日本畜産学会報
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50 巻, 11 号
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  • 田中 博
    1979 年 50 巻 11 号 p. 759-767
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 池上 順子, 加藤 征史郎, 入谷 明, 西川 義正
    1979 年 50 巻 11 号 p. 768-772
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    培養管による無酸素条件下におけるインキュベーションが,牛精子の代謝にいかなる影響を与えるかについて検討した.1. 無酸素条件下における牛精子の糖消費量は,インキュベーション時間が長くなるにしたがって増加率は低下するが,180分までは経時的に増加し,その後はほとんど変動がみられなかった.2. 基質無添加の洗浄牛精子浮遊液の無酸素条件下における2または3時間のプレインキュベーションは,その後の精子の嫌気的解糖能に影響をおよぼさなかった.また,2時間のプレインキュベーションは,その後の精子の呼吸能および好気的解糖能に顕著な影響をおよぼさなかった.
  • 岡山 高秀, 近藤 健次郎, 永田 致治
    1979 年 50 巻 11 号 p. 773-777
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    筋漿の高分子画分中に含まれる発色促進成分を明らかにする目的でゲル濾過法により検討を行なった.豚内転筋より調製した筋漿高分子画分をSephadex G-100により分別した結果,顕著な発色促進効果ならびに亜硝酸塩分解作用を有する成分は最初に溶出される管数14~18(Kd=0~0.2,1画分),ヘモグロビンの溶出液に相当する22~33(Kd=0.3~0.8,II画分)および最後に溶出される39~43(Kd=1.0~1.2,III画分)の各画分に認められた.IとII画分の示す発色促進効果は,これら画分に存在する筋漿タンパク質の加熱変性に伴い出現するSH基が大きく関与しているものと考えられた.III画分は250nmに最大吸収を有し,核酸関連物質をその成分として含むことが推察された.I画分はタンパク質含量は少ないにもかかわらず顕著な発色促進効果を示した.このI画分は,さらにSepharose6BによってA画分(管数12~17,Kd=0~0.2)とB画分(管数22~33,Kd=0.4~0.8)の2画分に分けることができたが,A画分は単位タンパク質濃度当りの発色促進効果がB画分より大であった.したがって,I画分中の有効成分はA画分に含まれることが認められた.
  • 鈴木 省三, 中島 三博, 中村 芳隆
    1979 年 50 巻 11 号 p. 778-781
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    分娩房内に母牛と同居させた乳用種初生子牛の行動を生後24時間,吸乳に重点をおいて観察した.子牛37例が出生後立ち上るまでに要した時間は73±63分(M±SD,以下同),最初の吸乳までの時間は,観察中全く吸乳しなかった1例を除き,264±279分で,大きな個体差があり,それらと産次•在胎日数•出生時刻•生時体重•性などとの間に一定の関連を認めなかった.生後24時間中の起立•歩行時間は350±87分で,最初の起立から数時間は,起立•歩行が多い傾向を認めた.観察時間中の吸乳期は10.1±5.5回,合計63.6±31.3分,その内真の吸乳時間は33.0±16.2分であった.立っている母牛の側方から,手前側の前乳頭を多く吸乳したが,横臥中の母牛からの吸乳や母牛の後肢間からの吸乳も観察された.
  • 中村 豊, 多田 豊, 渋谷 秀行, 吉田 條二, 中村 亮八郎
    1979 年 50 巻 11 号 p. 782-789
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ルーメンフィステル装着メン羊に高硝酸生草のみ,あるいはこれと濃厚飼料とを約5日間にわたって継続給与し,この際のルーメン内硝酸,亜硝酸濃度の変化を求め,またこれと並行して,上記動物のルーメン液から分離した菌体のin vitro培養実験を行ない,ルーメン細菌の硝酸代謝に及ぼす濃厚飼料の影響を検討した.1) 高硝酸生草のみを給与した場合,どの動物においてもルーメン内亜硝酸の経日的増加が認められ,かつ硝酸,亜硝酸の経時変化に関しての個体差は給与回数を増すごとに小さくなった.2) 濃厚飼料を併用すると,生草単用の場合にくらべ,ルーメン内の硝酸の消失,および亜硝酸の出現と消失が速やかになり,さらに併用量を増せばその傾向が一層顕著になった.本実験条件ではルーメン液のpHは,濃厚飼料の併用の有無にかかわらず7付近で大きな変化はなかったが,血中MHbは併用した方がその増加と減少が速く,かつ最高値が低かった. 3) in vitro培養成績によれば,pHの低下が著しくない場合には,濃厚飼料を添加した方が,硝酸の減少,および亜硝酸の増加と減少が速やかであった.4) 以上の結果から,高硝酸生草に濃厚飼料を併用して給与すると,ルーメン内の硝酸の消失,および生成亜硝酸の出現と消失が促進され,そのために血中MHbの増加,減少が速やかになり,MHbの最高値も低くなるから,硝酸中毒を完全に防止できないにしても,中毒症状を軽減し得ると推論された.
  • 飼料中の蛋白質含量と見かけの消化率の関係について
    古谷 修, 高橋 正也
    1979 年 50 巻 11 号 p. 790-795
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    蛋白質(CP)の真の消化率の定義から,つぎの関係式が導かれた.CPの真の消化率(%)=CPの見かけの消化率(%)+MFN×62.5/飼料乾物中のCP(%);ここで,MFNは直接飼料に由来しないいわゆる代謝性糞中窒素を意味し,g/kg飼料乾物摂取で表わされる.真の消化率とMFNは一定であると考えられるので,この式は,飼料中のCP含量が増加するにつれて見かけの消化率も高まることを示している.子豚で,魚粉およびカゼインを蛋白質源として回帰式を用いる外挿法によってMFNを測定したところ,平均1.53の値をえた.この値を上式のMFNに代入した式を用いることによって,CP含量の異なる飼料の消化性の比較ができ,また,基礎飼料と試験飼料のCP含量が異なる場合でも,試料のCP消化率の算出が可能となった.なお,本報でのMFNの測定は,供試豚の平均体重30kg,飼料中の粗せん維含量3~3.5%,1日飼料給与量は体重の3~4.5%といった条件で行なわれたが,消化試験がこれらからはずれた条件下で実施された場合にも,本実験でえられたMFNの値が適用できるか否かはさらに検討を要する.
  • 鈴木 一郎, 渡辺 正利, 北田 徳蔵, 加藤 貞雄, 森地 敏樹
    1979 年 50 巻 11 号 p. 796-802
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    13株の乳酸菌(Lactobacillus bulgaricus 2株,L. helveticus 1株,L. jugugurti 2株,L.acidophilus 1株,Streptococcus lactis 2株,S. cremoris 2株,S. diacetilactis 2株,S. thermophilus 1株)を,それぞれ単独のスターターとして発酵乳を製造し,各発酵乳のフレーバー特性と嗜好性を試験した.さらに,これらの官能的特徴と,発酵乳のヘッドスペースガスのガスクロマトグラフィーによる分析結果との関係を検討した,官能検査の結果,フレーバーの評価が高かったS. cremoris, S. lactisの特徴はミルク臭,芳香,酸臭であり,評価が低かったL. bulgaricus, L. helveticus, S. thermophilusなどでは青くさ臭,不快臭,異臭,酸臭であった.ヘッドスペースガス分析の結果,得られた主要な揮発性成分はアセトアルデヒド,アセトン,エタノール,ジアセチルであった.そのうち,フレーバーの特徴と関係があった成分はアセトアルデヒド,ジアセチルであり,アセトアルデヒド含量が20ppmを超えたL. bulgaricus 2株,L. acidophilusの特徴は青くさ臭,アルデヒド真であり,評点も低かった.しかし,他の菌ではいずれも7ppm以下で特徴的なフレーバーとはならなかった.ジアセチルが1.5ppmを超えたS. diacetilactis 2株でジアセチル臭が感じられたが,他の菌では1ppm以下で特徴的フレーバとはならなかった.
  • 甫立 孝一, 上家 哲
    1979 年 50 巻 11 号 p. 803-810
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ラジオイムノアッセイ(RIA)による牛甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定法を検討した.牛TSHに対する抗体は,牛TSHをモルモットに注射して作成した.第2抗体は,モルモットガンマーグロブリンを兎に投与して作成した.牛TSHの標識は,クロラミンーT法によって行なった.牛TSH-RIAにおいて,1) 牛プロラクチンはまったく反応せず,また,牛成長ホルモン,黄体形成ホルモンおよび卵胞刺激ホルモンの交差反応は小さかった,2) 牛血漿および牛下垂体TSHは標準TSHと同様に定量的に反応した,3) NIH-TSH-B7を標準品とした場合,この方法で5ng/ml以上の血漿(または血清)中の牛TSHの測定が可能である,4) 同一牛血漿サンプルを測定した場合の変動係数は,測定内で4.9%,測定間では11.2%であった,5) 牛血漿原液に加えた牛TSHの平均回収率は,104.6%であった.甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を静脈注射後,経時的に採取した乳牛の血漿サンプルのTSHレベルは,TRH投与後5分以内に上昇し,15~20分後に頂値が認められた.一方,甲状腺ホルモンを前処置した後,TRHを投与した乳牛では,血漿TSHレベルは上昇せず,甲状腺ホルモンによってTRHによるTSH放出反応は完全に抑制された.
  • 深谷 幸作, 金子 家敏, 浅利 昌男, 江口 保暢, 鹿野 胖
    1979 年 50 巻 11 号 p. 811-820
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    麻布獣医科大学家畜解剖学教室,相模原市229反芻類においては,腹腔臓器に対する横隔膜の付着様式は,反芻に大きな意味を持つものと思われる.本研究においては,牛胎仔および新生仔を用い,とくに胃に対する付着様式をホルマリン固定した材料および胸腔•腹腔ならびに消化管への合成樹脂注入鋳型標本を観察することによって調べた.横隔膜と食道および胃との接着部では,食道尾側端および噴門部の表面には主として右脚から筋線維が分布していた.胃に対する主な付着は左脚からの筋線維によるものであった.胃に対する横隔膜の付着領域は,前方よりみて逆V型を示す.この逆V型を形成する左右両板のうち右板は,右脚からの筋線維とともに噴門付近を被い,背方に向かって第1胃前房背側面から第1胃背嚢右側背縁に至っていた.この逆V型の左板は第2胃背面より後方に向かい,第1胃背嚢左側背縁および脾臓に至っていた.両板の背後側端における連結部は,胎仔においては非常に薄く,新生仔に至って厚く,広く,強靱となった.これらの両板の間および橋状の連結部の下には,疎性の結合組織を伴なった漿膜に被われた盲管状の空隙があり,それによってその下に位置するいわゆるNICKEL et al.のいうSchleudermagenは常に横隔膜への付着から遊離していた.以上の観察結果は反芻機構の考究に一つの参考所見として役立つであろう.
  • 盧 淳昌, 近藤 恭司
    1979 年 50 巻 11 号 p. 821-832
    発行日: 1979/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ふ卵初期に投与したエストラジオールベンゾエート(E. B.)がふ化後雄ウズラ(Coturnix coturnix japonica)の生殖器官および繁殖能力にどのような影響を与えるかを調べることを今回実験の目的とした.劣性伴性白色遺伝子をマーカーとし,羽毛でウズラの性が判別できるようにした.ふ卵初期にE. B. 0.01mgから0.4mgまで6段階の濃度で1回注射し,ふ卵を続けふ化させた.ふ化直後から1年齢まで,雄ウズラの生殖器官の発達を調べ,またE. B.処置雄ウズラから9羽を選び無処置雌ウズラとの交配実験を行い,その繁殖能力を調べた.結果:1) E. B.投与によってCloacal glandの発達が抑制され,その中の泡状分泌物の生産も少くなった.2) E.B.投与によって影響を受けた生殖腺は日齢が進むにつれて普通の大きさに回復した.3) E. B.投与によって精管の発達が妨げられた個体がみられ,また痕跡卵管を持つものもあったが,4) E. B.投与にもかかわらずほとんどの個体の生殖腺で精子が存在した.5) E. B. 0.1mg以上投与群の雄ウズラは繁殖能力がなく,E. B. 0.01mgと0.02mg投与群では少数の受精卵が得られた.
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