日本畜産学会報
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46 巻, 2 号
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  • 長澤 弘, 矢内 玲子
    1975 年 46 巻 2 号 p. 47-55
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大島 光昭
    1975 年 46 巻 2 号 p. 56-61
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    さきに,良品質(pH3.9)の赤クローバーサイレージの育成豚に対する生物価は約50であるがMet添加により70以上に向上することを報告した.今回は,平均体重32kgのランドレース雄豚および50~60gのウィスター系雄ラットを用い,第2制限アミノ酸,サイレージ品質と栄養価,および詰込み時に添加したフスマがサイレージの熟成および栄養価におよぼす影響について検討した.サイレージ調製時に生草当たり2%のグルコースあるいは15%のフスマを添加したが,両添加区間にサイレージの化学的品質の差異はみられず,1番刈の赤クローバーからはpH5.3,2番刈からはpH4.8のサイレージが得られた.ラットに対するサイレージ原料赤クローバーの第2制眼アミノ酸は,分析値からはLysおよびHisだったが,動物試験の結果Thrもその一つだった.そのうえ,悪質サイレージの熟成中にThrが著しく分解されることが判明した.グルコース添加1番刈および2番刈サイレージにMetを添加して豚に給与した際の生物価は25および70だったが,さらにHis,LysおよびThrを添加することにより56および85に向上した.フスマ添加サイレージの生物価は1番刈13,2番刈52だった.フスマのみの生物価は48であり,1番刈サイレージ中の乾物の約50%がフスマに由来するところから,サイレージの品質低下に伴いフスマの栄養価も著しく減退することがわかった.
  • 張 勝善, 若井 克郎, 吉野 梅夫, 山内 邦男
    1975 年 46 巻 2 号 p. 62-67
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    皮蛋の卵白はアルカリによリゲル化し,水に不溶である.本研究では,アルカリでゲル化させた鶏卵卵白の種々溶媒による溶解性および各種プロテアーゼによる分解性を調べた.アルカリゲル化卵白を凍結乾燥し,その100mgを10mlの各種緩衝液などに分散し,30°Cで1時間振盪溶解させ,〓液の蛋白質をLOWRYらの方法により定量して溶解度を求めた.酸性あるいは中性では,アルカリゲル化卵白の溶解度は低く,食塩や塩酸グアニジンの添加,あるいは加熱(75°C,10分)によっても溶解度は増加しない.アルカリ性では,溶解度は高くなり,尿素や塩酸グアニジンの添加,あるいは加熱により溶解度はさらに増加する.アルカリゲル化卵白,またはアルカリ性pHに調整した希釈卵白をペブシン,モルシン,ナガーぜ,プロナーゼあるいはトリプシンにより分解させ,トリクロル酢酸可溶の分解生成物をFOLIN法により測定した.アルカリゲル化卵白またはアルカリ処理卵白は,トリプシン,ナガーゼあるいはプロナーゼにより未処理卵白あるいは熱凝固卵白よりよく分解される.アルカリゲル化卵白はこれらのプロテアーゼにより分解されやすくなるのは,卵白中のトリプシンインヒビターまたはオボインヒピターがアルカリ処理により失活するためと思われる.アルカリゲル化卵白は酸性側pHでもペプシン,モルシンにより,よく分解された.
  • 三上 仁志, 甲斐 勝利, 佐藤 勲
    1975 年 46 巻 2 号 p. 68-72
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    67頭のランドレース種若雌隊の超音波で測定した背脂肪層の厚さと生時,2週時の1腹子豚数および平均子豚体重との関係を調べた.交配時および量娩時の体重と背脂肪層の厚さの間には,それぞれ0.503と0.527の相関が見られたが,若雌豚の体重と繁殖性との間では,妊娠中の体重増加量と生時の子豚体重との間に0.264の相関が認められた以外に統計的に有意な相関は見られなかった.交配時の背脂肪層の厚さ自体は,いずれの繁殖形質とも有意な相関は示さなかったが,体重あたりの厚さは生時,2週時の子豚数とそれぞれ-0.255,-0.248の相関を示した.90kgから交配時までの体重あたりの背脂肪層の増加率と生時の子豚数との関係は直線的でなく,体重1kgあたり0.2mm以上の増加をした個体は子豚数が少なくなる傾向を示した。分娩時の背脂肪層の厚さは,性時の平均子豚体重と0.338の相関を示し,体重あたりの厚さは生時,2週時の子豚数および生時の平均子豚体重と,それぞれ-0.357,-0.259,0285の相関を示した.
  • 山内 邦男, 姜 國煕, 上野川 修一, 駒形 和男
    1975 年 46 巻 2 号 p. 73-80
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    チーズより分離した酵母9株について,チーズスターターとして用いられている乳酸菌との相互作用を検討した.脱脂乳を培地とし,各酵母および乳酸菌を単独培養あるいは両者を混合培養して,それら培養液中の生菌数および蛋白分解力等を測定した.その結果,乳酸菌を単独で培養した場合(25°C)は接種15日目でそのほとんどが死滅したが,酵母と混合培養した場合には30日目まですべての混合培養液中に乳酸菌の生存が認められた.蛋白分解作用についても乳酸菌および酵母を混合培養した場合は酵母9株中5株に相乗作用が認められた.この混合培養による蛋白分解力の相乗作用は食塩3%あるいは6%を添加することによって著しく減少し,また培養温度を10°Cおよび5°Cに低下させた場合にはまったく認められなかった.
  • 大島 正尚, 甫立 孝一
    1975 年 46 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    分房乳のNa+Cl値の分房間差値[Qd(Na+Cl)mEq/l]によって,正常でないと判定された分房乳計30試料[Qd(Na+Cl)<50mEq/l]について,Qd(Na+Cl)値の増加に対する血清アルブミン(BSA)と免疫グロブリン(IgG)濃度の変化を検討した.その結果,血漿蛋白質の分房間差値,Qd(BSA)およびQd(IgG)mg/dlは,Qd(Na+Cl)値の増加に対して指数曲線的に増加し,障害の程度が比較的小さい段階[Qd(Na+Cl)<30mEq/l]では,Qd(Na+Cl)値の増加とほぼ比例して増加するが,Qd(Na+Cl)値が高くなるとそれらは急激な増加を示した.またQd(Na+Cl)値の増加に伴い乳試料中で増加する血漿蛋白質の中で,BSAが占める割合が増加する傾向が認められた.しかしQd(Na+Cl)<50mEq/lの範囲では,乳試料中のIgGの増加量は,BSAのそれの2倍以上であった.これらのことから,乳腺の血漿蛋白質に対する透過性の変化につき論議した.Qd(Na+Cl)<50mEq/lの範囲では牛乳総蛋白質中で血漿蛋白質が占める割合は,およそ10%以内と推定された.
  • 伊藤 宏, 寺島 福秋, 唐来 宣人, 松井 行夫
    1975 年 46 巻 2 号 p. 87-93
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    反芻家畜に対する粗飼料としての稲わらおよびもみ殼の栄養価を改善するために,両者をアンモニア(10%重量比)および水(30%重量比)で長期間(12か月),環境温度で処理をした.粗蛋白質含量は両者共アンモニア処理によって約3倍に増加した.増加したNの大部分は非蛋白態Nで占められた.蛋白態Nとして測定されたNの増加分は,各繊維性物質中のN含量から主としてリグニン化N化合物として存在するものと推定された.繊維性物質のうち細胞壁構成成分(NDF)だけがアンモニア処理稲わら(ARS)において約11%,アンモニア処理もみ殼(ARH)において約6%減少し,NDFの一部がアンモニア処理によってND可溶性に変化したことを示した.ADFおよびセルロース含量は処理によって影響されず,リグニン含量は増加した.48時間培養によるARSおよびARHのin vitro乾物消失率はそれぞれ約51%および23%を示し,アンモニア処理によっていずれも約10%増加した.ルーメン液で培養した後の上澄液の全VFA濃度もアンモニア処理した基質において増加した.この様な種々の利点があるので,わら類や殼類の飼料価値を高めるためにアンモニア処理をすることは積極的に考える価値のあることと思われる.
  • 石橋 晃, 亀高 正夫
    1975 年 46 巻 2 号 p. 94-100
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ニワトリについてPheの代謝を研究していく上で,標識位置の異なるDL-Pheを用いるに際して,D-およびL-Pheの代謝上の相違を明らかにしておく必要から,5および20%カゼイン飼料給与時のヒナにD-またはL-Phe-1-14Cを注射し,呼気CO2,総排泄物および組織蛋白質からの14Cの回収率を調べた.20%区のヒナの成長は,ほぼ正常に近かったが,5%区では,体重を十分維持し得なかった.5%区では,呼気CO2,総排泄物および小腸と腎臓とを除く組織蛋白質からの14Cの回収率にはD型とL型の間に有意の差はなかった.20%区では,D型を注射した場合には,総排泄物からの14Cの回収率がL型を注射した場合に比較して高かった.これは主としてフェニルピルビン酸画分での増加によるものであった.逆に呼気CO2からの回収率はL型を注射した場合の方が高かった.小腸と腎臓を除く組織蛋白質へのとりこみ量はD型とL型の間に差が認められなかった.組織蛋白質中の放射能の大部分はPheとTyr画分とから回収された.両飼料区とも,腎臓および小腸からの14Cの回収率はD型の場合に高かった.
  • 斎藤 守, 高橋 正也
    1975 年 46 巻 2 号 p. 101-107
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    118匹のウィスター系成熟雌ラットを用い,妊娠初期の胚の生存率に対する飼料のエネルギーおよび蛋白質含量の影響を検討した.その結果,飼料の可消化エネルギー(DE)含量が低い場合(2.6kcal/g),および中程度の場合(4.0kcal/g)には,飼料のカロリー•蛋白質比(CPR)の減少にともない胚の生存率は低下したが,飼料のDE含量が高い場合(5.0kcal/g)には,CPRの減少につれて胚の生存率は逆に増加する傾向が認められた.また,CPRが比較的近似しているグループ間では,飼料の蛋白質含量が高い場合に胚の生存率が低下した.なお,飼料のCPRの変化によってもたらされた胚の損耗は,両子宮角に無作為的に生じていることが判明した.
  • Mamoru SAITOH, Seiya TAKAHASHI
    1975 年 46 巻 2 号 p. 108-110
    発行日: 1975/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    To elucidate the mechanism of and to study the method preventing the high embryonic loss in swine, the authors are investigating to obtain some basic informations on this aspect using rats.
    The embryonic loss in swine is estimated to be 30 to 50% on full term of pregnancy1). Approximately 70% of the total embryonic loss occurs prior to day 25 of pregnancy2).
    High energy intake in swine has usually led to an increased ovulation rate and a higher percentage of embryonic loss3, 4). Approximately 70% of the total loss (32%) in gilts fed the high energy diet occurred prior to day 25 of pregnancy5). The authors found that most of the total embryonic loss in the rats fed the high energy diet occurred in the first third of pregnancy6) and the loss during this stage was affected by dietary calorie-protein ratios7).
    This study was designed to determine the strain difference in the embryonic viability in the rats fed the high energy diet.
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