日本畜産学会報
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56 巻, 7 号
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  • 宮本 元
    1985 年 56 巻 7 号 p. 539-549
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 小堤 恭平, 河上 尚実, 山崎 敏雄, 假屋 喜弘, 古川 良平, 松本 英人
    1985 年 56 巻 7 号 p. 550-556
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    放牧育成法の差異が血清成分および酵素活性に及ぼす影響を調査するために,2年間にわたり黒毛和種去勢牛(21頭)およびホルスタイン種去勢牛(22頭)を山地および平地に放牧した.放牧開始時,中期および終牧時に採血し,血清成分および酵素活性について測定した.これらの測定値はついて,放牧地の標高,品種,採血時期および放牧の年度間における有意差検定を行なった.その結果,放牧地の標高については尿素態窒素,総コレステロール,クレアチンフォスフォキナーゼおよび総蛋白で差が見られ,このうち尿素態窒素,総コレステロールおよびクレアチニンフォスフォキナーゼは高地で有意に高く(P<0.01),総蛋白は低地で有意に低かった(P<0.01).品種問では,黒毛和種のアルカリフォスファターゼ,尿素態窒素およびグルタミン酸-オキザロ酢酸トランスアミナーゼがホルスタイン種より有意に高く(P<0.01),ホルスタイン種の総蛋白および血糖は黒毛和種より有意に高かった(P<0.01),採血時期間では,アルカリフォスファターゼ(P<0.01),尿素態窒素(P<0.01),クレアチンフォスフォキナーゼ(P<0.01),血糖(P<0.01)およびα-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素(P<0.05)で有意差が見られた.年度間ではグルタミン酸-オキザロ酢酸トランスアミナーゼ,ダルタミン酸-ピルビン酸トランスアミナーゼ,乳酸脱水素酵素および総蛋白で差が見られ,グルタミン酸-オキザロ酢酸トランスアミナーゼ,グルタミン酸-オキザロ酢酸トランスアミナーゼおよび乳酸脱水素酵素は1980年度が有意は高く(P<0.01),総蛋自は1981年度が有意に高かった(P<0.01).
  • I. モデル
    広岡 博之, 山田 行雄
    1985 年 56 巻 7 号 p. 557-565
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牛肉生産の基盤である成長と生産効率に関与する要因を総合的に考察するために,肉用牛に関する個体レベルのコンピューターシミュレーションモデルを作成した.このモデルにおいては,エネルギーの流れに関しては,ARCの代謝エネルギーシステムの情報をもとに,肉生産その他に関しては,記録数が多く信頼姓の高いデータから導かれた回帰式をもとに組み立てられており,情報の欠けている部分は,理論式を仮定して補われている.このモデルでは,インプットする情報として,設定した期間ごとの給与飼料の量と質,成熟時体重,肥育開始時の体重および日齢,および経済的情報があり,これらから間ある期間における1日当りの増体量,タンパクおよび脂肪の蓄積量,ならびにこれらを累積することにより任意の日齢における体重,体構成成分,枝肉組成が求められ,さらにさまざまな生物学的経済的効率を求めることができる.実例として,京都大学付属高原牧場において肥育飼養された去勢牛のデータと,そのデータをインプットした結果を比較検討した.最後にモデルを用いたシステム分析の有効性と可能性について考察した.
  • 五十嵐 喜治, 神山 博美, 手塚 正好, 保井 忠彦
    1985 年 56 巻 7 号 p. 566-570
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    開花直前に採取した赤クローバー茎葉の天霞乾燥に伴なう,遊離アミノ酸,全アミノ酸およびタンパク質中のアミノ酸の変動について,合わせてまた,通風乾燥に伴う全アミノ酸の変動について検討した.遊離プロリンおよび全プロリン含量は天日乾燥5日で,それぞれ37,1.9倍に増加した.一方,通風乾燥茎葉では全ブロリン含量の増加が認められなかった.全メチオニン,全リジンおよび全チロシン含量は天日乾燥5日でそれぞれ,23,24,20%減少し,その減少量は他のアミノ酸に比べて比較的大きかった.天日乾燥5日の茎葉から分離したタンパク質中のメチオニン,リジンおよび有効性リジン含量は,凍結乾燥茎葉(天日乾燥0日)から分離したものに比べ,それぞれ,17,9,,16%少なかった.したがって,赤クローバーの天日乾燥過程では,とくにメチオニン,リジンが損傷し,栄養価が低下にるものと推察された.
  • 堤 将和, 大高 文男
    1985 年 56 巻 7 号 p. 571-576
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    グリシン添加塩せき液のS. typhimuriumに対する抗菌性,ならびに本菌に対するグリシンの抗菌作用について検討した.1) グリシン添加塩せき液(4°C)中でS. typhimuriumを一定期間(1~6日間)保存したところ,本菌は食塩,壇化マグネシウム,デオキシコーレイトに対して感受性となった.特に6日間保存した場合,5%食塩ならびに5%塩化マグネシウムに対する感受性は著しく増大し,普通ブイョンで27時間培養しても本菌の増殖は認められなかった.2) グリシンの抗菌力は酸性域で弱く,中性からアルカリ性域で強くなる傾向を示した.3) 本菌は普通ブイヨン培地中で8%の食塩濃度まで増殖可能であるが,この培地に0.5%のグリシンを添加すると増殖可能な食塩濃度は3%に,1%グリシンでは2%まで低下した.亜硝酸ナトリウムとグリシンの併用効果は極めて弱いものであった.4) 本菌の細胞膜結合酵素であるコハク酸脱水素酵素(SDH)を指標として,グリシンの細胞膜系に対する作用を検討した.グリシンは基質および水素受容体の外膜透過性を著しく促進させ,みかけ上SDHの活性を高めた.しかし膜画分のSDH活性に対するグリシンの影響はみられなかった.このことから,本菌に対するグリシンの作用部位の一つは,外膜層であろうと推定した.亜硝酸ナトリウムは本菌のSDH活性を強く阻害した.
  • 山崎 昌良
    1985 年 56 巻 7 号 p. 577-582
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    鶏における飼料の代謝エネルギー(ME)を測定する場合,基礎飼料の粗蛋白質(CP),添加油脂,および粗繊維含量がME測定値にどのような影響を及ぼすか,雛および雌成鶏を用いて検討した.CP含量15,25および35%の基礎飼料を用い,トウモロコシ,大豆粕,魚粉および脱脂米ヌカのMEを,雛を用いて測定した結果,大豆粕,魚粉のMEはCP含量の違いによる有意差は認められなかったが,トウモロコシ,脱脂米ヌカのMEは15%区で有意に低い値を示した.雌成鶏を用いた場合,脱脂米ヌカのMEはCP含量の違いによる有意差が認められなかったが,トウモロコシ,魚粉および大豆粕のMEはCP15%区で有意に高い値を示した.添加油脂(黄色グリース)含量0,4および8%の基礎飼料(雛ではCP含量25%,雌成鶏では15%)を用い,トウモロコシ,大豆粕および脱脂米ヌカのMEを測定した結果,雛および雌成鶏いずれも大豆粕のMEは添加油脂含量の高い区で高い値を示したのに対し,トウモロコシ,脱脂米ヌカでは逆に添加油脂含量の0区で高い値を示した.また基礎飼料中の粗繊維含量の違いは,供試飼料のMEに有意な影響は認められなかったが,粗繊維含量が高いと飼料エネルギーの利用率の低下が示唆された,以上の結果から,飼料の代謝エネルギーの測定用基礎飼料のCP含量は,アミノ酸バランスのとれた蛋白質であるならば,雛を用前る場合には少なくとも日本飼養標準(19%)から25%前後,雌成鶏では15%程度が適当である.また油脂類の添加や高粗繊維含量飼料を基礎飼料とすることは適当でないと思われる.
  • 関根 純二郎, 近藤 誠司, 大久保 正彦, 朝日田 康司
    1985 年 56 巻 7 号 p. 583-587
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳成分含量により乳エネルギー価を推定するため,年齢,乳期,給与飼料,飼養季節の異なる46頭のホルスタイン種搾乳牛の朝夕2回計92サンプルの乳にについて分析した.乳成分とエネルギー価の相関から,全固形分,乳脂率,SNF率および蛋白質率がエネルギー価と関連が高いことが認められた.これらの成分とエネルギー価との回帰分析により,単一の成分では,全固形分による式が最も精度が高いが,乳脂率およびSNF率による推定式の標準誤差が小さく,乳エネノルギー価推定には,以下の式:エネルギー価(MJ/kg)=0.343×乳脂率(%)+0.199×SNF率(%)+0.005,が最適であると結論した.この式によるエネルギー実測値一推定値で求めた誤差は,平均-0.5KJ/kgであり,乳成分の変動にによってもその誤差が影響されることはなかった.既往のデータを基にしたエネルギー推定値も実測値とかなりよく一致した.
  • 土井 守, 河南 保幸, 加藤 征史郎, 苅田 淳
    1985 年 56 巻 7 号 p. 588-597
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    明暗による松果体の組織変化を確かめるため,孵卵中のニワトリ胚子の松果体に対する連続照明または連続暗黒の影響を検索した.暗黒区の松果体は順調に発達して多数の小胞構造が形成されたのち,孵化日には実質の緻密化や小葉化が認められた.また,実質における酸性およびアルカリ性ホスファターゼ,モノアミン酸化酵素およびコハク酸脱水素酵素の活性は発生の進行とともにしだいに高くなった.しかし,連続照明区の松果体の場合,孵卵14日目には小胞構造が暗黒区に比べよ著しく少数で,孵卵18日目や孵化日の松果体でも,組織の発達が明らかに抑制され,酸性ホスファターゼおよびモノアミン酸化酵素の活性は,暗黒区よりも常に弱かった.さらに,照明区の松果体細胞は暗黒区のものに比べて明らかに萎縮して細長く,染色顆粒が減少していた.これらの結果,孵卵中のニワトリ胚子の松果体は明らかに外界の光に反応し,その組織形成および機能発達がともに抑制されることが確かめられた.
  • 西田 隆雄, 林 良博, 橋口 勉, Supraptini MANSJOER
    1985 年 56 巻 7 号 p. 598-610
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1977年,1978年および1981年の調査によって,インドネシアにおける野鶏の形態学的同定と分布ならびに赤色野鶏と緑襟野鶏の生態学的相互関係が検討された.ジャワの赤色野鶏6羽,スマトラとスラウェシの赤色野鶏8羽および緑襟野鶏14羽を計測し,その主成分分析を行い,次の結果をえた.(1) 第1主成分では,雄のG. gallus gatlusとG. gallus bankiaaならびに雄と雌の緑襟野鶏は明瞭に区別されるが,第2主成分では区別されなかった.(2) 第1•2主成分において,緑襟野鶏の雄はG.g adlusとは区別されるが,G. g. bankivaとは少し重複する.また31地点における聴きとり調査の結果,次の生態学的特徴が明らかにされた.(3) スマトラとスラウエシにはG. g. gallusだけが生息し,ジやワ,バリおよびロンボクにはG. g. bankivaと縁襟野鶏とが分布している.(4) G. g. bankivaは深い森林に生息し,緑襟野鶏は森林のみならず耕作地に近いくさむらにも生息し,同一地域にすむ両種間に明瞭な生態的隔離が認められる.
  • 仁木 良哉
    1985 年 56 巻 7 号 p. 611-612
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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