各種飼料を基質として人工第て習によってえられるガス産生曲線上の2つの時間域における実測ガス産生速度の各平均値(V
1とV
2:ml/hr)を用いて,それらが基質のTDNとDCPの評価に応用できるかどうかを検討した.V
1時間域としては培養1時間後からの2時間を,V
2の時間域としてはその後の最高ガス産生速度時点を含む2時間を用いた.とくに培養3時間以後に最高ガス産生速度のない基質においてはトウモロコシのV2時間域を用いた.結果の概要は以下のごとくである.1) トウモロコシ(C)とダイズ粕(S)の各(V
1+V
2)値はC<Sを示し,それらの既知TDNが示すC>Sとは逆であった.2) 基質を易醗酵性成分量(m
1)と非易醗酵性成分量(m
2)に分けて,TDNα(m
1+m
2)の開係を設定して仮説を展開したところ,最高ガス産生速度時点にいたる培養時間(t),およびV1から巧に加速されるに要する時間(t')によって定まるn=t/t'なるn値に関し,TDNα(V
1+nV
2)の関係があるものと考えられた.3) 1実験内でえられる各種飼料のV
1,V
2値は各飼料に関し,TDN=1.3V
1+2.2V
2+26.2,R=0.980,(P<0.001),の重相関関係を示した.4) 各種飼料をそれぞれ数回以上実験してえられた平均(V
1+nV
2)値においてはTDN=1.1(V
1+nV
2)+25.5,r=0.986,(P<0.001),の関孫をえた.5) 各種飼料の粗蛋白質含量(CP%)についてえられるCPガス指標(PGI)=CP×(V
1+nV
2)/100とDCPとの間にはDCP=2.0(PGI)-0.5,r=0.970,(P<0.001),の関係が認められた.
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