日本畜産学会報
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60 巻, 2 号
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  • 寺島 福秋
    1989 年 60 巻 2 号 p. 105-114
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 横濱 道成, 渡邉 泰子, 小林 悦子, 庄武 孝義, 野澤 謙, 茂木 一重
    1989 年 60 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Es型においてHPAGE法ではF型よりも易動度が大きいが,IEF法ではI型よりも易動度が小さい新しい変異がペルシユロン種において認められ,これをD型と命名した.Tf型のD',F', H'およびXバンド並びにEs型のGおよびG'バンドは,IEF法を使用しないと明確に分類できなかった.また,IEF法ではTf型のH1バンドはH2バンドより易動度が大きいが,HPAGE法では逆に後者の方が早く移動した.最も易動度の小さいTf型のX型は1本の主要バンドのみで構成されていた.
    Tf型遺伝子のうち,TfD', TfF'およびTfH'は主にアジア地域の馬に認められたが,いずれも出現頻度の低い遺伝子であった.また,TfF2およびTfRは19馬種に認められた.TfF1は6馬種に認められ,軽種馬における頻度は27~30%で極めて高い値であった.このTfF1は,サラブレッド種に特徴的遺伝子と考えられた.北海道和種で初めて報告したTfXは,東南アジアおよびヨーロッパ系の馬には認められなかったが,野間馬には31%の頻度で出現した.Tf-はアングロアラブ種のみに出現し,53,038頭調査した結果,その頻度は0.016%であった.一方,Es型遺伝子のうち,新たに認められたEsDは,ペルシュロン種において4.9%の頻度であった.また,EsFおよびEsIは19馬種に認められた.不顕性遺伝子のEsOは,Tf-とは異なり12馬種に0.7~12%の頻度で認められた.
  • 常石 英作, 伊藤 盛徳, 滝本 勇治, 西村 宏一, 武田 尚人
    1989 年 60 巻 2 号 p. 121-126
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牛枝肉の脂質性状に対する去勢の影響と雄牛肥育における粗飼料多給の影響を検討した.実験1では,日本短角種牛を用い,3ヵ月齢去勢(C3),8ヵ月齢去勢(C8),および無去勢すなわち雄(B1)の各区4頭ずつ配置して比較を行なった.実験2では,濃厚飼料多給(BC)と粗飼料多給(BR)の各区2頭ずつ配置して,雄牛肥育における飼養方法の違いによる影響を検討した.なお濃厚飼料給与の去勢肥育牛5頭を対照区(CC)として比較に用いた.(1) 供試した筋肉および脂肪組織から抽出した総脂質における,トリアシルグリセロール画分の脂肪酸組成に関して,雄牛では去勢牛と比べて,C18:0の割合が高く,C16:0の割合が低い傾向を示した.不飽和脂肪酸の割合には区間差がみられなかった.また同じ雄牛の肥育においては,濃厚飼料多給区の方が粗飼料多給区と比べて不飽和脂肪酸割合がやや高い傾向を示した.(2) 筋肉におけるリン脂質画分の脂肪酸組成に関しては,去勢の影響が認められなかった.これに対し飼養条件の違いによる影響は認あられ,BC区はBR区と比べて,ω3系列の脂肪酸の割合が低く,ω6系列の脂肪酸の割合が高い傾向を示した.(3) アルデヒドについては,雄牛は去勢牛と比べて,C18:0の割合が高く,C16:0の割合の値が低い傾向となった.
  • 三秋 尚, 田中 重行, 川村 修, 田中 利治, 古谷 晴信, 大橋 登美男, 山内 清, 芳賀 聖一, 浜川 秀正, 片山 英美, 三角 ...
    1989 年 60 巻 2 号 p. 127-132
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    トウモロコシ(黄熟期)とソルガム(糊熟期)からサイレージを調製し,ホルスタイン種泌乳牛を用い,反転試験法により摂取量,乳量,乳組成について調べ,各サイレージの産乳性を比較すると共に,ルーメン内液と血液の性状について検討を加えた.この場合,サイレージは自由に採食させ,ヘイキュブを2kg/日,濃厚飼料を乳量の1/5量給与した.1) 両サ酸レージとも良好な発酵品質を示し,トウモロコシではソルガムよりTDN含量が高く,DCP含量は低かった.2) トウモロコシはソルガムに比べて採食性に擾れ,産乳性(実乳量およびFCM乳量)が有意に高かった.トウモロコシ区ではSNF率および乳蛋白率が有意に高かった.3) トウモロコシ区のルーメン内液アンモニア濃度および血清尿素濃度はソルガム区のそれより有意に低く,蛋白不足の状態に近かった.
  • 砂川 勝徳, 本郷 富士弥, 川島 由次, 多和田 真吉
    1989 年 60 巻 2 号 p. 133-140
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ミモシン量を減少させたサイレージ乾燥ギンネムが反芻家畜に対する飼料として従来報告されているギンネムの配合量を上回って給与できるか否かを明らかにするために,めん羊を実験動物として本飼料の飼料価値と安全性について検討した.動物9頭を3頭ずつ3群(A, H, S)に分け,A群にはアルファルファペレット1,200g,H群には天日乾燥ペレット800gおよびアルファルファペレット400g,S群にはサイレージ乾燥ペレット800gおよびアルファルファペレット400gを1日2回(9時,17時)に分けて等量ずつ10週間給与した.
    ギンネムペレットの一般成分値は,アルファルファペレットに比べて糧繊維および粗蛋白質含量が高く,粗脂肪含量はほぼ等しい値であった,一方,可溶無窒素物含量は,アルファルファペレットよりも低かった.粗脂肪の消化率は,天日乾燥およびサイレージ乾燥ペレットともにアルファルファペレットとほぼ等しい値を示した.また,粗繊維の消化率は,アルファルファペレットと天日乾燥ペレットはほぼ等しく,サイレージ乾燥ペレットは,アルファルファペレットに比べて低い値であったが有意差は認められなかった.粗蛋白質および可溶無窒素物の消化率は,天日乾燥およびサイレージ乾燥の両ペレットともにアルファルファペレットよりも低い値であった.これらの消化率を用いて算定した天日乾燥ペレットおよびサイレージ乾燥ペレットの可消化養分総量はアルファルファペレットより有意に低くなった.A, HおよびS群の供試めん羊は,試験期間を通して残食はみられず,給与飼料を1時間以内で全量採食した.しかし,増体量は,A, SおよびH群の順に高い値を示した.このことは,TDN摂取量に加えミモシン摂取量の相違に関係づけられた.血漿中チロキシン濃度およびトリヨードチロニン濃度は,H群およびS群ともにA群よりも低い値を示していた.一方,発毛は,H群およびS群ともに差が認められず,A群と同様に回復した,また,H群およびS群とも試験期間中における体毛の脱毛現象は全く観察されなかった.さらに,諸臓器の肉眼的所見においても異常は認められなかった.血漿中GOT活性およびGPT活性は,A群およびS群ともに10週間にわたり一定であったが,H群は漸増した.これは,肝臓,腎臓などの各種臓器の病理組織学的所見と一致していた.甲状腺組織は,A群およびS群に特に変化は認められなかったが,H群においては濾胞の顕著な萎縮と繊維化が認められた.なお,本実験におけるH群およびS群の血漿中T4濃度は,脱毛,食欲減退など肉眼的所見に病的症状が認められた放牧牛の値と比較して,いずれも高い値であった.
    以上のことから,反芻家畜にギンネムを給与する以前にギンネムのミモシン量を減少させることは,ギンネムの利用性を増大させる有効な方法であると考えられた.
  • 松永 孝光, 池内 義英, 鈴木 敦士, 斉藤 信
    1989 年 60 巻 2 号 p. 141-150
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉の熟成過程に起こる結合組織の変化を明らかにするための一つの方法として,筋肉内からロラーゲン分解能を持つ酵素の精製を試み,その酵素を使ってコラーゲン分解活性の性質を調べた.さらにコラーゲン分解性酵素の各種コラーゲンおよび筋肉構成タンパク質に対する分解力についても検討した.結果は次のとおりである.1) 家兎骨格筋からpH3.7による酸性抽出,硫安分画および各種クロマトグラフィーによってコラーゲン分解能を持つ酵素を部分精製した.2) 本酵素の至適pHは3.3と4.4付近の二点が認められた.3) 本酵素は不溶性コラーゲン(牛アキレス腱)および可溶性コラーゲン(子牛の皮膚)の両方に対して分解能を有していた.4) 各種コラーゲンとコラーゲン分解性酵素との相互作用を電気泳動法で調べた結果,本酵素はコラーゲンのβおよびα-サブユニットをいずれも分解するが,β-サブユニットの方をより激しく分解することが分かった.5) 電子顕微鏡による観察から,本酵素はコラーゲン線維の膨潤,小片化並びに開裂などを引き起こすことが明らかになった.6)筋肉構成タンパク質にコラーゲン分解性酵素を作用させたところ,ミオシンとコネクチンは速やかに分解されたが,アクチンとα-アクチニンはほとんど分解されなかった.一方,トロポニン-Tとトロポニン-Iは分解されたが,トロポニン-Cやトロポミオシンの分解は認められなかった.
  • 豊川 好司, 佐藤 幸信, 坪松 戒三
    1989 年 60 巻 2 号 p. 151-157
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    磨砕モミ殻の反芻胃内滞留と,その滞留が他飼料の摂食量を抑制する程度を知る基礎資料を得るために,去勢成雄メン羊6頭を用い1区3頭として本試験を行った.基礎飼料にフスマ7:糖蜜吸着飼料3の混合物400g/日を用い,オーチャードグラス2番乾草を自由摂食させた区を対照区とした.試験区は磨砕モミ殻を対照区乾物摂取量の5%,10%,15%,20%,および25%を基礎飼料に混合給与し同土乾草を自由摂食させた.1) 磨砕モミ殻の反芻胃内滞留時間は,磨砕モミ殻給与10%区までは乾草より約10%長い34時間前後であったが,磨砕モミ殻15%区以上では磨砕勘ミ殻が多くなるにしたがって滞留時間が長くなった.2) 磨砕モミ殻の全消化管内充満度推定値を乾草のそれと同等にするために,それぞれの容積当たり重量から密度を測定し,磨砕モミ殻の充満度推定値を乾草の充満度に換算し,その補正係数を算定した結果0.38倍となった.3) 補正係数に基づいた磨砕モミ殻区の摂取全飼料の全消化管内充満度推定値は108.1~110.9g/Wkg0.72で近似し,これらの平均値は109.2g/Wkg0.75であり,対照区109.3g/Wkg0.75とほとんど一致した.4) 磨砕モミ殻区の乾草摂取減少量は磨砕モミ殻摂取量とほとんど同じであった.5) 磨砕モミ殻の乾物消化率の平均値は21.1%であったが15.9%-24.6%と変動した.6) 磨砕モミ殻は反芻胃内滞留時間は長いが,全消化管内充満度推定値は乾草程度であった.7) 磨砕モミ殻の反芻胃内滞留時間からみた他飼料の摂食量を大きく抑制しない安全な給与量は全飼料の10%程度であった.
  • 左 久, 佐藤 行泰, 遠藤 信子, 日高 智, 岡田 光男
    1989 年 60 巻 2 号 p. 158-165
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉用牛の肥育期間中の血漿脂質成分濃度の推移を把握する目的で,9ヵ月齢および15ヵ月齢乳用種去勢牛(肥育前期牛4頭および肥育後期牛8頭)を濃厚飼料主体飼養で6ヵ月間肥育し,血漿脂質成分濃度を1ヵ月ごとに測定した.肥育前期牛の採血時に供試牛と同月齢または同体重の乳用育成牛について血漿脂質濃度の測定を行ない,肥育牛血漿脂質の比較の対照とした.血漿脂質構成は肥育前期牛,同後期牛および乳用育成牛いずれも脂質濃度が変化しても,総コレステロール(TCh)とリン脂質(PL)はそれぞれ44.1,45.9%となり,PL/TCh比はおよそ1.0であった.肥育前期牛の血漿PL濃度は15ヵ月齢まで加齢とともに上昇し(P<0.05),血漿遊離脂肪酸(NEFA)濃度は加齢により大きく変化しなかった.肥育前期牛の血漿トリグリセリド(TG)濃度は乳用育成牛のそれよりも低く(P<0,05),血漿TGのターンオーバー速度が速いものと思われた.肥育後期牛の血漿TCh濃度は21ヵ月齢まで加齢とともに低下し(P<0.01),血漿TG濃度は肥育前期牛と同様に肥育期間中著しい変化はなかった,肥育後期牛では,15ヵ月齢時導入直後の新しい給餌体制に馴れるまで飼料摂取量が不足し,血漿NEFA濃度は高い値を示した.肥育前期牛および肥育後期牛とも日増体量の大きい牛の方が血漿TCh濃度が高かった.以上の結果より,肥育前期牛および肥育後期牛の血漿TCh濃度の変動には代謝体重あたりのTDN摂取量の減少,体脂肪合成の増加および肝機能低下などが関与しているものと推測された.
  • 山内 清, 大橋 登美男, 芳賀 聖一, 門田 利作, 村田 寿, 那須 裕二
    1989 年 60 巻 2 号 p. 166-171
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は,肉豚139頭の枝肉(格付「上」75頭,「中」47頭,「並」17頭)を用いて,格付等級と脂肪(背脂肪外層•内層,筋間脂肪および腎臓周囲脂肪)および骨格筋(胸最長筋:以下ロース芯と略記する)の脂質性状との関係を,脂質,脂肪酸,α-トコフェロール(α-Toc)およびコレステロール(Chol)の含量を通して調べた.各種脂肪組織のリノール酸(18:2)量は「並」>「上」>「中」の順で,背脂肪内層および腎臓周囲脂肪では格付等級相互間に有意差が存在した.他方,パルミチン酸(16:0)量と飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸(SFA/USFA)比較の値は,「中」>「上」>「並」の順であった.さらに,「並」枝肉の背脂肪内層は脂質含量が低く,脂肪組織のしまりが劣っていることを示唆した.ロース芯の脂質含量は格付等級間の差異を示さなかったが,「中」は「上」および「並」枝肉に比較して16:0量とSFA/USFA比の値が有意に高く,18:2量が低かった.背脂肪の厚さと各種脂肪組織の18:2量との間並びにロース芯の脂質含量と18:2量との間には,有意な負の相関が存在した.α-Toc含量は,背脂肪内層およびロース芯において「並」>「上」>「中」であった.Chol含量は,背脂肪内層では「並」>「中」>「上」の順で「並」と「上」枝肉の間に有意差を示したが,ロース芯では格付等級間の差実がなかった.背脂肪内層では脂質含量とChol含量の間の有意な負の相関,まにロース芯では両者間の有意な正の相関が認められた.
  • 三橋 忠由, 三津本 充, 山下 良弘, 小沢 忍
    1989 年 60 巻 2 号 p. 172-177
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    黒毛和種去勢牛31頭(月齢19.3から29.1,体重545kgから656kg)を用いて,月齢,体重および12部位の体尺測定値と,屠殺解体後の赤肉,脂肪並びに骨の重量との関係および,それを求める推定式について検討した.赤肉量は胸囲と最も相関が高かった.胸囲,管囲,体長,腹囲を説明変数とした赤肉量の推定式の寄与率は76%であった.脂肪量は月齢と最も相関が高かった.月齢,体重,十字部高,管囲を用いた脂肪量の推定式の寄与率は78%であった.骨量は,体高あるいは管囲と相関が高かった.しかし,体高,管囲を用いた骨量の推定式の寄与率は,46%であった.得られた3つの推定式から,骨量と最も単相関の高い管囲が大きいことは,枝肉中の骨量増大だけを意味するのではなく,より大きな赤肉量の増大と脂肪量の減少を示すものであり,赤肉生産に関して優れていることを示すと考えられた.
  • 岡本 新, 大脇 美枝, 前田 芳實, 橋口 勉
    1989 年 60 巻 2 号 p. 178-184
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ニワトリ末梢リンパ球を用いて変異原性試験を行なう際の基礎情報を得る目的で,その細胞周期について分析を行なった.供試鶏には白色レグホン種を用いた.培養は,尺側皮静脈より採取した血液を分離した後,BrdUを含む培地で行なった.培養開始後24~72時間までの期間,経時的にコルセミドを加え細胞分裂の状態を調べた.
    培養開始後24時間では,中期細胞はほとんど観察されなかったが,分裂指数は徐々に増加の傾向を示し42時間後に11.25%に達した.その後44時間まで幾分減少したが,再び増加を始め,66時間で13.95%と培養期間中最も高い値を示した.66~72時間では分裂指数の低下が認められた.BrdU-Giemsa染色法により増殖動態を分析すると,24~36時間までは1回目の分裂中期細胞が大部分(100~80%)を占めていたが,42時間以降極端に減少し72時間ではほとんど観察されなくなった.2回目の分裂を示す細胞は30時間より出現しはじめ42時間でピーク(57.25%)に達した後,減少していった.3回目以上の分裂に移行した細胞は36時間以後に観察され,時間の経過とともに増加を続け,72時間では分裂中期細胞の86%を占めるに至った.
  • 原田 宏, 守屋 和幸, 福原 利一
    1989 年 60 巻 2 号 p. 185-191
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    黒毛和種直接検定牛を超音波スキャニングし,検定終了後の産肉形質の経時的変化を明らかにすると共に,産肉形質の早期推定の可能性にっいて検討した.直接検定牛75頭の第7-8肋骨間の皮下脂肪厚は,検定終了後80ヵ月齢まで,ほぼ13から18mmの範囲であり,試験期間を通じて変動は小さかった.胸最長筋横断面積と脂肪交雑の経時的変化にはLogistic曲線が当てはめられ,成熟値はそれぞれ50.6cm2および3.1,成熟月齢はいずれも約50ヵ月齢と推定された.また,胸最長筋横断面積では,約29ヵ月齢に,脂肪交雑では,約30ヵ月齢にそれぞれ成熟鎧の90%に達することが認められた.なお,脂肪交雑については,成熟パターンにかなり個体差がみられた.検定終了後約4ヵ月の超音波推定値及び体測定値を用いて,20あるいは40ヵ月齢の産肉形質を推定するための重回帰分析を行なった結果,それぞれの寄与率は,皮下脂肪厚で78.6,73.1%.また胸最長筋横断面積で90.1,81.1%となり高い正確度で推定できることが認められた.脂肪交雑では,20ヵ月齢の値を推定した時の寄与率は72.9%であったが,40ヵ月齢の値の推定では53.9%と若干低下した.
  • 寺脇 良悟, 上田 典生, 小野 斉
    1989 年 60 巻 2 号 p. 192-194
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 小林 泰男, 脇田 正彰, 星野 貞夫
    1989 年 60 巻 2 号 p. 195-198
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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