス,NaCl,K2HPO4各々1%およびカゼイン2%から成る培地(pH7.0)の使用が有効であり,かつ20°C,24時間培養でその生産性は最も高く,以後漸減することを認めた.
    一方,菌体外プロテアーゼはその培養〓液(20°C,24時間培養)の0.6飽和硫安沈殿画分を一夜流水中で透析した後,遠心分離を行ない,得られた沈殿物から少量の0.1M酢酸カルシウムで抽出される.この抽出液をSephadex G-100により篩別し,活性部位を集め,諸性質検討のための供試酵素液とした.
    この菌体外プロテアーゼの至適pHは7.0で一般によりアルカリ側で高い活性を示した.また,至適温度は25°Cであり,45°C,10分間の加熱で約90%の活性を失なった.更にこの酵素はカゼイン,ウシヘモグロビンを分解する.特に,カゼインに対しては強い分解力を有しており,かつ95°C,10分間の加熱処理をしたカゼインも加熱処理をしないカゼイン同程度に分解されることを認めた.
  • 大島 俊三, 川越 郁男, 五島 治郎, 長島 一雄
    1972 年 43 巻 1 号 p. 49-50
    発行日: 1972/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top