本実験は産卵鶏に対して排卵前24時間,または12時間にAminoglutethimide(AG)を投与し,その後のP
4,T,E
2の血中濃度と排卵に及ぼす影響を明らかにすることにより,一排卵周期中のP
4,T,E
2の排卵に関する役割を検討した,排卵前12時間に100mg AGを投与した結果,排卵は6/6羽で3-6時間遅延し,排卵前の血中P
4値の上昇もまた4-6時間遅延していた.同時間で200mg AG投与の場合,5/5羽で排卵は阻止され,P
4,T,E
2値の上昇は認められなかった.
一方,排卵前24時間に50mg AGを投与した時,5/12羽の排卵は2-5時間遅延し,3/12羽で排卵阻止が,4/12羽で正常排卵が認められた.同時間での100mg AG投与の8羽では,全例で排卵が阻止された.50mgか100mg AG投与によって遅延排卵した鶏と排卵しなかった鶏の計16羽に関し,E
2値はAG投与後に明らかに減少した,また,排卵しなかった鶏のP
4値は予想排卵前8-2時間の期間に全く増加しなかったが,遅延排卵した鶏の場合,P
4値は排卵の遅延時間と同程度遅れて増加した.これに対し,T値が排卵の有無や遅延に関連する結果は見出されなにった.
これらの結果から,排卵前24時間に投与したAGの排卵阻害効果は,排卵前12時間に投与したAGの約2倍に匹敵し,排卵に影響をうけた鶏のP
4とE
2値は明らかに減少したので,排卵前24-12時間でのP
4とE
2分泌は,排卵誘起のために重要な役割をもっことが示された.
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