日本畜産学会報
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53 巻, 1 号
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  • 堀米 隆男
    1982 年 53 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 直江 俊郎, 原田 英雄, 似里 健三, 砂子田 哲, 阿部 徹, 関島 忠人, 森岡 征夫, 横内 圀生
    1982 年 53 巻 1 号 p. 14-22
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳牛における泌乳能力検定簡便化の可能性を検討する目的で,11道府県試験場所有および近在農家のホルスタイン種初産牛の泌乳記録のうち,1963年から1977年に至る669頭の乳量,乳脂率についての成績を用い,種々の簡易,短期記録を統計遺伝学的に解析した.1. 泌乳能力検定の簡易化:乳量では,4週1日の測定による累計乳量の遺伝率は0.41と推定され,305日間毎日累計乳量の0.45と大差なく,これらの間の表型ならびに遺伝相関はそれぞれ0.99,1.00であったことから,月1日の簡易検定の可能性が示唆された.乳脂率では,月1回測定に基づく305日間平均乳脂率の遺伝率は0.58であり,機械的に2ヵ月に1回,3ヵ月に1回,あるいは選ばれた月の測定に基づく平均乳脂率など,簡易化した記録の遺伝率は実用的観点からみて低い値であった.2. 泌乳能力検定の短期化:乳量では,6ヵ月までの毎日累計乳量の遺伝率は0.41と推定され,305日間乳量との表型ならびに遺伝相関はそれぞれ0.95,0.98であった.乳脂率では,7ヵ月までの平均乳脂率の遺伝率は0.53であり,305日間平均乳脂率との表型ならびに遺伝相関はそれぞれ0.97,0.98であった.これらのことから,6~7ヵ月までの短期検定の可能性が示唆された.3. 泌乳能力検定の簡易•短期化:4週1日の簡易記録について,乳量,乳脂率の305日間記録との表型ならびに遺伝相関は,8ヵ月でそれぞれ.0.98,1.00;0.97,0.99と推定され,この月までの簡易•短期検定の可能性が示唆された.
  • 貴志 和男, 飯野 弘, 立川 征夫, 田鎖 高晴, 河西 直樹, 横内 圀生
    1982 年 53 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    11道府県試験場所有および近在農家のホルスタイン種初産牛の乳量記録のうち1963年から1977年に至る699頭の成績を用い,泌乳曲線実験式を簡便化した記録にあてはめ305日間乳量を推定し,その正確度を検討した.その結果,7ヵ月までの毎日記録に基づく305日間推定乳量では,遺伝率0.46,305日間乳量との表型,遺伝相関はそれぞれ0.96,0.99と推定され,この期間までの泌乳能力検定の短期化の可能性が示唆された.検定の短期化簡易化を組み合せた場合,1,2および3週間隔記録では,8ヵ月までの記録に基づく305日間推定乳量で遺伝率0.41~0.44,305日間乳量との表型,遺伝相関はそれぞれ0.97~0.98,0.97~1.00,4週間隔記録では9ヵ月までの記録に基づく305日間推定乳量で遺伝率0.39,305日間乳量との表型,遺伝相関はそれぞれ0.99,1.00と推定され,これらの期間までの簡易•短期化の可能性が示唆された.短期化および簡易化の記録に泌乳曲線実験式をあてはめた場合,この曲線を形成するパラメータの遺伝率推定値は,最高乳量を除いて不安定であった.また,305日間毎日記録より求められたパラメータとの相関は,乳量推定の場合と比べて若干低かった.
  • 寺田 文典, 田野 良衛, 岩崎 和雄, 針生 程吉
    1982 年 53 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    日本在来種ヤギ4頭を用い,エネルギー含量の異なる2種類の飼料を給与し,全糞採取法で消化試験を行う場合に必要とされる予備期間および本試験期間について検討を行った.採糞は24時間間隔で行った.1) 前給与飼料の影響をみるために切換え直後から30日間,毎日の排泄糞量,糞中のN,ADF,およびケイ酸含量について分析した.これらの変動より判断すると,前給与飼料の影響は5~10日前後で除去されるものと思われた.2) 糞中のN, ADF,およびケイ酸含量の変動に比べると排泄糞量の変動が大きく,排泄糞量の毎日の不規則性が消化率の精度に大きく影響することが示唆された.3)本試験期間を3,5,7日間として実験精度を比較したところ,日数が長くなるにつれて精度は向上するが,その度合はそれほど大きくなく,実験目的によっては本試験期間に7日を要さないことが示唆された.
  • 柴田 正貴, 向居 彰夫
    1982 年 53 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乾乳牛の熱発生量,体温などの生理機能に及ぼす環境温度ならびに濃厚飼料多給の影響を検討する目的で,第一胃フィステルを装着したホルスタイン種乾乳牛3頭を用いて実験を行なった.環境温度は,第1期:18°C(8日間),第2期:26°C(8日間),第3期:32°C(8日間),第4期:36°C(7日間)とし,相対湿度は各期とも60%とした,その結果,次のような知見をえた.1) 体温は,環境温度26°Cまでは生理的に正常とみなせる範囲内にあったが,32°Cにおいてわずかに上昇し,36°Cでは有意に高い値を示した.2) 脈拍数は,26°C,32°Cにおいて18°Cでの値に比べ有意に低い値を示し,36°Cにおいて有意な増加を示した.3) 呼吸数は環境温度の上昇とともに有意に増加したが,1回呼気量は32°Cまで有意な減少を示し,36°Cでは32°Cと同様の値であった.4) 熱発生量は,26°Cにおいて18°Cでの値にくらべ有意に増加したが,32,36°Cにおいては26°Cでの値とほぼ同様であった.また,日内変動は有意ではなく,採食後の熱増加も認められなかった,5) 体温と熱発生量との関係をvan't Hoffの係数でみると,18°C~36°Cにおいて値は0.075を示してvan't Hoffの法則に一致し,36°Cにおいては,ホルスタイン種乾乳牛の熱放散機能が効果を充分に発揮しえないことが示唆された.
  • 甫立 孝一, 甫立 京子, 川端 麻夫, 上家 哲
    1982 年 53 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種未経産牛4頭を2つの人工気象実験室に19日間収容して,環境温度を常温(16°C)から,低温(4°C)と高温(28°C)へ変換する短期間の温度感作が牛の血漿甲状腺刺激ホルモン(TSH)および甲状腺ホルモン濃度におよぼす影響を調べるとともに,甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の投与に対するこれらホルモンの反応が環境温度の変化により影響されるかどうかを検討した.血漿中のTSHおよび甲状腺ホルモン濃度は,それぞれラジオイムノアッセイで測定した.本実験で用いた環境温度条件下で,1) ホルスタイン種未経産牛の血漿TSH濃度は環境温度の変化により著しい影響を受けなかった,2) 温度変換開始後24時間の血漿甲状腺ホルモン濃度には温度感作の影響による変化が認められた,3) 外因性のTRHに対する血漿TSHおよび甲状腺ホルモンの反応の大きさは環境温度の変化により著しく影響されなかった.
  • 葛谷 泰雄, 金丸 義敬, 棚橋 保
    1982 年 53 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    脱脂乳から,レンネット処理,硫安沈殿,ブタノール処理,アセトン分画,1回目SephadexG-200ゲル〓過,DEAE-セルロース•イオン交換クロマトグラフィー,2回目Sephadex G-200ゲル〓過及びConcanavalin A/Sepharose 4Bによるアフィニティクロマトグラフィーによってアルカリ性ホスファターゼ(ALP)を比活性=43.13 unit/mg proteinに精製した.酵素標品はポリアクリルアマイド•ゲル電気泳動的に単一蛋白質から成ることが観察された.フラボノイド及び糖質が牛乳のALPにおよぼす影響について検討した.ALPはフラボノイドによって阻害され,モリン,クエルセチン及びナリンギンによる阻害は混合型でKi値はそれぞれ0.12,0.24及び0.12mMであった.ルチンは不拮抗型の阻害を示し,Ki値は0.27mMであった.他方,ALPはマンノース及びグルコースによって阻害されず,N-アセチルムラミン酸塩,N-アセチルノイラミン酸塩,D-マンノサミン及びD-グルコサミンによって阻害された.N-アセチルムラミン酸塩,N-アセチルノイラミン酸塩及びD-グルコサミンによる阻害は混合型でKi値はそれぞれ66,25及び22mMであった.
  • 田中 桂一, 高木 伸雄, 大谷 滋, 重野 嘉吉
    1982 年 53 巻 1 号 p. 50-55
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    炭水化物の配合量を変化させることにより,飼料中のエネルギー含量を増減させたときの鶏ヒナの肝臓における脂質合成能および脂肪酸合成に関与しているいくつかの酵素活性を検討した.肝臓中のトリグリセリド含量はME3200kcal/kgの飼料を,また全コレステロール含量はME1900kcal/kgの飼料を給与したヒナにおいて高い値を示した(P<0.01).肝臓中のリン脂質含量および血清中のNEFA濃度は,いずれのME含量の飼料を給与しても大きな差はみられなかった.肝臓切片における脂肪酸合成能,肝臓中のNADP-リンゴ酸脱水素酵素およびクエン酸開裂酵素の活性は,飼料のMEを1900から3200kcal/kgまで増加するとそれに伴って増加したが(P<0.01),さらに増してME3600kcal/kgにすると低下した.
  • 五十嵐 康雄
    1982 年 53 巻 1 号 p. 56-63
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    γ-カゼインと他カゼイン成分の相互作用を固定化γ-カゼインを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより調べた.全カゼインを1M NaClを含むpH7.0の0.05M燐酸緩衝液(I)に溶解し,γ-カゼインーセファロース4Bカラム(0.9×16cm)に添加した後,同緩衝液で溶出に,さらに,NaClを含まない同緩衝液,pH7.0(Ia), pH7.8(II),0.05Mトリス緩衝液,pH8.6(III),2Mおよび4M尿素を含む同緩衝液(IIIa, IIIb)で溶出した.得られた画分を4M尿素を含むディスク電気泳動により観察した.溶出温度30°Cでは,カゼイン成分は緩衝液Iでカラムに吸着されたが,20°Cでは一部吸着されずに溶出し,2°Cでは吸着された量が少なく,温度により著しく影響された.20°Cおよび30°Cで緩衝液IaおよびIIにより溶出された画分には,すべてのカゼイン成分が含まれていたが,緩衝液IIIではαs (minor αsを含む)-カゼイン,IIIaではαs-およびκ-力ゼイン,IIIbではκ-カガインが溶出され,またγ-カゼインは30°Cの時緩衝液IIIで溶出した.β-およびκ-カゼインをカラムに添加した時の溶出図は全カゼイン中における両カゼインの溶出傾向と一致にたが,αs-カゼイン(緩衝液Iaに溶解に,緩衝液Iを省く)は緩衝液Iaで溶出された.全カゼインを添加した時の強く吸着したαs-カゼインは,おそらくκ-カゼインとの相互作用によるものと思われた.以上の結果より,γ-カゼインは他カゼイン成分と主として疎水的に相互作用し,特にκ-カゼインと強く結合することが分った.
  • 眞鍋 昇, 石井 隆, 石橋 武彦
    1982 年 53 巻 1 号 p. 64-66
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 高坂 哲也, 新村 末雄, 石田 一夫
    1982 年 53 巻 1 号 p. 67-69
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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