寒冷暴露めん羊の熱生産過程に占める低級脂肪酸代謝の役割を検索する目的で,反復寒冷暴露めん羊の肝スライスにおける
14C標識低級脂肪酸よりのCO
2,グルコース,ケトン体,コレステロールユステル,トリグリセリド,遊離コレステロール,遊離脂肪酸及びリン脂質への
14Cの取込みを観察した.
14C-酢酸よりのCO
2,グルコース,ケトン体への
14Cの取込みは暴露後1,4または7日目に増加し,コレステロールエステル,トリグリセリド,遊離コレステロール,遊離脂肪酸への取込みは同様に減少した.しかし,暴露4日目にケトン体への取込みの増減が逆転した.
14C-プロピオン酸よりのCO
2,グルコース,トリグリセリド,遊離脂肪酸,リン脂質への
14Cの取込みは暴露後1または4日目に増加し,コレステロールエステル,遊離コレステロールへの取込みは同様に減少した.しかし,暴露4日目に遊離コレステロールへの取込みの増減は逆転した.
14C-酪酸よりのGO
2,グルコース,ケトン体,トリグリセリド,遊離コレステロール,遊離脂肪酸,リン脂質への
14Cの取込みは暴露後1,4又は7日目に増加し,コレステロールエステルへの取込みは減少した.しかし,暴露4日目にコレステロールエステルへの取込みの増減は逆転した.本実験の結果は寒冷暴露めん羊の肝における低級脂肪酸の代謝利用の方向を明らかにした.
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