日本畜産学会報
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45 巻, 6 号
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  • 田中 桂一
    1974 年 45 巻 6 号 p. 307-318
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 戸津川 清, 菅原 七郎, 竹内 三郎
    1974 年 45 巻 6 号 p. 319-326
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    家兎胚盤胞の性鑑別及び移植により,産子の性支配を行うことを目的とし,その基礎実験としてトロホプラスト細胞の切り取り方法,同細胞の染色及び処理胚盤胞の回復等について検討した.1. 胚盤胞の固定のための装置として,吸引ピペットの先端にミリポァ•フィルターを接着することにより,胚盤胞の損傷を防ぐことができた.2. トロホブラスト細胞を切り取る方法としては,透明帯に針で穴を開け,その穴からトロホブラスト細胞を毛細管により引き出して,それを眼科用ハサミで切り取る方法が最良であった.3,セックス•クロマチンの有無による性鑑別比は1:1であった.4. 処理胚盤胞を各種培地中で培養した結果,子牛血清,家兎血清,イーグルMEM培地+20%子牛血清及びハムF12培地+10%子牛血清区において24時間後に,約70%の処理胚盤胞が回復した.これら4者の間には有意差(P⟩0.05)は認められなかった.5.処理後80%程度に縮小した胚盤胞(無処理時の体積を100%)は,大部分のものが,3~5時間後に回復し,50%に縮小した胚盤胞は,約12~24時間後に回復するもの(70%)と,萎縮してしまう2つの型に分れた.また,20%に縮小した胚盤胞は,大部分(80%)が萎縮した.6. 切り取る細胞数と回復の間には相関関係はなかった.
  • 小沢 総一郎, 矢野 幸男, 高坂 和久, 清水 潮, 金子 恵美子
    1974 年 45 巻 6 号 p. 327-333
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    スライスした牛肉を真空および普通包装で1°Cおよび7°Cに貯蔵し,貯蔵中の肉色,pH,揮発性塩基態窒素(VBN)の変化および生菌数の増加を観察し,また細菌叢の変化を追跡した.肉の貯蔵中,官能的に腐敗が認められるまでの日数は,7°C普通包装で7日,7°C真空包装で14日,1°C普通包装で21日,1°C真空包装で28日であった.官能的に判定した鮮度変化ともっとも良く並行した指標は生菌数で,ついでVBNであった.普通包装肉が腐敗(微生物の作用によって官能的な変化を生じ,可食性を失う現象と解する)するまでには,保存温度にかかわりなくPseudomonas, Achromobacter, Coryneformsが主に増殖し,真空包装では保存温度にかかわりなく,Lactobacilli, Streptococci, Enteric bacteria, Coryneformsが主に増殖した.このうち1°C真空包装の場合は,Coryne-forms→Enteric bacteria→乳酸菌(ここではLactic acid bacteriaの意味)の順に優勢種の遷移が観察され,最終的には乳酸菌の増殖によって腐敗すると思われた.
  • 大島 光昭, 田中 博
    1974 年 45 巻 6 号 p. 334-338
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    赤クローバーサイレージ熟成中における糖の変化を明らかにする目的のもとに,グルコース2%添加赤クローバー5gを14C-グルコース10μCiとともに16×160mmの試験管に真空下で貯蔵した際の14Cの動きを35日間にわたって追った.その結果,35日の期間中に14C-グルコースの60~80%が分解されたが,そのほとんどは4日以内に行われた.有機酸分画の放射能は2~7日目に最高値を示し,とくに活発な発酵を示したサイレージ(pH3.9)では添加14Cの約50%がこの分画中に検出された.そら以後の有機酸分画中の14Cはむしろ減少し,35日目には10~30%が検出されたにすぎなかった.他の分画中への14Cのとりこみも4日以内に急激に起こり,以後は緩慢であるかあるいは減少した.35日目には添加量当り,揮発性脂肪酸中に5~10%,発酵ガス中に20~30%,アミノ酸分画中に2~3%,沈澱中に2~4%の14Cが検出さられた.
  • 中広 義雄, 一色 泰, 田先 威和夫
    1974 年 45 巻 6 号 p. 339-346
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    盲腸内容物のpHが,飼養条件によりいかなる影響を受けるかについて調べるとともに,盲腸内のpH緩衝能についても調査するため,4ヵ月齢の単冠白色レグホン種オスを用いて実験を行い,次の結果が得られた.給与飼料の種類によって盲腸内容物のpHに差異がみられた.すなわち,全粒小麦単独給与の場合に最も大きな低下が認められたほか,慣用配合飼料中にHCl,あるいは半精製飼料中にL-リジンHCl添加を行った場合にも低下する傾向がみられた.慣用配合飼料にHClを添加すると,尺側皮静脈血のpHに低下の傾向がみられ,それと平行的に盲腸内容物のpHにも明らかな低下がみられた.回腸下部内容物のpHは,盲腸内容物のそれに比し常に高かったが,半精製飼料給与時においてのみ例外的に両者が近似の値を示した.自由採食,強制給飼,絶食および絶食後再給飼など,給飼条件の違いによっては盲腸内容物のpHに明らかな差異は認められなかった.また,1日の間の時刻別による盲腸内容物のpHは,自由採食あるいは絶食のいかんにかかわりなく変化がみられず,きわめて恒常的な値を示した.盲腸粘膜のpHは盲尖部で高く,盲腸の恒常的pH 6.8に近かった.0.9%食塩水およびKrebs-Ringer燐酸緩衝液を1時間にわたって環流した結果,盲腸では酸性側からアルカリ性側への緩衝能がその逆の場合よりも強くあらわれ,かつ乾燥腸1gあたりの緩衝能は,盲腸が小腸に比べて著しく高いことが認められた.
  • 中江 利孝, 片岡 啓, 宮本 拓
    1974 年 45 巻 6 号 p. 347-351
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    バター脂肪やマーガリン脂肪の融点測定には,従来毛細管法が用いられているが,著者らは連続的な恒温条件下の温度勾配装置を用いて,その融点測定の可能性に検討を加えた.試料は市販のバターおよびマーガリンを用い,透明融点,上昇融点および温度勾配法による固液臨界点を測定した.固液臨界点は,9°Cから50°Cの温度勾配下で下固相と液相の間にできる安定した境界層の相当温度をもって表わした.その固液臨界点の再現性,従来法の透明融点および上昇融点と固液臨界点との比較,ならびに試料の固化条件について調べた結果,温度勾配法による固液臨界点の相当位置は,試料封入管挿入後約2時間以内に現われるが,安定した固液臨界点は10時間後に得られ,約±1°C以下の誤差範囲で再現性のある測定が可能であった.実際のバターおよびマーガリン試料の分析結果から,温度勾配法による固液臨界点は,従来法の透明融点とほぼ一致する結果が得られた.また,固液臨界点に及ぼす冷却法の前処理の影響はほとんどみられなかった.以上の結果,一定条件下のバターおよびマーガリン脂肪の試料を温度勾配装置に設定することによって,所定時間後の固液臨界点の測定からそれらの融点を求め得ることがわかった.
  • 石田 直彦, 川島 良治
    1974 年 45 巻 6 号 p. 352-360
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    羊に高レベルでMoを与えると銅欠乏症と同樣の症状を示し,羊毛の特性であるcrimpが消失する.一方いわゆるfine woolにおいては,オルソ•パラ両コルテックスより成る繊維のパイラテラル構造がwool crimpの形成と深く関連し合っている.本研究は,Mo多給が羊毛繊維構造ならびに皮下組織に対して及ぼす影響について検討し,またこの様な条件下でのwool follicle附近の代謝活性に関連して若干の酵素群(アルカリ性フォスファターゼ•ロイシンアミノペプチダーゼ)の活性分布を検討するために行われた.供試メン羊は日本コリデール種去勢羊4頭を用い,2頭に200mg/日/頭のモリブデン酸アンモンを与え,2頭を対照として飼育し,8ヵ月後に全ての羊より皮膚および羊毛を採取し,羊毛の繊維構造,皮下組織形態および各酵素につき組織化学的検索を行った.その結果,Mo投与により明らかにwool crimpの減少ないしは消失がみられ,羊毛繊維のコルテックスは,バイラテラルでない変則的な染色像を示した.これらの構造は,毛根部のケラチン化帯部より分化してきており,またこの付近の内根鞘においても不規則的な染色像を認めた.一連の酵素群の活性分布に対してMo投与の目立った影響は認められなかったが,毛乳頭•ケラチン化帯付近の毛根鞘に強く局在しており,この部分での物質代謝が旺盛であることを暗示している.
  • 加藤 啓介, 野方 勝
    1974 年 45 巻 6 号 p. 361-366
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    飼料中に添加した亜鉛がラットの血清中銅およびセルロブラスミン含量,肝臓中銅含量および尿中銅排出量に及ぼす影響について検討した.ウィスター系ラットに精製飼料を給与し,銅は飼料中に添加または腹腔内注射した.その結果,飼料中に800ppmの亜鉛を添加したラットでは血清中銅およびセルロプラスミン含量が著しく低下し,銅を添加したものとしないものとの間にほとんど差がみられなかった.肝臓中銅含量も8000ppmの亜鉛添加によりかなり低下したが,そのうち銅を添加したものの肝臓中銅含量は,銅を添加しなかったラットでの値よりも高かった.尿中銅排出員は,銅を飼料中に添加して給与したラットでは8000ppmの亜鉛添加によりやや減少するが,銅を腹腔内注射したラットでは亜鉛を給与しても尿中銅排出量は全く低下しなかった.以上の結果から,血清中銅のうち尿中排出に影響する分画は飼料中亜鉛により減少しないのではないかと推察され,これは銅欠乏飼料を給与したラットのばあいとは異なるようであった.
  • 田辺 忍, 亀岡 暄一, 田野 良衛
    1974 年 45 巻 6 号 p. 367-375
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    32日令の日本在来種子出羊に1日400mlの牛乳を2回(9時,16時)給与し,給与直前(9時)給与3時間後(12時)および7時間後(午後の給与直前)に各々3頭づつを屠殺し,胃,小腸における全内容物を採取した.その結果,胃内容物中の窒素および脂質は胃からほぼ一定の速度で消失するのに対し,乳糖の胃からの消失割合は指数函数的であった.胃内容物中の全窒素に対するTCA可溶性窒素の割合は給与3時間後は22%,7時間後は45%であった.小腸内容物の窒素の大部分は可溶性で,可溶性窒素に対するTCA可溶性窒素の割合は,給与3時間後では78%,7時間後では80%であり,牛乳たんぱく質の小腸内での消化が急速に行われることが示された.乳糖は小腸内で急速に加水分解されたが,小腸内容物中ではガラクトース濃慶はグルコースより高く,小腸からのグルコースの吸収はガラクトースのそれより早いことが観察された.小腸内の脂質量は牛乳給与後時間の経過に伴ない増加し,脂質の吸収が比較的遅いことが示唆された.牛乳に添加したCr2O3とPEG(polyethylene glycol)の消化管内における分布からCr2O3は牛乳のたんぱく質,脂肪のindexとしてまたPEGは乳糖のindexとして適当であることが示された.
  • Hiro-omi YOKOTA, Iwao TASAKI
    1974 年 45 巻 6 号 p. 376-379
    発行日: 1974/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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