日本畜産学会報
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51 巻, 11 号
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  • 石田 光晴, 須山 享三, 足立 達
    1980 年 51 巻 11 号 p. 749-753
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    環境汚染物質フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)を産卵鶏(バブコックおよび岩谷)に投与し,投与後の卵殼厚,卵殼重,卵重,卵殼指数,軟卵率を測定し,非投与鶏のそれらと比較した.さらに血清カルシウムイオン(Ca2+)濃度を測定した.得られた結果は次のとおりである.1. B群(岩谷)において,卵重,卵殼重,卵殼厚および卵殼指数は,投与開始後16日間の平均値が,投与前10日間の平均植と較べて減少し,統計的に有意差が認められた.しかし,17日目以降は,投与前の水準に戻った.非投与鶏では,全期間を通じて大きな変化は認められなかった.2. AおよびC群(共にバブコック)では,卵殼厚の減少は認められなかったが,軟卵が数多く生産された.3. C群では,卵殼厚の変動が大きく,(投与区)非投与区の間で,5%水準で有意であった.4. C群では,投与区の血清C2+濃度は非投与区のそれと比較して低い液を示し,1%水準で有意であった.
  • 鈴木 啓一, 山岸 敏宏, 萱場 猛夫, 水間 豊
    1980 年 51 巻 11 号 p. 754-759
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    飢餓抵抗性に関して高(SH)と低(SL)に選抜されたマウス系統間に,体脂肪蓄積量の差が生じた.そこで,体脂肪蓄積量と飢餓生存能力との関係を検討するため,SHとSL系統間と同程度の差をもつ体脂肪比率高(FH)と低(FL)の2系統のマウスを分系育種し,FHとFL系マウスについて飢餓生存日数と脂質代謝の比較を行なった.63日齢での飢餓生存日数において,FH:13.8日,FL:10.6日と有意(P<0.05)な系統間差が認められたが,SH(16日)とSL(8日)系統間の差ほどではなかった.副睾丸脂肪組織の脂肪細胞の数と大きさについて,FHとFL系統はSHとSL系統間で認められたのと同様の傾向を示し,脂肪細胞数では差がないが,細胞の大きさはFHがFLより大きかった.SHとSL系統間で明らかな差の認められている脂肪組織リパーゼ活性とin vivoでの肝臓中総脂質への14C-酢酸ソーダの取り込みについては,FHとFL系統間で明らかな差は認められなかった.以上の結果から,飢餓抵抗能力を支配する要因としては,体脂肪蓄積量のみでなく他の要因も関与していることが明らかとなった.
  • 鈴木 修, 佐藤 匡美
    1980 年 51 巻 11 号 p. 760-765
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉牛の分娩後の繁殖機能と哺乳との関係を明らかにするために,分娩直後(0日離乳区),分娩後30日目(30日離乳区)及び分娩後60日目(60日離乳区)に離乳した黒毛和種27頭について分娩後の初回排卵,発情回帰,受胎性及び血中プロジェステロン濃度の変化を調べて比較検討した.0日離乳区の初回排卵は分娩後11日目頃に集中して起こり,哺乳している区に比べて有意に早まり,その約半数は明瞭な発情行動を伴った.一方,30日離乳区及び60日離乳区の初回排卵はすべて無発情排卵であり,分娩後初回排卵までの日数(23.4±5.9日及び33.3±16.1日)には両区間に有意差は認められなかったが,60日離乳区の分娩後の体重減少の大きかった牛において初回排卵が遅延する傾向にあった.また哺乳日数の長い区ほど第2回目排卵においても無発情排卵を繰り返す牛が多くなり,分娩後初回発情までの日は哺乳日数の長い区ほど長くなった(16.3日,40.3日,56.8日,P<0.01).初回排卵後のピーク時の血中プロジェステロン濃度は0日離乳区で高い値を示す傾向があったが,いずれの区においてもこの値は第2回目排卵後の値に比較して低く,また初回排卵から第2回目排卵の間隔も次回の排卵間隔に比べて短く,このことから初回排卵後に形成される黄体の多くは十分な機能を持たないと考えられた.分娩後40日目から授精を行った結果,分娩から受胎までの間隔及び受胎に要した授精回数には各区間に差はみられなかった.
  • 佐藤 博, 花坂 昭吾, 今村 照久
    1980 年 51 巻 11 号 p. 766-771
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種の新生子牛22頭を用いて,出生時から2時間後まで15分毎に採血して,血漿の遊離脂肪酸(FFA)•グルコース•フラクトースや乳酸濃度の変化を調べ,同時に直腸温も測定した.出生時のFFA濃度は非常に低く,生後急速に上昇し30~60分後に最高に達し,2時間後まで高レベルを持続した.グルコース濃度も出生時に低く,その後上昇して30~45分後に最高値に達した後に低下した.出生時にはフラクトース濃度がグルコース濃度よりも高い例が多く(18頭),また乳酸濃度も非常に高く,生後徐々に低下した.18頭では出生時の直腸温が母牛直腸温よりも高かったが,残りの4例では差がないかあるいは低かった.また,8例では2時間以内に直腸温がわずかに上昇したが,残りの14頭では低下していた.出生時の環境温度は-7~28°Cの範囲にあり,14°C以上の相対的に暖い時に生れた子牛では生後のFFA濃度の上昇が小さかった.しかし,血漿の他成分や直腸温の変化との間には関連を認めなかった.
  • 大島 正尚, 布施 洋, 石井 忠雄
    1980 年 51 巻 11 号 p. 772-778
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    多くの乳牛の乳成分の個体差による変動において認められるような電解質濃度と,乳固形分含量との間の負の相関関係が,同一個体の乳成分が変動する際にも成立つか否かを乳牛6頭にサイロキシンを投与して乳成分を実験的に変化させて調べた.その結果全例において電解質濃度の減少と乳糖濃度の増加を認めた.蛋白質含量と乳脂率は,あきらかに増加した個体と増加しない個体があった.電解質のうちNa濃度に変化はなく,KとCl濃度は乳糖濃度と逆に変動した.これらの実験結果から,乳汁の乳糖と電解質の分泌に関する生理学的調節機構に関する量近の学説を参考にして,電解質と乳固形分あるいはそれを構成する乳成分相互間の関係について考察した.
  • 野村 和男, 徳力 幹彦, 野村 晋一
    1980 年 51 巻 11 号 p. 779-785
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    日常の飼育管理下のホルスタイン種雌牛を用いて,行動形の記載[歩行(lo),起立(st),腹臥(sq)および睡眠(sl)と分類]を行ない,同時に心拍数を測定し両者の関係を調べた.1) 早朝期から薄暮期(3~21時)まで,ほぼ同様の行動形の分布を示し,起立の時間が長く,夜間は大部分の時間が腹臥の状態であった.2) 歩行と起立との間,および起立と腹臥との間で,心拍数の差は有意であった.3) 心拍数の変動と行動形の変化との対応が最も明瞭に現われたのは,牛房に単独で放置した場合であったが,パドック放牧の条件下でも対応関係はうかがえた.4) 心拍数の二頭同時記録では,それぞれの乳牛の心拍数の日内変動はよく似たパターンを示した.また反すう行動の有無にかかわらず心拍数は一定であり,採食時には心拍数が上昇した.
  • 野村 和男, 楠瀬 良, 徳力 幹彦, 野村 晋一
    1980 年 51 巻 11 号 p. 786-795
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    日常管理下で飼育されている馬の行動を48項日に分類して記号化し,12秒単位で48時間連続して観察記載した.分類表に従い,各動作,行動および歩行•姿勢(移動の形態)の頻度を調べ,馬の日常の行動の特徴を明らかにした.1) 1日を四区分し,その時間帯で各種の歩行および姿勢の占める時間の割合を調べた.この結果,昼間期(9~15時),ついでし早朝期(3~9時),薄暮期(15~21時)の活動量が高く,夜間期(21~3時)が低いという一定の行動パターンを示した.これは四季を通して同じ傾向を示したが,日常の管理様式に規制された結果と考えられる.2) 馬の睡眠は大部分が佇立したままdrowsyの状態でとり,腹臥ないし横臥位をとる睡眠は,1日に30~60分を占めるのみであった.3) 摂食時間は1日あたり35~50%を占め,そのにかでパドックでの食草と厩舎内での摂食に費やす時間がほぼ等しかった.また夜間,厩舎内では頸を下垂してじっと佇立している時期と,敷ワラや投草の摂食の時期とが交互に出現した.
  • 冨田 守, 田村 吉隆, 溝田 輝彦, 堀井 純
    1980 年 51 巻 11 号 p. 796-798
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 小松 正憲, 阿部 恒夫
    1980 年 51 巻 11 号 p. 799-802
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 花田 博文, 村松 晉
    1980 年 51 巻 11 号 p. 803-805
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 須崎 尚, 石田 直彦, 川島 良治
    1980 年 51 巻 11 号 p. 806-807
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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