日本畜産学会報
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58 巻, 12 号
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  • 城内 仁, 鈴木 三義, 光本 孝次
    1987 年 58 巻 12 号 p. 997-1003
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    昭和60年度からの北海道における乳牛群検定成績の計算方法の改正に伴い拡張係数を再検討した. また乳量, 乳脂量, 無脂固形分量の部分記録の拡張に対する泌乳レベルごとの記録区分および泌乳ステージの細分化の必要性を検討した. 使用したデータは北海道乳牛検定協会により, 昭和50-59年度までに集積されたホルスタイン種雌牛の305日完全記録から抽出した延べ358, 869頭の泌乳記録を新方式により再計算したものである. 部分記録を拡張する方法は, 現在北海道で使用されている回帰式によるLSP法を改訂したRLSP法と泌乳量減少率あるいは空胎日数を考慮した重回帰式によるDCR法, DPN法で, 各方法は5, 000個のデータをあてはめて平均絶対誤差と予測標準誤差を用いて予測精度を検討した. 1) 拡張係数は泌乳ステージに対し連続的に推移し, 産次, 分娩季節に伴う泌乳パターンと密接に関連することが示唆された. 2) 乳量と無脂固形分量の両拡張係数は近似した値をとり, 乳量の拡張係数を無脂固形分量にも代用し得ることが推察された. 3) 高泌乳記録と全泌乳記録からそれぞれ推定した拡張係数の間には顕著な相違は認められず, 記録区分による予測精度の向上も認められなかった. 4) 3つの推定方法の比較では, 全泌乳ステージを通じて方法間に顕著な相違は認められなかった. しかし泌乳ステージを細分化した本分析のRLSP法は, 現行のLSP法に比較して明らかに推定精度が向上した.
  • 浜田 久, 佐々木 義之
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1004-1010
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    絶食条件下の反芻動物におけるアミノ酸からの糖新生に対するグルココルチコイド (GC) の役割について, ヒツジを用いて検討した. まず, 組織から血液中へのアミノ酸動員に対するGCの効果を明らかにするために, 副腎摘出 (ADX) 前後における血中アミノ酸の変化を絶食条件下で比較してみた. つぎに, 絶食条件下において正常群およびADX群に糖原性アミノ酸の一つであるアラニンを投与し, 肝臓や腎臓におけるアラニンからの糖新生に対して, GCがどのように関与しているかについて検索した. 1) ADX前では絶食しても, 血中総遊離アミノ酸は変化しなかった. 一方, ADX後絶食によって低血糖症状を示した時期には, 血中総遊離アミノ酸は約30%減少した. 2) セリン, スレオニン, バリン, グルタメイト, イソロイシンならびにロイシンの7種の各アミノ酸もADX後絶食によって明らかに減少した. 3) ADX群では絶食時にアラニンを投与すると, 血糖値が前値25±4mg/100mlから投与3時間後に41±3mg/100mlにまで上昇し, その後8時間この水準に維持された. ADX群における血糖の増加率は正常群に匹敵するものであった. 4) 以上の結果から, グルココルチコイドはアミノ酸からの糖新生に至る過程では, 組織から血液中へのアミノ酸動員の段階に深く関与するものと考えられる.
  • 浜田 久, 清野 裕, 並河 澄
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1011-1016
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    飼料給与条件下においては, 副腎を摘出したヒツジでも一定水準以上の血糖を維持しており, この際の血糖調節にはグルココルチコイド (GC) 以外の因子が重要な役割を演じているのではないかと考えられる. そこで, 糖代謝に関与する重要なホルモンであるグルカゴンおよびインスリンの両膵ホルモンとGCの関係を明らかにする目的で以下の実験を行なった. 同一のヒツジに対して, 正常期, 副腎摘出 (ADX) 後GCを投与したADX-GC期ならびにその後GC投与を停止したADX期のそれぞれにおいて血糖, 血中インスリン, グルカゴンならびにインスリン/グルカゴン (I/G) モル比の変化を経日的に検討した. 1) ADX-GC期における血糖値は, 正常期に比し約30%高値を示した. ADX期の血糖はGC投与停止直後より急速に低下し, 正常期の10-20%低値を示した. ADX期ではその後も血糖は低値を維持した. 2) ADX-GC期の血中インスリンは正常期に比し2倍の高値を示したが, GC投与を停止して15日から30日を経過すると, ADX-GC期の1/3以下にまで低下した. これら三期の血中インスリン変動は, 血糖の変化と同様な傾向を示した. 3) 一方, ADX-GC期の血中グルカゴンは正常期に比し低値を示したが, ADX後期には正常期の値に回復した. すなわち, 血中グルカゴンは血糖および血中インスリンと拮抗した変化を示した. 4) そこで, インスリンとグルカゴンの相互関係をさらに詳細に検討する目的で, 両膵ホルモンのI/Gモル比にっいてみると, ADX-GC期の血中I/Gモル比は正常期の1.3に比し3.1-4.1と2倍以上高値を示し, ADX後期には正常期の1/2以下の0, 5の低値となった. 5) 以上の結果から, 飼料給与条件下におけるADX期の血糖維持は, 血中インスリンの相対的な低下と共に, ゲルカゴンが上昇してその糖新生作用によって行なわれていることが明らかとなった.
  • 鈴木 一憲, 永井 廣, 玉手 英夫
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1017-1023
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    種の有蹄類・ウシ, ヤギ, ヒツジ, ニホンジカ, クビワペッカリー, カバおよびウマの胃粘膜の粘液物質についてアルシアンブルー (pH 2.5) 一過ヨーソ酸シッフ反応 (AB-PAS) と高鉄ジアミンーアルシアンブルー (pH 2.5) 染色 (HID-AB) を用いて組織化学的に調べた, 今回調べた7種の有蹄類では酸性粘液物質が多く見られた. すなわち, 反芻亜目ではスルフォムチンが多く, イノシシ亜目では中性粘液物質に加えシアロムチンやスルフォムチンも多く見られた. ウマでは中性粘液物質とシアロムチンが観察された, これらの動物はいずれも草食性か繊維質食をともなう雑食性であることから, 酸性粘液物質の存在は草食性と関係すると推察された.
  • 左 久, 西 紀雄, 日高 智, 岡田 光男
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1024-1031
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    肥育素牛の採食行動と肥育成績との関連性を検討する目的で, 黒毛和種去勢牛を9カ月齢時および12ヵ月齢時にそれぞれ6頭導入し, 濃厚飼料と乾草の混合飼料を1日2回不断給与し, 24ヵ月齢まで肥育した, 肥育開始1ヵ月後に, 各供試牛の採食行動を観察し, 1日の採食行動パターンの特色, 1日採食量と, 肥育期間中の増体量, 飼料利用効率, 解体成績との関係を検討した.
    12カ月齢および9カ月齢導入牛は等月齢時の季節が異なったが, 両者の肥育期間中の平均日増体量はともに0.70kg, TDN要求率は7.87で同じであった. 一方, 枝肉中の分離脂肪含量は肥育末期が冬になった12ヵ月齢導入牛の方が多かった.
    体重あたりの第一・二胃組織重量の大きい牛が1日採食量が多いとは限らず, 肥育牛の採食量調節における消化管容積的要因の関与は大きくないものと思われた.
    供試牛の導入約1ヵ月後の1日採食量は, 体重の2.6-2.4%に相当し, 1日の採食回数は約11回, 1回の採食時間は11-14分であった. 1日の採食行動を1時間ごとの採食量で表すと, 肥育期間中の平均日増体量が0.8kg以上の牛は給飼直後の1時間に1日採食量の約30%を摂取し, 日増体量が0.7kg以下の牛では20%以下で, 給飼後短時間に多量の飼料を摂取する牛ほど増体成績がよかった.
    供試牛の給飼直後30分間の採食量は1日採食量との間に有意な正の相関関係が認められると共に, 肥育期間中の平均日増体量や肥育終了時の肥育度指数との間にも有意な正の相関関係が認められた. これらのことから, 肥育開始時期の素牛の給飼直後30分間の採食量は生理的要求量をよく反映し, 将来の肥育成績を予測する上での判断材料の一っになり得ることが示唆された.
  • カゼインミセル濃度および温度の影響
    仁木 良哉, 佐々木 寿幸
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1032-1039
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    低周波振動型のゲル強度測定装置を用いて, 非破壊の条件下でカゼインミセル液のレンネットによるゲル化, 特に, ゲル化の開始時間, ゲル化速度, 最大ゲル強度の濃度及び温度依存性についてを追究した. ゲル化開始時間は2%濃度までは急激に減少し, その後, ほぼ一定の値となるが, ゲル化の速度は濃度と共に増加する. 最大ゲル強度は濃度の約2.4乗に比例する.
    ゲル化の開始時間は約30℃までは温度上昇と共に急激に減少する. また, ゲル化の速度は30℃までは増加するが, それ以上の温度では一定となった. 最大ゲル強度は約32℃までは増加するが, それ以上では減少する傾向を示した. Arrhenius Plotsにより, ゲル化の活性化エネルギーとして21kcal の値が得られた.
  • 佐藤 哲生, 吉野 正純, 北田 徳蔵, 古川 左近, 染谷 幸雄, 橋詰 和宗, 森地 敏樹
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1040-1047
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    生乳の細菌数の迅速自動測定装置Bactoscan 17600 (A/SN. Foss Electric, Denmark) の性能試験を, 生乳試料 (一部, 7℃または30-37℃で培養し, 菌数を増加させたものを含む) 305点を用いて実施した. 対照として, 標準平板培養法により生菌数を, Breed法により直接鏡検個体数 (全菌数) を測定した. その結果, (1) Bactoscanにおけるキャリーオーバー効果は, 前に測定した試料が, 次の試料に比べて25倍以上高い測定値を示す場合にのみ補正を要すること, (2) 同一試料を測定して得た2つのインパルスの対数変換値間の相関係数は, 0.999であり, インパルスのバラツキ具合は, 変動係数で2.3-7.7%となり, その繰り返し精度は, 公定法に比べて, 優れていること, (3) Bactoscanのインパルスの対数値と生菌数あるいは全菌数のそれとの相関係数はそれぞれ0.921, 0.936であり, 生菌数が104-108/mlの範囲で, 本機は生乳の細菌学的品質評価に利用しうること, (4) 防腐剤を添加した試料でも, 本機によって, おおよその細菌数レベルを知ることができることを明らかにした.
  • 吉野 正純, 佐藤 哲生, 北田 徳蔵, 古川 左近, 染谷 幸雄, 橋詰 和宗, 森地 敏樹
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1048-1053
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    生乳中の細菌数の測定で, Breed法の適用性の限界, 並びにBreed法による直接鏡検個体数 (全菌数) と標準平板培養法による生菌数との関係を, 別報のBactoscan 17600 (A/S N. Foss Electric, Denmark) の性能試験で得た成績を用いて検討した.
    生乳305点で, Breed法で求めた全菌数の対数値とBactoscanのインパルスのそれとの相関係数は, 0.936であったが, これをBactoscanのインパルス1000 (約50万/mlの細菌数に相当) 以下の場合, 1000~10000の場合, 10000以上の場合に分けると, それぞれ, 0.491 (n=70), 0.809 (n=144), 0.824 (n=91) となり, 最初のものは, 著しく低い値を示し, Breed法の適用性の限界が示唆された. また, Bactoscanのインパルスで1000以上を与える試料について, 全菌数の対数値と生菌数のそれとの相関係数は0.819であった. 生菌数を何倍すれば, 全菌数に見合う数値になるか調べるため, 生菌数に種々のファクターを乗じた値を求め, 対応する全菌数の, この積に対する比率の度数分布を比較した. この結果, ファクターが3.5の場合, 全菌数/(生菌数×ファクター) で計算される比が0.33~3.0の範囲に入る試料の (点数の) 割合が84.7%と最大となり, かつヒストグラムの形も左右対称に最も近かった. 即ち, 生菌数に, 3.5を乗じた値で, 直接鏡検個体数のオーダーを把握できることが明らかとなった. そして, この値は生乳中に分布する細菌の菌塊 (コロニーの形成単位) の平均個体数に相当すると考えられる.
  • 足立 達, 伊藤 散敏, 畠山 信行
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1054-1058
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    鶏胎便のシアル酸調製用原料としての可能性を明らかにする目的から, 初生ひなの雌雄鑑別時に排出される胎便について, そのシアル酸の種類と分布をしらべた.
    鶏胎便中のシアル酸は, 透析画分中にN-アセチルノイラミン酸と, N-グリコリルノイラミン酸以外の未同定のノイラミン酸との2種類として, また, 非透析画分中にN-アセチルノイラミン酸として存在する. これらの画分中のシアル酸含量は, 乾物量の約2-3%であり, 鶏胎便がシアル酸調製用給源となりうることを示唆している. 全シアル酸の約60%は遊離型として透析画分に, 残りは非透析画分に結合型として分布するが, 後者の画分ではシアル酸は, 硫酸アンモニウム飽和によって沈殿する画分に多く含まれている. この画分は6種のシアル酸含有タンパク質から構成され, 分子量39000の成分の少量含まれることを別とすれば, 分子量20000以下の成分が主体である. ヒト胎便と異なって, 硫酸アンモニウム飽和によって沈殿しない画分は量的に少なく, その主成分は硫酸アンモニウム飽和によって沈殿する成分よりも低分子量であり, また, シアル酸含量も低い.
  • 柿市 徳英, 橋口 明彦, 鎌田 信一, 伊藤 整, 山野 秀二, 内田 和夫
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1059-1066
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    ビタミンB12は多くの植物性プランクトンの増殖因子であることから湖沼等の富栄養化の一因子とされている.そこで, 活性汚泥中のビタミンB12含量を抑制するために, その処理条件と汚泥中のビタミンB12含量との関係を調査した。ビタミンB12の測定はE.coli215株を用いる微生物学的定量法によった.
    その結果, 滞留時間が長いほどビタミンB12含量は低かった.汚泥中のビタミンB12含量はSVI値の増加に伴って増加し, それらの間に高い相関 (r=0.849) が得られた.また, ビタミンB12含量とBOD-SS負荷との間にも高い相関 (r=0.843) が認められ, さらに, ビタミンB12含量と処理水のTOCとに相関 (r=0.781) があった.
    以上より, 活性汚泥中のビタミンB12濃度を抑制するには滞留時間を長く, BOD-SS負荷を小さくするとともに処理水質を良好にするように運転すべきことが明らかとなった.
  • 小山 久一
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1067-1077
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    結紮後のラット精巣輸出管上皮細胞 (上皮細胞) における精子貧食を明らかにするため, 走査型および透過型電子顕微鏡観察を行なった.走査型電子顕微鏡観察では, 結紮後24時間目に, 上皮細胞のうち非線毛細胞において精子貪食像が見られた。貪食精子の多くは頭部から非線毛細胞内に取り込まれ, 精子中片部および尾部からの貪食は極めて少なかった.精子貪食は次のような過程で進行するものと思われた.(I) 精子頭部の一部が非線毛細胞と接触すると, 接触部位を取り囲むように細胞表面に偽足状突起が形成される.(II) 偽足状突起は精子頭部を覆い, 精子頭部を細胞内に引き込み, ついで精子尾部方向に隆起伸張しつつ, 尾部をも取り込んでゆく.(III) 非線毛細胞内に取り込まれた精子は, 細胞膜アクロゾームおよび核の順に崩壊し, 消化される.
    結紮後の上皮細胞内酸性ホスファターゼ反応は, 非線毛細胞に取り込まれた崩壊精子の周囲に高電子密度の沈着物として観察され, 貪食された精子は細胞内ライソゾーム酵素により消化されるものと考えられた.これらの結果から, ラット精巣輸出管上皮細胞における精子貪食は結紮処理により容易に発現させ得ることが示された.
  • 和田 康彦, 西田 朗
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1078-1085
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    黒毛和種雌牛の経時的に測定された体重記録にBERTAANFFYの非線形発育モデルをあてはめて発育様相形質を算出し, それらについて統計遺伝学的分析を行なった. データとしては農林水産省宮崎種畜牧場鹿児島支場で1964年から1981年の間に生産, 育成された203頭の黒毛和種雌牛の体重記録を用いた、分散分析の結果, 生れ年の効果はすべての形質で有意性が認められた (P<.05). 母牛日齢への1次回帰も成熟体重を除くすべての形質で有意性が認められた (P<.01). 生れ年内種雄牛の効果は成熟体重と成熟速度で有意性が認められ, 季節の効果は成熟速度で有意性が認められた (P<.01). 生れ年別の最小自乗平均値は成熟体重で年々増加し, 生時成熟度は年とともに減少していた. HENDRRSONの方法3で求めた遺伝率の推定値は成熟体重で. 82±.31, 成熟速度で1.03±.31, 生時成熟度で. 39±.29であった.また, 成熟体重と成熟速度の問の遺伝相関は一.64±.47と推定された. 以上の結果より選抜によって成熟体重を一定に保ちながら成熟速度を改良することは困難であることが示唆された.
  • 佐野 宏明, 李 相洛, 佐藤 ふじみ, Mario ORLANDI, 佐々木 康之, 津田 恒之
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1086-1094
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    採食に伴うインスリン分泌に対する生理的レベルの第一胃内プロピオン酸および暑熱の影響を明らかにするために, めん羊にアルファルファヘイキューブ単一飼料あるいはアルファルファヘイキューブにプロピオン酸カルシウム (10mmo1/kgBW) を添加した飼料 (高プロピオン酸飼料) を給与し, 常温 (20℃) あるいは暑熱 (30℃) に暴露した. 採食に伴って第一胃内揮発性脂肪酸 (VFA) 濃度は増加し, 特に高プロピオン酸飼料給与時のプロピオン酸濃度が著しく増加した. 採食後の血漿グルコース濃度はアルファルファヘイキューブ単一飼料給与時よりも高プロピオン酸飼料給与時の方が高く推移した。血漿インスリン濃度は両環境ともアルファルフアヘイキューブ単一飼料給与時に二相性の分泌を示し, 高プロピオン酸飼料給与時には速やかに著増した. アルファルファヘイキューブ単一飼料給与時において血漿インスリン濃度は採食後初期の段階では常温時よりも暑熱時に高い傾向を示した. 血漿グルコース濃度に環境温度による差は認められなかった. 以上の結果より, めん羊において生理的レベル内のプロピオン酸の第一胃内投与はインスリン分泌を引き起こすと結論される. 通常飼料給与時に血漿インスリン濃度は常温時よりも暑熱時に高い傾向にあるが採食に伴うインスリン分泌反応に差はないと思われた.
  • Tateki CHIKAMUNE, Yukio KANAI, Hideya HOMMA, Toleng ABDUL-LATIEF, Naot ...
    1987 年 58 巻 12 号 p. 1095-1097
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    Body temperature of buffaloes is highly correlated with the seasonal and diurnalchanges of air temperature, unlike in Holstein cattle. Furthermore, the stimulus ofexposure to a high environmental temperature for the initiation of the thermoregulatorymechanism via both respiratory and body surface vaporization is less effectiveand the degree of body temperature lability is greater in buffaloes than in cattle.Since active heat dissipation by respiratory and body surface vaporization is controlledby a thermostat-like mechanism located in the central nervous system it was deemedinteresting to determine the threshold of body core temperature at which such aevaporative cooling mechanism becomes active when buffaloes are abruptly exposed tohigh environmental temperatures.
  • 1987 年 58 巻 12 号 p. 1122a
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    印刷時におけるコンピューターの操作ミスにより,日畜会報58巻11号の和文目次に, 下記のような印刷の誤りが生じました. おわびして訂正いたします. (誤)ha田守 (正)冨田守
  • 1987 年 58 巻 12 号 p. 1122b
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    印刷時におけるコンピューターの操作ミスにより,日畜会報58巻11号の和文目次に, 下記のような印刷の誤りが生じました. おわびして訂正いたします. (誤)めん羊の疇 (正)めん羊の膵
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