日本畜産学会報
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51 巻, 9 号
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  • 永村 武美
    1980 年 51 巻 9 号 p. 607-625
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 高橋 潤一, 増子 孝義, 遠藤 昌子, 百々 健一, 藤田 裕
    1980 年 51 巻 9 号 p. 626-631
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    反芻家畜の第一胃内亜硝酸塩蓄積及び血中メトヘモグロビン形成に関与する飼料的要因を知る目的で,ルーメンフィステル装着コリデール種去勢メン羊4頭を用い,NRC飼養標準に基づいてTDN及びDCPについて異なる4種の飼料給与区分:R-1(TDN100%;DCP100%),R-2(TDN50%;DCP100%),R-3(TDN100%;DCP50%),R-4(TDN50%;DCP50%)を設定し,4×4のラテン方格法による硝酸塩投与試験を実施した.硝酸塩は30gのNaNO3を30%(w/v)水溶液としてフィステルより第一胃内に投与した.1) 第一胃内NO3-Nの消長には有意な処理間差は認められなかったが,第一胃内NO2-NはTDN給与量の低い区で高い蓄積の傾向がみられた.さらに,この傾向はDCP給与量の高いR-2区では顕著であった.2) 血漿NO2-濃度はDCP給与量の高い区で比較的高い傾向を示した.また,血中メトヘモグロビン形成の程度はTDN給与量が低く,DCP給与量が高い条件下で高くなる傾向を認めた.逆に,TDN給与量が高くDCP給与量が低い条件下では血中メトヘモグロビン形成の程度は相対的に低いもこと考えられた.3) 赤血球GSH濃度の推移には有意な処理間差は認められなかったが,硝酸塩の投与により投与前の1.5μmole/ml cellsの水準から24~60%減少の傾向を示した.
  • 田先 威和夫, 谷中 正男
    1980 年 51 巻 9 号 p. 632-637
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    成長中の白色レグホーン種雄ヒナのエネルギー代謝について,とくに熱増加に及ぼす含硫アミノ酸(SAA)欠乏の影響を調査した.要求量に対してSAAを100%,70%,35%および0%含むアミノ酸混合物を窒素源とした精製飼料(ME13.kJ/g,窒素含量2.512%)を8日間にわたってヒナに自由摂取させた.エネルギー蓄積量は,屠体分析こ結果から求めた脂肪および蛋白質の蓄積量にそれぞれの熱量価を乗じて求めた.また熱増加(熱発生量-基礎代謝量)を求めるために,呼吸試験により基礎代謝量を測定した.ヒナの増体量および飼料効率は,SAA水準が35%および0%に低下すると著しく減少した.これらの区の摂取MEに対する熱発生量の割合は,SAA100%区に比して増加の傾向を示し,蓄積エネルギーの割合は逆に減少の傾向を示した.なお熱増加は各区間で大差はみられなかった.これらのことは,35%および0%区においてはMEの摂取量が制約され,維持のために消費されたエネルギーの割合が大きくなったためであると考えられる.
  • 楠原 征治
    1980 年 51 巻 9 号 p. 638-641
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Estrogenによって刺激された骨内膜細胞の細胞周期の時間を明らかにするために,最初,Estrogenを与えた雄の日本ウズラに3H-Thymidine注射を行って,大腿骨の骨内膜表面において注射後1時間の間に標識された骨内膜細胞の出現率を,オートラジオグラフィによって調べたところ,21-58%であった.次に,標識された骨内膜細胞の有糸分裂像の数を注射後の時間によって調べたところ,注射後4時間で50%,6時間で100%,10時間で50%の出現率を示した.これらの成績から,YOUNGの方法に従って骨内膜細胞の細胞周期を求めたところ,28時間であった.そのうち,DNA合成前期は16時間,DNA合成期は6時間,ANA合成後期と有糸分裂期は合せて6時間であった.雄ウズラにEstrogenを与えて引き起こされたMedullary bone形成の初期反応,すなわち,骨内膜細胞の分化とその細胞周期との関係が考察された.
  • 加世田 雄時朗
    1980 年 51 巻 9 号 p. 642-648
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    都井岬の御崎牧場は約300年間馬の放牧場として利用されてきた.この牧場の草地の急傾斜地にはほぼ等高線に沿って多数の馬道が形成されている.本研究は,傾斜地における馬の採食行動との関連から,この馬道の特性を明らかにする目的で行ったものである.馬道は傾斜角28度から51度の範囲の傾斜地に形成されており,馬道と馬道の間の斜面の草はほとんど全て採食されていた.馬道の巾は20cmから80cmの範囲で平均40cmであった.馬道間隔は扇山地区では60cmから220cmの範囲,小松ケ丘地区では100cmから250cmの範囲で,平均馬道間隔は両地区とも163cmであった.小松ケ丘地区では馬道間隔と傾斜角との間に有意の正の相関関係が認められた.御崎馬の平均体高を130cm,馬道の巾を40cmとして各傾斜角における馬道間隔の垂直成分と水平成分から,馬のき甲からすぐ上の馬道の外側端までの距離を算出した.その結果この距離と傾斜角との間に極めて高い負の相関関係が認められた.傾斜地における馬の採食行動及び斜面の採食状況の観察結果から,このき甲からすぐ上の馬道の外側端までの距離は,その傾斜角における採食可能な最大距離であると考えられた.よって傾斜地における採食可能な最大距離は傾斜角が大きくなる程短かくなることが明らかになった.以上の分析結果から馬道及びその間隔は,馬が傾斜地の草を採食利用する上で極めて合理的に形成されていると考えられた.
  • 高橋 潤一, 阿部 宏紀, 樋口 圭一, 藤田 裕
    1980 年 51 巻 9 号 p. 649-657
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    反芻家畜の第一胃内亜硝酸塩蓄積とメトヘモグロビン形成に関与する飼料の質的要因を知る目的で,TDN及びDCPに関して各々給源を異にする数種の飼料給与の影響を検討した.ルーメンフィステル装着去勢雄サフォークダウン種メン羊4頭を用い,NRC飼養標準に基づいてE (TDN 100%, DCP50%)とN(TDN 50%,DCP 100%)の2飼料給与区分を設定した,E給与区についてコーンスターチを主なTDN給源とした飼料区(E-1)とその一部を動物性油脂(E-2)あるいは蔗糖(E-3)で代替した3飼料区,また,N給与区では大豆粕を主なDCP給源とした飼料区(N-1)とその一部を尿素(N-2)あるいはカゼイン(N-3)で代替した3飼料区をそれぞれ設け,通算6期,6処理の硝酸塩投与試験を実施した.硝酸塩は24gのNaNO3を30%(w/v)水溶液としてフィステルより第一胃内に投与した.1) 第一胃内pH低下の程度はE給与区の方がN給与区より大きい傾向を示し,第一胃内亜硝酸塩の蓄積はN給与区の尿素及びカゼイン代替区で有意(P<0.05)に高い蓄積を示した.2) 血漿NO2-もN給与区の方がE給与区より高く推移し,特に尿素及びカゼイン代替区で有意(P<0.05)に高く,顕著なメトヘモグロビンの形成を示した.3) 赤血球GSH濃度には硝酸塩の投与及び処理による影響は認められなかった.
  • 西田 司一, 梅村 泰清, 新林 恒一, 元井 葭子
    1980 年 51 巻 9 号 p. 658-663
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    マウス,ラット,テンジクネズミ,ブタの精子全体(頭~尾)の容積をCoulter Chanalyser, Model-C-1000を用いて測定した.ブタでは射出精子,他動物では精巣上体尾精子を用いた.これらをO, Isotoneで2回洗滌したものをW, Sephadex (G-50 fine) gel柱で〓過したものをS材料とし,ラット以外の各動物においてO,W, Sの3種精子の体積を測定した.ブタのO,マウス,テンジクネズミのO, W, S,ラットのO, W精子は単峯曲線分布を示し,ブタのW, Sは双峯曲線を示した.Oの大部分の精子はマウス,ラット,テンジクネズミ,ブタにおいて,それぞれ10~50,10~35,1.25~8.75,5~45μ3の範囲に分布した.O曲線の峯はそれぞれ約20,20,2.5,14μ3にみられた.テンジクネズミ精子は他動物のものに比し非常に小さかった.確認はできなかったが,精子は破壊されたものと考えられる.ラット精子はSephadex柱通過困難で,S曲線は得られなかった.マウス,テンジクネズミではS曲線はO, Wに比し,左方(小)に移動した.ブタのW, S曲線は双峯性を示し,とくにSにおいて明らかであった,W曲線では左峯よりも右峯が高いが,S曲線では2峯はほぼ同じ高さを示した.これら左,右の峯が,それぞれYおよびX精子を示すかどうかは不明である.
  • 氷上 雄三, 杉田 俊幸, 長谷川 信, 水野 利雄
    1980 年 51 巻 9 号 p. 664-672
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    17%,33%,67%蛋白質飼料及び11%,39%脂肪飼料を,ふ化後10日齢まで給与したヒナを用いて,肝臓における脂肪酸合成能と脂質代謝に関連した中間代謝産物(ピルビン酸,乳酸,クエン酸,リンゴ酸,遊離型CoA,アセチル-CoA,長鎖アシル-CoA)の濃度との関係を調べた.飼料中の脂肪含量の増加に伴い,肝臓の脂肪酸合成能は低下した.蛋白質含量の増加によっても同様な傾向が認められたが,67%蛋白質飼料を給与した場合,脂肪酸合成能の低下は比較的小さく,17%蛋白質飼料を給与したヒナの59%の脂肪酸合成能を示した.乳酸/ビルビン酸比は飼料中の蛋白質あるいは脂肪含量の増加につれて減少した.しかし,33%蛋白質飼料と67%蛋白質飼料を給与したヒナの間に有意な差は認められなかった.67%蛋白質飼料を給与したヒナの肝臓におけるアセチル-CoAの濃度は,17%蛋白質飼料を給与した場合とほぼ同程度であった.39%脂肪飼料,33%蛋白質飼料を給与したヒナの肝臓における長鎖アシル-CoAの濃度は,17%蛋白質飼料の場合のそれぞれ,4.8倍,3.3倍であったが,67%蛋白質飼料では2.3倍に過ぎなかった.これに対し,クエン酸の濃度は,67%蛋白質飼料を給与した場合には17%蛋白質飼料の場合の15%に低下したが,11%,39%脂肪飼料及び33%蛋白質飼料の場合には17%蛋白質飼料の場合と差が認められなかった.
  • 長谷川 信, 佐藤 一義, 氷上 雄三, 水野 利雄
    1980 年 51 巻 9 号 p. 673-679
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    エストロジェンによる鶏の体脂肪増加の機構を調べる自的で,エストロジェン処理鶏の腹腔内脂肪組織を用いて,[1-14C]酢酸あるいは[1-14C]パルミチン酸のトリグリセリドへの取り込みおよびCO2への酸化を,in vivoおよびin vitroにおいて検討した.3週齢の白色レグホーン雄雛を用い,800μgの17β-エストラジオールを毎日7日間にわたって頸部皮下に注射した.[1-14C]酢酸の総脂肪酸への取り込み並びに[1-14C]パルミチン酸のトリグリセリドへの取り込みは,エストロジェン処理により,in vivoの実験では11倍並びに3倍に,in vitroの実験では3倍並びに4倍にそれぞれ増加した.これらの結果は,エストロジェン投与によりde novoのトリグリセリド合成が促進されることを示唆している.また,in vitroにおいて,[1-14C]酢酸のCO2への酸化は,エストロジェン処理により40%減少したが,[1-14C]パルミチン酸の酸化は3倍に増加した.これらの結果は,脂肪酸のCO2への酸化分解もエストロジェンにより促進されることを示唆しており,さらに脂肪酸のβ-酸化がエストロジェンにより促進されていることを推測させる.
  • 辻井 弘忠, 茂田 哲哉, 吉田 元一
    1980 年 51 巻 9 号 p. 680-682
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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