環境汚染物質フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)を産卵鶏(バブコックおよび岩谷)に投与し,投与後の卵殼厚,卵殼重,卵重,卵殼指数,軟卵率を測定し,非投与鶏のそれらと比較した.さらに血清カルシウムイオン(Ca
2+)濃度を測定した.得られた結果は次のとおりである.1. B群(岩谷)において,卵重,卵殼重,卵殼厚および卵殼指数は,投与開始後16日間の平均値が,投与前10日間の平均植と較べて減少し,統計的に有意差が認められた.しかし,17日目以降は,投与前の水準に戻った.非投与鶏では,全期間を通じて大きな変化は認められなかった.2. AおよびC群(共にバブコック)では,卵殼厚の減少は認められなかったが,軟卵が数多く生産された.3. C群では,卵殼厚の変動が大きく,(投与区)非投与区の間で,5%水準で有意であった.4. C群では,投与区の血清C
2+濃度は非投与区のそれと比較して低い液を示し,1%水準で有意であった.
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