日本畜産学会報
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48 巻, 8 号
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  • 入谷 明
    1977 年 48 巻 8 号 p. 445-452
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 小此木 成夫, 冨田 守
    1977 年 48 巻 8 号 p. 453-457
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    イオン交換膜電気透析法により脱脂乳を脱塩した後,乳を超遠心分離(遠心効果=127,000,45分間,5°C)して上澄に残る溶解相部のカルシウム,リン,クエン酸,たん白質の各含量を分析した.実験の結果を要約すれば次の通りである.1. 乳100ml中の全カルシウム含量は,脱塩前後で104mgから50mgに減少したが,溶解相中の含量は41mgから32mgに減少したのみで,顕著な減少はみられなかった.2. しかし,溶解相中のリン含量は脱塩前後で46mgから23mgに,またクエン酸含量は185mgから73mgへと大きく減少しており,溶解相中のリン,クエン酸に対するカルシウムの比率は,脱塩前後で大きく増加することが判明した.3. 全たん白質濃度はほとんど変化しないが,溶解相中のたん白質濃度は,脱塩前後で0.8%から1.5%へと大きな増加が見られた.
  • 山内 清, 知念 健次, 大橋 登美男
    1977 年 48 巻 8 号 p. 458-462
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    鶏肉,豚肉,羊肉,牛肉,および馬肉のそれぞれミオグロビン(Mb)量とリン脂質(PL)量の少ない筋肉(白色筋)と,Mb量とPL量の多い筋肉(赤色筋)の両筋肉について,そのα-トコフェロール(α-Toc)量の差異,並びに各肉種のα-Toc量と他成分量との関係を調べた.各肉種とも,白色筋に比較すると赤色筋のα-Toc量(μg/100g wet tissue)が高い値を示した.すなわち,鶏肉では深胸筋に比べて後肢筋,豚肉では背最長筋に比べて大腿二頭筋,羊肉では背最長筋に比べて殿筋,牛肉では背最長筋に比べて大腿四頭筋,および馬肉では背最長筋に比べて殿筋において高いα-Toc量を示した.α-Tocが脂溶性であるにもかかわらず,鶏肉を除く他の肉種ではα-Toc量と脂質量との間に相関を認めなかった.しかし,α-Toc量はMb量とPL量の多い筋肉で高い傾向を示し,肉の種類によってはα-Toc量とMb量あるいはPL量との間に有意の正の相関が認められた.このように,筋組織中のα-Toc量は筋肉の生理的代謝活性と関係しているように推量された.
  • 水谷 誠, 梅沢 英彦, 倉益 茂実
    1977 年 48 巻 8 号 p. 463-467
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. ピーナツPHAはPNP系およびF1(PNP系×PNN系)のふ卵7日目からふ化後8週齢までのすべての発育段階のウズラ赤血球を凝集した.PNN系ではふ卵7-9日目までの赤血球は全例陽性であったが,ふ卵10日目より陰性個体が出現しはじめ,ふ化後1週齢において全例陰性となった.2. "Pn"凝集原の"有"形質が"無"形質に対して優性であり,この常染色体上に存在する単一遺伝子の遺伝子記号を"Pn"と定めた.3. ピーナツPHAに対する凝集性をニワトリ,シチメンチョウ,アヒル,ガチョウ,デンショバトの各赤血球について調査した結果,ニワトリ,シチメンチョウ,アヒルにおいては赤血球凝集性に関して陽性個体と陰性個体が存在し,ガチョウ,デンショバトにおいては全例陰性で個体間差はみられなかった.また,ウズラ("Pn"凝集原),ニワトリおよびアヒルのピーナッPHAに対する各凝集原は吸収試験の結果同一であった.
  • 和泉 康史, 裏 悦次
    1977 年 48 巻 8 号 p. 468-473
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    泌乳初期のとうもろこしサイレージの多給時において,濃厚飼料をFCM量の1/3と1/5給与した場合の飼料摂取量および産乳量に及ぼす影響の差異を明らかにするため,ホルスタイン種成雌牛10頭を供試し,分娩後14日目より14週間にわたって試験を実施した.黄熟後期刈取りのとうもろこしサイレージは自由に摂取させ,乾草は1日2kg給与した.その結果次のような知見を得た.濃厚飼料の多給により,サイレージの摂取量は減少したが,総乾物摂取量では増加する傾向が認められた.また,濃厚飼料の多給により,TDNおよびDCP摂取量がそれぞれ有意に増加した.全試験期間を通して,TDNおよびDCP摂取量は,濃厚飼料多給区においていずれも要求量を上回ったが,少給区では要求量を上回ったのはTDNのみで,DCPは全期間を通して要求量に達しなかった.乳量および乳組成には,濃厚飼料の給与最による有意な違いは認められなかった.にれらの結果から,十分登熟したとうもうもろこしサイレージを多給した場合,泌乳初期においても濃厚飼料の給与量を乳量の1/3以下に節減し得るものと考えられる.
  • 李 奎成, 田先 威和夫
    1977 年 48 巻 8 号 p. 474-480
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    尿素飼料給与ヤギの体内窒素蓄積はメチオニン添加によって増加するが,これに関連して小腸内容液中のアミノ酸組成とその吸収に及ぼすメチオニン添加の影響を調査した.その結果,十二指腸に流入する各アミノ酸の濃度は,バリンを除く全アミノ酸においてメチオニン添加尿素飼料給与ヤギで高い傾向を示し,特にメチオニン,リジン,スレオニン,プロリン,チロシン,ヒスチジンの濃度は有意に増加した.メチオニン濃度にもとづいて計算した十二指腸内容液のケミカルスコアは,尿素飼料給与時の44よりメチオニン添加時には53まで向上し,合成された菌体蛋白質の栄養価値の改善されることが明らかになった.十二指腸内容液量に相当する回腸内容液中のアミノ酸含量は,メチオニンを除く全アミノ酸においてメチオニン添加尿素飼料給与時においても高い傾向を示した.また小腸内での各アミノ酸の吸収量を計算すると,メチオニン,リジン,プロリン,チロシン,アルギニンで有意に多くなった.十二指腸に出現したアミノ酸のうち小腸内で吸収された量の割合は,メチオニン添加尿素飼料給与時で57%,尿素飼料給与時では59%であり両者間にほとんど差がみられなかった.これらの結果より,尿素飼料給与ヤギの窒素蓄積に及ぼすメチオニン添加給与の効果は,反芻胃内で合成されたアミノ酸の濃度増加と,その組成変化による菌体蛋白質の栄養価の向上によることが示唆された.
  • 松井 幸夫, 松川 清, 岡田 雅昭, 千早 豊, 菊地 政則
    1977 年 48 巻 8 号 p. 481-488
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1961年より1974年の間に,病理学的検索を依頼された牛流産19例中,6例が病理組織学的に真菌性流産と診断され,特にその最後の1例からは真菌の分離•同定が行われた.この例は妊娠8か月令の流産胎児で,皮膚,胃内容および胎膜より共通の真菌が分離された.その菌は形態および生理学的性状が検索され,おもにRAPERおよびFENNELL並びに佐々木水分類法を参考にして,Aspergillus fumigatus FRESENIUSと同定された.胎児胎盤の絨毛は肉眼的に汚い黄白色を呈し,組織学的に絨毛膜の血管壁は線繊維素様に膨化し,絨毛は壊死性で,変性性胎盤炎を示した.絨毛間の細胞崩壊塊中に菌糸が認められた.胎児皮膚に軽度に隆起する灰白色小病巣が散発し,組織学的に表皮の剥離,糜爛および真皮における細胞浸潤が認められ,真皮における細胞集族巣および毛嚢内に菌糸が証明された.胎児肝に小葉中心性不全壊死,また血様体腔液の増量などがその他に見られた変化であった,諸外国において,ウシのA. fumigatesによる流産の報告がなされているが,わが国における報告はこれ迄なされていない.
  • 石橋 晃, 亀高 正夫, 尾崎 明, 山本 哲三, 金内 長司, 光岡 知足
    1977 年 48 巻 8 号 p. 489-497
    発行日: 1977/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ヒナを同時に多数羽ふ化し,無菌的に飼育できる方法を工夫した.ふ化2日前の卵を購入し,1.5%の温HgCl2液中に5-7分つけて滅菌し,あらかじめ2%過酢酸液で滅菌したふ卵タンクに20-30卵入れて通気させながらふ化した.ふ化率は95%であった.ふ化後試験に必要な羽数5-10羽を無菌ビニルアイソレーターに移し,ただちに餌付けして2週間飼育した.7,14日目に無菌テストをした結果,無菌率は93%(14アイソレーター中13例)であった.飼料はγ線で滅菌した.精製飼料全体に4 Mrad以上照射すると,ヒナの成長は減少したが,脂肪を別にして照射し,給与前に混合すると成長に及ぼす影響は少なかった.無菌ヒナは通常ヒナよりも成長が早く,げっ歯類と異なり,無菌ヒナの盲腸の肥大がみられなかった.
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