マウス,ラット,テンジクネズミ,ブタの精子全体(頭~尾)の容積をCoulter Chanalyser, Model-C-1000を用いて測定した.ブタでは射出精子,他動物では精巣上体尾精子を用いた.これらをO, Isotoneで2回洗滌したものをW, Sephadex (G-50 fine) gel柱で〓過したものをS材料とし,ラット以外の各動物においてO,W, Sの3種精子の体積を測定した.ブタのO,マウス,テンジクネズミのO, W, S,ラットのO, W精子は単峯曲線分布を示し,ブタのW, Sは双峯曲線を示した.Oの大部分の精子はマウス,ラット,テンジクネズミ,ブタにおいて,それぞれ10~50,10~35,1.25~8.75,5~45μ3の範囲に分布した.O曲線の峯はそれぞれ約20,20,2.5,14μ3にみられた.テンジクネズミ精子は他動物のものに比し非常に小さかった.確認はできなかったが,精子は破壊されたものと考えられる.ラット精子はSephadex柱通過困難で,S曲線は得られなかった.マウス,テンジクネズミではS曲線はO, Wに比し,左方(小)に移動した.ブタのW, S曲線は双峯性を示し,とくにSにおいて明らかであった,W曲線では左峯よりも右峯が高いが,S曲線では2峯はほぼ同じ高さを示した.これら左,右の峯が,それぞれYおよびX精子を示すかどうかは不明である.
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