日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
49 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 楠原 征治
    1978 年 49 巻 12 号 p. 843-852
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 桝田 博司, 高橋 敏治, 副島 昭彦, 和出 靖
    1978 年 49 巻 12 号 p. 853-858
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種64頭,黒毛和種42頭,褐毛和種13頭および日本短角種10頭の計129頭の牛について,白血球培養法により,染色体を検査した.その結果,1頭の黒毛和種種雄牛,およびその子牛8頭の核型は2n=59で,正常核型には見られない大型の次中部着糸型の染色体が認められた.この次中部着糸型の染色体はG-バンド法による同定の結果,No. 5とNo. 21の染色体のcentric fusionによって形成されたものであることが確認された.
  • 島崎 敬一, 佐々木 正人, 祐川 金次郎
    1978 年 49 巻 12 号 p. 859-865
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    セファデックスG-10による吸着クロマトグラフィーによって,牛乳中の核酸関連物質の分析を行い,正常乳,初乳,乳房炎乳について比較した.正常乳ではオロチン酸が主成分で,49.8±13.8μmole/100ml(脱脂乳)(min.34.4,max.74.9μmole/100ml)含まれていた.初乳にはオロチン酸はほとんど含まれず,ウリジン誘導体が多量に含まれていた.その濃度は分娩2日目の30μmole/100mlから4日目の20μlmole/100mlへと急激な減少がみられた.それと同時にオロチン酸濃度は除々に増加した.乳房炎乳(CMT変法での陽性乳)では,含まれている核酸関連物質の種類は,正常乳とほとんど変わらないが,オロチン酸濃度に明瞭な減少がみられ,34例のオロチン酸平均濃度は18.3±8.4μmole/100ml(min0.0,max.37.4μmole/100ml)であり,正常乳との間に有意差が認められた.個体間でのオロチン酸濃度の差は無視できないが,同一個体の分房乳ではCMT変法による陰性乳と陽性乳とで有意の差が認められた.本方法の特徴としては,除タンパク操作の不要なこと,クロマトパターンの比較で初乳,常乳の区別が可能なこと,さらに乳房炎乳検出の一法として有用であることなどが考えられる.
  • 岡山 高秀, 永田 致治
    1978 年 49 巻 12 号 p. 866-871
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    豚肉より調製したクックド•ソーセージを試料とし,肉製品の発色度を測定するHORNSEYの方法に検討を加えた.その結果,肉製品中の発色色素"Cooked cured meat color" (CCMC)はアセトン濃度75%,0°C,5分間の条件で最も良く抽出されること,試料homogenateおよびその75%アセトン抽出液をpH5.5に調整するとCCMCは著しく安定性を増すことなどが認められた.その他の測定条件についても検討を加えて設定した肉製品の発色度(Color formation ability: CFA)測定法はHORNSEYの原法に比較して再現性,感度ともに著しく改善された.
  • 唐澤 豊, 堀井 雅子, 宮沢 栄一, 田原 幸子, 荒牧 孝典
    1978 年 49 巻 12 号 p. 872-879
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肝グルタミン合成酵素の活性と組織のグルタミンレベルを,蛋白質レベルが0,5,20あるいは40%の飼料を摂取した体重2kg前後の白色レグホーン雄について調べた.体重はいずれの飼料を摂取したニワトリでも増加し,尿の全窒素は飼料の蛋白質レベルの増加につれて直線的に増加した.肝グルタミン合成酵素活性も同樣に,飼料の蛋白質レベルの増加とともに直線的に増加した.またこのときのアンモニアは,血液と尿ではすべての蛋白質レベルで,また腎では5%以上の蛋白質レベルで直線的に増加した.したがって,本実験においてはニワトリのグルタミン生成は飼料蛋白質レベルの増加につれて増加すると考えられる.しかしながら,グルタミンレベルは血漿ではすべての蛋白質レベルで,また肝,腎では5%以上の蛋白質レベルで直線的に減少した.一方,窒素のおもな給源をグルタミンのアミド窒素とする尿酸は,血漿,肝,腎および尿で蛋白質摂取量に比例して増加した.したがって,血漿および組織のグルタミンレベルが高蛋白質飼料を摂取したニワトリで低い原因のひとつは,グルタミンを消費する尿酸生成がこのようなニワトリでは活発なためと考えられる.
  • 伊藤 宏, 小池 博実, 小林 茂樹
    1978 年 49 巻 12 号 p. 880-888
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    鶏の消化管における尿素の消化吸収過程を明らかにするため,尿素0.5,1.0,2.5および5.0%を含む飼料を雄成鶏に給与し,血中の非蛋白態窒素(NPN)化合物含量の変化を観察した。血中のNPN化合物の内,クレアチニン(0.07~0.09mg N/100ml血漿),アンモニァ(0.3~0.5mg N/100ml血液),尿酸(3~5mg N/100ml血液)およびアミノ酸(11~15mg N/100ml血液)は,尿素添加量のいかんにかかわらずほぼ一定した成分であった.血中尿素量は尿素飼料給与後12時間に最高値を示した.尿素1,0,2.5および5.0%添加飼料でそれぞれ9,21および38mg N/100mlで,添加量に比例して増加した.血中全NPN含量は,対照および尿素0.5%飼料給与時は18~30mg/100mlの範囲にあるが,尿素1.0,2.5および5.0%飼料ではそれぞれ44,53および55mgの最高値を示し,尿素5.0%飼料での著しい増加は見られなかった.結紮した消化管内に尿素液を注入した後の血中尿素量の変化から,尿素の大部分は,十二指腸,空腸および盲腸から直接吸収され,一部は盲腸でアンモニァに分解されることが明らかにされた.尿素の分泌部位を知るため,尿素液を潅流した鶏の消化管内容物の尿素含量を測定した.腺胃,十二指腸および小腸で極めて少量であるが尿素の分泌が認められた.過剰な飼料尿素の大部分は消化管から直接吸収された後,分解されないまま主として尿中へ排泄されるものと考えられた.
  • 阿部 又信, 入来 常徳, 渋井 仁志, 近藤 啓一
    1978 年 49 巻 12 号 p. 889-897
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. とうもろこし,大豆粕,その他一般的な飼料原料より成る濃厚飼料を第一胃内に投入して発酵を受けさせた場合と,第一胃をバイパスさせて第四胃に投入した場合とで,子牛の栄養に及ぼす影響を比較した.
    2. ホルスタイン種子牛14頭を2区に分けて用い,7週令から12週令にかけて毎日同量の濃厚飼料を,第一胃発酵区(DF区)に対してはペレットに成型して,第一胃バイパス区(LF区)に対しては温湯にサスペンドしてバケツから給与した.87日令で両区2頭ずつ屠殺し,残りの5頭ずつからは頸静脈血を採取した.
    3. 第一胃内アンモニア量は同程度であったが,大腸内のアンモニア量はLF区よりもDF区の方が多い傾向があった.第一胃内の揮発性脂肪酸(VFA)量はLF区よりDF区の方が多く,一方,大腸内ではDF区よりLF区の方が多い傾向があった.
    4. VFA組成を見ると,DF区では第一胃よりも大腸の方が酢酸の割合が高く,プロピオン酸と酪酸の割合が低かった.LF区では大腸よりも第一胃内の方が酢酸の割合が高く,酪酸及びイソ酪酸の割合が低かった.
    5. 血漿グルコでス濃度は両区同程度であった.血漿ケトン体濃度および肝グリコーゲン含量は,LF区の方が有意に低かった(それぞれP<0.01およびP<0.05).
    6. 血漿中トリグリセライドおよび燐脂質の濃度は,LF区の方が有意に高かった(P<0.05).LF区の肝脂質はトリグリセライド,総コレステロールおよび遊離脂肪酸の各画分が有意に高く(P<0.05),またその脂肪酸組成は,C18-高級不飽和脂肪酸が多かった.
    7.血中および肝臓中のビタミンB2含量には差が認められなかった.
feedback
Top